著者
川上 和義
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.11, pp.2307-2313, 2015-11-10 (Released:2016-11-10)
参考文献数
12

肺炎球菌は厚い莢膜を持つ細胞外増殖細菌であり,好中球が主要な貪食殺菌細胞である.補体の活性化を阻害するため,莢膜多糖に対する抗体がオプソニンとして重要である.莢膜多糖は胸腺非依存性抗原であり,メモリーB細胞を形成しないが,IgMからIgG2へのクラススイッチは起こり,インターフェロンγが関与するとされている.本稿では,肺炎球菌肺炎の病態の理解のために,本菌に対する免疫応答機構について概説する.
著者
藤本 勝義 フジモト カツヨシ Katsuyoshi FUJIMOTO
出版者
清泉女子大学人文科学研究所
雑誌
清泉女子大学人文科学研究所紀要 (ISSN:09109234)
巻号頁・発行日
no.36, pp.31-48, 2015

源氏物語では重要な人物で死ぬ者が多い。それは、長編物語のためだけでなく、死そのものの意味があり、死で終わるのではなく、そのプロセスと、死後に残された者の思いが重視されているからと言える。本稿では、死のもたらすものと、死者の救済について考察し、仏教的な救済はもとより、源氏物語独自の救済の論理を把握しようとするものである。先ず、物の怪に憑依された人物を取り上げる。夕顔は、その死が娘などには知られないため、菩提を弔われることが少なく、成仏することがかなり遅れた。葵の上は、嘆き悲しむ光源氏の心からの哀悼により成仏したと考えてよい。しかし、光源氏がそこまで葵の上を愛していたとも思われない。別の理由も考えられる。死者の往生のためには、生前の本人の仏道への帰依と、残された者の供養が要請された。勤行の経験がほとんどなかった主に若い死者には、残された者の心からの追善供養が必要である。六条御息所を光源氏が、心をこめて菩提を弔うことはなかったと言ってよい。それは、死霊となる六条御息所の物語とも深く結びついていた。源氏物語では、死者の冥福に関して、追善供養と精神的救済が要請されているかのようである。紫の上は厚い信仰心と光源氏の心底からの供養によって極楽往生した。次に、亡霊として夢枕に立つ人物の救済だが、桐壺院は、光源氏による大々的な追善供養によって救われ、極楽往生したと考えられる。藤壺救済の道筋は、身代わりになってでも救いたいという光源氏の強い思いなどで、はっきりとつけられた。八の宮は、中の君が「幸い人」路線を進むことで、心の平安を得て成仏したと考えられる。源氏物語以外の作品では、光源氏など個人が、心の底から菩提を弔うといった、あくまで物語の精緻な展開に密着した描写は限られており、盛大な葬儀を行うことが、当事者の権勢を示すことに直接関わったり、源氏物語には決して描かれなかった挿話を記すなど、その質の違いが際立つのである。

11 0 0 0 OA 国訳大蔵経

著者
国民文庫刊行会 編
出版者
国民文庫刊行会
巻号頁・発行日
vol.附録 戒律研究上, 1936

11 0 0 0 OA 国訳大蔵経

著者
国民文庫刊行会 編
出版者
国民文庫刊行会
巻号頁・発行日
vol.附録 戒律研究下, 1936
著者
浅川 智恵子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.184-185, 2021-03-15

11 0 0 0 OA 日本紳士録

出版者
交詢社
巻号頁・発行日
vol.第3版, 1896
著者
小林昭夫吉田昌弘
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.421-428, 1975-12-15 (Released:2018-06-30)

高度成長の影に種々の弊害が残り,河川の汚濁もその1つである,具体的な対策として工場廃水規制,下水道の整備などがとられているが,都市近辺の河川を昔に戻すには,今後一層の努力が必要である.河川の自浄作用には酸化などの溶存酸素が要因となるものと,沈澱などのそれ以外のものに分類できる.汚濁物が河川の自浄能力以上になると溶存酸素量が少くなり,魚の生息どころか悪臭さえ発散するよう になる.それらの浄化対策としては,沈澱した底泥はしゅんせつによって取り除き,化学的・土木的・機械的な方法で,再曝気をはかる必要がある.その実施例として,和歌川のしゅんせつ,山谷堀川築地川の悪臭防止をとり上げ,酸素による河川浄化法について説明する.
著者
阿藤 誠
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.22, no.8, pp.8_8-8_11, 2017-08-01 (Released:2017-12-09)
参考文献数
3
著者
小松 英彦
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.22-28, 2009-01-15

大脳皮質で視覚情報処理に関係する部分はいくつもの領域に分かれる.これらの領域は並列階層的に構成されており,異なる種類の視覚情報は異なる経路で処理され,局所の特徴から段階を経て階層的にグローバルな特徴が取り出されるが,最近の研究はその中間段階の処理の内容や高次領野において物体のカテゴリがどのように表現されているかを明らかにしつつある.また,認知的な行動の制御を行うために前頭前野からの信号により視覚皮質の活動が適応的に修飾を受けていることが明らかにされつつある.脳における視覚情報処理の全体像について,ヒトのモデル動物であるサルから得られた新しい知見を交えて解説する.
著者
梶村 昇吾 野村 理朗
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.79-88, 2016 (Released:2016-04-25)
参考文献数
29
被引用文献数
15 25

This study developed and examined the validity of Japanese versions of the Daydream Frequency Scale (DDFS) and the Mind Wandering Questionnaire (MWQ), which measures propensity for spontaneous thoughts and mind wandering, respectively. In Study 1, we translated the items of the DDFS and the MWQ into Japanese and verified their validity. In Study 2, we confirmed the correlation of both scales with mind wandering, as measured by thought sampling during an attention-demanding task. These two studies revealed a dissociation between the properties of the scales; while DDFS reflects propensity for spontaneous thoughts, MWQ specifically reflects propensity for mind wandering. We discuss the usefulness of the DDFS and the MWQ for studying the psychological functions of spontaneous thoughts and mind wandering.
著者
深谷拓吾 小野進 水口実 中島青哉 林真彩子 安藤広志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.7-9, 2011-03-02

電子機器等のマニュアル作成業務において,文章やイラエストの校正作業は必須のフローである.従来,紙上での校正が一般的だったが,電子メディア上での校正もマニュアル作成現場で浸透しつつある.しかし,依然,現場では紙ベースでの校正への支持は根強く,そのために費やされる紙は膨大な量にのぼる.省資源化の立場から,本研究では紙上での校正作業と液晶ディスプレイ上での校正作業について,効率と精度の面から検証を行った.紙と液晶ディスプレイ上でそれぞれ,英語文章と多言語文章を照応する比較校正実験をマニュアル作成業務従事者を対象に行った結果,紙上でのパフォーマンスが効率,精度とも液晶ディスプレイ上での作業を上回っていた.校正作業ログの分析することで,液晶ディスプレイ上での校正で発生しやすい認知的ミスを同定し,ディスプレイ上での校正率向上へ向けての指針を提案する.
著者
川名 好裕
出版者
立正大学心理学研究所
雑誌
立正大学心理学研究所紀要 (ISSN:13482777)
巻号頁・発行日
no.9, pp.89-101, 2011

Three hundred forty-four young female students rated the interpersonal attraction of 40 different various male pictures. They also rated the degree of desires to be the friend, the lover, the sex partner and the marriage partner. Factor analysis extracted 4 different kind of attraction, which are the beauty attraction, the healthy attraction, the interpersonal attraction, and the social attraction. Making these 4 different attraction factors as independent variables, and the degrees of desired relationships with the male picture stimuli as the dependent variables, the stepwise multiple regression analysis were conducted.The standardized multiple regression coefficients showed the importance of the kind of attraction determining the degree of desired relationships (Friend, lover, sexual partner, marriage partner). The beauty attraction is most valued in love and sexual relationships. The social attraction is most valued in the marriage relationship. The interpersonal attraction is valued most in the friend relationship. The kinds of attraction are valued differentlyaccording to the kind of desired relationships.
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.971, pp.107-110, 2008-02-11

2007年も押し詰まった12月29〜31日。東京ビッグサイトで世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット (コミケ)73」が開催された。ここに初出展にもかかわらず,多くの来場者でにぎわう企業ブースがあった。クリプトン・フューチャー・メディア(以下,クリプトン社)の展示ブースである。