著者
井上 義和 岩井 洋 広沢 俊宗 イノウエ ヨシカズ イワイ ヒロシ ヒロサワ トシムネ Yoshikazu INOUE Hiroshi IWAI Toshimune HIROSAWA
雑誌
関西国際大学地域研究所叢書
巻号頁・発行日
vol.3, pp.49-54, 2006-03

日本のプロ野球の現状や制度に対するファンの態度は、どのような要因に規定されているのか。個別の態度表明の背後にある業績主義と娯楽主義および適正規模へのスリム化という3つの評価基準を抽出したうえで、それぞれを重視する要因として、性別・年齢・学歴・年収といった社会的な属性と応援する球団の所属リーグの効果を分析した。その結果、業績主義的な傾向は男性パリーグファンに、娯楽主義的な傾向は女性・若者・低学歴層・セリーグファンに、それぞれ認められた。適正規模をめぐる批判的な視点は、スリム化を肯定する傾向は高学歴層に、セーフティネットを要求する傾向は男性パリーグファンに、それぞれ認められた。
著者
中川 結果 上西園 武良
出版者
新潟国際情報大学経営情報学部
雑誌
新潟国際情報大学経営情報学部紀要 = Journal of Niigata University of International and Information Studies Faculty of Business and Informatics (ISSN:24342939)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.121-127, 2019-04-01

日常生活の中で歩行中にスリッパが脱げることは、煩わしく何らかの改良が必要である。この問題に対して、転倒リスクの軽減を図るなど脱離の発生そのものを研究したものはあったが、脱離の阻止に着目した研究は見当たらなかった。そこで本研究では、全てのユーザーが行うと考えられる脱離阻止の行動を強化する方法を用いてスリッパを改良することにより、脱離しにくくすることを目的としている。まず、脱離の種類と発生しやすい状況を明らかにする実験を行った。この結果、脱離の種類には初期残留、空中落下、飛び出しの3つがあること、および発生しやすい状況は滑りやすい靴下(ストッキング)着用時であったことを見出した。次に、阻止行動の特徴を抽出するために、2つの工夫(スリッパ上部を切り取り透明素材を装着した透明スリッパ、および上記の滑りやすい靴下)によって、スリッパ着用時における足指の動きを観察可能にした。この実験的な工夫により、スリッパ着用時の歩行の特徴は、スリッパへの足指の関節押付による摩擦増加と、地面とスリッパ底面角度を小さくするずれ落ち阻止の2タイプに分類できることを実験的に明らかにした。
著者
鳴門社会科教育学会
出版者
鳴門社会科教育学会
巻号頁・発行日
2021-03-31

2020年10月24日(土)­- 12月25日(金)にオンライン上で行われた第69回全国社会科教育学会・第37回鳴門社会科教育学会合同全国研究大会の要旨集録をまとめたもの
著者
小寺 正敏 須浪 徹治 伊藤 勝宏 Kodera Masatoshi Sunami Tetsuji Ito Katsuhiro
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構特別資料: 航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム2005論文集 = JAXA Special Publication: Proceedings of Aerospace Numerical Simulation Symposium 2005 (ISSN:1349113X)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-SP-05-017, pp.221-226, 2006-02-28

In this study, CFD has been applied to the prediction of the characteristics of two scramjet engines that will be tested at Mach 8 in JAXA's flight program for 2005. The engines each has the Hyper Mixer (HM) injector, which generates streamwise vortices to enhance supersonic mixing and combustion, or the Back Step injector (BS), which generates no streamwise vortices. CFD results showed good agreements with data obtained from preflight experiments in the High Enthalpy Shock Tunnel. Comparisons between the CFD results for the two engines showed that the mixing ability of the engine with HM (HM engine) was much better than that of the engine with BS (BS engine), because streamwise vortices promoted the spread of H2 distribution over the combustor flow path for HM engine, though the H2 distribution concentrated near the combustor bottom wall for BS engine. Therefore combustion occurred widely in the supersonic core flow for HM engine, while ignition occurred near the injector within the bottom wall boundary layer and combustion occurred locally along the edge of the H2 distribution for BS engine. The total pressure and heat losses were larger for HM engine than those for BS engine despite the larger amount of heat release. Thus the Thrust Potential (Tp) was superior for HM engine to that for BS engine, though Tp for HM engine decreased and approached to that for BS engine as going downstream of the combustor due to the losses dominating over the increment of heat release. This tendency was more remarkable when the nozzle with a fixed expansion ratio was applied to the engines. The changes of the free stream and wall temperatures proved to be sensitive for only the ignition point for HM engine. The change of the fuel equivalence ratio largely affected the ignition point and the heat release distribution for HM engine, while only the heat release distribution in the downstream of combustor for BS engine.
著者
細川 周平
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.451-467, 2007-05-21

ジャズはそれまでの音楽にはない急速で広範囲の伝播を特徴としている。その原型ができあがってまもない一九二〇年代に世界共通語になった背景には、三つの新しい再生技術―電気録音、ラジオ、サウンド同期映画(トーキー)―の力が大きい。
著者
大西 孝志
出版者
東北福祉大学教育・教職センター特別支援教育研究室
雑誌
東北福祉大学教育・教職センター特別支援教育研究年報 (ISSN:21850275)
巻号頁・発行日
no.13, pp.11-23, 2021-03-31

2020年(令和2年)は新型コロナウイルス感染症対策が求められ、全ての学校において教育活動が制限されることとなった。3 月2 日から春休みまでは政府から全ての小・中学校、高等学校及び特別支援学校への休校要請、さらに4月の緊急事態宣言発令後は休校が続き、その期間が幾度か延長され、子どもたちには自宅での学習や生活が求められることになった。また、学校が再開してからも、感染症対策を踏まえた新しい生活様式下での教育活動が行われている。 一方、教員等に対する研修も同様に、これまでとは異なった開催方法が求められることになった。初任者研修、経験者研修等の悉皆研修、教員免許更新制における免許状更新講習や免許法認定講習、そして専門性向上のための様々な研修会が従前のような対面方式では行うことができなくなった。そこで、急速に利用が進んだものが、受講者が同じ場に集まることなく研修することが可能なオンラインによる研修会である。 本稿では、今年度、筆者が行ったオンライン研修会の実践報告をするとともに、受講者からのアンケート等を踏まえた私見を述べたいと思う。
著者
内藤 正和 Masakazu Naito
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha University policy & management review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.121-136, 2019-08-01

現在、地方自治体におけるスポーツ施設整備政策をめぐっては賛否両論があり、その課題は、まちづくりに関する合意を形成する対話の場が欠落していることにある。まちづくりと整合性を持つスポーツ施設の整備には、住民との議論における情報提供を目的とした専門家による予備調査、目的に応じた参画や調査を可能とする複数組織による役割分担、多様な調査手法による多様なアクターからの意見集約が重要なポイントとなるのである。
著者
酒井 達哉 佐々木 顕彦 西本 望 伊藤 博章 Tatsuya SAKAI Akihiko SASAKI Nozomu NISHIMOTO Hiroaki ITO
雑誌
学校教育センター紀要 = Bulletin of School Education Center (ISSN:24353396)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.109-121, 2021-03-31

本研究では,女子大学を卒業した新卒3 年目までの正規採用の小学校教員を対象に,若手教員の意識や研修課題及び卒業生支援に対する要望を調べ,それらに対する方策について検討を行った。調査の結果,卒業生の若手教員の多くが教職にやりがいを感じながらも,採用前の予想を上回る学校現場の厳しい困難な現実に直面し,それぞれに研修課題を抱いている実状が明らかになった。例えば,研修課題においては,日々,適切な指導が求められる「教科等の指導」,「生徒指導」や新しい教育課題である「特別の教科 道徳」などのニーズが高いことなどが明らかになった。こうした結果を踏まえ,本研究報告は,在学中の早い段階から教職の魅力を伝えたり,実践的指導力の向上を意識した授業内容を設定したりすることなどの教職課程の改善や,卒業後もニーズに応じた研修を提供するなどの卒業生支援の拡充についての方策を提言している。
著者
天尾 久夫
出版者
作新学院大学
雑誌
作大論集 = Sakushin Gakuin University Bulletin (ISSN:21857415)
巻号頁・発行日
no.12, pp.85-103, 2021-02-15

本論の結論を要約して述べれば、中国の北京オリンピック誘致したときの経済効果は、中国GDPを押し下げる効果が確認できた。ブラジルのリオオリンピック誘致では、GDPへの効果は確認されなかったが、イギリスのロンドンオリンピック誘致では、GDPの押し上げる効果が統計的に有意な意味で確認された。 オリンピック誘致によって、消費や投資への影響では、中国では投資について統計的にやや弱い意味で有意な結論ではあったが、所得から投資への反応速度が高まるが、投資水準を押し下げる効果が確認された。ブラジルのリオオリンピック誘致では投資については、中国同様に所得から投資への反応速度が高まり、国全体の投資水準を押し下げる効果が統計的に有意な意味で確認された。ロンドンオリンピック誘致では消費と投資への波及効果は統計的意味から確認されなかった。
著者
重島 晃史 坂上 昇
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 = Journal of Kochi Rehabilitation Institute (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.39-46, 2006-03-31

傾斜計は土木建築分野で用いられる角度計であるが,測定面に傾斜計を乗せるだけで容易にその傾斜角度を測定できるので,ROM測定としての応用が考えられる.本研究の目的は,2種の傾斜計の同時的妥当性および再現性を検討することである.対象者は本学院の男子学生12名(平均19.75±0.75歳)で,本研究の主旨の理解と同意を得た.測定器具には,SAKAI社製東大型角度計(以下,角度計),(株)新潟精機製傾斜計(以下,傾斜計),および傾斜計に鉄製の棒を取り付けた傾斜計(以下,軸付き傾斜計)の3種を用いた.傾斜計は移動肢の体表に密着させ測定し,軸付き傾斜計は鉄製の棒を移動軸に合わせることで可動域を測定した.手順は,まず本学院理学療法学科2年生(以下,PTS)に角度計を使用させ,左右の股屈曲,SLR,膝窩角,足背屈を測定し,同様の手順で軸付き傾斜計,傾斜計の順で行った後,経験年数6年目の理学療法士(以下,RPT)においても同様の測定方法および測定部位で行った.再現性の検討には数日の間隔(平均4.5±4.58日)を置き,再度同様の被検者,手順で測定を行った.統計解析では両傾斜計の同時的妥当性をPearsonの相関係数,再現性をPearsonの相関係数および級内相関係数,各測定方法間の差を分散分析・多重比較にて検討した.傾斜計および軸付き傾斜計の同時的妥当性はPTS,RPTともに強い相関を示し,再現性はPTSで股屈曲を除き良好,RPTではすべての測定部位で強い再現性を示した.また,測定方法間ではRPTの軸付き傾斜計で差を示した(p<0.05).本研究において傾斜計はROM測定の器具としての可能性を示した.また,軸付き傾斜計では測定姿勢や器具の当て方を考慮する必要があると考えられた.傾斜計はホームセンターで購入できる安価な物であり,軽量で片手でも扱いやすいので臨床や地域でも有効であることが示唆された.