著者
三輪 哲 佐藤 香
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.489-494, 2018-10-01 (Released:2018-10-01)

欧米諸国では多くの社会科学データアーカイブが1960年代に設立されたが,日本ではその設立が20年近く遅れた。日本の最初の組織的なデータアーカイブであるSSJデータアーカイブは,現在,2,000を超えるデータを公開・提供しており,社会調査データの散逸を防ぐとともに二次分析の普及を図り,社会科学教育にも貢献している。ただしSSJDAは,現在,いくつかの課題に直面している。寄託され公開するデータをより増加させることや,セルフアーカイブを実現すること,調査時点でのインフォームドコンセントに二次利用まで含めるよう啓発すること,多様化する利用者へと対応すること,などである。

8 0 0 0 OA 朝日年鑑

著者
朝日新聞社 [編]
出版者
朝日新聞社
巻号頁・発行日
vol.昭和3年, 1933

8 0 0 0 OA 間花集 : 詩集

著者
三好達治 著
出版者
四季社
巻号頁・発行日
1934
著者
寺井 仁 三輪 和久 古賀 一男
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.74-88, 2005 (Released:2009-10-16)
参考文献数
23
被引用文献数
9

Research on insight problem solving has mainly been treated within the scope of Gestalt psychology in the past. And now, insight problems are being investigated in cognitive psychology. However, little is known about how the process develops. In this study, we investigated the process of insight problem solving using a discovery task. The purpose of this research is to answer the following two points: First, how do constraint relaxation and the swith of a problem space search progress in insight problem solving? Second, what differences lie between successful subjects who reached the solution and unsuccessful subjects who did not? In this research, we analyzed the process of subjects searching their hypothesis space based on hypotheses that the subjects verbally reported. Additionally, we also measured the subjects' eye movement when they solved the problem. The following results were obtained. First, insight was not suddenly obtained in an instant, but rather gained through a relatively gradual mental relaxation process. Second, we found that the subjects who found the correct target reacted more sensitively to the irregular experimental results, as negative feedback caused rejection of the subjects' hypotheses. Our study detected insight problem solving processes in more detail by using not only subjects' verbal reports, but also psychological data obtained through eye movement measurements.
著者
河原 英紀
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2018-SLP-125, no.18, pp.1-5, 2018-12-03

新しいスペクトル包絡計算法,新しい瞬時周波数および群遅延計算法,周波数領域 velvet noise による新しい混合音源に基づいて,20 年前に構想された音声分析変換合成法 STRAIGHT を再構築する.本報告では,背景とそれらの構成要素を紹介し,検討課題と今後の進め方について議論する.
著者
池上 佑里 西廣 淳 鷲谷 いづみ
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1-15, 2011-05-30 (Released:2018-01-01)
参考文献数
43
被引用文献数
3

関東地方の台地の周縁に発達する小規模な谷(谷津)の奥部における水田耕作放棄地に成立した植生を、水生・湿生植物の生育ポテンシャルの面から評価することを目的とし、茨城県の北浦東岸の32箇所の谷津を対象として、最上流部に位置する水田放棄地の植生と、それに影響する環境要因を分析した。各調査地に15m×5mの調査区を設け、調査区内の維管束植物・大型水生植物相(ウキゴケ類とシャジクモ類を含む)を記録した。さらに、その内部に0.5m×O.5mコドラートを39個設け、種ごとの出現頻度から優占度を評価した。調査の結果、調査地あたり在来種数は平均32種、外来種は平均3種が記録され、全体では244種(うち外来種25種)が確認された。全国版あるいは地方版(茨城県あるいは千葉県)レッドリスト掲載種は、9箇所の調査地において合計7種確認された。一般化線形モデルを用いた解析により、調査地あたりの在来種数および在来水生・湿生植物種数に対して、地下水位による有意な正の効果と、日照率(植生上で撮影した全天写真から評価)と耕作放棄からの年数による有意な負の効果が認められた。地下水位による有意な正の効果は、絶滅危惧種の出現可能性に対しても認められた。逆に、侵略的外来植物であるセイタカアワダチソウの優占度に対しては、地下水位による有意な負の効果が認められた。地下水位は、コンクリートU字溝などの排水施設が設置されている場所において有意に低かった。以上のことから、調査対象とした地域において、谷津奥部水田耕作放棄地は、絶滅危惧植物を含む多様な水生・湿生植物の生育場所として機能していること、その機能は、水田として耕作されていた時代に排水施設などの圃場整備事業が実施されていない場所において特に高いことが示された。
著者
力丸 裕
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.174-180, 2009 (Released:2009-07-25)
参考文献数
18
被引用文献数
1

Small bats (microchiroptera) get various types of information about their targeted objects by comparing returning echoes to emitted ultrasonic pulses, which is called “Biosonar”. This paper introduces the outline of biosonar, and then explains consistency and plasticity of vocalization, changes in vocalization due to relationships between targets and the bat. This paper also describes how they vocalize for the real-time time-sharing signal processing based upon data obtained with an onboard telemetry microphone system and data recorded with reversible focal inactivation of neural activities. Amazing real-time time-sharing signal processing performed by a brain as small as the tip of our little finger will be explained.
著者
中広 全延
出版者
夙川学院短期大学
雑誌
夙川学院短期大学研究紀要 (ISSN:02853744)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1-14, 2008-07

指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbertvon Karajan)において、自己愛の病理を指摘できる。オーケストラを排除した後、録音したテープを編集してミスのない完璧な演奏のレコードを作るように、カラヤンは伝記作成において、具合の悪い事実はカットし都合のよいものだけを集めてきて、自己の生涯を編集して完璧な作品にしようと試みた。批判や挫折に対して異常に傷つきやすいカラヤンは、批判や挫折に直面すると自分を攻撃し妨害する集団を想定することがあったが、それは彼の被害妄想とせざるを得ないのではないか。世界が敵意に満ち自分を攻撃してくる存在でいっぱいであると恐れていたカラヤンにとって、日本は元ナチス党員として弾劾されることもなくいつ来ても大歓迎してくれる友好国であった。日本という視点からカラヤンの病理は見えない、日本という他者との関係においてそれは現れない、ということになるかもしれない。
著者
奥田 尚
出版者
追手門学院大学
雑誌
アジア観光学年報 (ISSN:13463527)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.127-139, 2008-04
著者
上田 香織 中村 誠
出版者
医学書院
雑誌
臨床眼科 (ISSN:03705579)
巻号頁・発行日
vol.71, no.12, pp.1666-1670, 2017-11-15

はじめに レーベル遺伝性視神経症(Leber hereditary optic neuropathy:LHON/OMIM#535000)はミトコンドリアの点変異による急性ないし亜急性の視神経症である。典型的には片眼の急激な視力低下と中心視野欠損で発症し,数週から数か月の間隔をおいて対側眼に同様の症状をきたす。光覚を失うことは稀で,多くは手動弁から(0.01)程度の視力で経過するが,ごく少数の症例で自然回復がみられる1)。 LHONはミトコンドリア疾患のため母系遺伝し,これまで10〜20歳代の若年男性に好発するとされてきたが,近年は高齢者での発症報告例が増加してきている。本邦でのこれまでの疫学調査では,1995年にHottaら2)が11778変異の患者の発症年齢の平均値を23.4歳と報告していたが,2014年の新規発症患者を調査したところ,発症時の平均年齢は33.5歳とこの20年で10歳上がっており,40歳代以上の中高年の患者は全体の40%以上を占めていた(図1)3)。本邦ではこれまで正確な患者数も把握されておらず,統計的に予測値を算出するにとどまっていたが,2016年に指定難病となり,今後は疫学調査も進むことが期待される。 LHONでは95%以上の症例でmtG3460A,mtG11778A,mtT14484Cのいずれかの一塩基置換が検出される。これらはprimary mutationと呼ばれるが,すべて呼吸鎖複合体Ⅰを構成する蛋白をコードしている。遺伝子変異によって複合体Ⅰの機能不全をきたし,網膜神経節細胞のアポトーシスに至ると考えられているが,なぜ網膜神経節細胞のみにこのような変化が起きるのかはわかっていない。また,発症には何らかの環境因子が酸化ストレスとして関与していると予想されており,疫学調査では喫煙や大量のアルコールの摂取がリスクファクターであることが示唆されている4)。 現在有効な治療法は確立されていないが,眼血流を改善する目的で点眼薬やビタミンBなどのサプリメントが用いられることがある。また近年,LHONをはじめとするミトコンドリア病に対しコエンザイムQ10誘導体である,イデベノンの内服が有効であるというデータが蓄積されつつある。変異遺伝子を正常のものと置き換える,または正常遺伝子を導入して呼吸鎖の機能を回復あるいは補塡する,といった遺伝子治療も試みられている。 本稿では,主にイデベノンと遺伝子治療に関する最近の臨床試験の成績について述べる。
著者
村瀬 雅俊
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.47-56, 2004-04

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
Masahiko Inoue
出版者
Tottori University Medical Press
雑誌
Yonago Acta Medica (ISSN:13468049)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.169-181, 2019 (Released:2019-06-20)
参考文献数
85
被引用文献数
14

Intellectual disability and autism spectrum disorder are neurodevelopmental disorders that emerge during the developmental period. A significant barrier that impedes the social adaptation of individuals with these disorders is the exhibition of problem behaviors, such as self-injurious, stereotyped, and aggressive/destructive behaviors. In recent years, these problem behaviors have been collectively referred to as “challenging behavior,” in accordance with the contention that they result from an interaction between the individual and his or her social environment. Evidence-based psychosocial interventions that adopt the functional approach to treating challenging behavior are increasing. However, in order to effectively implement such interventions in educational settings and welfare facilities, it is essential to develop staff training programs and usable psychometric assessments. Accordingly, a brief overview of research studies on challenging behavior that have been conducted in Japan, as well as the various support systems that are available to individuals who exhibit challenging behavior, are presented in this article. The discussion makes it apparent that, in order to improve treatment systems in Japan that are aimed at addressing challenging behavior, it is necessary to establish not only better staff training programs, but also reliable and valid assessments measuring challenging behavior that can be readily used by teachers and parents. On the basis of this discussion, it is proposed that technological advancements must be applied to psychosocial approaches in the study of problem behaviors, in order to develop assessment system using software applications and automatic measurement system of target behaviors using sensing technology.
著者
後藤 優介 砂山 渡 畑中 裕司 小郷原 一智
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

深層学習を用いた,対話文の自動生成が行われるようになってきた.対話文の自動生成においては,対話相手との話の繋がりが重要視されるとともに,対話相手のキャラクタ性によって,対話に魅力を感じさせたり,コンピュータの向こう側に人格を感じさせることが重要である.しかしこれまでの研究においては,文章をある地方の方言にや,侍風に変換するなど,変換先の語彙集合が定義しやすいキャラクタ性を対象としてコーパスを作成,特徴を学習し,変換が行われることが多かった.そこで本研究においては,文章に語彙集合の定義が難しいキャラクタ性をもたせる変換を行う.特に本論文においては,「かわいさ」をキャラクタ性としてもたせることを目的とした,任意の文章にかわいさを付与するための方法を検討し,かわいさを付与できる文と付与できない文を評価した.結果,かわいさを感じさせる要素を付与する事はできたが,かわいさは文の内容に大きく依存することがわかった.

8 0 0 0 OA 西鶴全集

著者
石川巌 編
出版者
昭和書院
巻号頁・発行日
1927
著者
[井原西鶴] [著]
出版者
従吾所好社
巻号頁・発行日
vol.驕楽篇 第1巻, 1923
著者
望月 朝香 鈴木 泰博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MPS, 数理モデル化と問題解決研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.179-182, 2007-12-20
参考文献数
6

文章を読んだ後に「著者らしい雰囲気のする文章だった」と感じる経験はよくある。この目に見えない「雰囲気」、即ち作者特有の文体印象について、小説のテキストデータを数量化し分析することで考える。文体印象を醸し出す要素は様々考えられるが、本研究では(1)「句読点の分布」(2)「読みでの文字数」(3)「文章表現方法・多頻出言語」の3項目に着目する。句読点の使い方に著者特有の文構造が、読みでの文字数では頭の中のリズム、文章表現方法・多頻出言語から著者の愛用語や単語使用方法の癖が現れ、文体印象の要素となるためである。本論文では作者の特徴の抽出に相当する(1)と(2)について行う。かかる特徴付けを行い文体や作家の雰囲気を数量化することで、雰囲気を用いた文献検索を可能にし、また作者不詳の歴史文献の作者特定へ応用することが可能である。
著者
横山 ちひろ 村山 美穂 田原 強 尾上 浩隆 村山 美穂 田原 強 尾上 浩隆
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

コモンマーモセットの示す社会性における、遺伝子/環境-行動連関の分子基盤を明らかにするために、セロトニン、ドーパミン、性ステロイドおよびバソプレシン神経伝達等に係る遺伝子多型の調査および陽電子断層撮影装置(PET)による脳内生体分子イメージングを遂行した。社会性行動の定量評価しそのスコアと遺伝子多型および脳内分子局在活性との関連性を明らかにするとともに、親子分離による社会行動への影響を明らかにした。