著者
亀山 義郎
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.542-551, 1987-10-15 (Released:2010-07-21)
参考文献数
43
被引用文献数
2 4 4
著者
小森 陽一
雑誌
成城国文学
巻号頁・発行日
no.1, pp.41-52, 1985-03
著者
千田 洋幸
出版者
日本近代文学会
雑誌
日本近代文学 (ISSN:05493749)
巻号頁・発行日
vol.106, pp.64-79, 2022-05-15 (Released:2023-05-15)

一九五〇年代の高校国語教科書には、敗戦直後のGHQ主導による新教育の反動により、多くの文学史教材が収録されている。それらは敗戦によって断絶の危機に見舞われた日本の「伝統」「民族」を文化の面から再構築することを目指していた。しかしその多くは近代文学の後進性・特殊性と西欧文学に対する劣等感を表現するもので、国語教育者が自己の戦争責任への直接的な追及を回避するため、欺瞞的な自己批判を行ったにすぎなかった。この意味で、文学史教材は「歴史からの逃亡」の産物といえる。国語教育におけるこの非歴史的な態度は、贖罪を乞う主人公が登場する文学教材を呼び寄せ、また一方では「文豪」が活躍するコンテンツのヒットを招き寄せるという皮肉な結果をもたらしている。
著者
小松 和彦 コマツ カズヒコ
雑誌
井上円了選集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.449-463, 2001-05-20
著者
馬場 良子 中村 后希 熊沢 賢二
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.294-301, 2017-06-15 (Released:2017-06-30)
参考文献数
22
被引用文献数
5

ダージリン紅茶の特徴香に寄与する成分を探索するため,産地(銘柄)の異なる8種類の紅茶浸出液の香気寄与成分を比較検討し,以下の結果を得た.(1)ダージリン紅茶に特徴的な成分として,3,7-dimethyl-1,5,7-octatrien-3-ol (hotrienol)(floral, fruity),2,3-diethyl-5-methylpyrazine (roasty, nutty)および不明成分(green, meaty)を見出した.不明成分は,ダージリン茶葉のSDE抽出物より,シリカゲルカラム,次いで,オフライン2次元GCにて高度に精製し,最終的に,マスカット果実の重要香気寄与成分である4-mercapto-4-methyl-2-pentanone (MMP)と同定した.さらに,ダージリン紅茶とマスカット果実にて高い寄与度を有する香気成分を比較し,紅茶におけるマスカットフレーバーが,紅茶全般に共通する3成分(linalool, geraniol, β-damascenone)とMMPより形成され,その発現にはMMP含有量が深く関与している可能性を見出した.(2)(1)にて見出したダージリン紅茶に特徴的な3成分の生成に,製造工程中の乾燥条件や,茶葉の生育環境および品種に起因する前駆体量の違いが関与する可能性を推察し,ダージリン紅茶の,マスカットフレーバーを含む特徴香の形成に,特有の生育環境や伝統製法等の要因が影響している可能性を見出した.
著者
牧野 智和
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.21-37, 2017-09-30 (Released:2018-10-15)
参考文献数
37

近年の「身体」をめぐるベストセラーに注目すると、以前からみられるダイエット関連の書籍に加え、開脚、体幹、ふくらはぎといった特定の身体部位に注目し、それらへの働きかけによって人生の諸問題が一点突破的に解決するとする書籍をいくつかみることができる。このような身体をめぐる想像力はいかにして生まれたのだろうか。また、これらのうち体幹に関する書籍は、サッカー選手の長友佑都がトレーニングと自己啓発を地続きのものとして語るものだったが、このような身体をめぐる想像力は彼もしくは制作者の独創性によるものと単純に捉えるべきだろうか。本稿ではこのような身体をめぐる想像力に関する疑問を追究していく。 まず特定の身体部位への注目については、女性向けライフスタイル誌『an・an』を分析対象として、その身体観の変遷を追跡した。具体的には、身体に関する「モノ」の消費、美の「心理化」が目指された1980・1990 年代を経て、2000 年代中頃から身体的「不調」の解消、体内の浄化が同誌の主たる関心になり、それが2010 年代に特定の身体部位の調整を通して心身の悩みを解消しようとする特集が陸続と展開することになる。これらから、近年のベストセラーは、大衆的な身体をめぐる想像力の系譜上に位置づけうることになる。 次に、スポーツ関係者による自著を素材に検討を行った結果、やはりこれも長友らの独創性というよりは、戦後以来の系譜をたどることのできる、スポーツへの考え方とビジネス一般についての考え方を節合する言説の展開のうちにその想像力を位置づけうると考えられた。身体をめぐるこうした想像力の志向はともに、自らの身体を自らケアし、調整していくことを促すとする、現代的な自己統治の議論に収めることができる。だがおそらく重要なのは、包括的な統治論よりも描写をダウンサイジングさせたところでの、統治技法の具体的な展開や分散をより精緻に分析していくことだろう。
著者
河野 孝央
出版者
日本放射線安全管理学会
雑誌
日本放射線安全管理学会誌 (ISSN:13471503)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.133-140, 2010 (Released:2011-12-20)
参考文献数
17
被引用文献数
4

Potassic chemical fertilizers contain potassium, a small part of which is potassium-40. Since potassium-40 is a naturally occurring radioisotope, potassic chemical fertilizers are often used for demonstrations of the existence of natural radioisotopes and radiation. To fabricate radiation sources as educational tools, the compression and formation method developed by our previous study was applied to 13 brands of commercially available chemical fertilizers containing different amounts of potassium. The suitability (size, weight, and solidness) of thus fabricated sources was examined and 12 of them were selected as easy-to-use radiation sources at radiation educational courses. The radiation strength (radiation count rate measured by a GM survey meter) and potassium content of the 12 sources were examined. It was found that the count rate was wholly proportional to the percentage of potassium, and a new educational application was proposed and discussed for understanding that the substance emitting radiation must be the potassium present in the raw fertilizers.
著者
Hisashi Kawashima Masahiro Kimura Shinichiro Morichi Shigeo Nishimata Gaku Yamanaka Yasuyo Kashiwagi
出版者
National Institute of Infectious Diseases
雑誌
Japanese Journal of Infectious Diseases (ISSN:13446304)
巻号頁・発行日
pp.JJID.2019.541, (Released:2020-06-30)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

Low levels of blood vitamin D have been reported in children who have frequent respiratory tract infections. We measured serum concentrations of 25-hydroxy (OH) vitamin D in Japanese infants less than 3-months old infected with respiratory syncytial virus (RSV). Serum levels of 25-OH vitamin D of the 10 infants, excluding those with underlying diseases, were between less than 4 to 29.8 ng/mL. In 8 out of 10 subjects (80.0%), serum 25-OH vitamin D levels were less than 20 ng/mL. There was no statistically significant association between levels of 25-OH vitamin D and age, duration of admission, respiratory severity score, white blood cell count, blood gas levels, and NT-proBNP levels. Levels of serum 25-OH vitamin D in children who required hospitalization owing to RSV infection were low, indicating deficiency. These results suggested that vitamin D deficiency affects the susceptibility to RSV infection, but not the severity of the RSV respiratory infection.
著者
中村 准子 岡田 昌毅
出版者
産業・組織心理学会
雑誌
産業・組織心理学研究 (ISSN:09170391)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.45-58, 2016 (Released:2019-08-05)

The purpose of this research was to examine the concepts that construct a sence of psychological ‘ibasho’ in the professional lives of corporate employees and the occupational factors that influence this sence of psychological ‘ibasho’. A preliminary investigation was conducted by using semi-structured interviews with 15 corporate employees; thereafter, a web-based questionnaire survey was administered to corporate employees (N = 521). The results of analysis indicated the following: 1) Three factors for a sence of psychological ‘ibasho’ appeared: a sense of role, a sense of relief and a sense of authenticity. 2) Six occupational factors were found: ‘valuation of work’, ‘sense that the job is worth doing’, ‘expectation for growth’, ‘adaptability to the workplace’, ‘personal support in the workplace’ and ‘human relationships in the workplace’. Of these six factors, ‘adaptability to the workplace’ had the largest impact on the sence of psychological ‘ibasho’. 3) There was no significant difference in the scores that indicated having a sence of psychological ‘ibasho’ by the gender or the type of employment, but the scores of people in their 50s were significantly higher than those in their 20s.
著者
貝田 さおり 玉川 雅章 渋川 祥子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.147-154, 1999-02-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
5
被引用文献数
2

牛肉の最適加熱時間を決定するために, 厚さ 20 mmの牛肉を 120~220℃ の範囲で熱板焼きする場合の熱板温度の違いによる影響を, 肉の中心温度を 55, 70, 85℃ の 3 段階に変えて検討するとともに, 各加熱温度における時間の算出方法について検討した.その結果は次のようにまとめられる.(1) 熱板温度の違いが影響するのは表面の焼き色であり, 硬さや厚さは肉の中心部を何度まで加熱するかによって決まることが明らかになった.(2) 生の肉の熱物性値から, 非定常の熱伝導の解だけを利用する方法で加熱時間の推定を行うことができた.(3) 厚さ 20mm の牛肉を熱板で焼く際の最適な加熱条件として, 程よく焼き色がつく熱板温度と加熱時間を提示することができた.
著者
北田 悠一郎 藤原 大樹 小野 秀高 馬場 裕之 阿部 哲夫 杉田 光隆
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.1753-1757, 2018 (Released:2019-02-28)
参考文献数
11

症例は87歳,女性.肝細胞癌に対して計2回の肝動脈化学塞栓術(transcatheter hepatic arterial chemo embolization: 以下TACE)を施行し経過良好であった.しかし,3回目のTACEにてリピオドール(一般名: ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル)を用いて動脈塞栓を施行したところ,胆嚢へのリピオドール沈着が疑われ,直後に心窩部痛を認めた.翌日施行した腹部単純CTにて,胆嚢壁へのリピオドール残存を示唆する高吸収域,胆嚢周囲脂肪織濃度上昇,腹水を認めた.リピオドールによる胆嚢動脈塞栓に伴う急性胆嚢炎と判断し,開腹胆嚢摘出術を施行した.病理所見にて全層性の壊死を認め,壊疽性胆嚢炎と診断した.術後経過良好で術後12日目に退院した.リピオドール使用後の壊疽性胆嚢炎の報告は少なく,若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
渡邊 慎一 石井 仁
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.75-86, 2017-09-01 (Released:2017-10-16)
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究は,全国の公立小学校の運動会開催日を特定し,運動会開催日の熱中症の危険度を評価することを目的とする.運動会開催日は各校が公開しているホームページから特定した.運動会開催日の WBGT は環境省のデータを用い,日本体育協会が規定する指針に基づいて熱中症の危険度を評価した.全国で春期に運動会を開催する小学校は全体の 54.3% であり,秋期は 45.7% であった.運動会の春期開催期間は全国平均で 5 月 16 日~ 6 月 11 日であり,秋期は 9 月 11 日~10 月 17 日であった.沖縄県は,熱中症危険度が「警戒」以上の暑熱環境下で運動会を開催している小学校数の割合が 99.0% であるが,熱中症事例数は 5 件と少ない.これは,児童の暑熱馴化や熱中症予防の適切な措置によると推察される.日最高 WBGT に基づいて定めた熱中症の危険がある期間を避けることにより,運動会およびその練習における熱中症の危険度を低減できる可能性がある.