著者
高橋 晴子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.35, no.8, pp.665-674, 1992
被引用文献数
1 2

服装専門データベース「民博コスチュームデータベース<略称MCD>」の概要を紹介する。とくに, データ加工のための服装専門分類表および身装概念コード表 (シソーラス) の作成過程と問題点について述べる。分類表は, 生産から消費への流れを表す面と, 衣服, あるいは関連品それ自体を表す面の 2面からなるファセット分類である。身装概念コード表は, 服装専門分類表に基づき, 優先語を選ばす同類語をコード化した体系表示である。文献&middot;画像資料のデータ加工については, この分類表とコード表の共有は可能であるが, 標本資料については, 分析の観点が異なることから, 標本独自のシソーラスに依っている。

1 0 0 0 生体と磁気

著者
上野 照剛
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.2, no.10, pp.643-650, 1988
被引用文献数
2

MRI, SQUIDによる生体磁気計測および磁気の生体作用に関する研究領域はバイオマグネティックスと呼ばれ, この新しい境界領域の進展には各方面からの関心が寄せられている. ここでは, バイオマグネティックスの最近の動向を概観し, 今後の展望を述べる.
著者
松永 是
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.227-232, 1990

最近, 各種の生物に磁性物質が含まれていることが明らかにされ, 種々な分野にわたって研究が進められている. 生物が合成する磁気微粒子の生成機構については, いまだに解明されていないが, 様々なキャラクタリゼーションが行われている. その結果によると, 磁気微粒子は単磁区構造を示し, その大きさも50~150 nmと小さく, さらにそのまわりは有機薄膜で覆われていることがこれまでに確認された. ここでは「生物と磁石」について動物および微生物で得られた知見を紹介し, さらに特に研究が盛んに行われている走磁性細菌について, その磁気微粒子の抽出法, キャラクタリゼーション, およびその応用について述べる.
著者
中村 重久
出版者
京都大学東南アジア研究センター
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.95-109, 1977-06

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
中村 重久
出版者
京都大学
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.95-109, 1977-06

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。The southern part of Mindanao, the Philippines, was affected by an earthquake and tsunami on 17th August, 1976. In Japan, the earthquake was recorded by the Japan Meteorological Agency, but no effect were experienced. In the Philippines, a PAGASA (Philippines Atmospheric, Geophysical and Astronomical Services Administration) team commenced a survey just after the occurrence of the earthquake. Several private foreign teams also assisted, but there was no Japanese team. A preliminary report on the earthquake has been completed by Dr. Roman L. Kintanar, Administrator of PAGASA. Using this report, "The Moro Gulf Earthquake of August 17th, 1976," I will give the survey results. This is followed by a statistical analysis aimed at estimating the risk of tsunamis and obtaining criteria for countermeasures, referring to the detailed catalogs of tsunamis presented by Iida et al. (1967) and by Soloviev and Gao (1973).
著者
白木 利幸
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.187-212, 2000-03

海洋信仰の一種である辺路信仰を起源とする四国遍路は、中世以降に弘法大師信仰が成立して、巡礼の一形態として今日に伝えられた。しかし、江戸時代以前はプロの修行者によってのみおこなわれるものであって、在家信者の姿はほとんど見ることができなかった。そのような四国遍路の一般開放に貢献したのが宥辨真念であり、その業績について本論において詳細に考察する。 真念は二十回以上の四国遍路をおこなったとされており、高野聖の性格を有した僧と思われる。しかし、その生涯については、自ら『四国徧禮功徳記』に「大阪寺嶋頭陀真念」と記している以外は、不明な点が多い。ただ、没年に関しては、墓石と供養石仏が近年になって発見され、元禄四年(一六九一)六月二十三日ということがあきらかになった。 四国遍路における真念の業績には、次の三点をあげることができる。第一に、遍路専用の簡易無料宿泊所である辺路屋を、最大の長丁場の中間点にあたる土佐国市野瀬に建立して、真念庵と名づけられたこと。第二に、遍路のための標石を四国の各地に造立したこと。第三に、高野山の学僧寂本の協力を得て、四国遍路の案内書として、『四國邊路道指南』一巻、『四國徧禮霊場記』七巻、『四國徧禮功徳記』二巻を出版。これらの案内書は四国内だけではなく、大坂や高野山にも販売所を指定して、関西からの遍路の誘致を図っている。なかでも道中記にあたる『四國邊路道指南』は、増補大成本として明治期まで再編しながら出版され続けた。 それまでの修行の場だった四国遍路が、江戸時代初期に行われた真念の活動によって庶民化されたのであり、現在の遍路が決定づけられたといっても過言ではない。
著者
松宮 壽人 坂下 嘉章 坪井 靖 松本 弘 植田 伸幸
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2005, no.3, pp.179-180, 2005-09-18

A conceptual design of sodium cooled fast reactor as small-decentralized power supply has been performed. The reactor named 4S (Super Safe, Small and Simple) has a reflector controlled U-Zr metallic fuel core. Characteristics of the 4S reactor are non-refueling (core life time: 30 years), the negative coolant void reactivity during 30 years, integrated and simple reactor structure, and natural circulation decay heat removal systems. Accidents without scram events (AWS) as unprotected sudden loss of flow event and ATWS events have been analyzed for the passive safety features of 4S using a transient simulation code (ARGO-3 code). It is predicts that the passive safety can evade sever damages of the core and primary coolant boundary under the ATWS and AWS events.
著者
村井 貞彰
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要 農学 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.245-255, 1968-01

前報において水田に近接した雑草地は,いわゆる水田害虫の生息の場として水田とは密接不可分の関係があり,これら水田と雑草地相互間の虫の移動をつきとめることは,生態学的にも興味深いばかりでなく,害虫防除の面からも是非必要であることを強調した.そして先の1960年と1963年の調査結果から,水田では農薬散布の影響が強くあらわれ,雑草地にくらべて単純な群集構造を示しているが,農薬の散布回数や種類などによって年によって変化があることを推論し,さらに水田と雑草地の間を行き来する2,3のある種害虫では,水田への農薬投入によって水田での個体数は減少するが,時を同じくして雑草地では個体数に増加の傾向が認められ,加えて農薬効果の薄らいだ後は水田と雑草地とでは上とは全く反対の現象のおこることを指摘しておいた.本報では1965年と1966年における調査結果を述べ,先の結果と併せて吟味してみたいと思う.本稿を草するに当り, 日頃ご指導ご鞭撞をいただく阿部襄教授に感謝の意を表する.また調査水田の管理資料は附属農場の五十嵐弘教官からおかりしたので, ここに記してお礼を申し上げる.
著者
村井 貞彰
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 農学 = Bulletin of the Yamagata University. Agricultural science (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.319-322, 1960-03-30

【摘要】 両卵寄生蜂に関するこれまでの研究は,主として蜂の利用を目的として研究がおしすすめられたが,同時にScelio属すべてに未知だった問題についても解決されるところが少くなかった.この継続した研究の間,著者は両種の類縁関係に少なからぬ興味をいだき,主として生態学的立場から追求を試みたが,両種には多くの共通性が認められた.本報においては,遺伝学的立場から追求の手はじめとして試みた両種の交配結果が示された.即ちScelio muraii♀ x S.tsuruokensis ♂,S.tsuruokensis ♀ x S.muraii ♂ の場合においても,著者の実験ではその子孫は何れも母親の形質を表現した.これは正常遺伝とは異った型のものである.しかし寄生性膜趨目の性決定機構,遺伝方式は定まっていないので,両卵寄生蜂のそれらについても更に多くの交配実験と,細胞学的あるいは遺伝学的立場からの検討が必要と思われる.