著者
田中 宏幸
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.70-79, 2010-02-05
被引用文献数
1

省電力・分割可搬型宇宙線ミュオンテレスコープ(PEAM:Power Effective Assemblable Muon telescope)による火山体の観測が可能になったことにより,活動中の火山の火道内部の詳細を測定できるという新たな進展の機会が得られた.宇宙線ミュオンラジオグラフィー(CMRG)では地震波などを用いた従来の地球物理学的観測に比べて,かつて無い高い空間分解能で山体内部の密度測定が可能である.結果は,世界で初めて可能となったマグマの脱ガス過程の直接的観測の結果から,新たな未解決の問題が提起されている.ここではCMRGの原理,及び火道内でのマグマ対流・マグマ脱ガス現象の物理の基本と宇宙線ミュオンによる火山体内部測定の現状を紹介する.
著者
桑山 正成 家田 祥子
出版者
JAPANESE SOCIETY OF OVA RESEARCH
雑誌
Journal of Mammalian Ova Research (ISSN:13417738)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.71-75, 2005 (Released:2005-06-04)
参考文献数
8
被引用文献数
1

胚・卵子などの凍結試料を含んだガラス化液量の最小化により,冷却,加温速度を加速し,保存後,細胞の生存性損耗がほとんどない極めて効果的なガラス化保存法,超急速冷却Vitrification法が開発されている.同手法は高価な凍結機材を必要とせず,プロトコールが簡易,短時間であるだけでなく,これまで凍結保存が困難であった未受精卵においても,凍結-融解後にほぼ100%の高い生存率が得られるようになった.最近,クライオトップやクライオトップアニマルといった超急速冷却Vitrification法のための専用ガラス化容器が市販され,生殖医療や畜産研究の場においても,未受精卵の凍結保存が身近なものとなった.
著者
杉山 茂
出版者
日本薬史学会
雑誌
薬史学雑誌 (ISSN:02852314)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.189-191, 2008-12-30
著者
西岡 八郎
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2005-01

制度:新 ; 文部省報告番号:乙1919号 ; 学位の種類:博士(人間科学) ; 授与年月日:2005/1/26 ; 早大学位記番号:新3916
出版者
岩波書店
雑誌
世界 (ISSN:05824532)
巻号頁・発行日
no.304, pp.167-170, 1971-03
著者
荒木 健治 高橋 祐治 桃内 佳雄 栃内 香次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.391-402, 1996-03-25
被引用文献数
19

我々は, 人間の言語および知識獲得能力の解明とその実現を目的として研究を行っている. このような研究はこれまでいくつか存在するが, 工学的に有効なシステムを完成するまでに至っていないのが現状である. また, 心理学の立場からの研究も存在するが, これらの研究は工学的にどう実現するかという問題は対象としていない. そこで, 本論文では, この言語および知識獲得能力を工学的に実現する一つの試みとして, 入力べた書き文とその漢字かな交じり文より帰納的に語の読みと表記を獲得し, その獲得状況および変換精度に基づく確実性の高い語より順に変換するという帰納的学習によるべた書き文のかな漢字変換手法を提案する. 本手法は辞書が空の状態からでも学習機能により語を獲得することができるので, 辞書を個人ごとに自動的に作成することが可能, 個人用辞書とすることにより辞書容量を少なくできる, 未登録語の自動登録が可能, 初期辞書作成の労力を回避できるという利点がある. 本論文では, 更に本手法に基づく実験システムを作成し, 異なる4分野の論文40編を用いて本手法の学習機能による適応性能を確認するための実験を行った. 実験の結果, 4分野すべてにおいて90%以上の精度が得られ, べた書き文のかな漢字変換における本手法の有効性が確認された.
著者
松下 太 川又 敏男
出版者
四條畷学園大学
雑誌
四條畷学園大学リハビリテーション学部紀要 (ISSN:18806856)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.43-53, 2009

被験者実演課題(SPTs)による記憶成績向上の機序を明らかにするため、大学生45名を対象に、言語課題(VTs)とSPTsの2条件を設定して行為文の記銘を求めた. その30分後に、行為の写真画像を提示し、記銘した行為文(ターゲット)に相当する写真の提示時にできるだけ早くボタンを押し反応を要請する再認課題を用いて、その再認率と虚再認率、反応時間および事象関連電位(ERP)を測定し、VTs条件とSPTs条件間の比較を行った. その結果、VTs条件よりもSPTs条件において、再認成績が良く、反応時間も有意に短かった. またERPでは、P300、N400,P600成分を認め、P600ではVTs条件よりもSPTs条件で振幅が有意に大きかった. この結果から、SPTs条件においてはVTs条件と比べて、より大きな資源を必要とするイメージの情報処理が、行為画像による再認時に行われていると推察され、言語のみによる提示よりも、行為を実演することによる再認成績向上に関連していると考えられた. SPTsは、我々が日常生活において行為を想起する際の記憶情報処理に関係していると考えられ、今後はERPを含めた脳活動測定法を用いて、SPTs効果のメカニズムを明らかにすることで、日常の物忘れなどの研究に結びつく可能性が考えられた.
著者
満田 剛
出版者
創価大学
雑誌
創価大学人文論集 (ISSN:09153365)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.A131-A154, 2006-03
著者
前川 泰之 白石 新
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.40, pp.17-22, 2000-05-05

大阪電気通信大学(寝屋川市)構内の衛星通信実験局で過去14年間連続測定を行ったCS-2、CS-3、およびN-STARビーコン波(19.45GHz、右旋偏波、仰角49.5°)を用いて、各種前線通過時の降雨減衰の累積時間と継続時間特性を調べた結果、4dB以下のしきい値では温暖・寒冷・閉塞前線、5dB以上のしきい値では停滞前線や夕立・台風による降雨時に発生する減衰がより大きな累積時間率を占めることが分かった。また、継続時間率分布は3〜10dB程度のしきい値に対し、寒冷前線、停滞前線、夕立・台風の順に大きくなり、しきい値が低い場合には温暖前線がしめる時間率が大きくなり、高くなると停滞前線南側の影響が大きくなることが示された。
著者
長島 真人
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.64-74, 2009

This paper is aimed to discuss points to keep in mind about the teaching of singing, on the basis of H. Blumer's symbolic interactionism and J. Dewey's theory of communication.Children learn music, supported by the communication through music. According to Blumer, "human beings in interacting with one another have to take account of what each other is doing or is about to do." According to Dewey, human beings who communicate with one another have to mutually anticipate and understand the other's intent and the thing's potentiality, and reconstitute one's own behavior. Therefore, in order to establish the communication through music, children have to examine the piece of music as a teaching material, anticipating the teacher's actions and the other children's actions. The teacher has to give clinical instruction, anticipating the children's music learning process.Based on the above information, the present author clarified the points to keep in mind about the teaching of singing, designed a teaching procedure of music lessons, and put this procedure into practice.It was found that children could nurture their own attitude to understand the piece of music and improve the skill of singing, supported by the communication through music.
著者
Sato Sho Nagai Yuko Koga Takashi Sugita Shigeki Saito Mika Itsumura Hiroshi
巻号頁・発行日
2010-08-07

テーマは「機関リポジトリに論文を登録すると登録しなかった場合より引用される回数は増えるか」と「機関リポジトリで論文が公開されてしまうと出版者の電子ジャーナルの方はアクセスされなくなるのか」
著者
中井 専人
出版者
東京大学
雑誌
東京大学海洋研究所大槌臨海研究センター研究報告 (ISSN:13448420)
巻号頁・発行日
vol.25, 2000-03-29

平成11年度共同利用研究集会「北日本の気象と海象」(1999年8月18日~19日, 研究代表者:児玉安正)の講演要旨Atmospheric and oceanographic phenomena around the northern part of Japan(Abstracts of scientific symposia held at Otsuchi Marine Research Center in 1999)
著者
柿崎 竹彦 横山 裕貴子 夏堀 雅宏 唐沢 梓 久保 聡 山田 直明 伊藤 伸彦
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.361-365, 2006-04-25

犬における血漿中プロベネシドの測定と共にその血漿蛋白結合特性および薬物動態学的パラメータを求めた.血漿中プロベネシド濃度はHPLCによって良好な直線性および添加回収率が示され,血漿試料の定量限界はS/N比3として約50ng/mlまで塩酸とメタノールによる簡便な試料処理によって測定された.プロベネシドは犬血漿蛋白と高親和性低結合容量および低親和性高結合容量の2相性の結合特性を示し,この結果より犬血漿中ではその後in vivoで観察された濃度範囲(<80μg/ml)で80〜88%のプロベネシドが血漿蛋白との結合型で存在することが示された.プロベネシド(20mg/kg)静脈内投与後の血漿中消失プロフィールより,2コンパートメントモデルがもっともよく適用され,その血漿クリアランスは0.34±0.04ml/min/kg,定常状態の分布容積は0.46±0.07l/kg,消失相の半減期は18±6hr,平均滞留時間(MRT)は23±6hrであった.プロベネシドは酸性薬物に対する腎尿細管での強力な能動分泌阻害薬であることと,その血漿蛋白結合率が高いために,血漿蛋白結合および薬物動態に関する著者らの知見は,本薬物による犬や他の動物種における薬物相互作用の基礎的情報を提供すると考えられる.
著者
小倉 義光
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.393-396, 1995-06-30
被引用文献数
6
著者
井上 春成
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
燃料協會誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.2, no.15, pp.八〇九-八二九, 1923-12-30

講演者は大正十年以來テトラリンの製造に就て研究し本年五月工業化學會に於て之が大要を發表せり。今やテトラリンはガソリン代用燃料として獨逸を始め其他諸國に於て重要視されつゝあるは周知の所にして既に論議の時代は過ぎ最早實行の時代に入れり。講演者はテトラリンを特に燃料として研究せし者には非らざるもテトラリンが燃料として斯くも密接なる關係を有する點より今囘燃料協會の希望により茲に之れが詳細を講演せんとす。