著者
井上 眞理子
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.1-19,123, 1982

The concept of identity nowadays seems "unfashionable" in academic circles. But, for sociologists as well as psychologists, its meaning is yet ambiguous. The process in which the concept of identity has been formed by E.H. Erikson is explored in this paper in order to clarify what he means by "identity". Erikson's first concern was "How is the mutuality between ego and alter possible?" This question may be differently phrased as, "How can the self-expressions of ego and alter be compatible?"; or, "How is the adjustment between self-expression and self-control in an individual in society possible?"<br> This question has been the main subject of modern western social philosophers, for example, Hobbes, Locke, Roussau, Adam Smith and, though it may sound strange to call him a philosopher, Freud.<br> Erikson's concept of "mutuality" means functional mutuality, resembling the sociological concept of "complementarity of role-expectations".<br> But the next problem for Erikson was that an individual is divided among various roles. In other words, "inter-role conflict " which is experienced by that individual as "intra-role conflict" occurs. A clue to a solution was given by William James' concept of "personal identity in The Principles of Psychology (1890).<br> William James insisted that the personal identity is verified in "the stream of consciousness" But Erickson's "psycho-social identity" must in addition be verified in individual's actions. Thus the way in which an individual can achieve "role integration" becomes the main concern for Erikson at this stage. In this paper, we have decided to explore this concept of "role integration!' paying special consideration to the "adaptation" theory of H.Hartmann and its influence on Erickson's thought.
著者
亀ヶ谷 雅彦
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 (ISSN:02880725)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.71-86, 2001-12-28

本論文では、まず選挙予測が選挙結果に与える影響、すなわち「アナウンスメント効果」に関して内外の先行研究を概観し、その研究動向の経緯をまとめた。ついでこれらの研究の中で、アナウンスメント効果の捉え方に関して、(1) 直接・間接効果の区別、(2) 投票動員への影響か、投票選好への影響かの区別、(3) 影響方向の違い、という3つの要素が考慮されていることを見い出した。最後に、これらの要素を内包した新しいアナウンスメント効果の概念類型として、4つの投票意図変化 (生起・補強・棄権・変更) と3つの選挙情勢内容 (優勢・接戦・劣勢) を組み合わせた12の領域からなる下位概念の分析枠組みを提示した。
著者
斎藤 倫克 後藤 正幸
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.145-154, 2008-06-15
被引用文献数
1

近年,初期投資の不要なインターネットビジネスとして,アフィリエイトが注目されている.しかし,アフィリエイターの約半数が月1,000円未満の収益しかあげられていないという現実がある.これは,継続的なアフィリエイトビジネスの発展を阻害するため,何らかの対策を講じる必要があろう.そのため,収益性の高さから書籍に紹介されるほどの優良アフィリエイターが,どのような方法でサイトを構築,運営しているかを分析し,優良なサイトを構築するための指針を得ることが望まれる.しかしながら,そのようなサイト運営ノウハウを体系的に分析し,理解し易い形で結果を提示する手法は確立していない.そこで本研究では,優良アフィリエイトサイトの特徴を分析し,サイト構築と運営に有効となる情報を提示するため,(1)サイト構築と運営における優良アフィリエイターのノウハウをインタビュー文章から構造化し,重要なポイント(検証要素)を抽出するための手法を提案する.(2)既存の優良アフィリエイトサイトについて,個々のサイトの特徴を明確にするため,アフィリエイトサイト用の調査項目作成方法を提案する.これら2つの側面からのアプローチにより,アフィリエイトサイトの構築と運営に役立つ分析の方法論を確立する.加えて,実際に検証要素と優良サイトの特徴分析結果を示し,本稿の提案手法の有効性を示す.
著者
小野 英志
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-10, 1998
参考文献数
58

スタンリ・モリスンは, ゴランツ書店の斬新なブック・ジャケットによって知られるデザイナーあるいはアート・ディレクターであると同時に, 印刷・出版の歴史に関する深い学殖を備えた研究者でもある。1932年に発表され, 現在では最もポピュラーなローマン書体とも見做すことのできるタイムズ・ニュー・ローマンの開発経緯を例として, 彼の書体開発態度を, その著作を通じて検討した。その結果, 書体開発における彼の態度は, ブック・ジャケットのデザインのような場合とは異なり, たいへん慎重かつ保守的であり, そのことがまた彼の書体観ないし書体史観の反映であることが了解された。モリスンにおいてこうした態度を支えているものは, 文字の歴史に関する該博な知識と, それが差し示す書体の正統的形態を尊重する姿勢である。
著者
仲 真紀子
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.27-32, 2012-10

司法面接の目的の一つは、正確な情報をできるかぎり多く収集することだが、それは話をよく聞いてもらうという被面接者の権利を守ることでもある。本論では目撃者への面接(認知面接)、被害者への面接(MOGP、NICHDプロトコル等)、被疑者への面接(PEACEモデル)に関する研究成果を振り返り、実務に対してどのような貢献が可能かを考察する。
著者
峯松 信明 西村 多寿子 朝川 智 櫻庭 京子 齋藤 大輔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SLP, 音声言語情報処理 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.75, pp.75-80, 2007-07-20
参考文献数
30
被引用文献数
3

一つの言語には通常数十種類の音素(phoneme)がある。しかし音素の音的実体は前後文脈(音素環境)などによって多様に変形し,異音(allophone)と呼ばれる。音素と比較して種類数も多く,より具体的な音的現象に対応している。しかし奇妙なことに,これら音的事象を記号を用いて記す場合,性別,年齢,収録・伝送機器特性などによる音の変形(非言語的要因による音響的変形)は一切無視される.その音響的変形が幾ら大きくても,である。音声認識の音響モデリングは,凡そ,異音に相当する音事象をtriphoneとしてモデル化しているが,「非言語的変形の無視」を実装するために,数万人の話者から,様々な環境で収録した音サンプル群を統計的にモデル化している。本稿では,「非言語的変形の無視」の実装は,集めることではなく,音事象間の差異を捉えることで可能となることを数学的に示し,極めて少数の話者の音声で,不特定話者音声認識が可能であることを示す。提案する枠組みでは,音的要素をモデル化するのではなく,音的差異に着眼し,差異を集めることで構成される全体的な音的構造をモデル化する。
著者
伊田 政樹 中川 聖一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.96, no.92, pp.1-8, 1996-06-13
参考文献数
15
被引用文献数
4

音声認識システムの実用化には高精度認識と実時間処理という2つの課題がある。近年、より大規模な連続音声認識システムが求められており、全ての候補との照合を行なうことなく高精度かつ効率的な探索処理が必要となってきている。ここでは、ビームサーチ法とA^*探索法による認識性能の評価について述べる。認識実験より、ビームサーチ法は最適性が保証されていないが、適当なビーム幅と枝刈りのしきい値を与えることで、最適解を失う可能性は非常に小さくなり、枝刈りによって探索空間を大幅に削減できるために高速処理が可能となる。さらにここでは、ビーム幅の範囲内に最適バスが存在していることから、A^*探索法の探索空間をビーム幅で制限する方法について提案する。
著者
上村 直己 上村 直己
出版者
熊本学園大学
雑誌
熊本学園大学論集「総合科学」 (ISSN:13410210)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.87-114, 2008-04
被引用文献数
1

今回訳出したのは、地質学者・地理学者フェルディナンド・フライヘル・フォン・リヒトホーフェン(Ferdinand Freiherr von Richthofen, 1833-1905)が幕末にオイレンブルク伯爵を団長としたプロイセン使節団の学術員(地質学)として来日した際の日本滞在日記の一部である。
著者
新田 梢 長谷川 [まさ]弘 三宅 崇 安元 暁子 矢原 徹一
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.100-106, 2007-03-31
被引用文献数
2

近年、理論と実証の両面から適応進化の過程を「微小な遺伝的変化の累積」とみなす従来の進化観に疑問がなげかけられている。我々は、対照的な送粉シンドロームを持ち、花の寿命が半日しかない夜咲き種と昼咲き種を材料に、少数の遺伝子座の変化による適応的進化の実証研究を進めている。本稿ではこれまでに得られている結果を要約したうえで、遺伝的基礎を探る研究の今後の課題について議論した。キスゲ属(Hemerocallis)のハマカンゾウは昼咲き種でチョウやハナバチ媒花、一方、キスゲ(ユウスゲ)は夜咲き種でスズメガ媒花である。開花パターンは、自然雑種集団では、昼咲きパターン、夜咲きパターン、1日咲きパターンが見られ、両親権の純粋な集団に比べ、大きな変異性を示した。人工雑種F1世代では、ほとんどが昼咲きパターンであった。ハマカンゾウの花では、アントシアニンが合成されるために花弁が赤い。キスゲでは、アントシアニンが合成されないため黄色になる。 FI雑種の花では、アントシアニンによる赤い色が見られない。キスゲとハマカンゾウの間に見られる開花時間と花色の違いは、少数の主要な遺伝子座に支配されている可能性が高いと考えられる。また、ESTをもとに相同性配列を検索し、花色の変化に関する遺伝子を調べた。 CHS遺伝子(アントシアニン合成系のカルコン合成酵素の遺伝子)では、ハマカンゾウとキスゲにおいて同義置換のみが見つかり、アミノ酸配列に違いはなかった。したがって、CHS遺伝子のアミノ酸置換によって花色が進化したという証拠は得られなかった。 MYB遺伝子は、ユリにおいて花のアントシアニン合成系の制御に関っているMYB遺伝子にもっとも近縁だった。今後は、適応的進化のシナリオを明らかにするために、形質分離解析やQTLマッピングを進めていく予定である。「微小な遺伝的変化の累積」を仮定した最適化モデルやESSモデルは、その限界を正しく評価し、形質進化に関与した主要な遺伝子を特定したうえで、主要遺伝子の特性を考慮に入れた仮説の提唱とモデル化を行う必要がある。
著者
上坂元 絵里
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.95, no.9, pp.36-39, 1996-09-01
著者
目崎 登 佐々木 純一 庄司 誠 岩崎 寛和 江田 昌佑
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.49-56, 1984-01-01
被引用文献数
3

思春期あるいはそれ以前に開始されるスポーツトレーニングが初経発来に,どのような影響を及ぼすかをアンケート調査した。筑波大学の女子運動部員174名を対象とし,体育学の立場から,各スポーツの運動量により,激しいスポーツをA群100名,比較的軽いスポーツをB群74名とした.特別な運動歴のない本学一般学生137名を対照群とした。1.身長:対照群157.0±4.1±cm(Mean±SD),運動選手161.5±6.1cm(p<0.001),体重:夫々51.0±5.0kg,55.4:±6.6kg(p<0,001).2.初経年齢:対照群12歳7.7月±12.2月,運動選手12歳9.9月±13.4月(A群12歳10.5月±13.7月,B群12歳9.2月±13.1月).3.トレーニング開始年齢別初経年齢:各年齢群とも平均初経年齢は12歳6月から13歳の間にあり,特定の傾向は認められない.4.トレーニング開始時期と初経年齢:初経発来前よりトレーニングを開始した老の初経年齢は13歳1.4月±13.1月と遅延(p<0.001).初経発来後にトレーニングを開始したとする老の初経年齢は12歳0.6月±9.9月と早い(p<0.001).運動量による影響を調査するためにA群とB群に分けて検討した.A群では,初経前トレーニング開始者の初経年齢は13歳3.O月±13.1月と遅延(p<0.001)し,初経後開始者では11歳11.O月±6.6月と早い(p<0.001).B群では,ほぼ同様の傾向を示すが,統計学的な有意差はない.スポーツトレーニングの初経発来に及ぼす影響を調査した結果,以下の結論を得た.非常に早期に,若年齢のうちから激しいスポーツトレーニングを開始すると初経発来を遅延させる。
著者
今野 真二
出版者
清泉女子大学
雑誌
清泉女子大学紀要 (ISSN:05824435)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.1-19, 2011-12-15