著者
清水 正夫
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.24, no.8, pp.299-304, 1974-08-01

知的活動にとってドクメンテーションの知識とその技法は,とくに高等教育においては,不可欠のものであるにもかかわらず,一般に系統的な教育は実施されていないようである。筆者は1963年開校時から有明工業高等専門学校において計画的にドクメンテーションの手ほどきをしてきたので,その体験を記す。中学校卒業を入学資格とする5年制工業高専のカリキュラム中各校の特色を発揮するための選定科目の時間から,本校工業化学科では工業外国語を週当り通算5時間(1学年35週を下らないものとして)を割り当て,専攻情報受け入れの道をひろげ,かつ4年間にわたってのこの時間中に,辞書,事典類の利用,文献調査,整理検索,報文の作成にいたる一連の項目を授けてきた。図書館の構造もこの授業に便利なものとした。
著者
河村 誠 笹原 妃佐子 岩本 義史
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.151-157, 1997-04-30
被引用文献数
8

喪失歯数に関する患者の主観的評価の妥当性を検討する目的で,一般歯科医院に来院した40歳以上の患者145名(男性74名,女性71名)に質問紙調査と口腔診査を実施した。その結果,以下の点が明らかになった。1. 喪失歯数(実際の喪失歯数)と患者の年齢との間に正の相関関係が認められた(r=0.397,n=145 ; p<0.001)。しかし,喪失歯数は個人間のバラツキが大きく,患者の年齢から喪失歯数を推定することは困難であった。2. 自己申告された喪失歯数と実際の喪失歯数の関係は,2次回帰式で表現するのが適当と考えられた(R=0.832, n=137 ; p<0.001)。また,喪失歯数が中程度の者では,実際よりも喪失した歯の数を少なめに報告していた。3. 40歳代の患者に比べ,60歳以降の患者では喪失歯数を実際より少なめに報告する傾向が強かった(p<0.01)が,性差はみられなかった。以上のことから,自己申告された喪失歯数と実際の喪失歯数の間には,ある程度違いはあるものの,患者の報告から喪失歯数を推定することの妥当性が確認された。また,このような患者のセルフチェックは8020運動を推進する上で有用であることが示唆された。
著者
中藤 康俊
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.1-17, 1993-03-31

ゴルバチョフ大統領(旧ソ連)のペレストロイカ政策とソ連邦の崩壊, ベルリンの壁の崩壊などによる旧ソ連・東欧諸国の改革・開放政策, 朝鮮半島の緊張緩和など, 東西冷戦時代の終焉とともに日本海を囲む日本, 旧ソ連極東地方, 韓国, 朝鮮民主主義人民共和国, 中国東北三省などの間で国境を越えて経済交流を活発にし, 「環日本海経済圏」をつくる動きが強まってきた. 日本ではとくに日本海沿岸地域の自治体や経済界・民間レベルで経済交流が活発である. 最近のEC統合, 北米自由貿易協定の調印, 華南経済圏の形成などはこうした動きを加速させている. 本論文は「環日本海経済圏」をつくることの意義と課題を明らかにしたものである. その結果, 環日本海経済圏をつくる意義としては日本海沿岸地域の振興, 日本経済の構造転換と東京一極集中の是正, 日本海をとり囲む国々の相互補完性, 経済大国日本の国際貢献の点が指摘できる. そして, そのための日本の課題としては対岸諸国の歴史と現状に対する十分な理解と反省, 経済交流のほかに教育・研究, スポーツなど多様な交流の必要性, 日本海沿岸地域相互の交流とそのためのインフラの整備の一つとして日本海国土軸の形成, 日本企業の監視と規制の4点をあげたい. 対岸諸国の課題としては, 政治的安定と経済の改革・開放, 市場経済と投資環境の確立, 情報の公開などが不可欠である. 最後に日本と対岸諸国が共通してかかえる課題としては, 中央集権的なシステムの改革, 政府レベルの協力, ハード, ソフトの両面にわたるインフラの整備と人材の育成などである. 環日本海経済圏を構成する国々のなかでは日本が資本と技術の面でとくに優れており, その中心的存在であることは言うまでもない. しかし, 日本はこれまでガットの自由・無差別, 多角的貿易体制のメリットをもっとも多く受けた国であり, 今後もこの体制は維持しなくてはならない. したがって, リージョナリズムがグローバリズムを補完するような望ましい関係を育てていく努力が必要である. また. 環日本海経済圏を構成する国々はいずれの国も政治的・経済的問題をかかえている上に宗教・民族などがちがっており, 「環日本海経済圏」という一つの「経済圏」をつくることは決して容易でないことも事実である. しかし, 21世紀の日本が国際社会にどうかかわりを持つかを考えたとき, 「環日本海経済圏」は今後の大きな課題であることだけは間違いない.
著者
作田 和幸
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.575-588, 1991

JICST北海道支所開設10周年記念講演の収録である。新聞という情報を生み伝えるメディアに携わってきた者の目から,"情報"の持つ様々な側面を検証し,高度情報社会のあるべき姿,さらにはポスト高度情報社会への展望を述べた。まず'80年代,'90年代の情報社会の特徴を分析し,その延長線上に起こった「ベルリンの壁崩壊」「湾岸戦争」を素材に「情報の虚と実」を例証している。またグラスノスチで変貌するソ連社会に関し,体験も踏まえ,情報の社会に与える影響を述べ,そこから高度情報社会の脆弱さを指摘するとともに,高度情報社会のあるべき姿,さらにはポスト高度情報化社会の理念として高度環境社会について言及した。
著者
和辻 敏子 薮中 緑
出版者
甲子園短期大学
雑誌
甲子園短期大学紀要 (ISSN:0912506X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-13, 1986-12-25

昭和58年度、昭和59年度に実施された生活実習ハウスの食生活の実態を検討した結果は次の通りである。1生食形態では、朝食に於いて58年度のパン食型から59年度の米食型への移行がみられ、昼食夕食は共に米食中心であった。副食形態では、主食形態に影響されて58年度と59年度の朝食に差がみられたが、昼食は同じ傾向を示した。夕食では58年度は和食、59年度は洋食形式がみられた。2食品の出現状況では朝食に於いて、58年度は牛乳、その他の野菜、59年度では豆製品、緑黄野菜が高い出現率を示した。夕食において58年度は豆製品、海草類、59年度では、乳・乳製品、豚肉、じゃがいも、にんじん、レタスの使用度に差がみられた。31日の摂取食品数は、58年度38品目59年度41品目であった。4生成分析の上位5主成分にバリマックス回転を実施し、意味づけを行った。5重回帰分析を行った結果、とりあげた説明変数は1日の摂取食品数の予測に役立っていた。658年度の学生の調理実習評価と生活実習ハウスの献立に使用された食品数との間に有意水準1%で正の相関がみられた。759年度の食品群別摂取量は「目安」にほぼ充足されていた。又栄養摂取量では、Ca、Feの不足がややみられた。終わりに、多変量解析等にご助言をいただきました本学木村昌幸講師に、深く感謝いたします。なお本研究の一部は、通算61回日本家政学会関西支部会(昭和59年5月)において発表した。
著者
加藤 典子
出版者
東京工芸大学
雑誌
東京工芸大学工学部紀要. 人文・社会編 (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.48-57, 2000

The purpose of this paper is to focus the concept of "face" regarded as an important concept that controls our daily communication and to clarify the difference of "face" in English. Chinese and Japanese. The reason why I take up this theme is that I am convinced that making the difference clear is indispensable for preventing, from happening, intercultural miscommunication. As a result of collecting each feature of "face" in English, Chinese and Japanese, in accordance with Brown and Levinson (1978, 1987) concerning English face, Mao (1994) . Chinese face, and Matsumoto (1988) and Ide (1989) . Japanese face, the following difference is clarified: ・ English face refers to two basic individual v,'ants composed of "positive face" (one's desire to be appreciated by others) and "negative face"(one's desire to be unimpeded by others). ・ Chinese face is closely Concerned with social or communal norms, that is, Chinese face is satisfied by acting and speaking in accordance with one's social norms and conventions. ・Japanese face is also characterized by community-oriented society, and satisfied by discerning the situation, one's status in their community and the relationship between interlocutors. As seen in this difference, English face is characterized by indlvidual wants while Chinese and Japanese face, the compliance with the community one belongs to. This difference between English face and Chinese and Japanese ones reflect on the diversity between western individual-oriented society and non-western community-oriented society. I hope this kind of study contributes to devising more elaborate and comprehensive linguistic theory and promoting smooth intercultural communication.
著者
田中 信行
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
アジア經濟旬報
巻号頁・発行日
no.1183, pp.1-2, 1981-04-01
著者
尾方 理恵
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学留学生センター紀要 (ISSN:13438654)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.65-77, 1998-03-03

「PバQ」の意味はPQいずれに焦点があるか(またはどちらにもない)という文脈、解釈・推論によって広がりを持つ。「Pすれバ」という言いさしの文はほぼ「Pすればいい」に重なる。「Pすれバ?」が単なる「すすめ」でなく「突き放し」となる場合があるが、それは、「Pすれバいい」による判断の呈示が唯一条件の呈示として働き、相手の意向と無関係な独断になる場合である。「PすればQ」には、PQは相互に唯一という強い関係認定があり、「PたらQ」の意味との違いはそこから生じる。
著者
山内 恭
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.58-95, 1999-03

第38次南極地域観測隊昭和基地越冬隊31名は, 1997年2月1日から翌年1月31日まで1年間昭和基地での越冬観測を実施した。今次隊より, 研究観測は, 新しくプロジェクトとモニタリングの2本立てで計画され, 多彩な観測が実施された。プロジェクト研究観測では「東南極のリソスフィアの構造と進化の研究(シール計画)」「南極大気・物質循環観測」が重点的課題であり, 前者は夏期のアムンゼン湾域での調査が, 後者はドームふじ観測拠点での観測が中心となったが, 昭和基地での越冬中も関連観測が多く行われた。また, モニタリング研究観測としては, これまで定常観測として行われていた地震観測の他, オーロラ光学観測, 大気微量成分観測, 生態系モニタリング, 衛星データ受信等, 地球環境の長期的監視が必要な観測を着実に推進した。野外へは, 数多くの沿岸露岩域への生物, 地学調査や, みずほルートでの地球物理観測旅行が行われた他, 航空機観測も精力的に実施した。3年目のドームふじ観測拠点での越冬観測が続いていたため, これを支えるための夏期の人員・物資輸送の旅行に加え, 越冬中も補給旅行を実施した。10月から11月にかけ, 44日間の長期旅行となり, 8名が参加, 燃料補給等を行った。これらの基地, 野外観測を支えるための設営作業も多忙をきわめた。昭和基地整備計画に基づく, 新居住棟の建設が夏期間から続き, 6月に完成, 入居となった。基地施設は着々と整備が進んでいるが, それだけに維持管理の仕事量は増加し, 設備面で追いつかない面も見られた。野外活動のための雪上車類の整備, 旅行準備も大仕事であった。環境保護を目指し, 不用建物の解体, 廃棄物持ち帰りに努めた。大きな障害もなく進んだ越冬と思われたが, 11月末になって急病人が発生した。「しらせ」の昭和基地への急行を要請し, 病気の隊員は「しらせ」により予定を変更して南アフリカ, ケープタウンへ搬送, 帰国させた。
著者
松永 麻里 アサノ デービッド K 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18

近年、情報の意味や内容に立ち入り、人間にとって必要な情報のみを送信しようとする知的通信が研究されている。知的通信において人間にとって重要な情報を重点的に誤りから保護することを知的誤り制御という。知的誤り制御において情報の重要な部分を重点的に誤りから保護するには、重要度に応じて誤り保護能力を変化させる方法が必要である。本稿では重要度によって誤り訂正能力の異なる畳込み符号を用いて符号化し、符号ごとに異なる信号点配置を当てはめることによって、重要度の情報なしに送信できる不均一誤り特性を持つ符号化変調法について述べる。