著者
梶野 洸 馬場 雪乃 鹿島 久嗣
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

クラウドソーシングでは写真のタグ付けや音声書き起こしなど様々なデータ処理の仕事が依頼できる。しかしワーカーに渡すデータに不特定多数に公開すべきでない情報が含まれる場合はプライバシの問題が生じるため、クラウドソーシングを用いるのは不適切となる。本発表では写真中の顔を隠す仕事を題材とし、この仕事におけるプライバシ定義を行うと共に、プライバシを保護しつつデータ処理を行う手法の提案及び実験的な評価を行う。

2 0 0 0 OA 職員録

出版者
印刷局
巻号頁・発行日
vol.明治19年(甲), 1912
著者
林 琢磨
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

子宮平滑筋腫(子宮筋腫)は、50歳以上の成人女性に罹患率70~80%で発症する良性腫瘍で、女性に発生する腫瘍で最も頻度の高い腫瘍のうちの一つである。従来はその大きさを基準に手術が行われてきたが、女性の晩婚化・高齢初産婦の増加などライフスタイルの変化により、40 歳代女性の妊孕性温存希望が強くなっている。故に、今日の子宮筋腫の治療方針ではこの社会的背景を考慮して、子宮を温存する方法が要求される。しかし、子宮筋腫に類似した悪性疾患である子宮肉腫がまれながら存在するため、多くの子宮筋腫患者の中で子宮温存の是非を決定する際、その除外診断が重要となる。残念ながら、現行の鑑別法は、手術摘出組織の外科病理診断であり客観性に欠けている。さらに、これまでに各国において臨床試験が行われているが、既存の抗癌剤では、子宮肉腫に対する顕著な延命効果が認められていない。そこで、子宮肉腫に対する新規治療法・診断法の確立に向け、子宮肉腫の生物学的特性を理解することが重要である。林らの研究グループは、蛋白分解酵素複合体プロテアソームの構成因子であるLMP2の欠損マウスにおいて、子宮肉腫が自然発症することを見出した(利根川 進 教授:米国マサチューセッツ工科大学の研究協力)。そこで、私達は、病理ファイルより選別された各種子宮間葉系腫瘍の生検組織でのLMP2の発現状況について免疫組織化学染色により検討し、特異的に子宮肉腫でLMP2の発現が著しく減弱することを報告した。提携の医療機関との連携の基、私達は、LMP2に着目したDNA MicroArrayの遺伝子プロファイリングを行い、子宮間葉系腫瘍の診断マーカーの候補分子の探索を行っている。本研究より、林らの研究グループは、カベオリン、LMP2、Cyclin Eなどの候補因子に対する子宮間葉系腫瘍の診断マーカーとしての可能性を検討した。
著者
佐々木 崇
出版者
京都大学哲学論叢刊行会
雑誌
哲学論叢 (ISSN:0914143X)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.55-67, 2002-09-01

2 0 0 0 OA 戦術学要綱

著者
国防研究会 編
出版者
聖紀書房
巻号頁・発行日
1943
著者
伊藤 智宏 伊藤 裕子 水谷 峰雄 藤城 克久 古市 幸生 小宮 孝志 樋廻 博重
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.339-344, 2002-05-15
被引用文献数
1 15

アズキ熱水抽出物(アズキ煮汁)の抗腫瘍活性及びその作用機構の一つであるアポトーシス誘導について検討を行った.<BR>アズキ熱水抽出物をDIAION HP-20で処理した後,蒸留水,40%エタノール,60%エタノール,80%エタノールと順に溶出溶媒を切り換え,各溶出画分を得た.これらの溶出画分を用いてヒト胃癌細胞(KATO III cells)の形態学的変化,増殖抑制作用及びアポトーシス誘導により生じるDNAフラグメントの検出を行った.その結果,40%エタノール溶出画分に小球状のアポトーシス小体が観察され,さらにアポトーシス誘導により生じるDNAの断片化を示した.<BR>また,40%エタノール溶出画分によるアポトーシス誘導についてDNA断片化の濃度及び培養時間依存性に関して検討した.その結果,アポトーシス誘導は濃度及び培養時間依存的であることが判明した.また,40%エタノール溶出画分によるヒト正常細胞に対する影響は観察されなかった.以上より,40%エタノール溶出物による抗腫瘍活性機構にはアポトーシス誘導が関与していることが示唆された.
著者
北川 竜平
出版者
東京大学大学院新領域創成科学研究科 基盤情報学専攻
巻号頁・発行日
2009-03-23

報告番号 : ;学位授与年月日 : 2009-3-23 ;学位の種別 : 修士 ;学位の種別 : 修士(科学);学位記番号 : 修創域第2822号 ; 研究科・専攻: 新領域創成科学研究科基盤情報学専攻
著者
桑野 裕文
出版者
九州情報大学
雑誌
九州情報大学研究論集 (ISSN:13492780)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.93-102, 2011-03
被引用文献数
1

大学では建学の精神・教育理念をもとに、ディプロマポリシ-(卒業認定・学位授与に関する方針)・カリキュラムポリシ-(教育課程の編成方針)・アドミッションポリシ-(入学者受け入れ方針)を内外に示し、PDCAサイクルの手法を用い教育を行っている。一方、文部科学省では、就職内定率の落ち込みが続くなか、大学生・大学院生の「就業力」の向上を目指し、今年度平成22年度(2010年度)より「就業力育成支援事業」をスタートさせた。この事業はキャリア教育に積極的な大学・短大を財政支援するもので、具体的には「職業について考える講座、企業へのインタ-ンシップと組み合わせた授業、学生への履修相談・助言への取り組み」などを想定している。各大学における就職指導・就職教育は従前より就職課を中心に行われ、最近ではキャリア教育(資格取得講座を含む)として全学体制で積極的に取り組んでいる。一部には大学がキャリア教育に力を入れることに対して「職業学校化する」・「大学は専門学校ではない」等々懸念する声がある。しかし、就職氷河期の現実を直視してかキャリア教育、とくに「初職に就くための就業力」の向上に積極的な大学が後を絶たない。そこで大学人の一員として、今回大学教育におけるキャリア教育について特に正課保健体育の役割について自問自答した。結果、キャリア教育に欠かせない「集団とコミュニケ-ション」は正課保健体育の目的であり方法であること、正課保健体育は、大学キャリア教育に欠かせないことを再認識した。
著者
Iwata Satoshi Kono Kenji
出版者
Information Processing Society of Japan
雑誌
IPSJ Online Transactions (ISSN:18826660)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-12, 2012

Performance anomalies in web applications are becoming a huge problem and the increasing complexity of modern web applications has made it much more difficult to identify their root causes. The first step toward hunting for root causes is to narrow down suspicious components that cause performance anomalies. However, even this is difficult when several performance anomalies simultaneously occur in a web application; we have to determine if their root causes are the same or not. We propose a novel method that helps us narrow down suspicious components called <i>performance anomaly clustering</i>, which clusters anomalies based on their root causes. If two anomalies are clustered together, they are affected by the same root cause. Otherwise, they are affected by different root causes. The key insight behind our method is that anomaly measurements that are negatively affected by the same root cause deviate similarly from standard measurements. We compute the similarity in deviations from the non-anomalous distribution of measurements, and cluster anomalies based on this similarity. The results from case studies, which were conducted using RUBiS, which is an auction prototype modeled after eBay.com, are encouraging. Our clustering method output clusters crucial in the search for root causes. Guided by the clustering results, we searched for components exclusively used by each cluster and successfully determined suspicious components, such as the Apache web server, Enterprise Beans, and methods in Enterprise Beans. The root causes we found were shortages in network connections, inadequate indices in the database, and incorrect issues with SQLs, and so on.
著者
寺崎 健 池口 徹 合原 一幸 田中 智
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.78, no.12, pp.1601-1617, 1995-12-25
被引用文献数
6

本論文では,従来主として確率的な不規則現象としてとらえられてきた経済時系列データに対して,決定論的非線形ダイナミカル特性に関する解析を行う.解析の対象としたのは,対ドル円の為替レートおよび日経平均株価である.これらのデータの決定論的非線形ダイナミカル特性を定量的かつ客観的に評価するため,相関積分を用いた相関次元解析,ヤコビ行列推定法によるリヤプノフスペクトラム解析および決定論的非線形(区分線形)予測による解析を行った.相関次元解析では,いずれの場合にも相関積分から求められる局所的な傾きが収束せず,少なくとも次元が1けた程度の低次元のアトラクタを形成していないことが示唆された.リヤプノフスペクトラム解析では,いずれの場合でも最大リヤプノフ指数が正となり,決定論的カオスの特徴の一つでもある軌道不安定性を示唆する結果が得られた.最後に,決定論的非線形予測の解析結杲では,その予測精度と予測時間との関係は典型的な低次元カオスとは定性的に異なる.以上の結果により,本論文で解析した経済データは,少数自由度の力学系によって記述される典型的な決定論的カオスではない可能性が高く,軌道不安定性をもつ,より複雜な対象であることが示唆される.
著者
日本集中治療医学会 ICU機能評価委員会 平成20年度厚生労働科学研究班
出版者
The Japanese Society of Intensive Care Medicine
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.283-294, 2011
被引用文献数
3

【目的】診断群分類(diagnosis procedure combination, DPC)に基づく包括評価下でのICU機能評価の方法を検討する基礎資料として,人員配置あるいは運営方針の違いが患者転帰に与える影響を明らかにする。【方法】厚生労働科学研究「包括払い方式が医療経済及び医療提供体制に及ぼす影響に関する研究」班(松田研究班)に日本集中治療医学会ICU機能評価委員会が協力し,2008年に実施したICU調査で収集した情報を分析した。重症度予後評価にはAcute Physiology and Chronic Health Evaluation(APACHE)II scoring systemを用いた。分割患者群間の比較には標準化死亡比(standardized mortality ratio, SMR)を用いた。また,分割患者群間の平均予測死亡率に差を認めない場合には,観察された死亡率を比較した。【結果】ICU病床数は,2~67床(中央値:8床,四分位範囲:6~12床)で,病院間に大きな差を認めた。専任・専従医が入退室を決定しているICUでは,在室日数が有意に短かった(3.53±3.35日vs. 4.07±5.47日,<I>P</I><0.001)。専任・専従医が平日の20時にICU内に「いる」ICUと「いない」ICUを,SMRで比較すると「いない」ICUが低く,観察した死亡率で比較すると,「いる」ICUで死亡の危険が有意に高かった(odds比:1.394,信頼区間:1.078~1.803, chi-squared: 6.16,<I>P</I>=0.013)。専任・専従医が人工呼吸器の設定と離脱の方針を決定しているICUの死亡率は,それ以外のICUと比較して低い傾向を認めた(odds比:0.849,信頼区間:0.596~1.209, chi-squared: 0.665, <I>P</I>=0.415)。臨床工学技士と認定看護師の配置は患者転帰に良い影響を及ぼす傾向を認めた。本学会認定専門医あるいは本学会認定施設が患者予後に与える影響は明らかにできなかった。【結論】専任・専従医の配置は,ICU在室日数を短縮する。専任・専従医が人工呼吸器の設定や離脱の方針を決定することは患者転帰を改善する。集中ケア認定看護師,臨床工学技士の配置は患者転帰を改善する傾向を示した。
著者
藤井 伸二 海老原 淳
出版者
日本植物分類学会
雑誌
分類 : bunrui : 日本植物分類学会誌 (ISSN:13466852)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.203-205, 2015-10-14

A specimen of Angelica dahurica (Umbelliferae) collected at Ono-gahara (Ehime Prefecture) in 1950 was found. This is the first record of the species from Shikoku Island but it was unclear whether native or cultivated.
著者
入江 識元
出版者
富山大学
雑誌
高岡短期大学紀要 (ISSN:09157387)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.59-69, 1996

作品の生産と金銭の浪費のなかでフィッツジェラルドが常に悩んでいたのは,外界の見せかけと自我の分裂の問題である。彼は,実人生では,消耗し崩壊する過程での分裂を繰り返しながら,作品では,自らを分節化しながら新たに生成してゆくという意味での分裂を描いた。この作品の冒頭にあるように,個と一般性の問題はこの作品の中心テーマであり,分裂の問題がこれに密接に関わってくる。彼は主人公アンソンを,一般的な金持ちの息子としてではなく,あくまでも個として提示した。この背景付け,人物をタイプ化することの不可能性があり,自我そのものの分公的性格がある。こうした性格に加え,家系という支配的歴史に由来する優越性を彼は獲得し,その反動でシニシズムを持つことになる。ポーラとの決別の原因の一つは,この優越性とシニシズムによるものであった。だが,重要なのはポーラの過ちだ。ポーラは写真(偽装された過去)や対話(偽装された現在)を通してアンソンをタイプ化しようとしたのだ。このように,個を問題にする際に重要なのは,家系や血縁といった権力装置の背後に隠れたアンソン自身の自我の分節化であって,その意味で作品冒頭の命題は生きてくるのだ。