著者
村上 和男
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.73, no.733, pp.2456-2463, 2007-09-25 (Released:2011-03-04)
参考文献数
12

It is specially analyzed about the problem of the pitch of stationary sound in the acoustic analytic subjects of brass instruments. It is modeled as a combination of the conical horn elements for the trumpet. First, the end of mouthpiece is set as the closed end, the resonance frequency is calculated as a characteristic value of the modeled trumpet by the technique of Cavity Resonance. Next, when it is played, the effective input impedance at the end of mouthpiece and those relative angles are calculated. Based on these characteristics, quantitative examined considerations are added to the playing methods, and a blowing pattern is set up. Furthermore, it is calculated the virtual additional length for the end of mouthpiece. It is examined correspondence with the playing methods of brass players. This playing method is taken into consideration, the CAD system for the pitch design of trumpet is built, and a suitable example to the pitch design is shown, with the utility of the system. The validity of a blowing pattern is shown.
著者
大橋 春香
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.285-294, 2021 (Released:2021-08-26)
参考文献数
77
被引用文献数
1

近年,日本国内では,一部の野生動物の分布域が急激に拡大し,農作物への被害や人身被害が発生するなど,人間活動との軋轢が問題となっている.本稿では,特に人間活動との軋轢が日本各地で問題となっているイノシシSus scrofaの人里周辺での生息地利用様式を,筆者らが栃木県南西部の2地域において実施した痕跡調査と自動撮影カメラ調査の結果に基づき,「採餌」と「危機回避」という2つの観点から概説する.
著者
高畑 幸
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.504-520, 2012-03-31 (Released:2013-11-22)
参考文献数
24
被引用文献数
4 5

本稿は, グローバリゼーションに伴い新たに創出された地域性としての異種混交化 (町村2006) が進む地域において, そこで生まれる新しい社会問題や社会的緊張の緩和に移民女性たちが果たしてきた役割を明らかにすることを目的とする.名古屋市中区の繁華街・栄東地区は, 1980年代初頭からフィリピン人女性の就労が多かった場所である. ここでは, 1997年からフィリピン人の組織化が進み, 2000年には複数の組織が合同で事務所を借りて「フィリピン人移住者センター (Filipino Migrants Center: FMC)」を開設した.ここは, 繁華街における外国人コミュニティの中で, 日本社会の一番近くにある「窓」として機能する. そして彼女らはインナーシティの地域活性化への人的資源ともなってきた. その背景には, 移民女性に特徴的な「弱者性」が定住を促進したこと, また日本の政策・施策も「外国人の定住と多文化共生の地域づくり」の担い手を必要としてきたことがある.すなわち, 栄東地区においては, 剥奪的状況に置かれた移民女性と地元住民・行政との結合的関係がまず作られ, 彼らの「共生事業=窓」を通じて関係が保たれた. そして, 地域で移民男性が関わる問題が発生すると, その窓を利用して彼らと地域住民との対話が図られ, 地域が抱える新たな社会問題や社会的緊張への解決が試みられてきたと言えよう.

1 0 0 0 OA 7.補体

著者
堀内 孝彦 塚本 浩
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.2427-2433, 1998-12-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5

補体の分野における最新の知見は,補体活性化経路として古典経路,第二経路のほかに新たにレクチン経路の存在が見いだされたことである.さらにこの経路の機能不全と慢性関節リウマチ,全身性エリテマトーデスとの関連の可能性が示唆されている.従来の補体検査は,膠原病の診断,活動性の判定に大きく寄与してきたが,これらの新しい知見を発展させることにより,さらに詳細な病態把握が可能となることが期待される.
著者
小松 智之 蟹澤 宏剛
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.26, no.63, pp.725-728, 2020-06-20 (Released:2020-06-20)
参考文献数
17
被引用文献数
1

The construction industry is a unique industry which the labor supply and demand rate of change is inevitable. Also the construction industry’s labor intensive is very depends on human power, so the labor supply and demand in accordance with a busy period and a slack period must be adjusted. This paper aims to organize the mechanism of construction workforce supply and demand, and make the problem manifest. Based on the literature survey, we will organize the mechanism of labor supply and demand. Then, the unknown points that emerged and current facts were clarified through a hearing survey to construction companies.
著者
天田 顕徳
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究は、日本におけるロッククライミングの「アクセス問題」に注目する。アクセス問題とは、岩場へのアクセスの権利を巡る岩の管理者や地権者とクライマーの摩擦・対立を指す言葉で、しばしばクライマーが信仰対象や天然記念物の岩を「登攀の対象」と見做すことで問題が起こっている。本研究では特に信仰が関わって起こるアクセス問題を取り上げ、関係者の主張を整理するとともに、信仰の現場でゲレンデ開発が行われた国内外の事例を精査し、両者の交渉と意見の調整過程を明らかにする。本作業を通じて宗教文化・伝統文化の保護と、持続可能なゲレンデ整備や観光開発を両立するための基礎資料を提示することが本研究の目的である。
著者
田村 恭久
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.234-240, 2020-03-01 (Released:2020-09-29)
被引用文献数
1
著者
徳永 誠 近藤 克則
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.751-759, 2015 (Released:2015-12-17)
参考文献数
21
被引用文献数
5 2

大腿骨頸部骨折患者の訓練単位数と退院時Functional Independence Measure(FIM)との関係を明らかにすることを目的とした.対象は,日本リハビリテーション・データベースに登録された大腿骨頸部骨折患者のうち一定の基準を満たした19 病院の795 例である.他院手術の15 病院(371 例)と自院手術の14 病院(424 例)に分け,病院ダミーと訓練単位数を含む6 項目を説明変数,退院時運動FIMを目的変数とした重回帰分析を行った.他院手術群(訓練単位数は0.8 単位~8.6 単位)の全対象者の解析では,訓練単位数は有意な説明変数ではなかったが,50 例以上の2 病院の患者に限定すると有意(B=2.187)となった.自院手術群では訓練単位数は有意な正の係数(1.427)であった.大腿骨頸部骨折では,訓練単位数が1 単位増えれば,退院時運動FIMが1.4~2 点程度高くなると考えられた.
著者
平岡 久忠 滝川 一晴 筋野 隆 星 和人 松平 浩 中村 耕三 岡崎 裕司 平岡 久忠 滝川 一晴
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究においてわれわれは先天性下腿偽関節症の偽関節部では、介在する線維性軟骨により骨の連続性が絶たれていること、骨・軟骨は多数のTRAP陽性、vitronectin receptor陽性の多核巨細胞、破骨細胞により浸食されていること、骨形態計測の手法を用いた結果、偽関節部では破骨細胞数および破骨細胞表面が成人の外傷性偽関節組織にくらべて約4倍に亢進していることを明らかにした。またさらに症例を重ねて、昨年来行っている偽関節組織に対する生化学的検討を続行しその再現性を確認した。手術時に切除した偽関節組織からmRNAを調整し、破骨細胞形成のマスター分子であるランクリガンドの発現をRT-PCR法を用いて調べた。その結果、先天性脛骨偽関節症では外傷性偽関節にくらべてランクリガンドの発現が亢進していることがわかった。同様の知見は抗ランクリガンド抗体を用いた免疫組織化学によっても確認した。以上の検討より先天性下腿偽関節症ではその偽関節部において破骨細胞形成のマスター分子であるランクリガンドの発現が亢進し、その結果破骨細胞形成が促進されていることが明らかとなった。これらの破骨細胞は骨・軟骨組織を浸食し正常な骨癒合を妨げていることが推測された。
著者
立丸 允啓 大峯 三郎 馬場 健太郎 福井 貴暁 緒方 宏武 和田 菜摘 長野 友彦 小泉 幸毅
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.33-41, 2023-04-20 (Released:2023-04-20)
参考文献数
27

【目的】本研究の目的は,脳卒中患者における歩行自立判定指標として杖把持片脚立位時間が妥当性を認めるか検証することであった。【方法】脳卒中患者103名を解析対象とし相関分析,退院時病棟内歩行能力での2群間比較,多重ロジスティック回帰分析を行った。【結果】杖把持麻痺側・非麻痺側片脚立位時間ともに相関係数はBerg Balance Scaleが最高値で,歩行自立群と見守り群との比較でも有意差が認められた。多重ロジスティック回帰分析では,杖把持麻痺側片脚立位時間と認知関連行動アセスメント(Cognitive-related Behavioral Assessment:以下,CBA)が選択された。【結論】脳卒中患者の歩行自立判定指標として,杖把持麻痺側・非麻痺側片脚立位時間ともに妥当な評価方法であることが確認された。また,杖把持麻痺側片脚立位時間とCBAとの組み合わせが高精度な歩行自立判定指標になることが示唆された。