出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1516, 2016-06-13

NHKは受信料の課題の一つとして、住所変更・解約によって新たに発生する受信料未払い世帯の捕捉や、そもそもNHKと放送受信契約を結んでいない世帯(未契約世帯)から受信料を収納できるようにするまでの活動が困難である点を挙げた。住所変更・解約によって新…
著者
中島 淳 大久保 秀則 日暮 琢磨
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.406-413, 2020-10-25 (Released:2020-12-01)

慢性便秘症は高齢者に多い疾患であり近年便秘症があると生命予後が悪いこと,心血管イベントが多いこと,CKD発症が多いことが明らかになってきた.この意味で便秘症は治療すべき病気として認知されるようになった.高齢者では結腸運動能の低下,直腸知覚閾値の鈍麻など高齢者特有の病態異常が明らかになりそのため単なる便秘ではなく直腸に便塊が貯留する糞便塞栓の発症に注意しなければならない.治療は酸化マグネシウムをまず使うが高齢者では特にマグネシウム血症に注意する必要があり,刺激性下剤はレスキュー薬としての使い方がベストな使い方である.最近多くの便秘治療新薬の登場で医療現場が大きく変わりつつある.
著者
角 恵理
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.300, 2004

コオロギの歌は種特異的であり、種認識において重要な役割を果たすと考えられる。日本列島に分布する3種のエンマコオロギ属コオロギ(エゾエンマコオロギ、エンマコオロギ、タイワンエンマコオロギ)のメスに対してプレイバック実験を行い、配偶者選択において鍵となる歌のパラメーターを調べた。<br> 第一に、3種のメスに対して、3種のオスの歌を再生してきかせた。その結果、分布の重ならない2種間ではお互いの歌を選択しあう割合が高かったが、分布の重複する2種間ではそのような誤判別はまれであった。すなわち、分布の重複する2種の間では、自種の歌を正確に判別しており、交配前隔離に歌が有効に機能していることが示された。<br> 第二に、そのような判別は歌のどのパラメーターの違いに基づくものかを明らかにするために、コンピューターで合成した歌を再生しメスの反応を調べた。その結果、歌のパルスペリオドに関しては3種の平均値の歌をプレイバックした場合には、自種の平均値の歌を選択する傾向が認められた。一方、優位周波数については、そのような傾向は認められなかった。チャープ繰り返し率、パルス数については、3種のメスに共通して、チャープ繰り返し率が高くなるほど、パルス数が多くなるほど、選択するメスの割合が高くなった。<br> 以上の結果から、コオロギの歌は同所的に分布する近縁他種から自種を正確に判別するのに有効であること。その際の自種の認識には、歌のパルスペリオドが重要であることが示された。また、メスは、自種の歌がとりうる値の範囲を超えて、チャープ繰り返し率が高く、パルス数が多い歌を選択すること、すなわち超正常刺激に対する好みが示された。<br>
著者
岡田 祥宏
出版者
一般社団法人 日本リスク学会
雑誌
リスク学研究 (ISSN:24358428)
巻号頁・発行日
pp.SRA-0341, (Released:2020-11-27)
参考文献数
19

Japanese higher educational community just declared enhancement of internal control and governance system in the university management, following the government's line. In this letter, the COSO-Internal control framework, enterprise risk management, ISO31000 and university governance code of Japan are introduced. They are useful concepts for all those who are interested in risk management of universities to discuss how to clarify the risk management concept of treating genetic resources in the universities. As mentioned in ISO31000, managing risk is part of governance and leadership, and is fundamental to how the organization is managed at all levels. That's why risk management of treating genetic resources under the Nagoya Protocol should be implemented in harmony with the internal control function of universities. Finally four points for discussion are offered.
著者
加藤 太郎 板東 杏太 有明 陽佑 勝田 若奈 近藤 夕騎 小笠原 悠 西田 大輔 髙橋 祐二 水野 勝広
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
pp.20022, (Released:2020-11-30)
参考文献数
18

目的:脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration:SCD)に対する短期集中リハビリテーション治療(SCD短期集中リハビリテーション)の効果が,先行研究により示されている.しかし,SCD短期集中リハビリテーションの効果検証は,Scale for the Assessment and Rating of Ataxia(SARA)の総得点により報告されており,SARAの下位項目による詳細な検証はなされていない.本研究は,歩行可能なSCD患者の運動失調に対するSCD短期集中リハビリテーションの効果を,SARAの総得点と下位項目得点から検証することを目的とした.方法:対象は,SARAの歩行項目3点以下に該当し,4週間のSCD集中リハビリテーション治療プログラム(SCD集中リハビリテーション)に参加したSCD患者23名(男15名,女8名)とした.評価項目はSARAとし,SCD集中リハビリテーション実施前後に評価を実施した.対象者のSCD集中リハビリテーション実施前後のSARAの総得点および各下位項目得点を,後方視的に解析した.統計はWilcoxonの符号付き順位検定を用いて分析検討し,有意水準は5%とした.結果:SCD集中リハビリテーション実施前後において,総得点および下位項目得点のうち,歩行,立位,踵-すね試験に有意な点数の改善を認めた(p<0.05).一方,下位項目得点で座位,言語障害,指追い試験,鼻-指試験,手の回内・回外運動は有意な点数の改善を認めなかった.結論:本研究の結果は,SCD集中リハビリテーションはSCD患者のSARAにおける総得点と,特に体幹と下肢の運動失調を有意に改善させることを示した.
著者
寺岡 歩 齋藤 いずみ 田中 紗綾 佐藤 純子
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.82-91, 2019
被引用文献数
1

<p><b>目 的</b></p><p>分娩取扱い病院で約8割を占めている産科混合病棟の,助産師と看護師による分娩期の看護時間と看護行為を明らかにし,助産師と看護師が協働する分娩期看護の安全性の向上に資する示唆を得ることを目的とする。</p><p><b>対象と方法</b></p><p>正期産経腟分娩の事例を対象とした。産婦の入院から分娩後2時間値の測定終了までを分娩期とし,調査員がタイムスタディ法を用いて産婦と新生児に関わった全ての看護者の看護時間と看護行為を測定した。</p><p><b>結 果</b></p><p>調査期間の14日間に10例(初産婦4名,経産婦6名)の分娩があった。</p><p>分娩期の経過時間中央値は467.0分で,1組の母児に対して分娩期に関与した人数の中央値は助産師が6名,看護師は2名,提供した看護時間中央値は助産師が436.5分,看護師が41.0分であった。</p><p>観察された看護行為26項目のうち看護時間の上位3項目は,助産師では「助産診断(産婦の観察)」「看護記録」「直接分娩介助」,看護師では「新生児介助」「間接分娩介助」「(診療,処置の)準備・後片付け」であった。</p><p>助産師と看護師の看護時間および看護行為は,事例の個別性および分娩進行状態に対応して変動がみられた。</p><p>入院から子宮口全開大に至るまでの時間に看護者間の連絡回数が集中しており,情報交換や業務調整が行われていた。</p><p><b>結 論</b></p><p>分娩期に観察された看護行為から,助産師と看護師はそれぞれの専門性に応じた役割分担をしていることが実証された。</p><p>産科混合病棟では分娩第2期までの経過時間に看護者間の連絡を密にして,他科患者への業務調整ならびに分娩準備を行うことが重要である。それにより,分娩第2期・第3期に母児に対し集中して看護することが可能になり,分娩期の安全確保につながることが示唆された。</p>
著者
鶴田 浩子 田代 淑子 丸茂 貴子 加藤 京子 菅原 哲也 米山 淳子 川井 三恵 金子 昌弘 須賀 万智
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.673-680, 2020 (Released:2020-12-01)
参考文献数
9

公益財団法人東京都予防医学協会は、人間ドック受診者のサービスの一環として検査終了時に弁当を提供している。2013年度より、食育を目的として弁当のリニューアルと管理栄養士による講話を実施した。併せてアンケートを実施して、結果に基づきサービスを改善するPDCA サイクルを取り入れた。 評価指標は、「満足度」、「講話の参加有無」、「今後も本企画のある人間ドックを受けたいと思うか」の3項目とした。5年間の継続的な取り組みの結果、3項目とも上昇傾向が見られた。PDCA サイクルを回しながら改善の努力を着実に積み重ねたことが、受診者に受け入れられやすい食育の実現につながったと考える。
著者
ジョンソン モーリス 北垣 宗治 ウィリアムズ フィリップ
出版者
日本比較文学会
雑誌
比較文学 (ISSN:04408039)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.176-156, 1977

<p> ジョナサン・スウィフトが『ガリバー旅行記』を書く準備のために、旅行に関する本を調べたこと、そしてそのような本が彼の蔵書の中にあったということはよく知られているが、彼の日本の扱い方については、あまり研究がなされていない。ガリバーの最初の三つの航海のいずれにおいても言及されているが、日本は、第三回目の航海では、異国風の名前をもった想像上の国の中の一つの実在の国として、意味ありげに扱われている。われわれは、リリパット(小人国)、ブロブディングナグ(大人国)、フウィヌム国渡航記も、日本に関する著作からヒントを得ているということを示すつもりだが、この論文においてわれわれの関心の中心となるのは、「ラピュタ、バルニバービ、ラグナグ、グラブダブドリップおよび日本渡航記」である。</p><p> 第一部ではラガード・アカデミーの自動文字盤をエンゲルバート・ケンプファーの『日本誌』に印刷された十七世紀の仮名の表によって解明したい。ガリバーの文字盤には日本の仮名文字が使われていることがわかる。</p><p> 第二部では、スウィフトが、実際の日本旅行についての歴史的材料を用いることによって、彼の冒険の中に見られるいくつかのもっとも想像力豊かな要素だけでなく、特にガリバーの性格づけの指針を得ているという証拠を示したい。</p><p> ケンプファーとウイリアム・アダムズという二人の十七世紀の日本旅行者から、一人の人物を引き出してみると、ガリバーに非常に近い人物となる。われわれが合成によってつくり出したガリバーは、英語を話す船乗りで、彼は「オランダ人」となり、海や見知らぬ土地で長い年月痛ましい経験をし、最後に日本へとたどり着く。尋問を受けた後、江戸へ連行され、数々の経験を重ねた後「国王」に西洋の事情を報告するものとなり大砲や船の作り方を教えて重用され、遂には日本の衣服や風習、さらには結婚生活にも慣れ、英国に戻る気持を完全になくしてしまう。</p><p> ケンプファーとパーチャスは、すぐれた「馬」の島と同様に、小人国や「ヤフー」を思わせる人間の島についての報告のよりどころともなっている。彼らの記録には、ガリバーの旅行記と合致する、都市の形態や大きさ、ガラス製品に対する反応、政府の政策といった、数多くの類似点が見られるのである。(佐々木肇・訳)</p>
著者
吉田 隆一
出版者
税務大学校
雑誌
税務大学校論叢 (ISSN:02868938)
巻号頁・発行日
no.96, pp.175-279, 2019-06
著者
山本 有幸
出版者
日本比較文学会
雑誌
比較文学 (ISSN:04408039)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.60-78, 1959

<p> Engelbert Kaempfer,naturaliste et voyageur allemand,après avoir séjourné au Japon pendant trois ans de 1690 à 1692,écrivit un vaste livre sur l'histoire japonaise,<i>The History of Japan</i>. Cette oeuvre,publiée en 1727 après la mort de l'auteur,connaissait immédiatement le plus vif succès,par sa documentation et sa description objectives,auprès du public européen du XVIII<sup>e</sup> siècle.</p><p> Vers 1760,Diderot,rédacteur en chef de l'Encyclopédie,rédigeait consultant toujours l'oeuvre de Kaempfer, un article sur l'histoire des idées japonaises sous le titre de ((Japonais (philosophie des) )).</p><p> Nous présentons d'abord,en le confrontant avec <i>l'History of Japan</i> de Kaempfer,le texte de Diderot dont les matières sont en majeure partie empruntées à l'oeuvre de Kaempfer. Puis, en analysant un peu attentivement l'article de Diderot,et dégageant ainsi certains traits caractéristiques de sa composition : l'arrangement des matières,la manière des citations,ainsi que les réflexions semées par endroits,nous y remarquons quelques intentions cachées de l'auteur,disons mieux,quelques aspects mal connus des idées sociales,politiques et religieuses de Diderot lui-même.</p>