著者
嶋田 文彦 野坂 修一
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.993-999, 2008-11-14 (Released:2008-12-13)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

今回われわれは麻酔への同意における麻酔関連説明文書の重要性に着目し, 日独3病院の比較を試みた. 文書の構成形式に大差はなかった. しかし麻酔関連死亡率の表示の有無や患者との特別合意事項表記の有無といった点に, 差異がみられた. これらは, 彼我の医療をめぐる状況の違いによるとも考えられる. だが近年のわが国の医事紛争判例基準は, 一般的合理的医療水準から個別的具体的事象へと向かっており, 特別合意事項記載はこの点を重視しているため, 参考とすべきと考えられた.
著者
山田 尚勇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.p559-564, 1982-06-15
被引用文献数
4
著者
中本 進一 金 英
出版者
埼玉大学国際交流センター
雑誌
国際交流センター紀要 (ISSN:18816479)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-14, 2009-03

2009ニュース報道は国際関係を反映しつつ、刻々と変化する。本稿では、2008年北京オリンピック開催のプレイベントとして行われた聖火リレーに関する一連の報道を取り上げた。チベット暴動における中国政府の姿勢に対し各国からの批判があったことを受け、報道の公平性に批判的アプローチを選択した。主たる研究フィールドとして、ネットニュースを選定し、特に善光寺関連を中心に聖火リレーの表象分析、リレー全般に関する妨害者報道の日中比較、さらには日本語報道における批判的ディスコース分析の3面からの分析を試みた。これらの分析により、日中関係の不明瞭さやそれを反映する報道における相対性の欠如が明らかとなった。
著者
梶田 健史 山守 一徳 長谷川 純一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.337-338, 1993-09-27
被引用文献数
1

スペースの限られたパンフレットや広告では,デフォルメ(変形)された道案内地図がよく使われる。しかし,これらのデフォルメ地図は,単に物理的制約を満たすためというより,むしろ表現の簡潔さや美しさにその価値を求めて作成されることが多い。また,デフォルメ地図はスケッチを利用したマンマシンインターフェースの観点からも大変興味深い。しかし,位置関係に矛盾が生じない範囲で道路などを変形させる一般的手法がないこと,地図の見やすさや美しさの基準は人間の主観によるところが大きいことなどのため,実際のデフォルメ地図はすべて手作業で作成されているのが現状である。そこで我々は,デフォルメ地図を自動生成するシステムの開発に着手した。今回我々が対象とするのは,道路地図のデフォルメである。ベクトルデータで構成された道路地図の線構造に注目し,交差点間の位相関係に矛盾が生じない程度に変形を加えることで,デフォルメ道路地図を作成するシステムの開発が今回の目標である。本稿では,実際のデフォルメ地図に対する調査と分析の結果と道路のデフォルメのための手法(水平垂直化,平坦化)について説明し,最後に実際のデータを用いた予備的な実験の結果を報告する。
著者
亀井 勇
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.75, no.891, pp.631-632,605, 1960-11-20
著者
カノム モサマット ナズマナラ 吉岡 あゆみ 高村 仁知 的場 輝佳
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.683-690, 2000-08-15
被引用文献数
1

バングラデシュの伝統的半発酵魚製品チャパ・シュトキの貯蔵安定性について検討した.バングラデシュの冬と夏にあたる温度20°Cおよび35°C, 湿度40%および80%の条件下で3ヵ月間貯蔵を行った.脂肪酸組成は貯蔵によりほとんど変化しなかった.貯蔵前のカルボニル価(COV)は28.4, チオバルビツール酸反応性物質(TBARS)値は36.1であったが, 3ヵ月貯蔵後では, いずれの条件下でも大きな変化はなく, COVは19.8〜22.0, TBARS値は31.4〜36.4であった.これらの結果からチャパ・シュトキは酸化劣化をほとんど受けないことが明らかとなった.また, チャパ・シュトキの非常に濃い溶液を用いても変異原性は認められなかった.チャパ・シュトキのラジカル捕捉活性は貯蔵前で乾燥重量100gあたり373.8mg Trolox当量であった.この活性はいずれの貯蔵条件でも徐々に減少し, 条件による差はほとんどみられなかった.
著者
伊藤 白 小澤 弘太
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.361-366, 2008-07-01

県立・政令指定都市立および一部の大学図書館のHPの調査およびアンケートによる調査を行い,国内に存在するWeb上パスファインダーの現況を分析した。結果,HPでWeb上パスファインダーを提供している図書館は約4割にとどまった。またそれらのパスファインダーには,分野による偏りも確認された。この状況の一因は,各機関における作成・提供体制が十分とはいえないこと,また図書館間の協力体制の効率化が徹底されていないことにあると考えられる。今後Web上パスファインダーをより発展させ,それによって人々の情報入手に寄与していくためには,棲み分け・リンク等による連携・協力体制の確立が必要である。
著者
持井 康孝 古畑 徹 志村 恵 東田 雅博 古市 大輔 弁納 才一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、日本全国の高等教育機関等に分散所蔵されている「青島旧蔵書籍」の全体像を調査・復元し、それを通して青島におけるドイツ租界の文化情況や中国人との接触情況、並びにドイツの対中国文化政策を明らかにすること、それらドイツ租界における情況を上海等におけるイギリス租界の情況と比較することにより、新旧帝国主義国家の対中国文化接触のあり方、並びにそれに対応する中国側のあり方の相違を明らかにすることの二点である。青島ドイツ租界に原蔵され、その後青島守備軍による接収を経て、日本の各高等教育機関に配分された「青島旧蔵書籍」に関しては、以下の作業を行なった。1)日本全国の高等教育機関等に現蔵される当該書籍や配分関連文書の逐件調査を行なった。2)その調査をふまえ、各冊ごとの書誌データ、青島における原蔵状況、守備軍による配分状況、現蔵機関における所蔵状況についての各種データを整理し、「青島旧蔵書籍」を各機関に配分したその計画リストの上に、その逐件調査によって得られた調査データを加えた新規データベースを作成した。青島ドイツ租界・上海租界におけるそれぞれの文化接触や文化政策についての比較検討を試みる「独・英の対中国文化接触」の研究に関しては、以下の作業を行なった。1)青島ドイツ租界・上海租界に関する記載を含むマイクロフィルム資料を収集・整理した。2)その資料の電子データ化を経て抽出した、租界内部やその周辺地域での文化・社会・経済政策に関連するデータ、並びに、青島及びその周辺地域の歴史やイギリスの対中国政策史に関わる中国側諸文献の分析を行なった。上記の調査・分析から得られたそれぞれの研究成果をまとめて、研究成果報告書として作成・公表した。
著者
許 仁順
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.75-82, 1997-09-20
被引用文献数
3

本研究は,韓国語と日本語の確信を表す程度副詞を数量化して比較分析したものである.日本語の場合は,竹谷ほか(1992)の研究資料を比較の対象とし,韓国語の場合は竹谷が提示した日本語の項目を対応する韓国語に直したものを比較対象とした.考察方法は,これらの用語を数量化した評定尺度値を数直線上に目盛りをつけ,程度副詞を定量的に測定する竹谷ほか(1992)に従った.確信を表す程度副詞の数量化を通して,韓国語と日本語との確信を表す程度副詞にどのような類似点と相違点があるかをより客観的な観点からこれらの表現を調べ,韓国人が日本語を習う時と,日本人が韓国語を習うとき現れる問題点について触れる.また,客観性が要求されるアンケートでこれらの用語が使われた場合の評定用語選定についても比較分析する.
著者
田村 通和 田村 薫通
出版者
中京大学
雑誌
中京大学教養論叢 (ISSN:02867982)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.587-605, 1999-02-26
著者
宮本 智佳子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.72-75, 1997-02-01

外国雑誌の価格は,定期的な値上がりと最近の円安傾向の相乗効果により,飛躍的に高騰している。従来,限られた予算内で雑誌予算を運営する手段は,所蔵タイトルの見直しや契約先の検討,代理店との価格交渉などであった。印刷形態の出版物から電子媒体への移行を背景に,学術雑誌の発行部数は減少し,価格高騰が加速するという悪循環の中で,大学図書館は抜本的な対策を早急に講じる必要性が生じている。外国雑誌を多く所蔵し,そのほとんどを海外代理店から一括購入している国際基督教大学図書館もその例外ではない。円安の影響により,1994年度から国際基督教大学で全学的に進められてきた雑誌の見直し作業は,購読タイトルの半分を占める自然科学系外国雑誌を中心として, 2000年度までに段階的に雑誌本体を中止し,電子媒体で代替していく方向づけがなされつつある。整備された学内ネットワーク環境を背景に,雑誌本体の購読から,情報アクセスや文献入手への移行を押し進めている事例を報告する。
著者
尾形 利文 牧野 秀夫 石井 郁夫 中静 真
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.375, pp.57-62, 1995-11-18
被引用文献数
1

屋内を単独で移動する視覚障害者に対し、屋内位置案内装置の開発を目的とした位置情報取得方法の検討と案内装置の開発を行った。具体的には、位置情報検出・提供システムとして非可視型バーコード、CCDカメラ、パーソナルコンピュータ及び音声合成装置を用いた。工学部建物内で行った動作実験では、形状を工夫した横型バーコードを使用することにより、移動速度800mm/sにおいてバーコード長240mm以上であれば位置情報を正確に取得することが可能であることが確認された。