著者
田中 正弘
出版者
弘前大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

イギリスの新しい授業料・奨学金制度の効果と問題点を整理し,その成果を基にした日本モデル構築の可能性について,学会発表および学術論文の形式で公表した。例えば,新しい制度に期待できる効果の一つとして,生活給付金の増加や生涯賃金が低い場合の残債務の消滅により,最貧層の学生が生涯にわたって最も経済的な利益を得る可能性が高いことを示し,大学卒業によって得られる実益が低い場合の社会保障になりうることを論じた。ただし問題点として,新しい制度は学生への巧みな増税といえること,および従来の方法より財政面で効率的なのか明らかでないことなども述べた。
著者
樋口 秀
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

長岡市では、安定的な税収であった固定資産税収が近年減少してきており、これは新規の郊外開発による税収の増加を、中心市街地およびその周辺部での減少が上回った結果であった。今後の安定的な税収確保には、都市計画的視点から宅地の供給コントロールが必要である。一方、地方都市に共通して中心市街地には大量に平面駐車場が賦存していた。これらの集約化を含めた有効活用が中心市街地活性化の重要なテーマとなっている。
著者
大滝 哲也 長 正雄 引地 徳郎 桑原 豊吉 安富 和男 朝比奈 正二郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.193-198, 1964
被引用文献数
1

1.1964年6月10日より9月6日まで, 埼玉県越ケ谷市の大規模な養鶏業者が集まつている部落で, そこに多量に発生しているオオイエバエを駆除する目的で, 殺虫剤撒布による野外実験を実験した.2.撒布殺虫剤はいずれも人畜低毒性の, Nankor Sumithion, Dipterexを選び, 部落を3つの実験区にわけ, それぞれ2週間おきに6回各乳剤の稀釈液を撒布した.第1回から第3回の散布までは, 原体量で0.05%を含む各乳剤の稀釈液を, 鶏舎ならびに乾糞場の鶏糞に1m^2当り500mlずつ撒布した.第4回から第6回までは鶏糞の他に, 鶏舎ならびに付近の住居の天井, 壁面に対する残留噴霧(0.5%, 1m^2当り50ml)もあわせ実施した.3.ハエの棲息密度の調査には, ハエ取りリボンと, ハエ取り紙を用いた.その結果, 殺虫剤撒布前に非常に多かつたオオイエバエは, 薬剤撒布によつて次第に減少し, 第3回撒布以降は極めて少数となつた.しかし, その頃からイエバエが増加しはじめ, 一時その数がかなり多くなつた.4.この地区でのオオイエバエの多量発生は, バタリーないしケージ鶏舎によるニワトリの多羽飼育と深い関係があると思われるが, オオイエバエの殺虫剤撒布による減少と同時にイエバエが多量に発生しはじめたことは特殊な条件によるものか, 一般的なものか, なお検討する余地が残されている.
著者
本田 靖 西保 岳 鍋倉 賢治
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

地球温暖化の進む今日、夏期スポーツ時の熱中症等への安全対策を含めて、暑熱環境に対する順化のメカニズム速やかに順化する方法開発への期待が高まっている。本研究では、体温上昇時の体温調節と換気亢進反応に着目して、そのメカニズムとトレーニング効果、過去の生活環境の影響に関して検討した。得られた結果は、1)安静時および運動時における、体温上昇に伴う換気亢進割合と体温上昇に対する前腕血流の増加割合との間の関係は、安静時と運動時の両条件にいて見られること、また、最大酸素摂取量と安静時及び運動時に得られた換気亢進割合の大きさおよび前腕血流の増加割合との間にも有意な相関関係がみられ、体温上昇に伴う換気亢進割合は、暑熱耐性を評価する際の新しい生理学的指標となる可能性が示唆された。2) 7日間の暑熱トレーニングによって、皮膚血流量増加に関する体温調節反応は顕著な向上が見られたが、体温増加に対する換気亢進反応に対しての効果は見られなかった。3)安静時において、体温上昇時の換気亢進反応に対する末梢化学受容器の貢献度は2割程度であること、体温上昇時の換気亢進に伴う血中二酸化炭素分圧の低下は、換気反応には影響しないが、脳血流量には影響すること(体温上昇時の脳血流量低下の3割程度を説明する)が示唆された。4)過去の生活環境や運動経験と現在の暑熱反応との間で有意な関係は見られなかった。その理由の一つは対象集団がやや小さいこと(40名),もう一つは対象者のほとんどがスポーツを日常的い行っており,ここ数年あるいはそれ以上の間,暑さに対してのトレーニングを積んでいるために差が検出しにくくなっていたことが考えられる.
著者
大櫛 陽一 小林 祥泰
出版者
日本脂質栄養学会
雑誌
脂質栄養学 (ISSN:13434594)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.21-32, 2009 (Released:2009-05-22)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

The targets of lipid lowering therapy in Japan are severer than those in western countries. Two hundred twenty mg⁄dl for total cholesterol (TCH), 140mg⁄dl for LDL-C, 150 mg⁄dl for triglyceride (TG) are used for the target values. In western countries, those values are 270 mg⁄dl, 190 mg⁄dl and 1,000 mg⁄dl respectively for low risk persons. But, a morbidity rate of coronary heart disease in Japan is a third in western countries. Strange to say, the number of women who accepts the therapy is twice of that of men in Japan. We have verified the targets used in Japan by some kinds of studies. We established clinical reference intervals of TCH, LDL-C, TG and HDL-C from the results of health checkup of about 700,000 persons by the method comparable to NCCLS in USA. We performed cohort studies and found cutoff points where mortalities increased significantly. These results are equal to the targets used in western countries. People diagnosed as hyperlipidemia by Japanese standard have less morbidity of strokes. If they develop strokes, their clinical indexes are better than persons in normal lipid level. In conclusion, the guideline for hyperlipidemia in Japan should be revised according to Japanese evidences soon.
著者
臼木 智昭
出版者
千葉商科大学
雑誌
千葉商大論叢 (ISSN:03854558)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.277-294, 2010-03
著者
小野 雅司
雑誌
日本衞生學雜誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, 2008-03-01
著者
新井 洋輔
出版者
東京福祉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

NPO団体におけるスキル継承過程を検討することを目的に、2件の面接調査と質問紙調査を行った。調査の結果、(1)リーダーの継承がNPO 団体の存続にとって重要であること(2)リーダー自身の交代の予期、交代時期の決定、交代方法の決定が、リーダー交代時の継承内容の決定に必要であること(3)効率的な継承には、運営方法の明文化とともに、後継者との共同作業が求められることなどが明らかにされた。
著者
渕野 昌 ブレンドレ ヤーグ 酒井 拓史 薄葉 季路 ジョアン バガリア ソウクプ ライオシュ ユハス イシュトバン セントミクロッシ ゾルタン
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究で得られた主要な結果としては, (1)[雑誌論文][5], [4]でのコーエンモデルや, もっと一般に小さなp.o.のside by side productによる強制で得られるモデルの組合せ論的性質を公理化すると考えられる組み合せ論的原理に関する理論の確立, (2) 多くの数学的な反映原理と同値になるFodor-type Reflection Principle (FRP)と名付けたstationary reflection principleのバリアントの定式化と, その理論の確立([雑誌論文][3], [1])があげられる. 特に(2)の研究では, 本研究終了前後の時期に, 従来AxiomRと呼ばれるFRPより真に強いことの知られている原理から証明されていたトポロジー, グラフ理論などでのreflectionに関する結果の多くが, ZFC上FRPと同値になるという結果が得られているが, この結果は, FRPが"正しい"原理の定式化であることを強く示唆しているもの, と解釈できる.
著者
村山 隆徳 満保 雅浩 岡本 栄司 植松 友彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ
巻号頁・発行日
vol.95, no.353, pp.9-14, 1995-11-16
被引用文献数
13

ソフトウェアプログラムの難読化技術は、リバースエンジニアリングが適用され難いプログラムの実現や、ソフトウェアのプロテクトプログラムの強化、暗号化・復号プログラムの安全性確保等にとって非常に重要である。小文では、解析され難いソフトウェアプログラムの定義に関する考察、及びプログラム内の命令コードの書き換え(replace)や並び変え(shuffle)を行なう自動難読化ツールa0/f1/f2について紹介する。