著者
米沢 富美子
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.589-598, 1979-07-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
26

X線吸収による新しい原子構造解析法が提案され, ここ数年注目をあびている. EXAFS (extended X-ray absorption fine structure)とよばれるこの方法は, X線光電効果を利用した構造解析法である. X線電子分光学が, 外部光電効果を利用して, 放出電子の性質から物質内電子のエネルギースペクトルを調べる一つの手段であるのに対して, EXAFSは内部光電効果によるX線吸収係数の, 広エネルギー領域にわたる微細構造から, X線を吸収した原子のまわりの局所的な原子配置をさぐる方法である. この方法は, 粒子線回折による構造解析と異なり, 結晶構造をとらない一般の不規則系に対しても有用性が全く変らないこと, 複数の構成要素から成る系に対してもそれぞれの種類の原子のまわりの配置の様子が調べられることなど, いくつかの長所を持っている. しかし当然適用限界はあり, 不注意な過信は危険である. この解説では, EXAFSの構造解析の理論の現状を紹介し, 構造に関して, 原理的に得られる情報と, 原理的に得られない情報とをまず明確にする. 更に, 原理的には可能でも実際上探索が至難である情報にどんなものがあるかを述べ, EXAFSの長所と限界をはっきりさせることによって, EXAFSの有効な応用への一助に供したい.
著者
佐藤 亨 宮内 英治 杉本 秀樹
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.305-310, 1988-06-05 (Released:2008-02-14)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

サトイモの3つの型, 子イモ用品種(石川早生, 女早生), 親子イモ兼用品種(赤芽), 親イモ用品種(台湾芋)を圃場栽培し, 乾物生産およびイモ肥大特性を調査した. 1. 品種間で個体生長量に大差がみられた. イモ重の推移では, 子イモ用品種では, 子・孫イモの肥大が目立ち, 赤芽では親・子イモが, 台湾芋では親イモの肥大が生育末期まで続いた. 2. 乾物生産速度とイモ生産速度との関係は, 生育の前半と後半に分けられ, とくに, 赤芽と台湾芋では生育後半にイモ肥大によって乾物生産速度が高められた. 3. イモ生産速度と葉面積指数との関係は, 赤芽と台湾芋で葉面積指数が高くなることによってイモ生産速度が高まることが示唆された.
著者
原 征彦 石上 正
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.996-999, 1989-12-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
5
被引用文献数
27 41

緑茶抽出液から得られた粗カテキンとその分画精製物4種類ならびに紅茶抽出液から得られた粗テアフラビンとその分画精製物4種類を用いて,茶ポリフェノール類の代表的な食中毒細菌16株に対する抗菌活性をMICにより調べた.茶ポリフェノール類は,腸炎ビブリオを含むVibrio属3菌株,黄色ブドウ球菌,ウェルシュ菌,セレウス菌, P. shigelloides, A. sobriaに対して1000ppm以下の濃度で明確に抗菌活性を有していた.一方, A. hydrophila subsp. hydrophila,病原大腸菌,細胞侵入性大腸菌,ゲルトネル菌,ネズミチフス菌, Campylobacter属2菌株, Y. enterocoliticaに対しては,その効果はほとんどみられなかった.茶カテキン類では, ECやEGCよりもこれらにガレート基の結合したECgやEGCgの方が高い抗菌活性を示した.茶テアフラビン類では,分画精製物はどれも同様の効果を示し,粗テアフラビンはそれらよりも高い抗菌活性を有していた.茶ポリフェノール類の抗菌スペクトルには,一定の傾向はみられなかった.
著者
堤 将和 今村 寛司 波多野 昌二 渡辺 忠雄
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.443-447, 1973-10-05 (Released:2010-03-01)
参考文献数
11
被引用文献数
2 4

1) 一般の殺菌剤と同様過酢酸の殺菌力もまた薬剤の濃度のみに依存するのではなく, 胞子濃度にも関係することが明らかとなった.2) 過酢酸はカビに対しても強い殺菌力を示した. またこの殺菌力はカビの生活史に関係なくどの生育時点でも作用した.3) 過酢酸はタンパク質分解酵素やグルコース-6-リン酸脱水素酵素の作用を阻害した. この酵素阻害は酵素タンパク質, とくにタンパク質の構成アミノ酸に対する作用であると推定した. したがって過酢酸の酵素阻害は特異的なものではなく, 他の一般酵素に対しても同様の阻害が推定された.4) 過酢酸はタンパク質の他, 核酸とも反応した. この核酸に対する作用は核酸塩基に対する作用であることが明らかとなった. このことから核酸塩基関連物質など生理的に重要な細胞成分との反応も示唆された. また過酢酸は補酵素の構成成分であるビタミン類に対しても顕著に作用し, 過酢酸の作用の複雑さが示唆された.5) 以上のことから過酢酸の殺菌機構は特定の作用機作に基づくものではなく, 細胞の不特定成分との広い反応に基づくものと推定した.
出版者
運輸省港湾局
巻号頁・発行日
vol.昭和30年度 附図, 1900

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1934年08月10日, 1934-08-10
著者
増山 英太郎
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.417-421, 1988-12-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
2

1 0 0 0 MAYIM

著者
小沢 直与志[編曲]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1956-04
著者
久保田 義弘
出版者
札幌学院大学総合研究所
雑誌
札幌学院大学経済論集 : Sapporo Gakuin University Review of Economics (ISSN:18848974)
巻号頁・発行日
no.7, pp.41-83, 2014-03-10

本稿(スコットランド王国の周辺国のノーザンブリア)では,5世紀から11世後半までのノーザンブリア
著者
SATORU KANNO
出版者
The English Linguistic Society of Japan
雑誌
ENGLISH LINGUISTICS (ISSN:09183701)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.21-55, 2008 (Released:2012-07-12)
参考文献数
59
被引用文献数
2

In this paper, we argue that the combination of an Agree feature and a Tense feature on CP determines the (non-) phasehood of CP. We propose that the presence of both features makes CP a phase while the absence of one or both of the two features makes it a non-phase. It follows from this proposal that finite complements are CP phases while control complements, raising complements, and Accusative with Infinitives are non-phase CPs. It is then predicted that operations can apply across the CP of the latter types. We will show that this prediction is borne out.
著者
吉水 千鶴子
出版者
京都大学ヒマラヤ研究会; 京都大学ブータン友好プログラム; 京都大学霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院
雑誌
ヒマラヤ学誌 : Himalayan Study Monographs (ISSN:09148620)
巻号頁・発行日
no.17, pp.146-153, 2016-03-28

特集4: 雲南懇話会からの寄稿 = Special Issue 4: Contribution from the Yunnan Forumチベット民族には政治から人々の日常生活にいたるまで, すみずみまで仏教が浸透している。その歴史的背景を探ると7世紀の仏教伝来に遡るが, 国家仏教として取り入れられた事情は日本と相通じるものがある。その後も仏教は国の政治と密接に関わり, チベット民族の重要な外交手段となっていった。元朝, 明朝, 清朝という強力な中華王朝に対し, 彼らは仏教を広めることによって内陸アジア一帯にチベット仏教文化圏を形成し, 自らの生き残りを図った。その過程で生まれたのが転生活仏ダライ・ラマを頂点とする政教一致の政治体制である。一方, 仏教はチベット文化の核であり, チベット民族ばかりなくモンゴル, ネパール, ブータンの多くの人びとの精神的支えである。僧院ではさまざまな学問が行われ, インドから伝えられた仏教の教義が研究され, チベット独自の発展をとげた。現在も続くチベット仏教の主要な宗派は12世紀から15世紀の間に誕生している。 今のチベット系民族は, 中華人民共和国内の西蔵自治区, 四川省, 青海省, 雲南省, 甘粛省などの地域と, ネパール, ブータン, インドのラダック地方に居住するほか (地図1), チベットから亡命した人々とその子孫が世界各地に分散している。ダライ・ラマの亡命政府はインドのダラムサラにある。ばらばらになった彼らを繋いでいるのも仏教である。チベット民族のアイデンティティとも言える彼らの仏教の世界を, その始まりから17世紀のダライ・ラマ政権成立に至る礎の時代を通して紹介する。
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.911, pp.53-57, 2019-11
著者
福原 亮厳
出版者
龍谷大学
巻号頁・発行日
1961

博士論文

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1884年07月14日, 1884-07-14

1 0 0 0 OA 粕漬について

著者
小川 敏男
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.8, pp.500-503, 1979-08-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
3

甘くて辛くてコリコリと歯切れもよく, これでお酒も進むしご飯もいくらでも食べられるという結構なのが奈良漬に代表される粕漬。しかも一般には「酒屋で造った奈良漬は旨い」と信じておられる。副業として推奨されるゆえんである〇伝統の粕漬に科学の光を当ててみた。
著者
情報局 編
出版者
情報局
巻号頁・発行日
vol.昭和16年度, 1943