著者
今井 公太郎 遠藤 克彦 大井 鉄也
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
学術講演梗概集 (ISSN:18839363)
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.88-89, 2013-08-30

日本は経済成長期を経て、少子高齢化、省資源化が進んだ成熟社会に向かっている。これに呼応して都市は、スクラップ・アンド・ビルトの時代から、すでに築かれた大量の建物をどのように利用するかを考えねばならない時代に移行している。これからの時代の建築家は、古いモノを活かす文化を社会に根付かせ、<時間>をコンテクストとした建築設計の方法論を育てていく努力が必要である。本プロジェクトでは自然かつ新しい増改築の表現方法を試みている。増築を伴った改修の方法として、「古いものと新しいものの対比を際立たせ、古い部分を尊重しながら、新旧ふたつの空間をバランスさせる手法」が多くの事例でみられる。しかし、新しいものは、いずれ必ず古くなる。新旧の対比という方法には一時的な効果しか期待できない。そこで、本プロジェクトでは、最初から新しいものを古いもののようにつくり、すでにある古いものに馴染ませて空間の質をひとつにまとめる方法を試行している。
著者
杉山 周平 大竹 孝平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.305, pp.77-82, 2008-11-12
参考文献数
8
被引用文献数
1

ブロック拡散CDMA(BS/CDMA)通信方式は,マルチパス環境下においても原理的にマルチユーザ干渉(MUI)を生じない有効な方式である.しかし,MUIのかわりに自局データブロック内での干渉,すなわち符号間干渉が生じるため,それを抑圧するMMSE検出器が報告されている.本論文では,このMMSE検出法より性能の向上を目標に,BS/CDMA信号の検出にEMアルゴリズム(EMA)を導入するときの能率的な方法を提案している.具体的には,本来符号間干渉を受けた観測受信データに対し,EMAでの完全データとして,受信データの各シンボル成分が分解されて得られるものとする.これにより,Mステップでの更新処理がシンボル毎独立に行うことができ,計算処理が軽減できる.シミュレーションの結果から提案法が従来のMMSE検出法よりBER性能について優れていることを示している.
著者
増田 剛 坪井 秀行 古山 通久 遠藤 明 久保 百司 Del Carpio Carlos A. 宮本 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス
巻号頁・発行日
vol.105, no.318, pp.31-32, 2005-09-30

低エネルギーイオン注入法による極浅p^+/n接合面の形成は、半導体デバイス製造プロセスに欠かせないものとなっている。本研究では、低エネルギーイオン注入法による極浅p^+/n接合形成プロセスにおける原子ダイナミクスを解明するために、当研究室独自に開発した数千原子からなる大規模系の計算を可能とするハイブリッド量子分子動力学計算プログラムを用いて、プリアモルファス化したシリコン基板へのドーパント注入シミュレーションを行った。
著者
荻野 司 松田 和宏 須藤 一顕 針山 欣之 向阪 正彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DSM, [分散システム/インターネット運用技術] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.62, pp.7-12, 2000-07-10
参考文献数
8
被引用文献数
2

Webサーバの負荷を分散させるために、サーバクラスターを構成しアクセスを分散させる方法や、地理的、ネットワーク的に分散したミラーサーバを配置することが一般的に行われている。しかし、時々刻々変化するサーバ、ネットワーク状態に応じて、クライアントを最適なサーバに導くことは、種々の提案がなされているものの、決定的な解決方法が見いだされていない。本稿では、広域分散配置されたWebサーバ群において、動的に変化するサーバ、ネットワーク状態を計測する手段の提案を、また、その計測手段を用いて真に最適なサーバを検出する新たな方式の提案を、さらに、アクセスクライアントを検出した最適なサーバに導くための最適サーバ探索システムの提案をする。本方式では、経路情報(BGP:Border Gateway Protocol)のAS path(Autonomous System)をネットワークの論理的な距離計測手段判断子として用いる。また、各種サーバ、ネットワーク情報計測ツールを用いた結果と併せて、最適なWebサーバを決定するものである。本稿では、日米各々に実証実験用Webサーバサイトを構築、実際のインターネット上においてプロトタイプシステムをインプリメント、性能評価を実施した結果についても併せて報告する。
著者
鷲尾 悦也
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1124, pp.89-91, 2002-01-14

私は2001年10月で2期4年務めてきた連合会長を退任しました。振り返れば、サラリーマンとしての生活は、八幡製鉄(当時、現・新日本製鉄)に勤めていた7年間のみで、残りの32年間はずっと労働組合の活動に費やしてきました。1990年代、「失われた10年」と言われますが、そのあたりから労使ともに成長を目指すことができた時代とは違う環境になってきました。
著者
岩田 芳子
出版者
明治書院
雑誌
国語と国文学 (ISSN:03873110)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.17-31, 2017-03
著者
木庭 慧 竹内 啓恵 上原 巌
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.127, 2016

内閣府の調査(2011)によると、森林へ行く目的は「優れた風景、景観を楽しむ」との回答が最も多く、人がどのような森林景観を好むかを把握することは重要である。 そこで本研究では、森林において快適さを感じさせる要素のひとつであり、林相によって異なる色彩を切り口に、人がどのような色彩の森林を好むのか考察した。 調査は林相の異なる6プロットと、対照区(東京農業大学構内、和泉多摩川河川敷)において、写真撮影とアンケートを実施した。撮影した画像は代表色を抽出し、RGB値の三次元グラフ内での分布から色の豊かさを考察した。アンケート調査では、回答からプロット毎に全体の好感度と色の好感度を算出した。 その結果、林内では色の好感度と全体の好感度とで正の相関関係が認められたほか、対照区に比べ林内のプロットの方が、色の好感度が全体の好感度に影響を与えていた。 林相では、常緑樹林と対照的に落葉広葉樹林の好感度、色の豊かさが高く、より好まれることがわかった。一方の常緑樹林は、好感度と色の豊かさが共に低かったが、落葉広葉樹林を引き立てる重要な役割があり、両者のバランスが快適な林内景観を造る鍵になると示唆された。
著者
大島 明秀
出版者
熊本県立大学文学部
雑誌
文彩
巻号頁・発行日
no.10, pp.21-35, 2014-03

馬琴旧蔵の「鎖国論」に焦点を当て、その数奇な運命を辿った。結果、近世後期における志筑忠雄訳「鎖国論」の受容をめぐる興味深い事例となるとともに、当時の「写本」作成の実態を浮かび上がらせることにも繋がった。
著者
Yoshiko Wada Yuko Wada Satoko Ennyu Ken-ichi Shimokawa Fumiyoshi Ishii
出版者
バイオ&ソーシャル・サイエンス推進国際研究交流会
雑誌
Drug Discoveries & Therapeutics (ISSN:18817831)
巻号頁・発行日
pp.2016.01075, (Released:2017-02-08)
参考文献数
17
被引用文献数
4

This study was conducted in order to establish a health management method for the elderly in a community through follow-ups of bone mineral density (BMD) measurement results over a 1-year period based on BMD measurements performed by pharmacists and a guidance program. Regarding BMD measurement results, the percent young adult mean (%YAM: mean BMD in healthy persons of the same sex aged between 51 and 82 years old) significantly increased in Period I, during which the intervention by pharmacists was performed (6 months after the start of measurements), but significantly decreased in Period II, during which this intervention was not performed (between 7 and 12 months after the start of measurements). Based on these results, lifestyle improvements were effective in Period I regardless of sex or age; however, it may be important to maintain an improved diet and subject motivation in the future. The results of this study suggest that community pharmacists play an important role in community medicine through positive intervention for local residents' health support.
著者
大西 真晶 森野 博章 実藤 亨 井上 真杉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.380, pp.93-98, 2010-01-14
被引用文献数
11

現在のデジタルサイネージは地域性に応じた電子広告を街頭において提示するものが主流である。配信される広告の効果を客観的に計測することは効果的な広告配信を行う上で重要であるが,その効果測定手段は提供されていない.そこで本研究では,地域ネットワークを利用して配信広告を見た人々の持つ端末情報をリアルタイムに追跡し,広告による購買効果を広告主が分析可能なデジタルサイネージシステムを提案する.具体的には,携帯端末から嗜好情報と位置情報を地域ネットワークにより自動収集し,最初の広告配信時,店舗サーバ接続時,来店時のそれぞれについて実際の効果を統計的に把握する.本提案システムにより地域の小規模店舗でも地域環境やユーザ特性に応じた広告の効果的な配信が可能となり,地域産業創生と地域活性化への寄与が期待できる.
著者
曽根 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.240, pp.19-24, 2011-10-11
被引用文献数
1

東日本大震災は,インターネット基盤に依存する社会に対して災害時ディジタルディバイドを出現させ,長時間,広域にわたって情報流通を困難にした。早期に復旧できた地域では,知人の安否や被災・復旧状況を把握し,生活物資の供給情報を得られた。放送や新聞は広域な被災地の詳細情報を扱いにくく,ネット上の多様な情報から個別に検索できる効果は大きかった。その反面で,ディジタルディバイドによる生活の質の格差が現れた。平時からのディジタルディバイド解消が,災害時に生命・安全を保つ減災対策,あるいは復旧・復興の重要な鍵になる。筆者の体験に基づく大学と地域の情報通信基盤の被災の報告に併せて,この問題について述べる。
著者
揖場 和子 川崎 勲 山本 秀樹 魚井 孝悦 木下 迪男
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.365-368, 1999-05-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
7
被引用文献数
2 1

銅を含まない濃厚流動食を経鼻にて数年間投与され血清銅の著減を示した三症例のうち二症例が白血球減少を合併した. 銅を豊富に含む流動食に変更後, 血清銅は正常範囲に上昇し, 白血球数は正常化した. その結果, 白血球減少が銅の欠乏による可能性が高いと考えられた. 経口摂取不可の寝たきり症例はチューブによる強制的な栄養に依存する. 管理栄養下ではカロリーだけでなく, 銅をはじめとする微量元素の内容にも配慮することが重要である.