著者
松尾 弘徳
出版者
鹿児島国際大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、申請者がこれまでに行ってきた日本語史の研究成果を援用しつつ、「新方言」と呼ばれるものを対象として、九州地域の方言に生じている文法変化の一端を明らかにした。方言が文法変化を生じる際には一定の方向性が見られる。そこで、「方言調査からの実証研究」と「文法変化に関する理論的研究」とを結びつけ、とりたて詞を中心とした九州地方における新方言の文法研究に取り組み、言語変化の方向性に関する考察を行った。日本語文法史研究と方言文法研究の接点を見出せたのではないかと考えている。
著者
Hiroshi Ito
出版者
一般社団法人 インターナショナル・ハート・ジャーナル刊行会
雑誌
International Heart Journal (ISSN:13492365)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.185-189, 2014 (Released:2014-05-26)
参考文献数
41
被引用文献数
8 24 2

In patients with acute myocardial infarction (MI), coronary microvasculatures are often damaged irreversibly due to myocardial ischemia and reperfusion, and flow to the previously ischemic myocardium is markedly reduced, a phenomenon known as the “no-reflow phenomenon”. Percutaneous coronary intervention (PCI) may accelerate embolization of plaque gruels and microthrombi to the microvessels, which further reduces tissue perfusion. The extent of the no-refl ow zone correlates with infarct size, and it has additional prognostic information. Recent advances in imaging modalities have enabled us to diagnose the no-reflow phenomenon and to assess the mechanisms of the no-refl ow phenomenon. Pharmacological interventions and catheter-based devices to retrieve embolic materials have been proposed, and some of them are associated with improvement in clinical outcomes. Thus, we should keep in mind that only the achievement of complete microvascular perfusion is associated with better functional and clinical outcomes in patients with acute MI.
著者
福田 雅臣
出版者
日本歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は「食育」を歯科保健の立場,特に歯・口の機能という視点から,食育支援のための授業プログラムの作成と実践活動を小学校において,学校保健教育の中で行い,その効果として児童の行動変容を評価することを研究目的とするものである。調査対象は小学校3年生から6年生の男子1545名,女子1456名の計3001名である。健康教育の効果は生活習慣,食習慣の関するセルフチェックシートを用いて行った。その結果,生活習慣,口腔衛生習慣に関す項目で僅かではあるが改善傾向にあることがわかった。また,むし歯予防のための行動として,「歯磨きをする」,「よくかんで食べる」,「フッ素入り歯磨き粉を使う」との回答が多かった。
著者
宮ノ下 明大
出版者
都市有害生物管理学会
雑誌
家屋害虫 (ISSN:0912974X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.19-21, 2008-11-28
被引用文献数
1
著者
松田 勝敬 森 大毅 粕谷 英樹
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.477-487, 2000-07-01
参考文献数
25
被引用文献数
3

ささやき声の低次のフォルマント周波数が, 通常発声に比べてわずかに高いことが知られている。本論文ではこの現象について, 声門下部系の結合を考慮した声道の電気回路モデルをもとに音響的に説明することを試みる。モデルにおける, 3次元声道形状は磁器共鳴画像(MRI)から測定した。その結果, 声門上部構造のせばめと, 声道と声門下部系との結合が低い周波数のフォルマントを上昇させる主な原因であることが分かった。
著者
寺島 隆史
出版者
信濃史学会
雑誌
信濃 〔第3次〕 (ISSN:02886987)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.115-128, 2008-02
著者
岡野 雅子
出版者
群馬女子短期大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

今日、社会機構の分化は極めて進み金銭を媒介として必要なモノ・情報・サ-ビスなどを手に入れて我々の生活は運営されている。このような中で育つ子どもたちは、金銭について及びそれに代表される社会機構についての認識をどのように発達させていくのだろうか。それを明らかにして、消費者教育のための基礎的資料としたい。研究I・「お金」に対する感じ方・捉え方については、幼稚園年長児・小学2年生・小学5年生・中学2年生・高校2年生の計1105名を対象に質問紙調査(幼児には面接調査)を行った。その結果、『お金』や『お金持ち』の刺激語に対して「欲しい」「いいな」などの羨望を伴うプラスの情緒反応が多く、小学生及び郡部でその傾向が強い。中・高生になると、「けち」「欲張り」などのマイナスの情緒反応も示し始める。『お金で買えないもの』に対しては「いのち・人間」の回答も最も多く、中2で「友人」高2で「愛・こころ」も多い。幼児は具体的なモノの回答が多い。職業選択の理由は「もうかるから」はどの発達段階にも見られ差がないが、男子に多い。研究II・子どもの消費者意識については、小2・小5・中2・高2の計971名を対象に調査を行った。「お金を得るためには働くことが必要」「自分のやりたい仕事につきたい」「コマ-シャルで視たものを買う」「無駄使いをしてはいけない」「人が持っているものが気になる」は小学生ほど多い。研究III・学庭教育の関連については、幼児とその母親の102組及び小学3年生とその母親の122組を対象に調査を行った。概して子どもと母親の間にはかなりの認識のズレがあり、「お金は働いて得たものと話してくれる」「お母さんは『もったいない』と言う」では、母親はそうしていると思っていても子どもは必ずしも受信していないようである。それぞれの母ー子をペアにして回答の相関を見ると、ほとんど有意な相関は見い出せない。
著者
寺岡 隆 真弓 麻実子 中川 正宣 瀧川 哲夫
出版者
北海道大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1985

実験ゲーム研究における「因人のジレンマ」とよばれている心理学的事態は、いわゆる個人合理性と集団合理性に関する社会動機間の葛藤を示す典型的事態である。こ事態が何回も繰り返される場面では、この事態に参加するふたりのプレイヤーの選択は、しばしば最適解でない共貧状態に陥ってしまうことが多いが、この状態から共栄状態へ脱出するにはどうしたらよいかという問題がこの領域におけるひとつの主題になっている。本研究は、この主題を統制者が選択する反応系列によって相手側に協力反応を選択せざるを得ないようにする方略に関する視点と相手側に事態を規定している利得構造をいかに把握させるかという事態認知と情報統制とに関する視点に焦点をあてたものである。前者は「TITーFORーTAT」とよばれる方略,後者は申請者によって提起された「合成的分解型ゲーム」というパラダイムを基盤とする。本研究の目的は、これらのパラダイムが共栄状熊の実現に有効になり得るかということを実験的に検討することにある。本報告書は2部から成り、第1部はTIT-FOR-TAT方略に関する3系列の実験的研究,第2部は合成的分解型ゲームに関する2系列の実験的研究の成果を述べたものである。第1部における実験研究では、1)TIT-FOR-TAT方略には種々の型があり目的によって最適方略が異なること、2)利得和最大化のためには、可能ならば同時TIT-FOR-TAT方略が最適であること、3)利得差最大化にためには、当実験条件下では倍返しTIT-FOR-TATが最適であったこと、4)報復の遅延は効果を減ずること、などの結果が得られた。第2部における実験研究では、1)合成的分解型ゲームは理論的に標準的分解ゲームより効果があるにしても、そのままでは大きな効果を示さなかったこと、2)情報の統制効果は大で、相手に統制者の利得条件を示さない場合や相互の利得を示さない場合はとくに顕著であることなどの結果を得た。
著者
岩永 定 小坂 浩嗣 芝山 明義 柏木 智子 仲田 康一
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

子育て困難な家庭への支援ネットワーク構築の可能性を探るために,児童相談所職員と養護教諭を対象とした質問紙調査を実施した。また,家庭教育支援事業を展開している和歌山県湯浅町教育委員会の担当者に対してインタビュー調査を行った。その結果,児童相談所職員も養護教諭も相互の連携の必要性は感じているものの,現実には連携は不十分であること,連携を阻害する要因が複数存在することを意識した回答内容であった。それらの阻害要因を除去することができれば,連携は進展する可能性も示された。
著者
エスポジート ジャンルカ
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

母子間の結びつきは、ほ乳類の子どもにとって最も早くかつ重大な社会的関係である。今回のプロジェクトで、乳幼児が母親に運ばれる時に示す輸送反応を明らかにできた。6か月以下の乳幼児は、母親に運ばれている時に即座に大人しくなり、泣きやみ、心拍数の低下が顕著であった。マウスの子でも同様である。マウスの子に薬理学的、遺伝学的な阻害してTR反応が失われると母親が子供を救出するのを阻害する。これはTR反応がいかに機能的に重要かを指し示す。この研究によって初めて、TR反応は中枢、身体運動、心機能の総合的な調節を含み、これらはほ乳類の母子間相互関係において保存されていることが示された。
著者
清田 岳臣
出版者
札幌国際大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

上肢運動時の姿勢筋活動パターン及び下腿筋厚の発達的変化について検討した。被験者は、4-12歳の子ども総計176名からなる。被験者は、視覚刺激に反応して、上肢運動を行った。局所筋と姿勢筋から筋電図を記録し、姿勢筋活動開始潜時を算出した。腓腹筋・ヒラメ筋厚は、超音波スキャナーで計測した。検討の結果から、以下の知見を得た。(1)上肢運動時の姿勢制御において、体幹制御の発達が、大腿・下腿筋制御のそれに先行するが、児童期後半であっても、大腿・下腿筋制御は、まだ発達過程にある。(2)腓腹筋・ヒラメ筋の筋厚は、年齢に伴って増大し、特に、7-8歳群以降で腓腹筋の顕著な発達が認められる。
著者
加藤 司
出版者
東洋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、人事担当者、新入社員の事実上の上司、新入社員、早期離職者、大学生などを対象に、質問紙調査や面接調査を実施しました。その結果、新入社員は、叱責されたり、軽蔑されたり、人前で恥をかかされたりするような、経験率が非常に低いだけではなく、そのような経験をすると強いショックを受けることが分かりました。そのため、実際に社会に出た時(入社した時)、上司に何か指摘されると、そのショックから立ち直ることができなくなり、すぐに会社を辞めてしまうこともわかりました。加えて、そのような理由で早期離職する若者は、たとえ、再就職することができても、同じような理由で、再び会社を辞めてしまう可能性が高いことがわかりました。
著者
上別府 圭子 西川 亮 柳澤 隆昭
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

小児脳腫瘍経験者とその保護者138組を対象に、質問紙・医師調査票・認知機能検査による多施設共同横断的観察調査を行なった。特に18歳以上の小児脳腫瘍経験者のいる研究参加者の家庭は、社会経済的地位の高い家庭が多い傾向が見られ、経済的理由によるフォローアップロスの可能性が示唆された。91名(66%)が1つ以上の晩期合併症を有しており、35名(25%)が複数の晩期合併症を有していた。成人後も高頻度に受診を必要とする者が多かった。今後さらに、心理社会的・認知的側面の分析を行なう予定である。
著者
木村 光宏
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ソフトウェア開発の上流工程で得られる情報を,下流工程のテスト工程におけるソフトウェアの信頼性評価に盛り込むための統計手法の開発を行った.従来法の多変量解析モデルでは表現しきれなかった部分について,構造方程式モデル,GMDH,ニューラルネットワークの適用によってある程度克服できた.また,ソフトウェア開発支援ツールのSafeManに対して,ブートストラップ法による新しい評価法を盛り込むことができた.一方,コピュラに基づく新しいモデルの開発にも着手することができ,これは今後の進展が見込める.
著者
中込 照明
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.p146-147, 1983-04

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
西崎 真也
出版者
東京工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001

平成14年度においては、次のような事項について研究を推進した。《先進的な型推論アルゴリズムの調査・分析》近年提唱された先進的な型推論アルゴリズムについて、網羅的に調査をおこない、デバッグ作業の支援という観点から検討・分析に取り組んだ。とくに、コンカレント・プログラミングのための型推論や、セキュア・プログラミングのための型推論などを中心にすえた。《デバッグ作業を支援するための型推論の拡張》前項で調査した「先進的な型推論アルゴリズム」に対する検討を基にして、平成13年度の「デバッグ作業を支援するための型推論の開発」の成果の拡張に取り組んだ。《プロトタイプシステムの実装》平成13年度の「デバッグ作業を支援するための型推論の開発」で得られた理論的成果、および、前項により得られた成果について、プロトタイプシステムを実装することを通して、実際的な観点から、有用性について評価をおこない、従来の言語処理系における型推論との比較検討をおこなった。
著者
中川 知香 佐藤 智和 横矢 直和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.5, pp.93-100, 2006-01-20

カメラ付き携帯機器におけるユビキタスARの実現には,カメラの位置・姿勢情報の取得が必要である.また計算コストなどの点から入力データとして静止画像を用いることが望ましい.本稿では,特徴点追跡に基づく三次元復元によって得られる広域環境の自然特徴点ランドマークデータベースを用いることで,1枚の静止画像からカメラの位置・姿勢を推定する手法を提案する.提案手法では,まず入力画像内の特徴点と類似度が高いランドマークを1対多で対応付け,各ランドマークと同じ見え方で撮影できる領域に投票することにより入力画像が撮影された可能性が高いカメラ位置候補を特定し,誤対応を排除する.次に,カメラ位置候補に投票したランドマークと入力画像の特徴点の組を複数用いて,カメラの位置・姿勢を推定する.実験では,屋外環境のランドマークデータベースを構築し,データベースの撮影経路付近で撮影した画像を用いて提案手法の推定精度を評価した.Position and posture estimation for a camera embedded in a mobile device is very important for ralizing ubiquitous augmented reality. In this report, we propose a novel method for estimating camera position and posture from a still image based on feature landmark database. In the proposed method, firstly, candidates of corresponding points of feature landmarks are searched in an input image. Secondly, camera position from which candidate points are visible is roughly computed by a voting approach. Finally, camera position and posture is determined by using pairs of landmark and feature point voted for the roughly computed camera position. The validity of the proposed method has been shown through experiments for an outdoor environment.

2 0 0 0 岡山市史

著者
岡山市編
出版者
岡山市
巻号頁・発行日
1936