著者
谷 英樹 浦田 秀造
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.51-62, 2018
被引用文献数
2

アレナウイルスはアレナウイルス科に属するウイルスの総称で,ほぼヒトに病原性を示さないリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)から,ヒトに高い病原性を示すラッサウイルス,フニンウイルス,マチュポウイルス,チャパレウイルス,ルジョウイルス,サビアウイルス,グアナリトウイルスまで数多く存在する.上記のうちLCMV以外は,世界保健機関(WHO)の定めるリスクグループ4の病原体であり,これに基づき日本でも一種病原体に指定されている.日本ではこれまでにラッサ熱患者の一輸入例を除き,患者の発生は認められていないものの,2014-16年に起こった西アフリカ地域でのエボラウイルス病アウトブレイクのように,いつ我が国で輸入症例が発生しても不思議ではない状況にある.病状や重篤性を考えると,流行地域でのワクチンや治療薬の整備は喫緊の課題であり,流行地域以外の国においてもこれらを整備しておくことは重要である.しかしながら,高病原性アレナウイルス感染症に対する基礎研究や治療薬の開発は,病原体の性質上,高度安全研究施設での取り扱いが必須となり,なかなか進んでいない.本稿では,最近のアレナウイルス全般の基礎研究と抗ウイルス薬の開発状況について概説する.
著者
松平 定之
出版者
日経BP社
雑誌
日経エネルギーnext = Nikkei energy next (ISSN:21894795)
巻号頁・発行日
no.12, 2016-01

経済産業省が12月4日に示した「電力の小売営業に関する指針案」は、需要家による小売供給契約の解除時に不当に高額の違約金などを設定することを「問題のある行為」と記した。ガイドラインが言うところ「不当に高額の違約金等」に何が該当するかのは個別判断…
著者
渡辺 勇助
出版者
明治学院
巻号頁・発行日
pp.1-206, 1957-11
著者
林 紘一郎
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.1-11, 2015

「情報法」に関連する議論は、ほとんど有体物の法体系の延長線上でなされているが、情報には有体物とは異なる特性があり、新たな発想での対応が必要である。また、この分野には次々と新しい事象が現れるため、情報法の関係者は個別判断を迫られ、何を基準にして判断したら良いかという議論が熟していない。通常の法学は、総論と各論に分けて論ずることが多いが、未だ発展途上にある「情報法」では、総論の前に「一般理論」を検討する必要がある。<br>本稿では、無体財である情報について、「占有」や「所有」を観念することができないなどの特徴を、主として法解釈の面から挙げ、インターネット・ガバナンスにも関連させつつ、法政策的にも「一般理論」の探求が不可欠であることなど、5 項目の必要性を主張する。さらに、今後検討すべきテーマとして合計 10 の命題を摘出し、これらの考察を進めることが、私自身も含めて今後の研究の指針となることを期待する。
著者
楽木 宏実
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.2, pp.253-259, 2015

高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)での高齢者高血圧に関する大きな改訂点は,降圧薬治療対象について個別判断の必要な例を具体的に挙げたこと,後期高齢者に対する降圧目標について前回のガイドラインで中間目標としていた150/90 mmHg未満を最終目標にしたことである.これに加えて,超高齢者の合併症や老年症候群も考慮した診断と治療における注意点を記載した.高血圧を窓にした高齢者診療の充実につなげたい.

1 0 0 0 OA 京都美術雑誌

著者
京都美術協会 編
出版者
文求堂
巻号頁・発行日
vol.第1,2号, 1890
出版者
北海道大学大学院 理学院 科学基礎論研究室
雑誌
Linkage: Studies in Applied Philosophy of Science (ISSN:24359084)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.26-31, 2021 (Released:2021-04-02)

帰納推論の本性に関する議論には 2 つの異なるアプローチの仕方がある.一つは論理学的なものであり,もう一つは統計学的なものである.これまでこの 2 つのアプローチは全く異なる研究伝統に属してきたが,近年その数理的関連性に注目し,そこからより実り豊かな応用を引き出そうとする試みが現れている.本論では,こうした試みの一端を紹介し,論理と統計を結ぶアプローチがどこまで有望なものであるのかを議論する.
著者
田島 陽一
出版者
公益財団法人東京都医学総合研究所
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

がん増悪化における細胞融合の役割は、染色体およびDNAの不安定性によって腫瘍の表現型に多様性を生み出すことが考えられる。ただし、細胞融合が悪性腫瘍の引き金になるかは不明である。間葉系幹細胞(MSC)と膀胱癌細胞との細胞融合により融合遺伝子の形成、細胞の形質変化、および腫瘍形成に変化が見られた。また、細胞融合により多くの遺伝子が変動した。その中のX遺伝子は腫瘍の成長につれて発現が増加する傾向を示し、遺伝子破壊により腫瘍形成が抑制される知見を得た(論文作成中)。これらの結果からMSCとがん細胞との細胞融合は、がんの多様性に関与する可能性があると考えられる。

1 0 0 0 政治過程

著者
内田満責任編集
出版者
三嶺書房
巻号頁・発行日
1986
著者
石井 貴子 宮澤 節子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.122, 2011

【<B>目的</B>】従来,行事食や儀礼食は各家庭において親から子へと伝承され,ハレの日の食事として共に祝ってきた。しかし近年では家庭から行事食等が消えつつあり,子の代に伝承されなくなってきた様に思われる。そこで食や栄養について学んでいる本学学生が,行事や儀礼およびそれらにまつわる食についてどれだけ認識・経験しているか,その現状を調査した報告を行う。<BR>【<B>方法</B>】2009年12月~2010年2月,本学学生およびその家族を対象に自記入式のアンケート用紙(調査用紙は日本調理科学会作成全国統一様式を使用)を配布し,後日回収した。今回はその中より本学学生190名(全体の82%)を調査対象とし,行事17種,儀礼13種の認知度等について集計を行った。<BR>【<B>結果と考察</B>】認知度の高い行事は大晦日,正月・節分・クリスマスであり,これらの行事を認知している人の90%以上が経験もしていた。逆に認知度の低い行事は,重陽の節句であった。また喫食経験率の高いものは,クリスマスケーキ,冬至の南瓜,年越しそば,うなぎの蒲焼であった。低いものとして重陽の節句の菊酒の経験が一人だけあった。通過儀礼では七五三,誕生日,成人式の認知度が高く,低いものはお七夜,百日祝いであった。儀礼食では,お赤飯(小豆飯)が祝い事の席ではよく食べられていた。また誕生日のケーキ,千歳飴の喫食率が高かった。行事・儀礼いずれも認知度・喫食率の高いものは,各家庭や各種教育機関等での経験,食材や料理の調達しやすさ,マスコミュニケーションの影響が考えられる。またお七夜や百日祝いは対象が生後間もない頃の儀礼のため,本人の認知度が低かったと考えられる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.680, pp.IT4-8, 2000-11-27

FD(フロッピーディスク)申請を受け付けている行政庁は,全国の約4分の3。しかし,その4割でFD申請率が10%以下——。特定行政庁を対象にしたアンケートで,FD申請開始から8年たった現状が明らかになった。台帳を電子化しても,紙の申請書を手入力していては,かえって作業が増えてしまう。業務効率化のカギは,いかにFD申請率を上げるかにある。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1097, pp.46-49, 2001-06-25

スウェーデンの大手生保会社、スカンディア生命保険の日本法人の霜山純夫社長は、ノートパソコンの画面に赤や緑などで表示される文字を注意深く見ながら、こんなふうに次の一手を考えている。全体の保険料収入の推移、契約件数、市場シェアから顧客訪問件数、紙ではなくインターネットだけで業務上のやり取りをする販売代理店の割合…。