著者
上條 俊介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.608, pp.179-188, 2006-02-20
被引用文献数
2

事故および死者数削減・交通渋滞緩和においては,インフラおよび車載センサーによるセンシングに基づく路車間協調が今後ますます重要になる.画像処理技術は,環境変化へ頑健なシステムを構築することが困難であったことから,市場への導入が遅れていた.しかし,近年の画像処理技術自体の進歩,道路管理者等の運用者側において画像処理技術を使う上での理解が進んだことにより,市場への導入拡大が期待される.また,センシング技術は,交通事故や交通渋滞のメカニズムの解明へ向け,良質なデータを取得するための有効手段としても注目されている.本講演では,最近の画像処理技術の動向について紹介する.さらに,他のセンシング手段との融合によって事故削減・渋滞緩和へ向け,どのような最適解が有りうるかについて議論を行う.
著者
佐藤 敏昭
出版者
成文堂
巻号頁・発行日
2010-01

制度:新 ; 報告番号:乙2318号 ; 学位の種類:博士(法学) ; 授与年月日:2011/3/1 ; 早大学位記番号:新5665
著者
齋藤 優子 劉 庭秀
出版者
JAPAN MACRO-ENGINEERS SOCIETY
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.25-28, 2013

環境省は,2014年4月から小型家電リサイクル制度を本格施行する方針を打ち出している.本稿では,2011年8月から環境省社会実験対象となっている山形県酒田市において,筆者らが実施した小型家電排出状況実態調査の結果をまとめる.さらに,今後日本で導入される小型家電リサイクル制度の妥当性について考察する.
著者
長谷川 健治 秦 玲子 秦 玲子
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学留学生センター教育研究論集 (ISSN:13406493)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.191-216, 2007

This oral history focuses on the experiences of Togawa Yoshio as a student member of the JCP during its military interlude in Korean War period Japan. Although the effect of the Korean War as an economic boon has been well-emphasized, narratives of postwar Japanese history tend to treat activities by the JCP during this period as a minor footnote to the period. This is not surprising. Even specialized histories of those who conducted these activities-the JCP, zainichi Koreans, and the student movement-pass over this period as an unfortunate mistake. By introducing the experiences of Togawa Yoshio, this oral history seeks to contribute to the process of giving voice to this long-silenced history.
著者
石井 良幸 渡辺 昌彦 山本 聖一郎 千葉 洋平 石原 雅巳 奈良井 慎 寺本 龍生 北島 政樹
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.30, no.12, pp.2307-2311, 1997-12-01
参考文献数
10
被引用文献数
11

先天性 AT-III 欠乏症を伴う広範な静脈血栓症が誘因となり腸閉塞をきたし, 開腹手術および保存的治療によち軽快した症例を経験したので報告する. 症例は38歳の男性で, 平成7年1月2日に他院にて急性腹症の診断のもと開腹され, 特発性腸間膜静脈血栓症による腸膜壊死に対し空腸部分切除術が施行された. 退院後, 嘔吐が出現し, 近医にて腸閉塞と診断され保存的に治療されていたが軽快せず, さらに門脈血栓症が認められたため, 3月20日に当科に転院となった. 精査にて先天性 AT-III 欠乏症と診断, また小腸に強度の狭窄を認めたため保存的治療を行いつつ, 5月10日に腸閉塞解除術を施行したが血栓症の増悪なく, 7月30日に軽快退院した. 本症例は先天性 AT-III 欠乏症が基盤にあり, 腹部の広範な血栓症を伴っていたが, AT-III 製剤やヘパリン, ワーファリンの投与により術後血栓症を回避し救命しえた貴重な1例である.
著者
米長 悦也 渋谷 鉱 石橋 肇 谷津 三雄
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.294-300, 1988-08-25

遠山椿吉氏主管の東京顕微鏡院発行の雑誌「顕微鏡」第1号から第50号までの中から,東京歯科医学院を中心とした歯科に関する記載について摘録した.歯科に関する記載は,明治29年6月発行の雑誌「顕微鏡」第11号から明治35年3月発行の第46号までに認められた.特に,東京歯科医学院の院外生のための「歯科講義録」第1号は,明治33年3月25日に発行されたものであり,しかもその広告が5日後に発行された雑誌「顕微鏡」第33号,第34号合巻に掲載されたことから東京歯科医学院と東京顕微鏡院の両者間に互いに利益をもたらしたものと思われた.さらに雑誌「顕微鏡」第38号に掲載された東京顕微鏡院の講堂の写真と,第35号に掲載された東京歯科医学院の卒業式の記事とを合わせ考えると,東京歯科医学院の第1回の卒業式が,この写真の講堂で明治33年4月21日に行われたものと考えられ,顕微鏡雑誌局発行の雑誌「顕微鏡」は,東京歯科大学史上貴重な資料を提供する雑誌である.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1945年03月12日, 1945-03-12
著者
青木 輝夫 本山 秀明 竹内 望 的場 澄人 堀 雅裕 八久保 晶弘 山口 悟 田中 泰宙 岩田 幸良 杉浦 幸之助 兒玉 裕二 藤田 耕史 朽木 勝幸 庭野 匡思 保坂 征宏 橋本 明弘 谷川 朋範 田中 泰宙 植竹 淳 永塚 尚子 杉山 慎 本吉 弘岐 下田 星児 本谷 研
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

グリーンランド氷床上での現地観測から、涵養域ではアルベド低下に対するブラックカーボン(BC)等積雪不純物の寄与は小さく、積雪粒径増加効果の方が大きいことが分かった。また2012年7月の顕著な表面融解には下層雲からの長波放射が効いていた。消耗域では表面の不純物中に微生物が大量に含まれ、アルベド低下へ大きく寄与していた。衛星観測から2000年以降の氷床表面アルベドの低下原因を解析した結果、涵養域では積雪粒径の経年増加が主要因で、消耗域では裸氷域と微生物を含む暗色域の拡大が原因であった。内陸域で深さ223mの氷床コアを掘削し、その解析からBC濃度は1920-30年に現在の数倍程度高いことが分かった。
著者
吉田初三郎 著
出版者
観光社
巻号頁・発行日
1925
著者
田中 亘
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.29-38, 2004-07-01
被引用文献数
1

本研究では,林業体験活動の一つである京都府林業労働支援センター主催の「グリーンスカウト」事業参加者を対象に聴き取り調査,および就職までの追跡調査を行った。その結果から,彼ら林業就業希望者の属性および意識,林業へ参入できた者と参人できなかった者との差異について明らかにした。グリーンスカウト参加者の特徴として以下の点が挙げられる。(1)近畿圏の都市部出身で,20代前半は学生もしくはアルバイト,20代後半から30代は転職希望である。(2)自然(山)や環境への関心から林業への就業を希望し,その職場環境を評価する。(3)できれば都市からの便が良いところに就職したいとの意向を持ち,若干住居に不安を感じている。(4)年齢が上がるほど転職へのハードルの高さも自覚している。本事例における採用の決め手は,第一に地元の出身であるか否か,第二に意志の強さであった。事前体験制度は,就業希望者の思い描いていた林業と実際の林業とのミスマッチを埋める役割を果たしていた。しかし同時に,就業を果たせなかった多数にとってはそれが志望変更のきっかけとしても機能していた。
著者
松岡 廣繁 唐沢 與希
出版者
京都大学理学部中央図書室
巻号頁・発行日
2013-12

京都大学理学部中央図書室・京都大学総合博物館共催展示 ; 展示期間: 2013年12月11日(水)-2014年1月12日(日) ; 会場: 京都大学総合博物館
著者
藤田 早苗 平 博順 永田 昌明
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.223-250, 2013-06-14 (Released:2013-09-14)
参考文献数
26
被引用文献数
1

既存のテキストのみからなる辞書に対し,インターネット上にある膨大な画像を関連付けることができれば,文字列情報からだけでは得られない,視覚的な情報を利用できるようになり,用途が広がると期待できる.そのため,本稿では,辞書の出来る限り広い語義に対して画像を付与することを考える.作成・維持コストを考えれば,なるべく自動的に画像を付与することが望ましいが,大量の辞書エントリに対して,高い精度で画像を付与することは容易ではない.また,そもそもどういった語義には画像を付与できるのか,あるいはできないのかといった調査が大規模になされた例はなく,画像が付与できる語義を自動的に判別することも困難である.そこで本稿では,まず語義別に画像が付与された辞書を人手で構築することを第一の目標とする.その上で,画像が付与できる語義とできない語義について,品詞や意味クラスとの関連性に着目して分析する.具体的には,名詞,動詞,形容詞,形容動詞,副詞を含む 25,481 語,39,251 語義を対象に画像付与実験と分析を行ない,その結果,全語義の 94.0% は画像付与が可能であること,品詞や意味クラスに応じて画像付与の可否が変わることを示す.また,幅広い語義に適切な画像を付与するため,インターネットから画像検索によって画像を獲得する.検索時に重要となるのが検索語である.本稿の第二の目標は,語義毎に適切な画像を得るための検索語を調査することである.本稿では,複数の検索語の組合せ(以下,検索語セット)の中から最も適切な画像を得られる検索語セットを作業者に選択してもらい,適切な検索語セットがない場合には修正してもらう.こうして最終的に利用された検索語セットを分析し,提案手法の改良点を探る.さらに,検索語セットの優先順位の決定方法も提案,その妥当性を示すことを本稿の第三の目標とする.新しい辞書への適用等を考えると,人手による画像付与ができない場合でも,優先順位の高い検索語セットによる検索結果が利用できれば,有用だと考えられるからである.提案手法では,対象語義がメジャーな語義かどうかで優先順位を変化させる.実験では,2 種類の評価方法を通してその妥当性を示す.
著者
吉川 克正 浅原 正幸 松本 裕治
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.251-271, 2013-06-14 (Released:2013-09-14)
参考文献数
23
被引用文献数
4 6

本稿ではマルコフロジックを利用した日本語述語項構造解析について述べる.日本語述語項構造解析に関する従来研究の多くは,格毎に独立した解析器を用意し,他の述語項関係との依存関係を無視したまま解析を行っていた.これに対し,本研究では同一文内にある全ての述語項候補を同時に考慮して解析する手法を提案する.この手法は複数の述語項関係の間にある依存関係を考慮した上で,文内における全ての述語項関係の候補から,最適な状態を見つけ出すことができる.さらに,本研究では,述語の項として妥当でないものを削除するための新たな論理的制約を考案し,ゼロ照応も含めて正しい項を効果的に見つけ出すことができるように工夫した.NAIST テキストコーパスにおける実験で,本研究の提案手法は,大規模データを利用せずに,従来手法と同等の結果を達成した.