著者
長堀 哲 荒川 豊 田頭 茂明 福田 晃
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MBL, [モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会研究報告] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.1-8, 2011-05-26

携帯電話の普及に伴い,その利用マナーに関して敏感な社会になっている.例えば,電車に乗車中では携帯電話の電源を切ることが推奨されている.また,映画館や会議中はマナーモードにしておくべきである.一方で,家や歩行中,鞄の中に携帯電話がある場合は音を鳴らすモードにして携帯電話からの通知を聞き逃すことを防ぎたい.そこで,こうした端末の設定を自動的かつ適切に切り換える手法が求められている.本研究では,周囲の端末で協調を行うことにより,自動的なモード切り換え手法を提案する.提案システムでは,端末の位置情報から周囲の端末を認知してそれらの端末間でモード情報を共有し,マナーモードの割合から自身のモードを判定する.本論文では,この提案手法のシステム設計を行い,協調によるモード切り換えの簡単なプロトタイプを作成し,評価実験と考察を行った.
著者
井戸川 貴志 出口 博之 辻 幹男 繁沢 宏 高木 信雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.321-328, 2006-05-01
被引用文献数
17

単純なストリップ導体を二次元周期配列して構成されるオフセット給電のマイクロストリップリフレクトアレーにおいて,広帯域な特性の実現を目指して,長さの異なる線状素子を一方向に密に配列して構成し,その簡易設計法について述べている.本法の妥当性は,モーメント法をもとにした数値解析,及び試作した単層構造のマイクロストリップリフレクトアレーのX帯での放射パターンの測定評価によって検証している.
著者
安藤 寿康
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.170-179, 1996-12-20

発達心理学では, 家庭環境の影響を示すために, 親の与える家庭環境の指標と子どもの行動指標との相関を用いる。しかしそこには遺伝的影響が関与している可能性がある。本研究では秋田(1992)が行った「子どもの読書行動に及ぼす家庭環境の影響に関する研究」に対して, 行動遺伝学的視点から批判的追試を行った。小学6年生の30組の一卵性双生児ならびに20組の二卵性双生児が, その親とともに読書に関連する家庭環境に関する質問紙に回答した。子どもはさらに読書行動に対する関与度についても評定が求められた。親の認知する家庭環境の諸側面は子の認知するそれと中程度の相関を示した。図書館・本屋に連れて行ったり読み聞かせをするなど, 親が直接に子どもに与える環境を子が認知する仕方には, 遺伝的影響がみられた。また子どもの読書量についても遺伝的影響が示唆された。だが子どもの読書に対する好意度には, 遺伝的影響ではなく, 親の認知する蔵書量が影響を及ぼしていた。
出版者
石巻日日新聞社
巻号頁・発行日
vol.平成23年3月16日, 2011-03-16
著者
荻 昌朗
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.18, no.11, pp.335-341, 1968-11-15

新聞切り抜き資料は,社会現象に関する情報の蓄積として簡便な資料ながら結構重要視されている。この論文は,新聞切り抜き資料組織化上の諸問題のうち i 検索効率をあげるために,関連語を主体とした相関索引表を作らなげればならない点 ii 除籍の基準を設けるにあたって考慮しなければならない事項 iii マイクロフィルムの形体,検索の手段,マイクロフィルム化する時期を中心に,報道資料の観点から見解を述べている。
著者
宮崎 芳三
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究会
雑誌
Shoin literary review (ISSN:02886154)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.79-93, 1998-03-20 (Released:2013-11-14)
著者
近江屋 一朗 中村 攻 齋藤 雪彦 鳥井 幸恵 田中 史郎
出版者
千葉大学
雑誌
食と緑の科学 : HortResearch (ISSN:18808824)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.59-69, 2008-03

本研究は子どもの遊び環境の一つとして,現在その遊び環境としての機能が低下していると考えられる,下校路の将来あるべき像を描くためのものである.そのために50代以上,30代・40代,20代以下の回答者それぞれの下校行動の特徴を(1)下校ルート(2)下校時の行動と環境(3)下校ルートにおける仲間の有無から明らかにした.その結果,直帰型,Uターン型,選択型,複合型の5つに分けられた下校パターンは世代によって割合が変化しており,若い世代では下校ルートを能動的に使い分けない直帰型やUターン型の帰り方が多くなっていた.また,下校パターンと下校時の行動にも関係性が見られ,複数の道を使う帰り方で下校時の行動は活発であった.40代以下から増え始めた遠回り型や複合型は遊びや友達を得るために子どもたちが遠いルートでも利用しているということを示していると考えられた.これらより,今後の下校路には遊び環境の充実と共に幅広い道の選択を許容することの重要性が示された.
著者
吉澤 勇気 坂本 雄児
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.105, no.609, pp.121-126, 2006-02-14

似顔絵は個人の顔の特徴を端的に表現したものである。よって似顔絵から作成されたアバタは人それぞれ唯一のものとなり他と判別しやすく、また自分の分身のようなものなので愛着がもてる。そして、似顔絵を漫画的にすることにより感情の誇張表現や漫画符号を違和感無く使用できるので、多様な感情表現がアバタを用いたコミュニケーション上で可能となる。似顔絵において髪型は個人の特徴をよく表したものであるが、個人差が大きく形が様々であるため表現が難しい。そこで本研究では、漫画では髪の毛が領域の組み合わせであることが多いことに着目し、領域分割を利用した似顔絵に適した髪型の表現と髪型特徴の強調を行い、その結果について考察した。
著者
長弘 千恵 趙 留香 馬場 みちえ 児玉 尚子 尾坂 良子 吉永 一彦 畝 博
出版者
九州大学
雑誌
九州大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:02862484)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.27-38, 2001-03
被引用文献数
1

1972年にBreslowらによりライフスタイルが身体杓および精神的健康に影響を与えるという研究が報告された。それ以降,わが国においては生活習慣と健康に関する研究が増加してきた。大学生を対象にした生活習慣と健康状態に関する調査では,望ましい生活習慣をもつ学生は健康状態がよく,欠席日数も少ないと報告されているが,韓国においては最近のこの種の調査は少ない。予防医学的な見地から20代の年齢層が盲点的存在であるされ,青年期の生活習慣に対する教育のあり方が問われている。また,看護職の保健行動が患者の保健行動に強く影響するという報告もあり,将来看護職となる学生の生活習慣に関する調査は重要であり,種々の報告がなされているが健康状態との関連を報告するものは少ない。今回,生活習慣と主観的健康度との関連を検討する目的で,日本と韓国の看護大学の学生を対象にOkayama Medical Index (OMI)健康調査表を用いて留め置き調査を行った。回収率は日本71.1%,韓国61.5%であった。内的整合性に基づく信頼係数Cronbachのα係数は0.98〜0.71の範囲にあり,回答用紙の信頼性は高いと考え,解析を行った。対象者の平均年齢は日本20.41歳,韓国22.69歳と韓国が高く,年齢による交絡因子を避けるため年齢を調整した。睡眠時間,喫煙については韓国が日本よりも望ましい生活習慣の学生が多かった。飲酒,朝食,間食については日本の学生が韓国より望ましい生活習慣の学生が多く,運動習慣については差はみられなっかた。主観的健康状態については全身症状15項目のうち10項目ですべて韓国が訴えが多く,各器官症状64項目について33項目すべて韓国の学生が日本より訴えが多かった。精神気質については差異は認められなかった。
著者
中城 基雄 英保 武志 久保 茂正 長瀬 千秋
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.45-53, 2001-07-20
被引用文献数
2 2

中医学の四診の中で,脈診と並び重要な診察法として舌診が上げられる。一般に臨床的に舌色を記録する際,従来の様な銀鉛カメラによる写真は,客観性を有する手法の確立が難しく,また,長期的な記録の保存性にも問題があった。そこで筆者らは,デジタルカメラを用いて,画像補正用カラーチャートとコンピュータを併用した,新しい画像補正の手法を考案し,舌診の客観化を試みた。その結果,補正後の出力画像は,本来の舌の大きさを再現したばかりでなく,実際の舌から側色した表色系の値とも近似させることが可能となり,舌診の客観的評価に有用な手法であることが示唆された。