著者
吉川 舜亮 石田 貴士 関嶋 政和 秋山 泰
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-34, no.1, pp.1-7, 2013-06-20

近年,次世代シーケンサの開発により大量のゲノム情報を高速かつ低価格で読み取ることが可能となった一方で,一度に読み取ることができるリードの長さが第一世代のシーケンサが数百塩基であるのに比べて第二世代以降のシーケンサでは数十から百数十塩基と短くなっており,それに伴って様々なショートリード向けのアセンブラが考案されている.本研究では,まず高速,省メモリのアセンブラとして近年提案された Sparse Assembler の性能評価を行い,主に最大メモリ使用量,実行時間の面で優れる一方で,出力されるコンティグの質は他のアセンブラに劣ることを確認した.そこで本研究では多くの研究で使用実績のある Velvet にこのアルゴリズムを適用することで,Velvet のアルゴリズムを基本としながらも従来のものより短時間かつ少ないメモリ使用量のアセンブラを実装することを目指した.
著者
大前 彰吾
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.289-297, 2008-12-05 (Released:2009-03-16)
参考文献数
13

この講義録は2007年ASCONEにて,吉田正俊先生が行われた「盲視(Blindsight)が明らかにする「気づき」(awareness)の脳内情報処理」の講義の記録である.講義では「意識」や「気づき」といったあいまいな概念をどうやって検証できる形に持ってゆくか,という問いを設定し,盲視(Blindsight)という現象の紹介を通して「気づき」に迫る手法について講義·議論が交わされた.
著者
孫 ピヤワン
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2012

制度:新 ; 報告番号:甲3511号 ; 学位の種類:博士(法学) ; 授与年月日:2012/3/15 ; 早大学位記番号:新5849
出版者
京都大学附属図書館
巻号頁・発行日
2003-11

平成15年度京都大学附属図書館公開企画展 ; 会期・会場: 2003年11月8日(土)- 12月7日(日) : 思文閣美術館 ; 主催: 京都大学附属図書館・思文閣美術館. 後援:朝日新聞社
著者
徳井 淑子 小山 直子 西浦 麻美子 新實 五穂
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

男女の性が服装によって明確に二分化されたのは、洋の東西を問わず近代社会においてである。日本では、それが国家および知識階級の要請によって行われ、政治的な意味をもったが、一方でヨーロッパでは資本主義社会への転換のなかでブルジョア倫理として要請され、社会・経済的な意味を帯びている。近代社会では男女の服装の乖離が顕著であるのに対し、中・近世社会では服装による男女の分化は必ずしも鮮明ではない。現代社会では同化、接近、越境はさまざまなレヴェルで絶え間なく行われ、それによってファッションの多様化が進み、二元論的な性では捉えられない複雑な性のあり方を示している。男女の服装の同化・接近・越境は新たな感性により新たな性の表象として現出するが、同時にジェンダー表象としてつくられた新たな服飾が、新たなジェンダー感性を育んでいくことも確かである。
著者
柏原 昭博 渡辺 成良 長谷 川忍 岡本 竜
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、大学の研究グループなどにおける研究活動に着目し、徒弟的な関係を踏まえて研究初心者が熟練者と同様に真正な文脈で学ぶことができるようになるためのスキルの獲得・向上を支援する計算機システムを構築した。特に、研究活動と連携しつつ段階的に学習スキルアップを図る新しい支援の仕組みを実現した。具体的には、Webリソースから研究活動に関連する知識を学ぶスキル、研究ミーティングでの学習スキル、プレゼンテーションスキルを取り上げ、学習プロセスを具体化する認知ツールを基盤とした学習スキル向上支援技術を設計・開発した。
著者
吉澤 一家 中村 文雄
出版者
日本珪藻学会
雑誌
Diatom (ISSN:09119310)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.9-15, 1995-12-31 (Released:2012-12-11)
参考文献数
25

The growth characteristics and extracellular organic matter of Synedra acus Kützing, which often causes problems to the public water supply, were investigated by using an artificial culture medium. Synedra acus was removed from the water of a reservoir; the cultivations were carried out between 10-25°C with continuous light illumination, under cool-white fluorescent lamps at 4,500 lx and 2,000 lx.Under these conditions, the higher the temperature and the brighter the light became, the more rapidly the diatoms grew. With the growth of the diatoms, extracellular organic matter, which included saccharides, increased at a 40% ratio. Following the Logarithmic phase, extracellular saccharides were yielded at a ratio of 11-12% to the dry algae.The composition of these saccharides was recorded as follows: Rib + Ara: Fuc: Xyl: Man: Gal: Glu = 4.3: 1.8: 7.1: 8.6: 9.4: 68. As a result, saccharides produced by Synedra acus were characterized by a high concentration of Glu and the absence of Rha.
著者
松島 巖
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.597-598, 1994-10-15 (Released:2009-11-25)
参考文献数
6
著者
藤谷 忠昭
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.14, pp.212-223, 2001-06-05 (Released:2010-04-21)
参考文献数
26

This paper attempts to clarify the significance of Lumann's system theory in a case of bureaucratic pathology. Luhmann [1964] pointed out the functions of informal behavioral expectations in formal organizations. Applying this idea to Japanese bureaucracy, it is demonstrated that the over evaluation of thoughtfulness, “Takt, ” is one of the most important factors accounting for contemporary problems. Using more recent works, this paper examines Luhmann's system theory as a frame for analysis of bureaucracy.
著者
伊藤 敦規
出版者
国立民族学博物館
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本研究計画の2年度目に実施した調査・研究・成果報告は以下の通りである。米国南西部先住民ズニのズニ博物館長による日本国内博物館収蔵資料調査について、江戸東京博物館での民族藝術学会(4月)、立教大学での日本文化人類学会(6月)にて概要を口頭発表した。5月に国立民族学博物館で開催されたサントリー文化財団のプロジェクト、および、11月のアジア太平洋資料センターでの連続講座にて、ホピ族の宝飾品産業形成史についての口頭発表を行った。日本国内における文化人類学者と米国先住民コミュニティの知的財産を通した関わりについては、10月の東北大学での共同研究会、12月の国立民族学博物館での共同研究会にてそれぞれ口頭発表をした。加えて、11月のアメリカ人類学会(米国ルイジアナ州)と、2011年1月の国際シンポジウム(北海道)では、英語と日本語による口頭発表を行い、日本語圏以外の研究者との研究成果の共有を図った。年度内に開催された北海道大学アイヌ・先住民研究センターの共同研究でも口頭発表を2度行い(6月、11月)、研究者とアイヌ民族のアーティストや商工会役員等と研究成果の共有を行った。文化人類学を専攻する研究者や先住民族の知的財産問題の関係者以外への成果の公開も行った。10月に獨協大学で行った連続講座での講演である。米国先住民の知的財産問題に関するアウトリーチ活動も行い、日本国内の消費者、ホピとズニのアーティスト、ギャラリー経営者、自治政府知事との共有を図った。米国アリゾナ州とニューメキシコ州での3週間ほどのフィールドワークも実施し、アーティストやその拡大家族成員を対象に、制作技術やコミュニティにおける知的財産(宗教的知識)の管理の様態について聞き取りをした。これら調査で得られた資料の分析・整理を進め、学術論文を複数投稿すると共に、学位論文(社会人類学博士)を執筆した。
著者
増山 幹高 坂本 孝治郎 待鳥 聡史 奈良岡 聰智 村井 良太 飯尾 潤 竹中 治堅 川人 貞史
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

この研究では, 日本を含む議会制民主主義諸国における立法と行政のあり方を体系的に理解し, 歴史的・比較政治学的視座に基づいて日本の国会および議院内閣制を理論的・実証的に分析している. とくに, 国会に関する未公開史料の保存・整理を進めるとともに, 代議制民主主義の発展過程, 二院制と立法・行政関係の制度構造, 議会制度と選挙制度の相互連関を歴史的・比較政治学的に検証している.
著者
酒井 一光
出版者
大阪市立博物館
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

研究題目について、昨年度の摂津の事例に続き、本年度は全国の代表的な事例について調査を進め、神仏分離における神社境内の「仏教的建造物」の保存・転用の実態について研究、分析した。今回の調査・研究を通して以下の点を明らかにした。神仏分離における神社境内の「仏教的建造物」の排除は、必ずしも神社側の本位ばかりではなかった。その際、境内の由緒ある建造物は以下のような方法で移築、転用された。1.神社境内の「仏教的建造物」が機能を変え、一部改造を受けた上で、神社の社殿のひとつに転用された。今回の調査ではこの事例が最も多くみられた。例)知立神社(愛知県)多宝塔→知立文庫に改造し現地保存2.神社境内の「仏教的建造物」は売却され、移築の上、当時荒廃していた寺院の復興にあてられた。例)旧住吉神宮寺西塔(大阪市)→切幡寺(徳島県)に移築3.神社境内の「仏教的建造物」がそのまま、当初の機能として、神仏分離以前の場所に残された。その場合、その建造物のみが、旧神宮寺などの飛地境内となったことがある。また売却後、移築が遅れたり、買い手が付かないためにその場所に残され、古社寺保存法成立以降、文化財的価値が認められて保存された場合もある。例)花岡八幡宮(下松市)多宝塔→隣接する閼伽井坊の飛び地境内として現地保存4.神仏分離以降、寺院が神社となり、境内の堂宇が一部改変され、神社の社殿に転用する例が見られた。例)永福寺(高槻市)→畑山神社に変更し現地で保存5.廃寺により、寺院境内の建造物が神社に移築された。例)常楽寺(茨木市)堂宇→廃寺にともない井於神社(摂津市)に移築6.鎮守社が寺院から独立し、社殿はそのままに単独の神社となった。例)広済寺(尼崎市)久々知妙見祠→久々知須佐男神社に変更し現地で保存