著者
俵谷 好一 藤田 善正 西岡 毅 弘田 陽介
雑誌
大阪総合保育大学紀要 = Journal of Osaka University of Comprehensive Children Education (ISSN:18816916)
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-18, 2018-03-20

2017 年に告示された学習指導要領によって、各学校の特色を生かしたカリキュラム・マネジメントが導入された。そして、学校教育の改善・充実および評価のサイクルの実質化が各学校に求められるようになった。本稿では、この新しい流れを受けて、具体的な単元計画を提出し、体育と道徳の合科的な学習による身体と心をつなぐ二事例を提案したい。一つ目の事例である集団でのボールゲームでは、チームワークや他者への配慮を学ぶような道徳教材を組み入れて、個々の児童の立場や個性に応じた思考と技術が学べる単元計画を私たちは考えた。また二つ目には、私たちは個人の体操技術の向上のために、他の児童との対話が必要になるような設定と読み物を用意する。実技を行う児童と運動観察者の児童は、それぞれの運動についての工夫を考えるが、その際にどのように伝えるかというコミュニケーションの問題も含まれている。この二つの事例を通して、私たちは教科としての体育と道徳をつなぎ、その二つの教科の特性から複眼的に考え、対話するような授業実践(対話的実践)を構想する。このように、今日のカリキュラム・マネジメントの議論の文脈から、この事例を捉えなおし、より深い子どもたちの学びを促進するような提案をし、対話による心身のつながる実践を生み出していくことを本稿の目的としたい。
著者
Tom Altman Yoshihide Igarashi
雑誌
Journal of Information Processing (ISSN:18826652)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.154-158, 1989-08-25

We study sequential and parallel algorithms on roughly sorted sequences. A sequence a = (a_l a_2 . . . a_n) is k-sorted if for all 1&les;i j&les;n i<j- k implies a_i&les;a_j. We first show a real-time algorithm for determining if a given sequence is k-sorted and an O(n)-time algorithm for finding the smallest k for a given sequence to be k-sorted. Next we give two sequential algorithms that merge two k-sorted sequences to form a k-sorted sequence and completely sort a k-sorted sequence. Their running times are O(n) and O(n log k) respectively. Finally parallel versions of the complete-sorting algorithm are presented. Their parallel running times are O(f(2k) 1og k) where f(t) is the computing time of an algorithm used for finding the median among t elements.
著者
浅岡 隆裕
出版者
実践女子大学
巻号頁・発行日
vol.15, pp.59-76, 2019-03
著者
柴田 隆行
出版者
東洋大学社会学部
雑誌
東洋大学社会学部紀要 = The Bulletin of Faculty of Sociology,Toyo University (ISSN:04959892)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.5-17, 2018-12

Enryo Inoue, Philosoph und Begründer der Tetsugakukan (jetzt Toyo Universität), studierte in der frühen Meiji-Ära Soziologie bei Professor Ernest F. Fenollosa, der als erster Vorlesungen über Soziologie an einer japanischen Universität gehalten hatte.In seinen Werken verwendet Enryo oft das Wort „Gesellschaft“, das er dynamisch und entwickelnd verstand. Die Soziologie, die Enryo Inoue studierte, war die Entwicklungslehre der Gesellschaft. Enryo stellt Soziologie als eine Philosophie in seinem System der Wissenschaft dar. Aufseinen Reisen durch ganz Japan und auch drei Mal ins Ausland sammelte er verschiedene Materialien und Informationen, und betrachtet die sozialen Erscheinungen und Probleme nicht nur philosophisch, sondern auch sachlich.
著者
岡﨑 桂二
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学紀要 (ISSN:18833497)
巻号頁・発行日
no.65, pp.271-294, 2018-03-01
著者
谷浦 孝雄 Takao Taniura
巻号頁・発行日
vol.3, pp.69-79, 2005-03-31

21世紀に入って、韓国では30歳未満の青年層の失業問題が「青年失業」という名の下に注目されている。1997年の経済危機で大量失業事態を引き起こしたが、2001年以降30歳以上層では失業率は3%内外に低下する一方で、青年層は7%台に止まったままなのである。その要因として、労働市場の変化、企業の経歴者・非正規職選好が高学歴化・経験不足の青年層の希望とミスマッチしていることがあげられている。本論では、韓国の変化している労働市場の実態、高学歴化と学卒者の就職難の状況を検討し、高学歴化のなかで大学教育がむしろ青年たちの社会適応とくに職業適応能力の向上を阻害しているという仮説を導き出している。
著者
岩崎 慶 土橋 宜典 西田友是
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.109(2002-CG-109), pp.41-46, 2002-11-22

コースティクスは光の集光発散によって生じる光学的効果である。コースティクスの表示に関する研究はいままでにいくつかなされてきているが、その複雑さゆえに計算コストが高いという欠点がある。近年、グラフィクスハードウエアの高性能化が急速に進んでおり、これを利用した写実的な画像生成の高速化の研究が盛んに行われている。そこで本研究では、水上から見た水中の物体にできるコースティクスをグラフィクスハードウエアを利用して高速に表示する手法を提案する。このとき、水面での視線の屈折を考慮する。提案法では、水中の物体の周辺に仮想的な平面を設定し、物体表面上のコースティックをこの平面を用いて計算し、テクスチャとして保持する。そして、リフラクションマッピングを利用することで水面における屈折を考慮する。
著者
蜂須 拓 Taku Hachisu
出版者
電気通信大学
巻号頁・発行日
2015-03-25

物体に触れた際の体験を再現する触覚インタラクションの設計・開発はバーチャルリアリティの体験の質を向上する手段として注目されている.一方で,視聴覚と比較して触覚研究の歴史は浅く,質の高い触覚インタラクションの設計・開発は発展途上であるといえる.触覚インタラクションの設計・開発のアプローチに現象を忠実に再現する写実的なアプローチがある.しかし,写実的な触覚インタラクションは現象の再現性は高いものの,現実に起こりうる体験しか表現できない.また,視聴覚と比較して触覚から得られる情報は不明瞭であり,感覚統合において劣位に扱われてしまう.以上から,現象の再現性が必ずしも必要なく,幅広い表現や体験の明瞭さが重要であるエンタテインメント等での触覚インタラクションの応用を考えた際,写実的なアプローチとは別のアプローチが必要であるといえる.これに対し,著者は漫画やアニメーションで用いられる誇張表現の概念を触覚インタラクションの設計・開発に適用することを考えた.漫画やアニメーションでは現実を基に大げさに描くという誇張表現を用いて,視聴者に非現実的ではあるがもっともらしいという印象(本論文では実感性と定義)を与える.本論文は誇張表現の概念を触覚インタラクションの設計・開発に適用することで,再現性は高くないが実感性に優れた触覚インタラクションを設計・開発することを目的とする.これにより,触覚インタラクションの表現の幅の拡張,および分かりやすく実感性のあるも体験の実現を期待する.また,設計・開発した触覚インタラクションを総括することで誇張表現に基づいた触覚インタラクションの実感性を向上させるための要件を明らかにする.本論文では,まず誇張表現の論理構造を見いだし,3つの論理モデルを設定する.次に,3つのモデルを基に8つの触覚インタラクションの設計・開発に関する研究について述べる.各研究では,個別の研究背景および目的について述べ,触覚インタラクションを実装し,目的に則した評価によって個々の有効性を検証する.そして,設計・開発した触覚インタラクションおよびモデルを総括し,実感性を向上させるための要件を明らかにする.本論文は全6章から構成され,内容の要旨は以下のとおりである.第1章では,まず触覚インタラクションが注目されるようになった背景について述べ,写実的アプローチの限界について指摘する.次に,漫画やアニメーションに見られる誇張表現について述べ,本論文の目的として「誇張表現に基づいた触覚インタラクションの設計・開発」および「誇張表現に基づいた触覚インタラクションの実感性を向上するための要件を明らかにすること」を設定する.そして,誇張表現の論理的な分類を行い,触覚インタラクションの設計・開発の指針とするための3つのモデル(代替モデル,変調モデル,重畳モデル)を見いだす.代替モデルでは,感覚Aを別の感覚Bに置換して提示する.変調モデルでは,感覚Aに操作kを加えて変調し提示する.重畳モデルでは,感覚Aに別の感覚Bを提示して重畳する.第2章では,本論文で扱う触覚について定義する.触覚に関する基礎的な生理学的,心理学的知見に関して述べ,次章以降で述べる触覚インタラクションの設計・開発において必要な知見を共有する.第3章では,代替モデルに基づいた2つの触覚インタラクションの設計・開発について述べる.1つ目は肘部の屈伸運動に伴ってロータリスイッチを回した時に生じる周期的な触覚フィードバック(カチカチ感)を提示するカチカチ感提示装置の設計・開発である.本装置によって視覚的運動知覚が困難な状況において触覚的運動知覚を拡張することでユーザの身体姿勢の制御の向上を試みる.2つ目は視覚から材質感を提示する手法VisualVibrationの設計・開発である.本手法では,現実では聴覚・触覚で感じられる高周波数振動を視覚で感じられるように変調して疑似触覚提示を行う.本手法のケーススタディとして物体を叩いた時に生じる振動を取り上げ,視覚的な振動提示による材質感提示を試みる.第4章では,変調モデルに基づいた3つの触覚インタラクションの設計・開発について述べる.1つ目は叩き動作に対して振動提示することでタッチスクリーンが異なる材質になったかのような体験を提供するHaCHIStick&HACHIStackの設計・開発である.本システムは時間応答性に優れており,叩いた瞬間に振動提示が可能である.そのため,ユーザにとっては叩いた対象の材質が変わったように感じられる.2つ目は歯磨き音を変調して提示することで歯磨きの快感および達成感を増強する拡張歯ブラシの設計・開発である.羊皮紙錯覚(手を擦った際に生じる音の高周波成分を強調すると手のひらが乾いた紙のように感じられる)を利用して汚れている,美化されているといった歯の状態を疑似的に再現し,歯磨きの体験を拡張する.3つ目は徳利を傾けた際に内容液の流出によるトクトクという振動(トクトク感)提示の設計・開発である.実際に徳利から液体が流出する際に生じる振動を計測,モデリングし,実際に液体を注ぐことなくトクトク感を再現する.実験的に構築した振動モデルをもとに,粘性感および残量感を再現する.第5章では,重畳モデルに基づいた3つの触覚インタラクションの設計・開発について述べる.1つ目は前章で述べたトクトク感を実際のペットボトルで液体を注ぐ動作に重畳するトクトク感重畳の設計・開発である.トクトク感重畳による注がれる液体の量の錯誤効果を示し,飲食体験の触覚的演出の可能性を示す.2つ目は関節部の屈伸運動に伴って振動を提示することで関節が異なる材質になったかのような体験を提供するJointonationの設計・開発である.本システムによって,サイエンスフィクションに登場するゴム人間やロボットに視聴覚に加え触覚的にも変身したかのような体験を提供する.3つ目はタッチスクリーン上でのユーザの動作に対して引力提示を行う装置VacuumTouchの設計・開発である.本装置は引力提示によってタッチスクリーン上に摩擦感を重畳する.これにより例えばタッチスクリーン上に擬似的な引っかかりをつくりだし,ユーザの操作の補助を行う.第6章では,3つの誇張表現の論理モデルおよび8つの触覚インタラクションに関する研究を総括する.各々の研究を再評価し,課題を整理することで誇張表現に基づいた触覚インタラクションの実感性向上のための要件を明らかにする.そして,本論文の成果を基に誇張表現に基づいた触覚インタラクションの設計・開発に関する研究の今後の展望について論じる.
著者
平田 孝治 岡嶋 一郎 福元 裕二 辻 裕一 和田 佳奈美 松田 佐智子 モハメッド ノル・ アンワー 尾道 香奈恵 津上 佳奈美 春原 淑雄 赤坂 久子 高元 宗一郎 溝田 今日子 小川 智子 立川 かおり 占部 尊士 西田 明史 川邊 浩史 吉村 浩美 馬場 由美子 武富 和美 田中 知恵 西岡 征子 野口 美乃里 牛丸 和人 米倉 慶子 桑原 雅臣
出版者
西九州大学短期大学部
雑誌
永原学園西九州大学短期大学部紀要 = Journal of Nisikyusyu university junior college (ISSN:24347833)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.15-28, 2019-03-18

In the learning outcomes, the relationship between objective and subjective measures is an issue of educational measurement. In this paper, we clarified the correlation derived from the semester-linkage of academic achievements and self-evaluations based on the competency model in NUJC. In the principal component analysis, it was suggested that the self-evaluations include roughly two directions of general ability and professional ability, and that the academic achievements depend on the curriculum and the methods of learning and evaluation, basically. The interpenetration of academic achievements and self-evaluations depend on intermediate factors that rule their linkage. The factors are supposed to be formed by two components: the faculties’ factors such as curriculum, methods of learning and evaluation including cognitive learning and the environment of “learning- background” (e.g., Hidden curriculum and Student support); the student's factors such as acquired abilities including motivation, personality and self-consciousness.
著者
仁藤 敦史
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.3-22, 1993-02-26

皇子宮とは、古代において大王宮以外に営まれた王族の宮のうち皇子が居住主体である宮を示す。本稿では、この皇子宮の経営主にはどのような王族が、どのような条件でなり得たのかを考察の目的とした。その結果、皇子宮の経営主体は大兄制と密接な関係にあるが、必ずしも大兄に限定されないことが確認できた。皇子宮の経営は、王位継承資格を有する王族内の有力者が担当し、とりわけ同母兄弟中の長子である大兄が経営主体になることが多かったが、それ以外にも、庶弟のなかで人格資質において卓越した人物が特に「皇弟(スメイロド)」と称されて、その経営権が承認されていた。穴穂部皇子・泊瀬仲王・軽皇子・大海人皇子・弓削皇子などがその実例と考えられる。「皇弟」は天皇の弟を示すという通説的解釈が存在するが、実際の用例を検討するならば、通説のように同母兄が大王位にある場合に用いられる例は意外に少なく、穴穂部皇子や弓削皇子など大兄以外の有力な皇子に対する称号として用いられるのが一般的であった。「皇弟(スメイロド)」の用字が天皇号の使用以前に遡れないとするならば、本来的には「大兄」の称号に対応して「大弟(オホイロド)」と称されていたことが推定される。ただし、大王と同じ世代のイロド皇子がすべて「皇弟」と称されたわけではないことに留意すべきであり、大兄でなくても、人格・資質において卓越した皇子が第二子以下に存在した場合に限り、こうした称号が補完的に用いられたと考えられる。「大兄の原理」のみにより王位継承は決定されるわけではなく、「皇弟の原理」とでも称すべき異母兄弟間の継承や人格・資質をも問題にする副次的・補完的な継承原理は「大兄の時代」とされる継体朝以降も底流として存在したことが推測されるのである。
著者
安澤秀一
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.67(2001-CH-051), pp.17-24, 2001-07-13

SGML-XML の応用形としての Encoded Archival Description EAD は、1995年に発表された Alpha Version に続いて、翌1996年に Beta Version が発表された。以来、先行のさまざまな検索手段作成の基準、例えば MARC、および MARC AMC、またアングロ・アメリカン目録作成規則AACR2、あるいはアーカイヴズ・個人記録・手稿APPM、さらにISAD(G)・ISAAR(CPF)などとの交差を考慮しながら、インターネット上の公開に対応できるように、マークアップ言語SGML-XMLの応用形としてのEAD原案が検討された。アメリカ議会図書館とSAAの共同作業成果であるEADの適用事例がハーバード大学、イエール大学、議会図書館、ヴァージニア大学から発表された(1997アメリカンアーキヴィスト60巻4号)。さらに1999年にSAAのEADワーキンググループによるアプリケーション・ガイドラインやTAG Library がSAAから公刊された。本報告はEADタグの在りようを紹介することを目的としている。
著者
澤田 宏 山下 茂 名古屋 彰
雑誌
情報処理学会研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.87(1998-SLDM-089), pp.107-112, 1998-09-21

変数の重なりのない単純な関数分解f(X Y)=h(g(X) Y)は,関数分解の特別な形であり,1出力関数に対する最適な組合せ回路の形を提供する.本稿では,多入力1出力の組合せ回路Fにおいて,回路F全体の論理関数fが上記の分解を持つ場合に,この分解を適用することで回路を改善する手法を提案する.分解後の関数gとhを実現する新たな組合せ回路GとHは,元の回路Fのいくつかの入力に,ある定数値を代入することで求めることができる.実験結果より,組合せ回路最適化プログラムの前処理として,本手法が特に有効であることがわかった.