著者
芳野 赳夫
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.233-248, 1980

最近の実用人工衛星の発達は著しいものがあり,特に応用範囲と多用性の拡大は,目を見張るものがある.南極においても,従来のように超高層物理現象観測・気象観測以外に,1979年1月のNHKによるTV中継伝送のように新しく開拓すべき分野が非常に多くなってきた.本論文では,今後の南極における人工衛星利用について現在考慮し得る数例について説明し,特に近い将来無人観測点のデータ収集めため,自動データ収集装置を搭載する人工衛星の観測方法について詳述する.
著者
芳野 赳夫 福西 浩
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.84-95, 1985

南極観測が開始されて以来, 昭和基地の運営は常に通信連絡によって支えられ今日に至っている。この間, 基地規模の拡大, 隊員増, 研究内容の充実, 前進基地の設置などに伴っていろいろな問題点が指摘され, また通信の内容も拡大の一途をたどってきた。したがって, 最初は短波によるA1,FAX, PIXが対内地通信の主流であったが, 通信量の増加に伴って必然的に急激な回線量の不足を招き, マリサット経由の衛星通信の実用化, 南極大陸内の通信網の確保と改善, 基地近くの通信の問題, 特に300-500kmの通信の問題点など, 今日解決すべき点が増してきている。本論文では南極通信の現状と将来の解決案などについて述べる。
著者
大和 昌平
出版者
東京基督教大学
雑誌
キリストと世界 : 東京基督教大学紀要 = Christ and the world (ISSN:09169881)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.109-139, 2014-03

日本におけるキリスト教と仏教の出会いは、16 世紀半ばのフランシスコ・ザビエル来日に遡る。本稿は、イエズス会宣教師の書簡を主な資料としての、キリシタン時代最初期におけるキリスト教と仏教の対論についての考察である。
著者
石川 眞佐江
出版者
東京藝術大学
巻号頁・発行日
2014-03-25

平成25年度
著者
鈴木 雅博
出版者
常葉大学外国語学部
雑誌
常葉大学外国語学部紀要 = TOKOHA UNIVERSITY FACULTY OF FOREIGN STUDIES RESEARCH REVIEW
巻号頁・発行日
no.34, pp.1-24, 2017-12-31

本稿は,学校組織に関する社会学的アプローチによる諸研究への検討を通して,教師の実践を記述するエスノメソドロジー研究の可能性を展望することを試みる。これまでに,法社会学,教員文化,ミクロ・ポリティクス等の視点から社会学的アプローチによる学校組織研究が蓄積されてきたが,これらは制度・文化を教師の行為を規定する要因として捉えるものであった。エスノメソドロジーはこうした因果論的説明ではなく,組織や文化がそれとして成し遂げられる人びとの実践を描出することを試みる。
著者
宇都宮 京子
出版者
東洋大学社会学部
雑誌
東洋大学社会学部紀要 = The Bulletin of Faculty of Sociology,Toyo University (ISSN:04959892)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.71-83, 2018-01

In this paper I make arguments regarding the relationships between the social theories of Weber, Schutz and Luhmann, referring to Husserl’s Phenomenology.Schutz criticized Weber’s Interpretative Sociology (Verstehende Soziologie), because he didn’t give refer to the time-concept. Schütz’s theoretical basis was established by Husserl in his study of the internal time-consciousness,but a new turn to his argument has emerged.Schutz adapted Bergson’s concept of the durée and referred to his concept of simultaneity;Schutz expressed his idea about the simultaneity of two durations or streams of consciousness in the context of “the phenomenon of growing older together.” Weber’s interpretive sociology strives to examine how observers (sociologists) can properly approach the subjective meaning of social actors. He made clear distinctions between the standpoint of an observer and one of an actor, but we can also see that it is difficult to identify an explanation on the concept of time in Weber’s works. Weber referred to Husserl’s work, Logische Untersuchung, in his thesis*, but thereare neither the concept of transcendental ego nor of consciousness-stream, nor of inner time-consciousness in Husserl’s Logische Untersuchung.I pointed out that Weber referred to the social relations and especially ‘Einverständnis’. (Luhmann referred to this Weber’s concept).Here we can identify the relationship between social actors such that they can confirm the validity of their expectation through their own experiences. Finally I examined Luhman’s relation to the views of Schutz, Weber and Husserl.These are as follows;1. Einverständnis (Weber)2. ’gleichzeitig altern’ (Schütz)3. Horizont (Husserl)
著者
滝本 宗宏
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.2, no.5, pp.15-27, 2009-11-20

コンパイラが行うコード最適化の1つである部分冗長除去は,冗長な式を除去するとともに,ループ不変式をループの外に移動する強力な手法である.部分冗長除去に基づいて行うプログラム変形は,いずれの実行経路上にも式を増加させないことを保証しており,その意味で,安全な最適化であるといわれる.一方,ループ内に存在する計算のように,頻繁に実行されることが予想される式は,たとえ実行経路上の式の数を増加させても,ループの外に移動させる投機的な移動を行う方が,プログラムの効率的な実行に貢献する場合がある.本研究では,ループ内の式についてだけ,投機的な移動によって,ループの外に移動させる部分冗長除去法を提案する.従来,部分冗長除去において,一部の実行経路上で冗長な部分冗長な式とループ不変式とを見分けることは困難であった.本手法では,質問伝播という要求駆動型の解析法を用いることによって,任意の制御フローグラフに対して,ループ不変式だけを投機的にループ外に移動させることができる.本手法の効果を示すために,本手法をCコンパイラに実装し,評価を行った.その結果,従来法と比べ,実行効率が17%以上向上する場合があることを確認した.
著者
東野 輝夫
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.829, 2018-08-15

近年,囲碁や将棋のプログラムがプロ棋士を破り,AIやビッグデータ技術が社会全体に浸透し,計算機ユーザでない一般人にも「情報学」が身近な学問になってきている.また,「情報科目」を2025年1月から大学入試に追加する方針が表明され,米国では情報分野の学生数が急増し,日本でも情報関連学部が新設されてきている.科研費の配分件数も増加し,主要研究分野の1つになってきている.近年の情報学は「メタサイエンス」としての位置づけが大きく,情報学の基礎研究をベースにした新たな研究分野が誕生している.5年後,10年後に新たにどのような研究会が誕生し,研究発表がなされているのか,なかなか興味深い時代になってきた.
著者
OGAWA Yoshitomo HOSOE Nobuhiro
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.18-06, 2018-08

Given that tariffs continue to serve as a primary source of government revenue in many developing countries, we analyze the optimal indirect tax problem, consisting of commodity taxes and tariffs, under a revenue constraint. This study derives the revenue-constrained optimal commodity taxes and tariffs in both a small and a large country and then examines their structure and properties. We show that the optimal commodity tax structure follows the Ramsey rule regardless of whether a country is small or large, which implies that the same optimal commodity tax rules are applied across a range of situations. We also show that the optimal tariffs are not zero, but negative, even in the small country case, which implies stronger support for the World Bank’s recommendation of tariff reductions for a country facing a revenue constraint. In addition, this study analyzes the optimal commodity taxation when tariffs cannot be fully adjusted. Numerical examples demonstrate some of our major findings and the welfare gain of the optimal taxation for a few developing countries.