著者
王 天天
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.129, no.1, pp.1-19, 2020-02-25 (Released:2020-03-17)
参考文献数
61

During the past few decades, China has experienced several institutional changes, which have provided a distinctive background for its urban spaces to restructure. In the planned economic era, despite the strong influence of the USSR, the unique “Danwei” system was created to reflect the state of affairs of the country. A Danwei or work unit is not only a place of employment, but also provides welfare benefits such as housing, education, and health care for employees and their families. Workplace, housing, and facilities needed for daily life are usually built inside one gated enclosure, a Danwei compound, which became the basic spatial unit of urban China. Such proximity between workplace and residence indicates that a clear suburban residential area in the Western sense had not existed during the pre-reform era. Thus, urban spaces were formed to a unique cellular structure, which distinguishes itself from not only models considered in Western cities, but also socialist cities in Eastern Europe. Following reforms and opening-up, the land market started to develop from the late 1980s. Spatial differences in land prices led to a massive shift in land use, including the relocation of low-profit factories away from city centers, and the emergence of central business districts in big cities. In the late 1990s, the commercialization of housing was promoted. Welfare housing allocated by Danwei has been converted into private ownership, and suburban areas started to spring up with the new construction of commoditized housing. Under this process, a separation between home and work started to take place in urban China. Thus, suburban residential areas in the Western sense, with residents commuting long distances to a city center, have finally come into existence. However, due to government regulations on the development of low-density detached housing, this emerging suburban growth is dominated by mid- to high-density collective housing developments. In this sense, it is inaccurate to claim that residents of suburban China changed their ways of living to the distinctive suburban lifestyles found in “typical” Western or Japanese suburbs.
著者
上杉 光臣 森川 美紀 磯田 真理 大津 顕司 椙本 剛史 西田 美紗子 宮本 啓治 有川 功
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第27回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.95, 2011 (Released:2011-12-22)

【目的】肩甲骨上方回旋は肩関節外転90°で鎖骨挙上および鎖骨後退,鎖骨後方回旋により生じるとされているが臨床的に重視されてこなかった.本症例は治療前の肩甲帯外転機能X-p検査から肩関節外転45°,90°,最終域で鎖骨の挙上が不足し, 肩関節外転90°で肩甲骨の上方回旋が不足していた.治療後の肩甲帯外転機能X-p検査では鎖骨の挙上,肩甲骨の上方回旋が改善していた.鎖骨の挙上,肩甲骨の上方回旋が改善したことによって関節窩,烏口肩峰アーチが上方へ向き,上腕骨頭の滑り,転がり,外旋が起こりやすくなった.本症例を通じて肩甲骨の上方回旋を十分に引き出すためには鎖骨の挙上が不可欠であることを学んだので以下に報告する.【方法】有痛性肩関節外転制動症の一症例に対し段階的診療を行った.評価対象動作は立位で前腕中間位の肩関節外転動作とした.初診時の治療前と3診時の治療後に肩甲帯外転機能X-p検査を行った.肩甲帯外転機能X-p検査は上腕骨,鎖骨,肩甲骨,脊柱が観察できるように撮影した.撮影肢位は立位で前腕中間位とした.肩関節外転0°,45°,90°,最終域で撮影した.X-p検査の撮影は医師の指示のもと放射線技師が行った.エコー機器はGE Healthcare LOGIQ P6を使用した.対象者にはヘルシンキ宣言に基づき本研究の趣旨を説明し,同意を得た.【結果】患者情報:30代男性.現病歴:2週間前から突然左肩が痛くなった.それ以前から左肩の後外側に時々痛みがあった.主訴:左肩を挙上したり,挙上位から下降する時に痛い.初診時所見:左肩関節外転90°時に疼痛が出現した.最終域まで外転可能であった.初診時の評価と治療では筋肉機能不全の評価と治療と関節機能不全の評価と治療を行った.左肩関節外転90°で疼痛が出現した.触知圧迫テストを行った.左上腕二頭筋・腕頭骨筋・棘下筋・僧帽筋上部により左肩関節外転90°での疼痛が消失した.左上腕三頭筋・広背筋・僧帽筋下部では疼痛に変化はなかった.左上腕二頭筋・腕橈骨筋・棘下筋・僧帽筋上部に伸縮性テープを貼付した.左肩関節外転100°で疼痛が出現した.肩甲骨上方回旋テープと下方回旋テープを貼付し,疼痛出現までの角度,外転動作時の円滑さ,本症例の主観的な外転しやすさを評価した.改善が見られた方を採用した.鎖骨肩峰肩甲棘テープ,鎖骨後方回旋テープ,鎖骨後退後方回旋テープに関しても同様に評価し,改善が見られた方を採用した.肩甲骨上方回旋テープと鎖骨後方回旋テープを貼付した.左肩関節外転110°で疼痛が出現した.2,3診時は疼痛なく左肩関節外転最終域まで動作可能だった.初診日より5日目に運動器超音波検査を行った.棘上筋の不全断裂が観察された.肩関節外転動作時に上腕骨頭が肩峰をスムーズにくぐりぬける様子が観察された.初診時治療前と3診時治療後の肩甲帯外転機能X-p検査を比べて肩関節外転45°では鎖骨の挙上が増加し,上腕骨頭の外旋と尾側への滑りが改善した.肩関節外転90°では鎖骨の挙上が増加し,肩甲骨の上方回旋が増加した.また,上腕骨頭の外旋が改善した.肩関節外転最終域では鎖骨の挙上が増加し,鎖骨の後退,後方回旋が減少した.【考察】肩関節外転90°では鎖骨はおよそ30°挙上し,それに伴い肩甲骨が上方回旋する.本症例は肩関節外転時の鎖骨の挙上が不足していたため肩関節外転90°で肩甲骨の上方回旋が不足していたと考えた.上腕二頭筋テープ,腕橈骨筋テープ,棘下筋テープにより肩関節外転45°,90°での上腕骨頭の外旋と尾側への滑りが改善した.僧帽筋上部線維テープ,肩甲骨上方回旋テープにより肩関節外転時45°,90°,最終域での鎖骨の挙上と肩関節外転90°時の肩甲骨の上方回旋が増加した.鎖骨の挙上,肩甲骨の上方回旋が改善したことによって関節窩,烏口肩峰アーチが上方へ向き,上腕骨頭の滑り,転がり,外旋が起こりやすくなった.【まとめ】本症例を通じて肩甲骨の上方回旋を十分に引き出すためには鎖骨の挙上が不可欠であることを学んだ.

1 0 0 0 OA 鬘下地

著者
小栗風葉 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1899

1 0 0 0 OA 侠艶録

著者
佐藤紅緑 著
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
1912

1 0 0 0 OA 乱菊物語

著者
広津柳浪 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1902
著者
太田 剛雄 高下 秀春 轟木 康市 岩野 君夫 大場 俊輝
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.922-926, 1992-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
19
被引用文献数
12 11

1. 清酒中の抗酸化活性を調べたところ, 清酒中には原料米中よりも強い抗酸化活性が存在した。2. 清酒中の抗酸化活性はAmberlite XAD-2に吸着され, 50%メタノールにより溶出した。3. 50%メタノールによって溶出される活性区分は分子量の異なるA, B, C, Dの4つのフラクションからなり, C, Dフラクションの主成分はそれぞれフェルラ酸およびチロゾールであった。4.分子量の大きいAフラクションは0.5N NaOHまたはジアスターゼ原末による加水分解でフェルラ酸を遊離し, フェルラ酸の配糖体エステルと推察された。本研究の一部は日本酒造組合中央会との共同研究として実施した。
著者
渕上 恭子
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第49回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.H09, 2015 (Released:2015-05-13)

中国同胞(朝鮮族)代理母による韓国人不妊夫婦相手の代理出産において、従来主流であったホストマザー型代理出産に代わって、近年、韓国人の不妊夫婦の夫が、中国同胞代理母の所に赴き、性交渉を行って子どもを産ませた後、DNA鑑定を行ってその子を認知する形態のものに変わってきている。その理由を、韓国の代理出産をめぐる文化伝統と、韓中両国の生殖市場を取り巻く近年の法的・社会経済的状況の変化に照らして考察する。
著者
栗島 紀子
雑誌
日本文學
巻号頁・発行日
vol.27, pp.69-87, 1966-10-01
著者
松方翔吾 寺澤洋子 松原正樹 北原鉄朗
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MUS-99, no.39, pp.1-5, 2013-05-04

本研究は,トランペット演奏時の口唇周囲の筋活動を解析することを目的とする.口唇周囲の筋肉は口の形(アンブシュア)を一定に保つために深く関わっており,アンブシュアを保つことはトランペットを上手に演奏するために必要とされている.従来研究では,音の高さや強さ,楽器習熟度の観点からトランペット演奏時の口唇周囲の筋活動を解析していたが,プレイヤーの演奏可能な音域や他楽器の演奏経験を考慮していなかった.そこで我々は,それらの問題を解決するために,口唇周囲の筋活動(上唇の口輪筋,下唇の口輪筋,口角下制筋,口角挙筋)を表面筋電図を用いて解析した.その結果,次のことが分かった.(1)低い音より高い音を演奏中の方が筋活動が活発になるが,その度合いは演奏者の演奏可能な音域によって変化する.(2)初心者は上唇より下唇の筋活動の方が活発であり,熟達者はその違いはない.そして,トランペットと同様に唇を震わせて演奏する金管楽器の奏者は,初心者と同じような筋活動を示す.
著者
仲谷 正史 Howe Robert D. 舘 〓
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.97-100, 2008-03-31 (Released:2017-02-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1

Tactile sensation usually provides reliable perception of an object's presence and its surface geometric profile. We can easily conduct a part of daily behaviors without looking at. However, the human tactile sensation is not necessarily faithful reproduction of the physical property of an object in real world. Here we report a novel tactile illusion named as "Fishbone Tactile illusion": in which depth perception of the contact surface occurs through stroking by a fingertip even though the surface profile is physically flat. We investigated the effects of the touching modes (static and active) and that of the surface profile of stimuli (presence/non presence and width of smooth-flat contact surface) on the illusionary perception of stimulus geometry. The results from the two experiments suggest that this illusion is induced when the stimulus satisfies following at least two conditions: 1. a central smooth region is surrounded by rough adjacent regions; 2. a central smooth strip is required when the width of its region is below 1.5 mm. This phenomenon may reveal the basic of human tactile system to process the perception of depth in finger tip because of its robustness and simplicity.
著者
木野 主計
出版者
吉川弘文館
雑誌
日本歴史 (ISSN:03869164)
巻号頁・発行日
no.501, pp.p93-95, 1990-02
著者
向井 健
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.57-67, 1959-12

一 はしがき二 黑田綱彥と、その譯述をめぐつて三 尾崎三良と、その周邊四 「身上證書法律按」と、「十三年戸籍法草案」資料
著者
重田 匡利 久我 貴之 工藤 淳一 山下 晃正 藤井 康宏
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.61-67, 2007-07-30
参考文献数
21
被引用文献数
1

マムシは琉球列島を除く日本の全土に分布している毒蛇であり春から秋にかけて多くみられる。本邦では年間,約10名前後が死亡する<sup>1)</sup>。田畑や山中での被害報告が多く農村医療では重視される。平成11年から平成18年においてマムシ咬傷35例を経験し臨床像および治療とその経過について検討した。患者は7歳から80歳 (平均60歳) 男性17名,女性18名であった。全例に咬傷部の腫脹と疼痛を認めたが,全身症状は16例 (46%) に認め眼症状が高率であった。血液検査上の異常はCPK高値を24例 (69%) で認め重症度と相関していた。治療は切開排毒処置のうえ原則全例入院とし,独自のマニュアルを初期治療に活用した。治療の結果,症状改善傾向が認められるまでの中央値は3日であった。入院日数の中央値は7日であった。腫脹などの局所症状の消失には時間がかかり治療期間の中央値は31日間であった。受傷から受診までの時間により重症度に差を認め重症化した1症例では集中治療を必要とした。マムシ咬傷では迅速かつ適切な初期治療が必要であると思われた。
著者
上村 孝司 村松 憲
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1789, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】普段行われているジャンプ動作など,反動を利用する動作を目的として筋収縮を行う際には,拮抗筋条件収縮(Antagonist Conditioning Contraction:ACC)が行われている。促通手技の一つでもあるACCは,主動作筋の収縮前に拮抗筋を収縮させるものであり,拮抗筋の収縮後に主動作筋出力が増強することが報告されている(Kamimura et al., 2009)。等尺性収縮によるACCでは,拮抗筋のゴルジ腱器官からのIb抑制により拮抗筋を抑制し,主動作筋を興奮させることで主動作筋の最大筋出力が向上する(Gabriel DA et al. 2001)。また,最大努力での等尺性または等速性による事前の拮抗筋収縮により,主動作筋活動が増加されることが報告されている(Kamimura and Takenaka, 2007)。等尺性収縮による拮抗筋条件収縮後の主動筋活性は,先行研究ではゴルジ腱器官のIb抑制の効果であると仮定されている(Kabat, 1952)。このような拮抗筋の条件付け活動は主動作筋に対して,脊髄からの興奮性の水準を高めるのに役立つ可能性があり,ACCを包含することにより筋力トレーニングの効果は増加する可能性がある。そこで本研究は,拮抗筋条件収縮における筋出力初期の増強を,特に神経的要因から検討することを目的とした。【方法】健常な被験者8名を対象に,足関節90度にて背屈および底屈の最大随意収縮(MVC)の測定した。その後,等尺性収縮による100%MVCでの背屈を1秒間行わせた後,直ちに最大努力での底屈を3秒間行わせた。筋活動電位(EMG)はヒラメ筋から導出した。底屈のみと拮抗筋条件収縮後の底屈時における25%MVCまでトルクが上昇した時点において,脛骨神経を電気刺激することによりヒラメ筋のH波を導出した。得られたデータから,最大トルク,筋電図積分値(iEMG),力の立ち上がり速度(RFD),EMGの発揮勾配(RED),H波の振幅を解析した。RFDは筋出力発揮を微分し,足関節底屈相での最初のピークとした。REDを算出するために区分周波数4Hzのガウシアンフィルターを用いて,筋電図信号を平滑化した。平滑化した信号を微分し,最初のピーク振幅をREDとした。測定値は平均値±標準誤差で示した。各測定条件における相関関係はピアソンの相関係数を用いて求めた。2群間の差の検定は対応のあるt検定を用いた。危険率はすべて5%とした。【結果】ACCの底屈のピークトルクは,底屈のみと比較して有意な差は認められなかったが,RFDおよびREDはACC条件においてに有意に高い値を示した。また,底屈のみのH波と比較してACC後の底屈時のH波は有意に高い値を示した。【考察】底屈のみとACC後の底屈時のピークトルクやiEMGにおいて,有意な差は認められなかった。しかし,ACC後のRFD及びRREは有意に高い値を示した。またACC後の主動筋収縮時のH波は,主動筋収縮のみのH波と比較し有意に上昇した。このことから主動筋収縮前にACCを行うことで,筋出力の初期に増強が起こることが明らかとなった。先行研究ではダイナミックなACC後の主動筋のRFDの増加は,筋腱複合体の弾性エネルギーによる可能性であることが示唆されている(Gabriel DA et al., 2001)。しかし,本研究では等尺性収縮を用いたことにより,弾性エネルギーの影響によるRFDの増加は考えにくい。拮抗筋条件収縮後のRFDが上昇した要因としては,神経系の活動が関与したと考えられる。それを支持するものとして,REDの増加が挙げられる。REDは神経的要因を反映しており,RFDと相関することが報告されている(上村ほか., 2011)。また,ACC後の主動作筋収縮時のH波の振幅が有意に増加していることから,底屈のみの際には動員されていなかったα運動ニューロンが新たに動員されていることが考えられた。このことから,RFD及びREDの有意な増加はREDの増加及びH波の増加から,神経的要因が深く関与していることを明らかにしている。先行研究において,等尺性収縮によるACC後の主動筋活動増強は,GTOのIb抑制の効果であると仮定されている(kabat, 1952)。Ib抑制は主動筋を抑制し,拮抗筋を興奮させる。先行研究ではIb抑制が最も大きくなるのは,収縮開始から1秒程度までであるという報告がある(Moore and Kukulka, 1991)。本研究では等尺性でACCを1秒間行っていることから,拮抗筋に対してIb抑制が働き,主動筋に対して興奮性のインパルスが伝達されていると考えられる。したがって,主動筋収縮前にACCを行うことで筋出力増加が得られるのではないかと考える。【理学療法学研究としての意義】今回明らかになったメカニズムを利用できるような訓練方法を考案することで,臨床場面における筋力増強訓練をより効果的に実施することができるようになるのではないかと考える。