著者
大永 慶子 浅見 洋
雑誌
石川看護雑誌 = Ishikawa Journal of Nursing (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.83-97, 2018-03

精神科病院で最期を迎える精神疾患患者に対する看取りケアを精神科病院の特性をふまえて明らかにするために,現象学的な質的記述的研究を行った.精神科病院で看取られた患者の受け持ちであった看護師に対し,看取りの経験についてインタビューを行った.その結果看取りの特性として【家族関係の希薄さ】【精神症状の減少】【訴えの曖昧さ】【長期にわたる関わり】【孤立する家族】の5 テーマが導き出され,看取りケアとして【家族の代わりになる】【身体ケアに重点を移す】【身体症状を見極める】【人生の伴走者として関わる】【家族の立場に立つ】の5 テーマが導き出された.さらにこれらの特性とケアのテーマから看取りにおける本質として【家族の代わりに最善の決定をする】【身体の苦痛緩和と安楽を実現する】【曖昧な訴えの本質をつかむ】【人生の最後まで寄り添う】【孤立する家族の苦悩に寄り添う】が導き出された.
著者
平野 晋
出版者
中央大学国際情報学部
雑誌
国際情報学研究 (ISSN:2435855X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.131-152, 2021-03-25

R&D for artificial intelligence(“AI”)or usage thereof requires consideration on ethical, legal, and social implications (“ELSI”) because AI inherently contains dangerous characteristics such as uncontrollability, opacity, and unforeseeability. In this piece, the author tries to persuade readers to understand the necessity of ELSI through narratives and by focusing upon un-controllability of AI. He picks up some exemplary narratives from famous sci-fi films such as Robocop(Orion Pictures 1987)and 2001 Space Odyssey(MGM 1968). Also he shows some counter-measures against the un-controllability of AI.
著者
藤倉 恵一
出版者
日本図書館協会
雑誌
現代の図書館 = Libraries Today (ISSN:00166332)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.217-223, 2010-12-01
著者
中原 澪佳
出版者
新潟国際情報大学国際学部
雑誌
新潟国際情報大学 国際学部 紀要 = NUIS Journal of International Studies (ISSN:21895864)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-14, 2020-04-01

本論の目的は、パウロ・フレイレ(Paulo Freire)の目指した対話的な実践とはなにかを考察し、そのうえで、フレイレの思想をもとにしたワークショップの実践をおこない、その有効性を示すことである。はじめに、これまでの対話型の授業の課題とそれを乗りこえようとした多田孝志の理論と実践について明らかにする。つぎに、同様に真に対話的な教育を目指してきたパウロ・フレイレの思想から真に対話的な実践とはどのようなものなのかを読み解く。フレイレの思想のなかでも、とくに重要な一節である「世界を命名する1」ということばに着目し、フレイレの対話の概念を改めて明らかにする。最後に、フレイレの対話の考えをもとにした実践例を紹介し、その実践の意義を考察する。それをつうじて、フレイレの思想を現代の日本で実践化することにどのような意義があるのかを提示したい。
著者
山崎 岩男
雑誌
尚美学園大学芸術情報学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Informatics for Arts, Shobi University (ISSN:13471023)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.165-184, 2004-09-30

声楽発声に必要な人体諸器管の働きに関する知識と、さまざまな指導者により考案された声楽発声の方法、またそれを習得するためのトレーニング方法を比較検証し、演奏、指導の場での合理的な活用の形を模索し提言する。
著者
柴崎 大地 酒井 充 丸山 博
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.165-166, 2018-03-13

本稿では,音楽ゲームの譜面を自動生成する方法を提案する.音楽ゲームとは,リズムや音楽に合わせて画面に表示される指示に従って,プレイヤーがボタンを押したりすることで,得点を獲得するゲームである.音楽ゲームにはプレイヤーに指示するアクション等の情報(ノート)を記述した譜面が使用される.譜面を自動生成するプログラムはすでに開発されているが,生成された譜面に対するプレイヤーの評価は良いとは言えず,現状ではほとんど人間が作った譜面がプレイに使用されている.本研究では,人間が作った譜面と楽曲の波形をもとにニューラルネットワークの学習を行い,その結果を用いて譜面を生成する方法を提案し,有効性の検討を行う.
著者
山西 良典 松村 耕平
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.1-6, 2021-08-23

本稿では,ダンス動画をとりまくインタラクションに着目し,視聴時のダンス模倣が動画コンテンツへの注目に与える影響を検証した.ユーザ発信型エンタテインメントの一つである「踊ってみた動画」では,他ユーザがシードとなる教示者のダンスを模倣した動画を撮影して共有していくことでコンテンツが増殖していく.本稿では,「踊ってみた動画」の拡がりにおいて,動画コンテンツをどのように楽しむのか,というユーザの楽しみ方が動画コンテンツ自体の魅力に与える影響に着目した.動画中の被写体に合わせて踊りながら動画を視聴することで被写体自体への注目度が上がると仮説を立て,この仮説検証を行った.その結果,踊りながら動画を視聴した実験群と直立不動で動画を視聴した統制群では,被写体の情報については実験群が,背景の情報について統制群がそれぞれ高い精度で認識していることが確認された.また,動画中での情報の変化においては,実験群と統制群では背景の情報変化についての認識には精度の違いが見られなかった一方で,被写体の情報変化においては実験群の方が高い精度で認識していることが確認された.これらのことから,踊りながらダンス動画を視聴することでダンス教示者である被写体への注目が高まることが示唆された.
著者
岸本 有生 本多 佑希 漆原 宏丞 兼宗 進
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.159-163, 2021-08-21

高等学校の新学習指導要領では,目的に応じた適切なデータ収集や整理,整形について理解し技能を身につけるデータ活用の分野が注目されている.実現のために ICT の活用が期待されているが,その環境はあまり整備されていない.そこで本研究では,身近なスマートフォンの内蔵センサを利用したデータ分析の授業を提案する.実際に工学部の大学 2,3 年生に対して,オンデマンドの動画配信により授業を行った.さらに,高校生に対しても,同様の授業内容が適用できるかを対面授業にて調べた.
著者
周藤 祐汰 高木 正則 市川 尚
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.114-117, 2021-08-21

高等学校の次期学習指導要領で新設される科目「情報I」の研修用教材に対応した,ブラウザ上で動作するオンラインプログラミング環境の開発を行った.本環境では,WebAssembly 上で実装された Python コンパイラ,Pyodide を用いることにより実行結果がサーバを介さずに受け取ることができる.そのため,生徒全員が一斉に演習用サーバにアクセスするための十分なネットワーク帯域を確保できない場合でも,プログラミングの演習を実施できることが期待される.
著者
高野 志歩 田村 みゆ 富岡 真由 秋信 有花 倉光 君郎
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.147-151, 2021-08-21

大学入試センターが公表した大学入学共通テスト(情報)のサンプル問題において擬似コードが用いられたことから,擬似コードによるプログラミング教育は,今後高校生の間に広がる可能性がある.擬似コードは,自然言語による理解しやすさもあり,プログラミング教育に導入しやすいという利点がある一方で,実際に動くコードを書くことなくプログラミング学習を済ましてしまうケースが増える懸念もある.本稿では,自然言語によるプログラムの理解のしやすさを活かし,かつ段階的にプログラミングを覚えることのできる新しいプログラミング言語処理系 Samoyed を提案する.Samoyed の試作を通して,プログラミングに自然言語を取り込む際の多くの技術課題が明らかになった.本発表では,Samoyed の構想と試作開発の状況を報告したい.
著者
黒河内 椋平 新村 正明
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.30-35, 2021-08-21

情報技術系演習において演習システムを web アプリケーションで提供する場合,学習者がサーバにアクセスして作業を行うため,学習者の学習行動履歴の取得が容易である.これにより,それらのデータを活用したラーニングアナリティクスによって,講師や学習者に対して講義全体の進捗把握や学習者のつまずき検知などの支援を行うことができる.しかし,異なるツール間での学習行動履歴を用いてラーニングアナリティクスを行う場合,各々に DB の作成などといった学習行動履歴収集環境を構築するだけでなく,個々のツールから収集した学習行動履歴の整形が必要となる.本研究ではラーニングアナリティクスの導入を容易にするために学習行動履歴の収集を簡易化するプラットフォームの提案と評価を行った.
著者
櫻井 淳 小林 稔
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.22-29, 2021-08-21

近年,児童の投能力などの身体活動量の低下が問題視されている.この状況を鑑み,2020 年度より全面実施の小学校学習指導要領において,体育授業に投の運動に関する指導が新たに追加された.しかし,その指導方法は各教師に委ねられており,児童の動作改善にまで着目した指導は十分になされていない.そこで,本研究では,カメラを用いた投げ動作の分析支援システムを提案する.そして,小学校 2 年生を対象にジャベリックボールを活用した投の運動の授業を実践し,授業前後の投げ動作を分析する.これにより,投能力向上に影響を与える動作要因を明らかにし,児童に対する動作改善指導への活用可能性を検討する.
著者
越智 徹 館野 浩司
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.61-68, 2021-08-21

我々は,大学初年度情報リテラシー教育を担当している.2021 年度は前期授業開始直後は対面授業での実施となったが,関西地区での新型コロナウイルスの急拡大や緊急事態宣言の発出によって,4 月下旬からオンライン授業へと切り替わった.オンライン授業では,教室で実施される対面授業と比較すると,学習環境が学生によってさまざまに異なるという面があるが,一般に,自宅でオンライン授業を受講する際の,机や椅子といった什器を含めた総合的な環境についての推奨例など情報提供は行われていないようである.そのため,学生によってはオンライン授業独特の疲労が蓄積し,それによって学習の妨げになっているのではないかと考え,昨年度に引き続き学習環境や疲労についてアンケート調査を実施した.その結果,居室や PC 環境以上に,PC に対する不慣れからくる姿勢が疲労の原因となっているのではないかと推測された.