著者
原 孝成 髙橋 弥生 おかもと みわこ 日暮 トモ子 當銘 美菜
出版者
目白大学高等教育研究所
雑誌
目白大学高等教育研究 = Mejiro University Education Research (ISSN:21859140)
巻号頁・発行日
no.27, pp.93-101, 2021-03-31

本研究は、目白大学子ども学科の卒業生の実態を把握し、現在保育福祉職を目指している在学生に対する「就職前の期待と現実とのギャップから生まれるリアリティショック(RS)への対応」への有効な支援策検討資料を作成することを目的とし、本学科の卒業生全員を対象に質問調査を実施した。現在保育・福祉職に勤務している者としていない者では、どちらも仕事にやりがいを感じていた。保育福祉職を選んだ理由として、現在勤務していない者の方が「自分に向いてる」と回答する割合が高く、そう考えて仕事を目指した者の方が現実とのギャップを感じ保育福祉職を離れてしまっていることが示唆された。また、現在勤務している者は退職の理由として「職場の方針に疑問を感じた」「継続できないような職場の雰囲気」と回答する割合が高かった。保育福祉職にやりがいを感じていれば、外的要因(職場の雰囲気など)で離職しても再度保育福祉職に勤務する可能性があるが、内的要因(RSなど)で離職した場合その可能性が低いことが示唆された。
著者
山本 博昭
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.3-12, 1994
被引用文献数
1

不整地走行車両には多様な形態が考えられるが, ハウジング揺動型の小型クローラ4基で走行する車両の試作開発を試みた。各クローラは, 走行駆動と同時にそれ自体を回転・揺動させて車体地上高を変え, 路上の段差・障害を踏破しようとする構想である。また, 前後にある左右クローラ揺動軸を差動装置で連結し, 互いに逆方向に差動するそれらの揺動運動を利用して, 車体左右の地上高の差を修正し, 両輪の常時接地と車体の水平化を図った。本報では, 試作車両の構造・機能の特徴, 差動機構を利用した走行部の機構学的特性及び各クローラ接地反力 (接地荷重) の変動に関する解析結果について報告する。
著者
野上 雅弘 坂本 浩 永井 輝行
出版者
福井県園芸試験場
雑誌
福井県園芸試験場報告 = Bulletin of the Fukui Prefectural Horticultural Experiment Station (ISSN:09105387)
巻号頁・発行日
no.11, pp.9-26, 2000-02

ロゼット化および開花の特性が品種によって著しく異なるトルコギキョウについて,特別な処理を行わなくても,夏から秋にかけて高品質切り花が収穫できる品種を選定することを目的として二三の実験を行った。1. 3月24日に播種を行った場合,開花期は8月上旬から下旬となり,ロゼット化する品種はなかった。切り花長,切り花重,有効花蕾数といった品質に基づいて判断すると,8月上旬の収穫では'若紫','白雪',8月中旬では'F1あずまの朝','F1キングオブスノー','F1あずまの波','F1ロイヤルライトパープル','F1キングオブライラックローズ','F1あずまの銀河','ミスライラック','天竜乙女','F1キングオブホワイト','グローリーパープル','ホーリースモールレディ','天竜ホワイト',8月下旬では'桃の誉','フレッシュホワイト'および'ホーリーバイオレット'が適品種であった。2. 5月18日の播種では,9月下旬に開花する品種と10月に開花する品種とがあった。また,播種期を6月8日に遅らせると,開花期は11月中旬から12月下旬となった。この作製では,供試したほとんどの品種でロゼット化が起こったが,その程度は品種により著しく異なった。6月播種では,5月播種に比べてロゼット化率が概して大きかったが,いくつかの品種は,播種日に関係なく,相対的に安定したロゼット回避性を示した。切り花品質とロゼット回避性に基づいて判断すると,9月下旬の出荷には'F1あすかの朝','ニュースモールレディ','F1サンパープル'がよく,10月上旬の出荷には'F1あすかの粧','F1あすかの桜','F1ハイセンスパープル','マイテレディ','F1あすかの紫','F1サンホワイト'が,10月中旬の出荷には'マイテスカイ','F1クイーンオブローズ','F1サンピンク','F1ベガバイドリーム','F1サンニューパープル','F1つくしの霧'が,10月下旬の出荷には'F1サンコーラル','マイテピンク','ホーリーホワト3号'が,また,11月上旬の出荷には'F1スーパープリマドンナ'がそれぞれ適品種で,播種適期はいずれの品種も5月中旬である。但し,確実にロゼット化を回避したい場合には,'F1ハイセンスパープル','F1ベガバイドリーム'および'マイテピンク'を利用するのがよいと思われる。しかし,6月播種による11月以降の収穫は,切り花品質が低くロゼット化率が高くなるため実用的ではないと思われる。3. 'F1ハイセンスパープル','F1サンホワイト','F1ベガバイドリーム','F1つくしの霧'を1996年4月18日から5月24日の間に5回に分けて播種し,9月に収穫を行うための播種適期を検討した。しかし, 5月中旬播種の場合の開花期は1995年より1ヵ月以上早まった。アメダス気象データによると1996年は1995年および平年に比べて特に7月の日照時間が多かったことから,この作型では梅雨期の日照時間が開花期に大きく影響することが示唆された。このため,9月収穫のための播種期は判然としなかったが,おそらく4月上旬から5月上旬であると思われる。
著者
濱田 美和 深澤 のぞみ
出版者
富山大学留学生センター
雑誌
富山大学留学生センター紀要 = Journal of International Student Center, Toyama University (ISSN:13472739)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-9, 2011-11

IT技術が広く普及したことにより,IT用語はPC操作以外の日常的な場面でも頻繁に使われるようになった。また同時に,日本語力を有する外国人IT技術者のニーズが世界的に高まるなど,様々な目的で,日本語のIT用語の習得が,仕事や学習,また生活に不可欠なものとなってきている。そこで本稿では,普段の生活で接することの多い新聞や雑誌などの印刷物やテレビ放送を資料として用い,頻出するIT用語を抽出して,日常生活に深く浸透してきたIT用語の特徴を明らかにした。具体的には,語の出現度数や語種,ともに用いられる動詞や複合語としての用いられ方を分析した。それをもとに,一般の日本語教育の中で早くから扱う必要があることを提案し,日本語教育の中での取り上げ方についても考察した。
著者
小野 秀昭
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.10, pp.41-48, 2002

国内景気を判断する短観、とりわけ日本銀行により作成される「日銀短観」は景気の判断として最も注目されている。日銀短観の結果によって株式や債権の価格が敏感に反応することから、経済動向に大きな影響力をもつ指標の1つでもある。<BR>本研究では、この日銀短観とトラック運送業界により作成されている「トラック短観」を比較分析することにより、景気判断の関連性、特にトラック短観の先行性について検討することを目的としている。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1210, pp.169-171, 2003-09-29

9月12日の関係閣僚会議。月例経済報告を披歴した竹中平蔵経済財政・金融担当相の表情は明るかった。景気の基調判断は、「持ち直しに向けた動きが見られる」。3月から8月までの景気判断は「おおむね横ばい」で、8月はこれに「景気を巡る環境に変化の兆しが見られる」との字句を加えて上方修正した。つまり、2カ月連続の上方修正である。
著者
新保 生二
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.935, pp.66-68, 1998-04-06

問 政府の月例経済報告の景気判断は「引き続き停滞している」ですが、エコノミストや企業経営者の間では「景気は下降している」とみる向きも多いようです。どうして「停滞」という判断になるのですか。 答 景気動向指数に基づいて議論されている方と、われわれみたいにいろいろな指標を見て判断するやり方とでは違いがあります。
著者
杉山 晃
出版者
清泉女子大学
雑誌
清泉女子大学紀要 (ISSN:05824435)
巻号頁・発行日
no.54, pp.29-42, 2006-12

「ワルマ・クヤイ」(1933)はホセ・マリア・アルゲダス(ペルー、1911-1969)が書いた最初の短編である。そのなかに何種類もの動物が登場する。-牛、馬、ピューマ、犬、豚、フクロウ,ヒキガエル、モリバト、コウテンシ等々だ。アンデスの自然を背景にした作品であり、多くの動物が出てきても不思議ではないが、それらが登場する文脈を仔細に点検すると、さまざまなレベルの効果をあげるべく仕組まれていることがわかる。先住民の独特の感性や、権力者の無慈悲、あるいはふたつの文化(アンデスと西洋)の狭間で苦しむアルゲダス自身の苦悩を描きだすのにも、それらの動物群が大きな役割を果たしている。この論考では、動物が登場する全ての文を分析し、アルゲダスの戦略においてそれらの動物がどのような役割を担わされているのかを明らかにする。
著者
細川 允史
出版者
日本農業市場学会
雑誌
農業市場研究 (ISSN:1341934X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.1-12, 1997

首都圏を構成する1都3県の人口は3240万人に達し、都市地域は県境を超えてとぎれることなく続き、道路や鉄道網は東京を中心として放射線状に結ばれている。このように、首都圏は東京を核とした経済圏、生活圏を構成している。青果物中央卸売市場は、東京都に9市場ともっとも多く、神奈川県に5市場、千葉県に2市場ある。地方卸売市場は、中央卸売市場が存在しない埼玉県にもっとも多い。主要卸売市場は、東京都心を中心として半径40kmの範囲内に分布している。小売業者は、都市の歴史が長い東京都に一般小売商が多く、一方、スーパーマーケットは、郊外である3県に多い。取引方式については、予約取引、予約相対取引、時間前販売などの予約型取引が中心となっていて、セリは地場出荷品などを対象として部分的なものとなっている。予約型取引が中心となっている理由は、産地の大型化やスーパーマーケットなど大型小売資本の進出を背景として、(1)高率で時間前販売が行われていて、セリ開始時刻に現物が少ない、(2)出荷に当たって大型出荷団体からの価格要請がなされる、(3)買い手側の小売企業への販売にあたって価格協議が行われている、(4)中小卸売市場においては、基幹的大市場で形成された建値を元にした販売を余儀なくされている、などである。予約型取引においては、事前に価格の協議が産地や小売側と行われることから、基幹的大市場が優位に立つ。現在、大産地の出荷品については、東京都中央卸売市場大田市場における価格形成を頂点としながら、他の卸売市場間に価格横並びの現象が見られる。物流については、東京都中央卸売市場の取扱数量の25%が首都圏3県に搬出されるほか、東北地方、北海道、中部地方など広範な地域にも搬出され、物流においても頂点に立っている。さらに、他市場への出荷品も基幹的大市場に荷下ろしして、そこから搬送する「気付出荷」が相当量存在し、大田市場がデポ拠点の中心的役割を果たしている。搬送費用は出荷を受ける卸売会社が負担し、経営を圧迫する要因となっている。卸売会社が仲介して、トラック1台分以上の取引が産地と買い手小売業との間に成立する場合には、品物は卸売市場を経由せず、直接に産地から買い手小売企業に納入する「商物分離」が取引量の1〜2割程度行われる状況となっている。このような取引・物流の状況変化により、変化に対応できる卸売市場(卸売会社)と、それが困難な卸売会社との間の格差が拡大し、一部卸売市場の拡大の下で、他の多くの卸売市場の集荷力が低下し、転送や気付集荷で対応することを余儀なくされている。利益率が低下し、経営内容の悪化を招来している傾向が見られる。大手卸売会社資本による卸売会社の系列化は必ずしも経営改善に結びつかないことから停滞していたが、異なる開設者間の卸売市場の卸売会社が本支社化するという新しい方式も登場しており、広範囲に同一卸売会社資本が支配関係を構築することに道が開かれた。結論として首都圏においては、大型小売資本の進出、大型産地の価格要請の強化を背景に、東京都中央卸売市場なかんずく大田市場を頂点とした取扱量の集中化が進行している。その過程で、予約型取引が増大しているが、これに対応困難な卸売会社の弱体化と再編は不可避であろう。
著者
本 明子 下川 智之
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.186, 2011

福岡県の八女地域には、提灯や仏壇といった国指定の伝統的工芸品や県の伝統工芸品に指定されている石灯籠や和紙、独楽など、多くの工芸品の産地である。しかしながら、近年、生活環境の変化や安価な海外製品の流入により、その伝統工芸品の生産高は減少している。そのような中、伝統工芸品の技術や素材を継承しつつ、新しい工芸品を作り、「伝統工芸のまち 八女」を再認識してもらうものづくりに取り組んだ。その一例である提灯バッグなどの開発について紹介する。
著者
サイエンスウィンドウ編集部
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
サイエンスウィンドウ (ISSN:18817807)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.1-36, 2009

<p>サイエンスウィンドウ2009夏号の冊子体一式(PDF版)およびHTML版は下記のURLで閲覧できます。</p><p>https://sciencewindow.jst.go.jp/backnumbers/detail/20</p><p><b>目次</b></p><p><b>【特集】 Let's go 火山! ―生きている地球を感じよう―</b></p><p>p.06 鎌田浩毅氏が語る「火山を知ると地球サイズでものが見える」</p><p>p.08 火山の島、伊豆大島で感じた地球の息吹</p><p>p.10 伊豆大島が噴火した23 年前のドキュメント</p><p>p.11 火山の島の小学校「大島町立さくら小学校」を訪ねて</p><p>p.12 火山と噴火の仕組み</p><p>p.14 災害は短く、恵みは長い</p><p><b>【TOPICS】</b></p><p>p.20 350 年前の顕微鏡で生物の世界を観る ──スーパーサイエンスハイスクールの高崎高校で</p><p>p.22 座談会:「伸びしろのある人材を育てたい」</p><p><b>【連載】</b></p><p>p.02 似姿違質:オオモモブトスカシバ VS セイヨウミツバチ</p><p>p.16 いにしえの心:富士山の噴煙</p><p>p.17 タイムワープ夢飛翔:噴火/その日、時が止まった</p><p>p.18 人と大地:ビンガム鉱山(米国・ユタ)</p><p>p.24 かがくを伝える舞台裏:ニッポン放送「福田沙紀と柳田理科雄のラジオ空想科学研究所」</p><p>p.25 サイエンスのお仕事図鑑:研究開発員(メーカー) 三枝千尋さん</p><p>p.26 ふるさと食の楽校:菜種 青森県横浜町</p><p>p.28 動物たちのないしょの話:ホッキョクグマ(さっぽろ円山動物園)</p><p>p.30 イチから伝授実験法:炎のカラフルマジック</p><p>p.32 発見! 暮らしのなかの科学:金の魅力と実力を追う!</p><p>p.34 せんせいクラブ</p><p>p.36 人と大地:解説</p>