著者
岩橋 純子 山岸 宏光 神谷 泉 佐藤 浩
出版者
The Japan Landslide Society
雑誌
日本地すべり学会誌 : 地すべり = Journal of the Japan Landslide Society : landslides (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-12, 2008-05-25
参考文献数
39
被引用文献数
7 8

2004年 (平成16年) 7月の新潟豪雨および10月の新潟県中越地震によって, 傾斜5度以上の丘陵地・山地に相当する中新世~更新世堆積岩類の斜面で起きた崩壊について, 25mグリッドのレベルで, 傾斜, 雨量, 最大加速度, 地質, 曲率, 地質構造, 斜面方位のGISデータを用いて判別分析を行った。判別分析によって, 各パラメータの崩壊に対する寄与を評価した。その結果, 傾斜は重要なファクターであるが, 豪雨による斜面崩壊では, 傾斜以上に日雨量の寄与が大きいこと, 西山階泥岩優勢タービダイト層と魚沼層では豪雨と地震に於ける崩れやすさが異なっていたこと, 曲率の寄与は豪雨で大きいこと, 地質と地質構造の寄与は地震で起きた大崩壊の場合大きいこと, 斜面方位の寄与には地域差があることなどが分かった。
著者
橋口 博樹 西村 拓一 張 建新 滝田 順子 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.12, pp.2479-2488, 2001-12-01
被引用文献数
23

本論文は, 鼻歌から抽出される音高の差(音程)の時系列を検索入力として, それに類似する区間を楽曲の音響分析パターン時系列中から見出す検索手法の提案を行う.提案手法(Model driven path Continuous Dynamic Programming)は, スポッティング検索可能な連続DPを拡張した手法であり, 参照モデルの時系列自体が, 連続DPで用いられる傾斜制限の型を直接定めていることに特徴がある.本論文では, ポピュラー音楽20曲について鼻歌検索実験を行い, 本提案手法の有効性を示す.
著者
小埜 栄一郎
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.232-237, 2015-05-25 (Released:2015-06-01)
参考文献数
26

植物は有機化合物の宝庫であり,人類は経験的にそれらの効能に基づいて食品(色素,香辛料,甘味料)や薬として利用してきた。今日では科学技術の進展により化合物の構造,生合成経路,および生理活性(機能性)の理解が進んでいる。植物由来の有用物質の多くは二次代謝物または特化代謝物(Secondary metabolitesまたはSpecialized metabolites)と称され,具体的にはタバコのニコチン,コーヒーのカフェイン,チャのカテキン,ゴマのセサミン,ウコンのクルクミンなど私たちの生活に関係が深いものが多い。これまで人類は様々な手法で植物を改良してきたが,新しい技術開発に伴って交配育種から,形質転換に寄る機能改変,ゲノム情報に基づくゲノミックセレクションへと大きく変容してきている。ここでは次世代シークエンサーによるゲノム時代の有用遺伝子の探索事例を紹介すると共に,先駆的な代謝工学による酵母に寄る植物二次代謝物の生産事例を紹介する。
著者
伊藤 智樹
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.52-68, 2010-06-30 (Released:2012-03-01)
参考文献数
23

本稿は,パーキンソン病のセルフヘルプ・グループへのナラティヴ・アプローチの試みである.パーキンソン病の生き難さは,ふたつの層に分けて理解できる.ひとつは,振るえやすくみ足といった身体的な症状が,しばしば病いをもつ人に相互行為上の無能力を自覚させ,「恥ずべきこと」と感じさせる生き難さである.もうひとつは,「回復の物語」(A. Frank)が自分には適合しないことを前提にせざるをえないにもかかわらず,それに代わって頼りにできる物語が容易には得られない生き難さである.薬物療法と外科療法は身体症状をある程度コントロールする手段として発達してきているが,それらに過度の望みをかけることには弊害もある.したがって,人々にとっては,それらの療法を頼みとしつつも,一方では冷静に距離をとるための,いわばよりどころとなる物語が必要となる.セルフヘルプ・グループでのフィールドワークから,そうした情況を生きるためのものとして「リハビリ」の物語と,病いを笑う語りとをピックアップできる.これらは,ふたつの層の生き難さに対して,それぞれの仕方で緩和するようにはたらき,病いを生きるための貴重な資源となる.しかし,それと同時に,これらの物語/語りは,それぞれ見逃せない弱みを抱え込んでいるため,それらが「語られるべきである」というように倫理性を込めることには慎重になる必要がある.
著者
松尾 憲一
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.11-20, 2010-03-10

This paper treats of the complex relationship between life (in Jpn., “inochi”) and I (“watashi”) by examining the thought of Paul Ricoeur, especially his early book, The Voluntary and the Involuntary. In this book, Ricoeur seems to regard life only as “resolved problem” (e.g., blood circulation). But he also thinks of it as “task to be resolved”. And, for life, the latter aspect is important. So, the life as Total (Transcendence), discussed in the last section, is not accepted directly because it sets us thinking that the problem of life is already resolved in the transcendental level.
著者
玉置 佑介
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.20, pp.84-95, 2007-07-31 (Released:2010-04-21)
参考文献数
25
被引用文献数
1

This paper analyses body consciousness on the part of swimming instructors regarding with respect to intellectual disabled persons. It focuses largely on two examples. In the first example, the intellectually disabled person has difficulty with utterance, and the second, fragmentary utterance is possible. Examination of these examples reveals that the body of the intellectually disabled person is the “place” that forms the social relationship with the swimming instructor. In conclusion, I point out the importance of considering the working of the micro-social order that results from the awareness of the instructors. Therefore, “the problem of the disabled” is the social reality that is constructed by the awareness of the able bodied person.
著者
伊藤 拓水 安藤 秀樹 半田 宏
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.819-824, 2011

およそ半世紀前に鎮静剤として開発されたサリドマイドは,1960年代始めに催奇性が発覚し,一度,市場からの撤退を余儀なくされた.しかし,ハンセン病や血液癌の一種である多発性骨髄腫といった難病に対して著しい効果を有することから再び脚光を浴び,現在は厳しい統制を受けながらも,その処方が認可されている.このようにサリドマイドは,半世紀以上の歴史を有するきわめてよく知られた薬剤であるが,その催奇性メカニズムは長い間不明であった.最近になり,磁性ナノ微粒子(半田ビーズ)を用いたアフィニティ精製により,サリドマイド催奇性における主要な標的因子であるセレブロン(cereblon,CRBN)が単離・同定され,その分子機構が解明された.
著者
坂本 穆彦
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.104-107, 2014 (Released:2014-08-07)
参考文献数
10

日本甲状腺学会は2013年8月に「甲状腺結節取扱い診療ガイドライン2013」を刊行し,その中で穿刺吸引細胞診分類を提起した。わが国ではすでに作成当時の国際標準に準拠した甲状腺細胞診判定基準が「甲状腺癌取扱い規約」第6版(2005年)に掲載されており,このたびの日本甲状腺学会のガイドライン刊行によって,わが国にはあたかも2つの細胞診判定基準が生じたかの様な状態となった。他方,「甲状腺癌取扱い規約」は近年改訂されることになっており,ここでは2008年に米国より示されたベセスダ・システムに基づいた変更が行われる。このことは,「規約」刊行母体の日本甲状腺外科学会ではすでに機関決定されている。この様な状況をふまえ,本稿ではベセスダ・システムの概容と意義について概説する。甲状腺細胞診の判定基準が国内に複数存在するという事態は是非とも回避されねばならない。
著者
石福 恒雄
出版者
舞踊学会
雑誌
舞踊學 (ISSN:09114017)
巻号頁・発行日
vol.1979, no.2, pp.23-28, 1979 (Released:2010-04-30)

2 0 0 0 OA 血の記録

著者
ジャック・ロンドン 著
出版者
朝香屋書店
巻号頁・発行日
1923
著者
木村 健 浅香 正博 勝山 努 川野 淳 斉藤 大三 佐藤 貴一 下山 孝 杉山 敏郎 高橋 信一 服部 隆則 藤岡 利生
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.96, no.2, pp.199-207, 1999-02-05
被引用文献数
17

第二次<I>Helicobacter pylori</I>治験検討委員会が改訂した治験ガイドラインの主な内容は,以下の通りである.<BR>I.除菌の利点と問題点: 利点は消化性潰瘍の再発抑制効果,そして低悪性度胃MALTリンパ腫の改善,かつそれらの医療経済効果である.問題点は薬剤耐性の獲得,および除菌後に新たに生じる疾患があり得ることである.<BR>II.除菌治験の適応疾患: 除菌治験を速やかに行うべき疾患は,現在のところ,胃・十二脂腸潰瘍と低悪性度胃MALTリンパ腫である.<BR>III.除菌薬: 酸分泌抑制薬+抗菌薬2剤の3剤併用療法をfirst-line therapyとする.<BR>IV.存在診断と除菌判定: 存在診断は培養,鏡検,ウレアーゼ試験にて行う.除菌判定は,培養と鏡検に加えて<SUP>13</SUP>C尿素呼気試験を必須とし,血清学的検査法とPCR法を削除する.除菌判定の時期は,治療終了後6~8週とする.

2 0 0 0 OA 鳥取県公報

出版者
鳥取県
巻号頁・発行日
2010-05-18
著者
松原 俊文
出版者
日本西洋古典学会
雑誌
西洋古典學研究 (ISSN:04479114)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.150-154, 2011-03-23