著者
VERA Alonso H. SIMON Herbert A.
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 = Cognitive studies : bulletin of the Japanese Cognitive Science Society (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.5-15, 1995-02-25
参考文献数
11

本論文では, 状況的行為 (Situated Action: 以下SA) アプローチと記号処理アプローチとの違いについて, 記号の概念, 表象, プラン, インタラクションの4点で検討する.<br>第一に, SA派は物理記号系仮説が人間の日常の認知には不適切だと主張しているが, 彼らは記号概念を誤解している. 物理記号系においては, 記号とは「何かを指示するパターン」である. それは感覚刺激から形成され, 記憶に貯えられ, 処理され, 運動を生じるものである. ところがSA派は, 物理記号系の「記号」は言語のような明示的な意味解釈を受けるものに限られており, 道の曲がり具合や温度計の水銀柱の高さといった日常生活で扱われている非言語的な「信号」を扱うことができないと誤解している.<br>第二に, SA派は表象が不要であると主張する. 確かにある種の状況においては行為者の持つ表象は単純なもので間に合うが, 表象を持たずに知的な行為をするシステムは未だかつて記述されたことがない. 少なくとも行為が合目的的である限り, 目標や目標と状況や行為との関係については表象されていなければならない. さもなければ, 行動主義心理学に戻ってしまう. また, 生態学的アプローチでは, 行為者と環境との関係である「アフォーダンス」は直接に知覚され, 何のプロセスも必要としないという. しかし, メンタル・プロセスが無意識あるいは意識下で生じるということは, それらが記号処理プロセスでないという証拠にはならない. また, 行為が柔軟であるということは, すべてが新しく生成されていることを意味しない.<br>第三に, SA派の言うように行為はしばしばプランなしに行われる. しかし, それは人間がプランを全く用いていないことを意味しない. プランは常に抽象的であり, 実行時に下位レベルの実装を必要とする. また, プラン通りに遂行されるかどうかは, その遂行途中で生じる出来事に依存している. プランの重要な特徴は, 状況的な行為を必要とするような機会を最小化することにある. ゆえに, 人間がプランを形成し, 行動がそれに影響されることと, 多くの行為が状況的であることとの間には, 何の矛盾もない.<br>第四に, SA派はインタラクションを重視し, アフォーダンスを引き出して適切に反応することによって, 環境に適応できるのだと主張する. しかし, それは環境が比較的独立な構成要素に分割でき, システムが備える方略で間に合うほど環境が単純である場合に限られる. 方略が用意されていない状況は無視されてしまうため, システムは不適応な行動をとることになる.<br>結局, SA派のように, もし研究の目的がSuchmanらが研究したようなコピーをとるというような課題を活動として理解することならば, 活動に注目するのは適切であり, 人間は活動の中の相互作用的構成要素として研究されれば十分である. しかし, その状況の中で人間は思考している. われわれの目的が, 人間が外界とどのように相互作用するかを理解することであるなら, 思考のプロセスに注目することが重要である. 記号派とSA派を分けているのは異なる課題と行動への注目である. 問題は両者の知見をどう統合するかであり, 両者を共約不可能なパラダイムと考えていては認知の理解は進まない.
著者
やく みつる 鈴木 亮
出版者
日経BP社
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.334, pp.102-104, 2010-09

それは手前が勝手に作った説なんです。先達を見ますと大御所の方も含め60歳前後で亡くなってます。漫画家の60歳が世間の90歳に相当するのかなと。そこから1・5倍説を導き出し、おのれは40歳のときに60歳ではないかと。生前葬があるなら、事前還暦祝いがあったもいいだろうと担当の編集さんを集め、自分の方から強制的に祝っていただきました(笑)。
著者
福原 啓郎
出版者
京都外国語大学
雑誌
研究論叢 (ISSN:03899152)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.A1-A32, 2007

西晉の元康年間(二九一-九九)に要謐「二十四友」と号された文学集団が存在した。この「二十四友」に所属する人士全員の姓名が、『晉書』要謐傳に挙げられている。「二十四友」に所属する人士に関する、姓名・字・生卒年・本籍・父祖に関する特記(おもに官歴)・本人の官歴(元康年間を中心)・二十四友相互の交友と敵対関係・同時代の評価などの履歴とその史料、その人士の詩文に関する情報(おもに『惰書経籍志』の記載、『詩品』での品級、『文選』所収の詩文の題名、輯本に関する情報)、参考文献などを提示する。なお、巻末に「「二十四友」に所属する人士に関するデータ表」を附した。
著者
三宮 千佳
出版者
富山大学芸術文化学部
雑誌
Geibun : bulletin of the Faculty of Art and Design, University of Toyama : 富山大学芸術文化学部紀要 (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.58-77, 2016-02

The gilt bronze Buddhist statue in Chinese NorthernWei have been studied in the past by art history focusingon a style study, but there is no conspicuous developmentin recent years.So I considered mint methods by aexperimental casting as new development of the study.The gilt-bronze Nyorai with inscription Year 1th ofTianJian (524) taken up as a subject of a experimentalcasting is the collection in Sano art museum in Mishimashi,Shizuoka. So a experimental casting of nimbusof flames of the gilt-bronze Nyorai was also cast byarchetype to embellish pattern, with the guidance ofProfessor MIFUNE Haruhisa in the casting room atFaculty of Art and Design,University of Toyama, inJune (2015). The reproduction material compared withthe gilt-bronze Nyorai, and it was understood that acasting methods of it was cast by archetype to embellishpattern. This research is new technique as a study ina gorge of art history and archaeology, and I'd like tomake them develop through further experimental castingand observation from now on.
著者
源川 暢子
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.320, pp.76-80, 2002-10

昼の営業はそこそこでも、夜の集客に苦戦を強いられる——。多くのそば店経営者が持つ悩みだ。そんな経営上の弱点を、店舗コンセプトからの全面的なリニューアルで見事に克服したのが、東京都大田区にある「そば縁肆(えにし) さか本」だ。 東急目黒線大岡山駅前の商店街は、昔ながらの庶民的な雰囲気。その中で、ひと際モダンな店構えを見せる「さか本」は、2000年4月に改装。
著者
森村 進
出版者
一橋大学
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.115, no.1, pp.41-61, 1996-01-01

論文タイプ||論説
著者
辻本 惠 伊村 智
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.137-150, 2013-03-29

2009 年2 月15 日から23 日にかけて,オーストラリア南極局(AAD: Australian Antarctic Division,以下同様)で取り組まれている外来種持ち込み防止対策に関する調査を行った.(1)機材の管理,(2)装備品の管理,(3)積荷の管理,(4)観測隊員への教育の4 項目について施設見学やインタビューを行い,現場の状況と外来種持ち込み防止対策システムの全容を把握した.本調査により,AADでは南極における観測・設営活動に伴う外来種持ち込みの危険性を強く認識し,機材や装備品,積荷の管理から観測隊員への教育まで,細部にわたり包括的な外来種持ち込み防止対策を講じていることが明らかとなった.特にAAD で徹底されていた職員や観測隊員への教育活動は,我が国の南極観測事業においても極めて有効な手段であると考えられる.本調査結果を参考にした組織的な外来種持ち込み防止対策の立案により,昭和基地周辺の貴重な生態系の保全につながることが望まれる.
著者
廣木 義久 山崎 聡 平田 豊誠
出版者
日本理科教育学会
雑誌
日本理科教育学会理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.47-56, 2011-07

砂の形成に関する小・中・大学生の理解を調査し,小・中学校における岩石の風化作用に関する学習の問題点を議論した。小学5学年の単元「流れる水のはたらき」の学習前の児童においては,砂の形成メカニズムに関する考えは極めて多様であるが,「流れる水のはたらき」の学習後は,侵食モデル(砂は川で石や岩が水流によって削れてできる)で説明する児童と,衝突モデル(砂は川で礫同士がぶつかり合って砕けてできる)で説明する児童が増加する(それぞれ29.9%,25.6%)。そして,中学校における単元「活きている地球」の学習後は,侵食モデルが52.5%と増加する一方,風化モデルで説明する生徒の割合は8.8%にとどまった。これらの結果から,侵食モデルと衝突モデルは小学5学年の「流れる水のはたらき」の学習で獲得され,侵食モデルは中学1年の風化・侵食作用の学習後に強化されていることがわかる。岩石の風化作用による砂の形成を理解させるための方策としては,中学校における岩石の風化作用の授業に土の学習を取り入れることが有効であると考えられる。