著者
井上 圭二
出版者
久留米大学文学部
雑誌
久留米大学文学部紀要 情報社会学科編 (ISSN:13481010)
巻号頁・発行日
no.3, pp.25-50, 2007-03

社会調査は大学において学生に社会的な問題を解決する能力を習得させるために最も有効な教育方法である.しかし現在のところ,わが国の大学の社会調査教育においては,学部学生のための社会調査教育訓練モデルは未だ開発されていない.そのため,学部生に対する社会調査訓練は担当教員の裁量に委ねられて進められているのが実情である.現在の緊急の課題は,学部学生のための社会調査教育の訓練モデルを開発することである.本稿は,社会調査の初心者の学生のための社会調査教育訓練プログラム開発に向けての共同研究報告の一つである.本稿では,社会調査のうち,調査票調査の実験授業の過程で直面した制約や困難について触れ,それらを克服するためにどのような工夫・対応を試みたのか,について述べている.また,調査実習過程で直面する問題に対して,学生たちが自ら問題を把撞・解決しながら調査能力を獲得する様子についても触れている.そして,実験授業の結果から,学部学生の社会調査教育訓練プログラム開発にあたっての課題を7つ提示した.
著者
大田原 俊輔 石田 喬士 岡 鎮次 山麿 康子 井上 英雄
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.270-280, 1976-07-01 (Released:2011-05-24)
参考文献数
38

脳波上suppression-burstを示し, 乳児期早期 (生後3ヵ月以内) 発症, 頻回のtonic spasms, 著しい難治性と重篤な予後を特徴とする8症例につき臨床的脳波学的に検討した結果をのべこれをthe early-infantile epileptic encephalopathy with suppression-burstと名づけ, 一臨床単位として提示した。これは年齢依存性てんかん性脳症の最幼弱型と見做される.1) 症例は男児5例, 女児3例の計8例であるが, 内6例は生後1ヵ月以内に発症していた.2) 発作型は短いtonic spasmsで, シリーズ形成をするもの, しからざるもの共にみとめられ, 覚醒時, 睡眠時を問わず出現した.3) 基礎疾患ではAicardi症候群1例, 孔脳症2例, 亜急性広汎性脳症1例を含み多彩であった.4) 脳波では全例, 覚醒, 睡眠時を問わず, 顕著なsuppression-burstをみとめるのが特徴であり, 発作時にはdesynchronizationを示した.5) 追跡的研究でsuppression-burstは生後3ヵ月以後不明瞭となり次第に消退する.経過中5例においてhypsarhythmiaを発現し, その中4例ではWest症候群への変容がみとめられた.6) 3年におよぶ追跡調査では, 極めて難治で, 4例は早期に死亡し, 残り4例は重症心身障害児であった.7) Burst-burst間隔を計測し, 正常新生児にみられるtracé alternantのそれと比較することによって本症候群の病態生理を推測した.
著者
山子 茂 中村 泰之
出版者
日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協會誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.135-140, 2009-03
被引用文献数
5
著者
佐藤 翔
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.51-56, 2013-02-01
参考文献数
32

電子ジャーナル等の電子リソースの普及に伴い,そのアクセスログに基づいた研究が増えている。本文へのアクセス状況を包括的に示すアクセスログの分析は利用者行動を知る際に役立つものであるが,その目的や意図はログからはわからないため,その他の手法と組み合わせることが有益である。また,引用データとは異なる傾向を示すものとしてビブリオメトリクスの中でも注目されているが,研究評価に用いるには水増しが容易である等の問題もある。日本においては,海外で行なわれているような電子ジャーナルの大規模ログ分析が未だ行なわれていないことが課題である。
著者
中村 裕一
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.57-62, 2013-02-01
参考文献数
16

映像には多くの情報を記録することができ,ライフログのデータとして優れている反面,閲覧に時間がかかり,一覧性も悪いなどの欠点もある。そのため,メディア技術を用いて,ライフログ映像の加工を行うことが必須となる。本稿では,記憶補助から集団活動の解析や補助まで,様々な目的に対して,種々の画像・映像処理を行って,ライフログ映像の活用を支援する手法について紹介する。
著者
菊池 亮 高橋 克巳
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.69-73, 2013-02-01
参考文献数
4

健全なログ情報活用のためには,プライバシー上のリスクに対する正しい理解の上で,最善な技術的措置を講じることが重要である。本稿ではログ情報の活用のために必要と考えられるプライバシー保護の技術的手段に関して考察を行う。本稿ではログ活用のプロセスをログ情報の提供者,処理者,活用者の3主体に分類し,その主体間でそれぞれ,入力プライバシー,処理プライバシー,出力プライバシーを定義する。次にその上でのリスクを定義し,リスクの要因となる処理形式や背景知識について整理し,対策となる技術を紹介する。
著者
金沢 幾子
出版者
経済資料協議会
雑誌
経済資料研究 (ISSN:03853586)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.19-39, 1997-05-20
著者
加藤 陽子
出版者
十文字学園女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では,学生生活への不適応を抑止する要因を「登校行動持続要因の解明」という新しい発想を用いて分析・検討し,不適応への予防的アプローチを探ることを目的とした。分析の結果,次のことが明らかとなった。(1)大学生の登校行動持続要因は,周囲との関係への配慮,自己の可能性への期待,社会,金銭に関する理由が多い,(2)積極的対消極的理由と情緒的対道具的理由の2軸がある,(3)大半の学生は登校行動持続要因を複数保有している,(4) 複数保有する登校行動持続要因のうち重要だと位置づける要因が1つでもある学生は,講義に出席しやすいものの,それは登校行動の促進や登校忌避感情の抑制には影響しない,(5)登校行動持続要因を多く保有することは,登校への意味づけを相乗的に強め,登校行動を持続させやすい。
著者
メイサー R. J. ダリル Macer R.J. Darryl
出版者
大阪大学大学院文学研究科臨床哲学研究室
雑誌
臨床哲学のメチエ
巻号頁・発行日
vol.19, pp.1-129, 2012-07-20

二十一世紀中川号
著者
松本 幸一
出版者
九州国際大学
雑誌
教養研究 (ISSN:13410504)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.59-76, 2012-07
著者
上田 裕市 富田 翔 坂田 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.249, pp.31-36, 2009-10-15
参考文献数
15
被引用文献数
3

音声可視化手法として,音声画像表現に基づくリアルタイムシステムを構築し,聴覚障害児の発声訓練における機能評価を行っている.母音フォルマント周波数のRGB変換による色彩パタン表現は,本可視化手法における主要機能であり,連続的な調音運動により生成される母音音声の音韻性(音色)を色の違いとしてリアルタイムに視知覚することができる.本報告では,多数の男女声母音の音韻正規化に関して,フォルマント空間に対するRGB空間の優位性を示すと共に,色彩表示ベースの母音構音訓練において,発声の目標となる視覚的音韻規準(色相環)の作成について報告する.
著者
古松 崇志
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2008-01-23

新制・論文博士
著者
常木 和日子
出版者
島根大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1985

本年度は魚類特有の脳室周囲器官である血管嚢の系統発生を調べた. 魚類のうちでも特に種数が多く多様化の著るしい真骨魚を主な対象とし, これらの脳の連続切片を作成した. 固定した真骨魚はアナワナ目からフグ目にいたる約2百種である. まだすべての種で組織標本の作成を完了したわけではないが, ほぼ全体像が明らかになった.真骨魚中, 最も原始的とされる淡水性のアロワナ目では, ほとんどの種で血管嚢が欠如または退化していた. ウナギ目, ニシン目, サケ目では調べたほとんどの種で血管嚢はよく発達していた. コイ目, カラシン目, ナマズ目, ジムノトス目の骨鰾類4目では, 血管嚢は全くないものからよく発達しているものまで様々であった. しかし, 概して発達の悪いものが多かった. 一方, サヨリ, サンマなどを含むキプリノドン目およびトウゴロウイワシ目では, 血管嚢は調べたすべての種で欠如していた. このグループは淡水魚, 汽水魚および二次的に外洋表層に進出した仲間を含んでいる. 棘魚類ではフサカサゴ目, スズキ目, カレイ目, フグ目などほとんどのグループで血管嚢はよく発達していた. ただし淡水魚, 汽水魚を含むハゼ科, グラミィ科の一部で血管嚢の退化傾向がみられた.以上の結果から, 真骨魚では血管嚢は淡水生活に伴って退化消失の傾向を示す器官であることがうかがわれる. しかし, 血管嚢は組織学的には浸透圧調節に関係した器官とは考えにくい. 古く, 血管嚢は水圧の感受に関係した器官と考えられたことがあったが, 淡水域は海に比べて浅いこと, また一部の外洋表層遊泳魚で血管嚢がないことなどを考え合わせ, この説の妥当性をさらに検討することが必要と思われる. 以上, 血管嚢の存否を適応の観点から考察したが, 適応は進化の一面であり, ここに真骨魚の系統発生史の一端をうかがうことができる.
著者
竹内 和雄
出版者
寝屋川市教育委員会
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

○研究目的携帯電話に過度に依存してしまう、所謂「携帯依存症」や「ネットいじめ」の実態を明らかにするとともに、特に、その有効な対応方法、対策方法を見いだすことを目的とした。特に、学校園ですぐに使用できるDVD作成や子ども自身による、ネットいじめ撲滅の取り組み(生徒によるいじめ撲滅劇上演)等、即効性のある取り組みを研究した。○研究方法全国各地の状況の聞き取り調査を実施し、他の都道府県(長野県、東京都、福岡県等)の子ども及び教職員等から情報収集し、トラブルだけでなく、効果的な指導法についても情報交換した。また、市「携帯ネットいじめ対策会議」で中学校教員と対策を検討し、アンケート調査及びピア・サポートによる対応方法について研究した。○研究成果市内アンケートや他府県の聞き取りからフィルタリングの設定が有効であることがわかった。保護者用啓発資料作成し、「フィルタリング・ローラー作戦」を実施し、市内の小中学生のフィルタリング設定率が48.2%から79.2%に上昇するなど、成果があがった。また、調査の結果、小中学生の携帯電話でのトラブルが、ネットいじめや携帯電話依存だけでなく、多岐にわたっていることが判明した。市中学生サミット(市内12中学校の生徒会執行部員で構成)のメンバーで考える機会を持ち、その結果を踏まえて、中学校教員や千葉大学、関西大学等と連携して「チェーンメール」「個人情報」「ソーシャルネットワークサービス」の3つの対策ビデオ教材を作成した。ビデオ教材は、市内の全中学校に配布し、授業や朝礼等で活用しており、広く一般に公開する予定である。中学生自身に携帯電話について、考える機会「ケータイサミット」を実施した。その結果を踏まえて、「ケータイネットいじめ撲滅劇」を作成。上演の様子は関西テレビに取り上げられるなど、注目を集めている。また、劇の様子は、DVDにまとめ、全小中学校に配布している。

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1925年09月29日, 1925-09-29