著者
Yuki Tampa Kosuke Takagi Shohei Ueki Motoki Ohta Yoji Mine Kazuki Takashima
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
ISIJ International (ISSN:09151559)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.1741-1749, 2022-08-15 (Released:2022-08-18)
参考文献数
27
被引用文献数
3

Micro-tensile tests were employed to clarify the post-plastic-instability behavior in the shear fractures of specimens with the dimensions of 18×25×50 µm3 made from iron-based amorphous (AM) and ultrafine-grained (UFG) alloys. The AM specimen yielded by localized shear bands with an inclination angle of ~52° with respect to the loading axis, followed by sliding off almost throughout the entire specimen thickness. Micro-tensile and micro-shearing tests revealed that the Mohr failure envelope of the AM specimens could be described by a quadratic equation rather than a linear equation. Therefore, the sliding-off process is assisted by the applied normal stress, which suggests that it is caused by free-volume coalescence. For the UFG specimen, yielding set in by shear band formation with an inclination angle of ~45° with respect to the loading axis, following the Tresca criterion. Necking after shear band diffusion formed a triaxial stress state, which resulted in a final shear fracture plane via void coalescence in the UFG specimens. Voids formed along the intersection of the primary shear bands with secondary shear bands during the necking process. This indicates that the deviation of the shear fracture plane in the UFG specimen was determined by the strain development process. A comparison of the post-plastic-instability behavior between the AM and UFG specimens suggests that the external control of triaxial stress conditions is key to improving the formability of AM specimens.
著者
蔵田 武志 一刈 良介 飯野 なみ 小林 吉之 江渡 浩一郎 西村 拓一
出版者
サービス学会
雑誌
サービソロジー論文誌 (ISSN:24355763)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.1-12, 2022 (Released:2022-02-01)
参考文献数
28

Due to the corona disaster, many collaborative activities including academic events have been held online. The purpose of this study is to contribute to serviceology by summarizing the findings on online academic events and the online interaction platforms (OIPs) as their service encounters. In this paper, we first outline how each OIP, such as Zoom, oVice, and Slack, was chosen in three online academic events, which we actually operated, in terms of the interaction manner of each session. After reporting on the OIP log analysis and questionnaires, we discuss the comparison between on-site venues and the OIPs as well as the usage barriers and social acceptance of the OIPs. The findings include (1) the functions that OIPs should provide especially in peripheral states of interaction process, such as "seeping out" of the lively atmosphere, "looking around and listening in" in poster sessions, and "spontaneous interaction among participants," have more than minor impacts on the evaluation of OIPs, (2) the degree of acceptance of OIPs depends on the balance of various factors such as usage barriers, maturity, familiarity, accessibility, and risks, in addition to the various values provided for synchronous and asynchronous interactions, etc.
著者
床井 良徳 井山 徹郎 池田 富士雄 宮田 真理 大湊 佳宏
出版者
独立行政法人 長岡工業高等専門学校
雑誌
長岡工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:00277568)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.34-48, 2018 (Released:2019-02-22)
参考文献数
1

本報告では,本校ロボティクス部からロボカップジュニアのサッカーオープンに出場し,2017年に開催された国内外の大会6大会において全て優勝という偉業を成し遂げたチームINPUTについて世界制覇までの道のりについて報告する.チームINPUTの2017年の業績として,北信越ブロック大会(地区大会):優勝およびプレゼンテーション最優秀賞,ジャパンオープン(全国大会):優勝,せとうちオープン2017:IndividualとSuperTeamともに優勝,RoboCup2018NAGOYA(世界大会):IndividualとSuperTeamともに優勝,北九州オープン2017:優勝およびナイスロボット賞,RoboCup Asia-Pacific 2017:SuperTeam ChampionおよびBest Technical Innovation受賞し,完全優勝を果たした.
著者
松嶋 祐子
出版者
専修大学人文科学研究所
雑誌
専修大学人文科学研究所月報 = Senshu University Institute of Humanities Monthly Bulletin (ISSN:03878694)
巻号頁・発行日
vol.306, pp.25-39, 2020-07-31

本稿では、犯罪・非行領域の心理臨床の特性について述べた。まとめると、①対象者にとっては半ば強制的な開始であり、低い動機付けであることが多いこと、②職員は様々な側面で二重役割(ダブル・ロール)であること、③時間的制約が厳格であること、④客観的事実が重視される場であること、である。④については、情報収集が主軸となる場でありながらも、臨床家としては主観的事実と客観的事実を丁寧に分けて、主観的事実についても掘り下げていくことが必要であることを事例も交えて紹介した。時間的制約の厳しい中、主観的事実を的確に捉えるには、面接者は複数の問いを立てられることが重要である。そして、犯罪・非行臨床の本質ともいえる対象者の動機づけに係る課題については、有意義なアプローチの一つとして動機づけ面接を紹介した。
著者
高橋 勇介
出版者
日本経済政策学会
雑誌
経済政策ジャーナル (ISSN:13489232)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.17-29, 2022-08-31 (Released:2022-08-31)
参考文献数
29

本稿では、非正規雇用から正規雇用への移行の諸要因について検証した。主な結論は以下のとおりである。初職が正規雇用である場合、非正規雇用から正規雇用への移行が起こりやすいこと、ハローワークの利用が女性の正規雇用への移行を促進しており、現職決定後に前職を退職する場合のほうが正規雇用に移行しやすくなっていることも分かった。これらの結果は、初職が正規雇用であった労働者にサンプルを限定した推定でも得られた。
著者
尾崎 タイヨ
出版者
日本経済政策学会
雑誌
経済政策ジャーナル (ISSN:13489232)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.21-50, 2022-04-27 (Released:2022-04-27)
参考文献数
25

本マクロ計量モデルは、従来のマクロモデルとは異なり、家計における所得階級別の消費構造を詳細に展開し、世帯収入、家計消費、労働供給を明示的に定式化すると共に、企業における正規・非正規雇用、賃金、設備投資決定、さらにマクロ経済とリンクさせた。これより、最低賃金の引き上げ、税還付、教育費や医療費などの所得補償、累進社会保険料負担などの各種政策が格差・貧困や賃金、雇用、マクロ経済にどう影響するか分析した。
著者
和田 美憲
出版者
日本経済政策学会
雑誌
経済政策ジャーナル (ISSN:13489232)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.1-16, 2022-08-31 (Released:2022-08-31)
参考文献数
23

日系多国籍企業へのアンケート調査の結果と財務データを用いて、地政学リスク発生の可能性があったトランプ政権下で米国事業を拡大する企業の特徴について検討する。ロジスティック回帰分析の結果より、労働生産性が高く、経済刺激政策の効果に期待した企業が、事業拡大の傾向がある一方で、企業グループとして効率的なグローバル統治構造が未だ形成されていない可能性が示された。
著者
鈴木 紫
出版者
日本経済政策学会
雑誌
経済政策ジャーナル (ISSN:13489232)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.73-95, 2022-04-27 (Released:2022-04-27)
参考文献数
21

本稿は、『就業構造基本調査』(2002 年、2007 年)を用いて、日本の労働市場で有業者(雇用者)の副業保有が転職希望(本業の就業継続希望、転職希望)に与える影響について実証分析を行った。①女性雇用者(正規雇用、非正規雇用とも)、男性雇用者の正規雇用において、副業保有が転職希望を促すこと、②男性雇用者の正規雇用と女性雇用者の非正規雇用において、本業と同じ産業の副業保有者がより転職希望を持つ傾向にあることが示された。
著者
溜川 健一
出版者
日本経済政策学会
雑誌
経済政策ジャーナル (ISSN:13489232)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.1-20, 2022-04-27 (Released:2022-04-27)
参考文献数
36

本稿の目的は、2001 年以降のデータを用いて、マネタリーベースの拡大が、都市銀行等、地域銀行、信用金庫の業態別の貸出残高にどのような影響を与えるかを、ベクトル自己回帰モデルを用いて検証することである。その結果、マネタリーベースへのショックに対する業態別の銀行貸出は、時間が経つにつれ正の反応を示す傾向にあること、またその反応に関しては地域銀行が他の業態よりも相対的に小さいことが示された。
著者
野呂 拓生
出版者
日本経済政策学会
雑誌
経済政策ジャーナル (ISSN:13489232)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.33-46, 2021-09-15 (Released:2021-09-15)
参考文献数
20

東日本大震災による宮城県の産業復興の実態を探るため、震災発生前、発生直後、発生 2 年後について沿岸部・内陸部に分けた地域間産業連関表を作成した。また、産業復興に大きな影響を与えるサプライチェーンに注目し APL(平均波及長)による分析とその可視化もおこなった。以上の結果、震災によりダメージを受けた被災地のサプライチェーンの一部は、早い段階で震災前に近い状態まで戻したことが判明した。
著者
高橋 勇介
出版者
日本経済政策学会
雑誌
経済政策ジャーナル (ISSN:13489232)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.17-31, 2021-09-15 (Released:2021-09-15)
参考文献数
21

本稿では、地域資源の保全に対する寄附行動への意志の決定要因について、実証分析を行った。主な結論は以下のとおりである。寄附行動への意志には、ソーシャル・キャピタルの要素である、「信頼」や「互酬性の意識」といった規範的な意識が影響している。なお、「現在居住している地域への愛着」は、地域資源の保全や地域活動への参加に対する意識には関連していたが、寄附行動への意志に関しては限定的な影響にとどまっていた。
著者
西川 雅史 髙橋 朋一 斎藤 英明
出版者
日本経済政策学会
雑誌
経済政策ジャーナル (ISSN:13489232)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.13-22, 2021-04-30 (Released:2021-04-30)
参考文献数
16

経済産業省は、高レベル放射性廃棄物の処分施設の立地先を選定するために「科学的特性マップ」を公表したが、人口密度などの社会的条件を考慮していない。また、画像データであるため第三者による活用が進みがたい。こうした科学的特性マップの欠落を補完するために、私たちはこれをデジタルデータ(シェープファイル)の形で再現したものを公開し、第三者が科学的特性マップ上で社会的特性を考慮できるようにした。
著者
西原 是良 小嶋 大造
出版者
日本経済政策学会
雑誌
経済政策ジャーナル (ISSN:13489232)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.47-60, 2021-09-15 (Released:2021-09-15)
参考文献数
19

本稿は、平成期の農業公共事業について政策的変遷や予算動向に着目し、土地改良事業の性格の変化や農村振興とのバランスの変化を中心に検証する。平成前期では農業政策から食料・農業・農村政策への拡大、中期では農村振興の安定的な政策展開がなされた。二度の政権交代を経た後期では、第1 に農業公共事業(ハード)が拡大して農村振興(ソフト)が圧縮され、第 2 に農業公共事業が基礎的なインフラ整備から競争力強化へ傾斜した。
著者
村上 礼子
出版者
日本経済政策学会
雑誌
経済政策ジャーナル (ISSN:13489232)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.37-51, 2020-09-30 (Released:2020-10-05)
参考文献数
29

電力・ガス小売完全自由化において先行している英国を対象に、バンドリングが市場競争に与える効果について実証的な考察を試みた。電気とガスを1 事業者から購入するタイプの契約が主流であるものの、バンドル・ディスカウントはあまり行われていないことが観察された。バンドリング戦略は、利用者のスイッチを妨げる効果がある一方で、ショッピングコストの存在によりディスカウント幅は小さくなるものの競争を促進しているとみることができる。
著者
王 佳星
出版者
日本経済政策学会
雑誌
経済政策ジャーナル (ISSN:13489232)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.13-36, 2020-09-30 (Released:2020-10-05)
参考文献数
19

温室効果ガスの排出削減ため、ハイブリッド自動車(HEV)の普及が重要であることは認知されているものの、家計部門においてHEV がどの様に普及していくかといった点に関しては未だ明確に把握されていない。本研究は、家計についてHEV の普及過程を分析し、世帯属性が車種選択にどの様な影響を与えるかを明らかにした。また、エコカー補助金政策の有効性を評価し、エコカーを更に普及させるためにどの様な施策が有効であるかを論じた。
著者
竹澤 秀平
出版者
日本経済政策学会
雑誌
経済政策ジャーナル (ISSN:13489232)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-12, 2020-09-30 (Released:2020-10-05)
参考文献数
24

本稿は独占的な市場において企業が労働節約投資と中間財節約投資の2 種類の投資を行うことで、労働組合の交渉力が増加したときの影響を示したものである。通常は労働組合の交渉力の増加は労働組合の効用に対して正の影響を及ぼす。また労働節約投資に対して負の影響を及ぼすが、本稿ではこれらの結果がどのように変化するか検証したものである。
著者
木村 誠
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会誌 (ISSN:09187324)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.59-76, 2022-09-15 (Released:2022-09-22)
参考文献数
33

本稿は,AI対応プラットフォームにおけるデータネットワーク効果に焦点を当てた循環モデルを開発する.そのために,プラットフォーム理論の新潮流である統合的アプローチの先行研究とデータネットワーク効果概念間の接続を試みる.先行研究の整理から,ネットワーク効果の4分類を行い,特性の違いを確認する.これらの検討に基づき,データネットワーク効果の循環モデルを,データの規模およびデータの範囲に関わるネットワーク効果を組み合わせた多重ループ構造モデルとして提示する.データネットワーク効果の好循環として,AI対応プラットフォームにおけるデータ対応学習の深化とプラットフォーム境界の拡大が共に進行するメカニズムを指摘する.データネットワーク効果の悪循環として,AI対応プラットフォームが機械学習を通じて提供する顧客経験が既存顧客に過適合し,新規顧客に向けた機械ベース・イノベーションが阻害される危険性を指摘する.
著者
吉田 和樹
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会誌 (ISSN:09187324)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.211-244, 2022-03-22 (Released:2022-03-23)
参考文献数
19
被引用文献数
1

本稿では,ビジネスモデル創出のためのプロセス(吉田,2021)において,複数のビジネスモデルパターンを適用する場合に行わなければならないことを,上記プロセスに新たに導入するタスクや規約として提案する.具体的には,概念設計プロセスでは,ビジネスモデルキャンバスの各ブロックの状態を因果関係で結んだ図と,パターン間の相互作用を識別するための図を作成するタスクを提案する.検証プロセスでは,システムダイナミクスモデルの定式化において,一つの要素に対して因果関係や相互作用による効果が与えられる場合に,主効果と促進/抑制効果の区別や,効果の統合についての規約を提案する.さらに,因果関係や相互作用に不確実性を取り込み,シミュレーションを実行するタスクを提案する.そして,複数のビジネスモデルパターンを適用する状況で,検証が適切に行えることを確認した.
著者
岩本 大輝 鈴木 秀男
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会誌 (ISSN:09187324)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.245-258, 2022-03-22 (Released:2022-03-23)
参考文献数
42

世界中で女性の労働参入が進んでいる.日本でも女性活躍は進んでいるが,女性管理的職業従事者割合は世界と比して極めて低い.この課題の要因としてワーク・ライフ・バランス(WLB)問題がある.企業はWLB支援施策を採用,もしくは採用を検討しているが,施策が階級別女性比率に与える影響や施策間の影響関係が不明瞭であり,検討困難な現状がある.本研究はWLB施策の組合せ効果や施策間関係が女性活躍に与える影響に注目し,日本企業604社のWLB支援施策情報にベイジアンネットワーク分析を行った.結果として,従業員女性比率には残業時間の削減策,管理職女性比率には在宅勤務,部長以上職女性比率には在宅勤務と保育設備・手当の採用が有効であるとともに,これらの施策の採用に影響を与える基礎的な施策(例えば,有給休暇取得の奨励策など)から順を追って採用し,労働環境を整えることが施策の有効化につながるという示唆をえた.