著者
河野,益近
出版者
Japanese Society for Slavic and East European Studies
雑誌
Japanese Slavic and East European studies
巻号頁・発行日
vol.17, 1996

On April 26 in 1986, the catastrophe at Chernobyl unit-4 reactor occurred about 100 km north of Kiev in the Ukraine. A lot of radioactivity was released from the damaged reactor into the environment. A vast land and many people living there were contaminated by the radioactivity. After about 7 days the radioactivity reached Japan, a remote country about 8,000 km from Chernobyl and was detected in all the prefectures there. Needless to say, the nuclear facility and its surrounding countryside have been highly polluted by the radioactivity. Naturally this radioactivity was found in people's bodies, too. The high concentration of 300 Bq/Ag (24,000 Bq at weight of 79 kg) was detected in the inhabitants living in Checherusk about 200 km north of Chernobyl in 1991. Some estimations of 10,000 to 400,000 deaths in the future due to cancer caused by the accident were reported. A catastrophe at only one nuclear reactor leads to global pollution by radioactivity and inflicts damage on people.
著者
Sachiko Baba Ehab S. Eshak Kokoro Shirai Takeo Fujiwara Yui Yamaoka Hiroyasu Iso
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
pp.JE20190160, (Released:2019-11-02)
参考文献数
37
被引用文献数
8

Background: Spanking can cause adverse psychological development and biological functional changes in children. However, spanking is widely used by parents in Japan. This study explored the risk factors for family member’s spanking of 3.5-year-old children using nationwide population data in Japan.Methods: Surveys were administered to family members in Japan who had a child in 2001 (first cohort) or in 2010 (second cohort), and the data when their child was 0.5, 1.5, and 3.5 years old were used. We used multivariate binary and ordinal logistic regression analyses to examine the associations between risk factors and spanking children at 3.5 years of age, which was subcategorized into frequencies of never, sometimes, and always spanking, presented with odds ratios (ORs) and 95% confidence intervals (CIs).Results: Among 70,450 families, 62.8% and 7.9% sometimes and always spanked their children, respectively. Children in the second cohort were spanked less frequently compared with those in the first cohort, and fathers who responded to the questionnaire spanked children less frequently than mothers who responded. Identified associated factors for spanking were male child, presence of siblings of the child, not living in a two-parent household, not living in a three-generation household, younger parents, parents with lower education, no outside work or unstable work, and lower family income.Conclusions: We found a high prevalence of spanking and its associated factors. Approaching those with lower socioeconomic factors and promoting fathers’ involvement in parenting may be important public health strategies for reducing and preventing spanking.
著者
篠原章著
出版者
太田出版
巻号頁・発行日
2005
著者
物部 真奈美 江間 かおり 徳田 佳子 山本(前田) 万里
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.113, pp.113_71-113_76, 2012-06-30 (Released:2015-10-30)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

Catechins, one of the main components in green tea extract, have antioxidative activity and immunomodulating activities, and play an important role in reducing the risk of disease. The most abundant catechins in a green tea extract are epigallocatechin gallate (EGCG) and epigallocatechin (EGC), and the EGCG/EGC ratio in a green tea extract was affected by the extraction temperature. We found that the cold water extract or the catechin mixture with a high EGC ratio induced greater immunoglobulin A (IgA) production by murine Peyer's patch (PP) cells. Here, we investigated the effect of cold water extract of green tea on salivaly sIgA levels in habitual green tea (hot water extract) drinker.
著者
大鹿 勝之
出版者
東洋大学大学院
雑誌
東洋大学大学院紀要 = Bulletin of the Graduate School, Toyo University (ISSN:02890445)
巻号頁・発行日
no.55, pp.55-67, 2019-03

ヒュームの議論において、自然とは、人間本性によってとらえられる自然であり、また、その人間本性が自然と理解されている箇所がある。例えば、『人間本性論』A Treatise of Human Nature第1巻第3部第10節で、「自然は人間の精神に、一切の行動の主要な発生と動機付けの原理として、善ないし害悪の知覚、換言すれば快苦の知覚を植え付けた」と述べられているが、このことは、人間の精神には自然に快苦の知覚が植え付けられているという人間本性のあり方を示している。では、人間以外の自然の存在は人間本性としての自然において、どのように把握されるのだろうか。ロは、ヒューム的な分析が、内在的価値を人間以外の自然の存在者に帰する非-人間中心的な環境倫理学の理論を支持しうるかどうかを吟味する。ロは、価値についてのヒューム的分析を試み、そして、人々が自然の中に価値を創造しうるのは、人々が、対応する心理学的性向を上首尾に涵養し、内在化する場合、その場合にのみ限る、という。しかし、ヒュームの議論においては、自然は人間本性によって把握された自然であり、その点で、人間以外の自然の存在者は、人間という存在の本性としての自然に依存している。
著者
赤羽根 良和 永田 敏貢 齊藤 正佳 服部 潤 栗林 純
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌
巻号頁・発行日
vol.28, 2012

<b>【目的】 </b>外傷性頚部症候群(WAD)とは、交通外傷後の包括した臨床症状を意味し、我々はこれまでに、頭頚部移行部障害に対する運動療法の有効性について報告してきた。<br> 今回、WAD後に頚胸椎移行部障害(CTD)を呈した症例に対し、当院で実施している運動療法を行った結果、良好な経過が得られたので、その方法論について紹介する。<br> 尚、本研究は患者に対して十分な説明と了解を得た上で実施した。<br><b>【対象】 </b>2009年4月から2012年4月までに、交通外傷により頚(C)・胸椎(T)を損傷し、当院を受診した症例のうち、対象の選定を全て満たした20例(男性16例、女性4例、年齢39.6±13.4歳)を対象とした。<br> 対象の選定は、①臨床症状の主体は頚背部痛であること②頚部の伸展時痛を認めること③両肩関節の拳上時痛を認めること④C7/T1を徒手で固定すると、頸椎の伸展時痛や両肩関節の拳上時痛が消失すること⑤C7/T1の椎間関節に圧痛を認めること⑥第1肋骨(R1)に圧痛を認めること⑦消炎鎮痛剤の投与や物理療法を実施するも3ヶ月以上明らかな変化を認めないことである。これらを全て満した場合をCTDと判断した。<br><b>【方法】 </b>運動療法は患者を側臥位にさせて実施した。<br> 椎間関節に対する治療は、PTの一方の手でC7棘突起を固定し、他方の手でT1棘突起を把持する。そこから他方の手でT1を尾側方向に滑らせ、椎間関節を離解する。つづいて、深層筋群を収縮することでT1を頭側方向に滑らせ、椎間関節を閉塞する。この操作を繰り返し行うことで、椎間関節の可動域を増大させていく。<br> R1に対する治療は、PTの一方の手で患者の肩関節を拳上させる。他方の手で、中斜角筋と前鋸筋が結合するR1を尾側に押し込みながら各筋のIb抑制を行う。この操作を片方ずつ実施する。R1に圧痛が消失することを目的に実施する。<br><b>【結果】 </b>椎間関節の圧痛が消失した推移は、4週以内が13名、8週以内が20名、12週以内が20名であった。R1の圧痛が消失した推移は、4週以内が12名、8週以内が18名、12週以内が20名であった。頸椎の伸展時痛が完全に消失した推移は、4週以内が10名、8週以内が16名、12週以内が20名であった。<br><b>【考察】 </b>WADでは、頚背部痛を呈することが多く、3ヶ月以上持続すると、慢性化することも少なくない。<br> 生理学的に、頚部の屈曲運動は上位頸椎が主体であるが、伸展運動は頚椎間のみならず、可動域の少ない頚胸椎移行部間でも生じる。また、両肩関節の拳上時には頚胸椎移行部での屈曲運動とR1の拳上運動が生じる。そのため、CTDを呈すると、これらの一連の運動は制限され、疼痛が誘発される。その一方で、C7/T間を徒手で固定すると、これらの疼痛は消失する。この検査はCTDを見極めるための重要な所見であり、また、椎間関節の圧痛も、そこに病態が潜んでいるのか判断するに有効である。<br> 運動療法の目的は、椎間関節の滑り運動の誘導と、R1に付着する筋の柔軟性を獲得することである。これにより、CTDとR1の生理的な連結運動が再獲得できたことが、症状消失に至ったと考えられる。<br><b>【結論】 </b>WADでは頚背部痛を呈することが多く、その中の一つの病態であるCTDは、我々の実施している運動療法が有効と考えられた。
著者
栗田 健 高木 峰子 木元 貴之 小野 元揮 吉田 典史 中西 理沙子 山﨑 哲也
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101721, 2013

【はじめに、目的】われわれは過去に投球障害肘患者(以下肘群)と投球障害肩患者(以下肩群)において手内筋である母指・小指対立筋(以下対立筋群)の機能不全について検討をしたところ,肘群が肩群より有意に機能不全を認めた.さらに対立筋群機能不全を多く認めた肘群において, 非投球側に対立筋群の機能不全がある場合,投球側にも機能不全を認めた.また,この対立筋群の機能不全は,筋や骨などの成長が関与している可能性が考えられた.そのため,今回は年齢により対立筋群に機能不全の差が認められるのかどうかを検討したので報告する.【方法】対象は投球障害で当院を受診した45名の投球側45手とし,他関節の障害の合併や既往,神経障害および手術歴を有する症例は除外した.性別は全例男性で,年齢によりA群10歳~12歳,B群13歳~15歳,C群16歳~18歳の3群に分けた.評価項目は,投球時のボールリリースの肢位を想定した対立筋群テストとし,座位にて肩関節屈曲90°位にて肘伸展位・手関節背屈位を保持して指腹同士が接するか否かを観察した.徒手筋力検査法の3を基準とし,指腹同士が接すれば可,IP関節屈曲するなど代償動作の出現や指の側面での接触は機能不全とした.なお統計学的解析には多重比較検定を用い,3群間に対し各々カイ二乗検定を行い,Bonferroniの不等式を用いて有意水準5%未満として有意差を求めた.【倫理的配慮、説明と同意】対象者に対し本研究の目的を説明し同意の得られた方のデータを対象とし,当院倫理規定に基づき個人が特定されないよう匿名化にてデータを使用した.【結果】各群の人数は,A群9名,B群17名,C群19名であった.また,機能不全の発生率はA群33.3%,B群52.9%,C群47.3%であり,各群間のカイ二乗検定では,A群×B群(p=0.34)A群×C群(p=0.48)B群×C群(p=0.738)となり,すべての群間において有意差は認められなかった.【考察】一般的なボールの把持は,ボール上部を支えるために示指・中指を使い,下部を支えるために母指・環指・小指を使用している.手内筋である母指・小指対立筋は,ボールを下部より効率よく支持するために必要である.ボールの把持を手外筋群によって行うと,手関節の動きの制限や筋の起始部である上腕骨内側上顆に負担がかかることが示唆される.過去の報告から投球障害における母指・小指対立筋機能不全は投球障害肘群に多く認めることが分かっている.しかし手指の対立動作は骨の成長による影響や運動発達による影響など,年齢による影響がある可能性もあり,機能不全発生の機序までは断定できなかった.本研究の結果から,対立筋群の機能不全は年齢間差が無いことから,年齢を重ねることで機能不全が改善する可能性は否定的な結果であった.また同様に年齢を重ねることで対立筋群の機能不全が増えるわけでもなく,どの年代においても一定の割合で発生している事がわかった。この事から対立筋群の機能不全は骨の成長による影響や運動発達など成長による影響ではなく,癖や元々の巧緻性の低下などその他の要素によって発生していることが示唆された.以上により手内筋による正しい対立機能を用いたボールの把持できなければ投球動作を繰り返す中で肘の障害が発生する可能性が示唆された.その為、投球障害肘の症例に対してリハビリテーションを行う場合には,従来から言われている投球フォームの改善のみではなく遠位からの影響を考慮して,母指・小指対立筋機能不全の確認と機能改善が重要と考えられた.また障害予防の点においても,投球動作を覚える段階で手指対立機能の獲得とボールの持ち方などの指導が必要であることも示唆される.【理学療法学研究としての意義】本研究では対立筋群の機能不全は年齢による影響はないと示唆された.また過去の研究より投球障害肘の身体機能の中で手内筋である母指・小指対立筋に機能不全を多く有することが分かっている.投球障害を治療する際には、対立筋群の機能に着目することが重要と考える.また今回設定した評価方法は簡便であり,障害予防の観点からも競技の指導者や本人により試みることで早期にリスクを発見できる可能性も示唆された.
著者
數田 俊成 武田 湖太郎 田中 悟志 小田柿 誠二 大須 理英子 大高 洋平 近藤 国嗣 里宇 明元
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.18-22, 2013-02-01 (Released:2015-02-20)
参考文献数
16

経頭蓋直流電気刺激 (transcranial direct current stimulation: tDCS) は頭蓋上に配置した電極から微弱な電流を与える刺激法で, 脳機能を促進あるいは抑制すると言われている。本研究は15単語の記銘・再生を繰り返すRey’s Auditory Verbal Learning Test (RAVLT) を用い, tDCSが聴覚言語性記憶に及ぼす影響について検証した。健常者12名 (21–32歳) を対象とし, RAVLTの記銘2回目からtDCSを用いて左頭頂葉下部, 後部側頭葉を刺激した (刺激強度: 2 mA) 。陽極刺激条件では10分間, 偽刺激条件では15秒間刺激を与えた。RAVLTの2回目再生数は, 陽極刺激条件が偽刺激条件より有意に多かった。健常者においてtDCS陽極刺激により聴覚言語性記憶の有意な増強が認められた。tDCSは記憶機能賦活に役立つ可能性がある。
著者
岡本 淳
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48102152, 2013

【はじめに、目的】当院療養型病棟では非経口栄養患者に半側臥位セミファーラー位姿勢(背上げ30°、足上げ0°)で注入食を行っている。当院の看護側は仰臥位では嘔吐に伴う誤嚥・仙骨部の褥瘡発生の点から半側臥位姿勢を促していた。しかし患者の多くが頚部後屈ずり下がり姿勢となり、肺炎発症を認めた。これはこのポジショニングに原因があると考えた。この仮説をもとにポジショニングを変更することに決定し、頚部後屈を呈す実態と不顕性誤嚥を起こしている現状を調査するとともに、ポジショニング変更前後の頚部後屈角度について検証した。【方法】研究1)非経口栄養患者31名、平均82±9.3歳を対象とし、ベッド注入時の頚部後屈角度、骨盤傾斜角の測定を行い、2011年4月から2012年の6月までの1年2ヶ月分の肺炎回数について調べた。骨盤傾斜角については骨盤傾斜角20°未満(骨盤後傾位)8名、骨盤傾斜角20~30°未満(骨盤後傾位傾向)11名、骨盤傾斜角30°以上(骨盤中間位)12名の3群に分けた。頚部後屈角度については非頚部後屈9名、頚部後屈20°未満(軽度後屈)5名、頚部後屈20°以上40°未満(中等度後屈)11名、頚部後屈40°以上(重度後屈)6名の4群に分けた。骨盤傾斜角は、恥骨結合と両上後腸骨棘を結んだ線と腰椎水平線の角度の測定を行った。骨盤傾斜角3群と頚部後屈、頚部後屈4群と肺炎回数について、統計処理は多重比較検定Tukey-Kramer法を用いた。研究2)研究1の結果に基づき、半側臥位セミファーラー位の足上げ角度を10°に設定、肩甲帯後退、骨盤後傾角の修正を行い、1ヶ月後に頚部後屈角度の測定を行った。研究1の非経口栄養の対象者の中で頚部後屈患者22名中10名が退院となったため、12名(軽度後屈2名、中等度後屈6名、重度後屈4名)平均83±10.7歳を対象とした。ポジショニング変更前後の頚部後屈角度の比較を行い、統計処理は対応のあるt検定を用いた。【倫理的配慮、説明と同意】ヘルシンキ宣言に基づき、本研究の目的、方法、趣旨を口頭にて説明し、同意を得て実施した。【結果】研究1)頚部後屈角度は骨盤中間位で平均3.3±6.5°、骨盤後傾位傾向で24±9.4°、骨盤後傾位で38±9.9°で中間位と後傾位傾向、中間位と後傾位、後傾位傾向と後傾位(P<0.01)で有意差を認めた。肺炎回数は非頚部後屈で平均1.6±1.1回、軽度後屈で5.2±0.9回、中等度後屈で5.7±2.3回、重度後屈で5.6±4.4回で非頚部後屈と中等度後屈、非頚部後屈と重度後屈(P<0.05)で有意差を認めた。研究2)ポジショニング前後の頚部後屈患者12名の頚部後屈角度の変化は変更前で平均30.4±12.8°、変更後で18.3p±9.3°であり有意差を認めた(P<0.01)。【考察】骨盤後傾度により頚部後屈が増加したのは運動連鎖により胸椎後弯位をとり、下位頚椎屈曲位、上位頚椎伸展位をとるためと考える。また肺炎回数は頚部後屈20°以上の中等度・重度頚部後屈群で増加を認めた。これにより喉頭部が拡大し、不顕性誤嚥の高リスクにつながったと推察された。一般的にファーラー位は仰臥位で行われ、足上げは腹筋群の緊張を解き、上半身がずり下がらないための援助技術として行われている。しかし当院では30°半側臥位は殿筋部で支持して、仙骨部と大転子部を除圧する目的で行っている。しかし半側臥位では上半身のずれを招き、ベッド上側の肩甲帯が後退し、上位頚椎回旋・伸展となる傾向を認めた。また足上げ0°は背上げに伴いハムストリングスが引っ張られ、膝関節が屈曲し骨盤帯が後方に倒れてしまう。ポジショニング変更1ヶ月後においては頚部後屈患者の後屈角度が平均18.3p±9.3°に改善した。頚部後屈軽減に至った理由としては足上げ角度を設定し、骨盤後傾角の修正を行ったことで胸椎後弯方向への運動連鎖が減少し、頚部前屈姿勢へとつながったと考える。これにより不顕性誤嚥のリスク軽減につながった。これらは半側臥位セミファーラー位姿勢が原因であったと示唆された。【理学療法学研究としての意義】本研究では当院療養型病棟の入院患者における頚部後屈を呈す実態と頚部後屈がもたらす不顕性誤嚥のリスクについて客観的数値を示した。今回不良なポジショニングにより、肺炎を助長してしまう現状を危惧するとともに、長期臥床にて全身状態が悪化し離床が困難な患者に対して、注入時のポジショニングを調整することが重要となり、頚部後屈予防、不顕性誤嚥のリスク軽減につながっていくと示唆された。
著者
中川 聡
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
巻号頁・発行日
pp.105-111, 2015-01-01

2013年の初めに,OSCILLATE*1 trial1)とOSCAR*2 study2)という2つの大規模多施設共同研究の結果がNew England Journal of Medicine誌に発表された。いずれの研究も,成人の急性呼吸窮迫症候群 acute respiratory distress syndrome(ARDS)において,高頻度振動換気法high-frequency oscillation(HFO)と通常の人工呼吸法を比較したものである。その結果は,HFOは,通常の人工呼吸以上の効果はないどころか,OSCILLATE trialではかえって死亡率を増加させる,と報告された。はたして,これらの臨床研究は,HFOを正当に評価する研究だったのだろうか。Summary●成人のARDS患者に対して,OSCILLATE trialとOSCAR studyの2つの大規模研究では,HFOは通常の人工呼吸以上の効果はないと発表された。しかし,これらの研究では,プロトコルと患者選択に問題があった可能性が指摘されている。●ARDSの肺病変は均一ではなく,異なる病態に合ったHFO戦略を構築すれば,HFOが有効に作用する可能性がある。●現在,日本呼吸療法医学会のワーキンググループが,日本版成人用HFOプロトコルを作成中である。
著者
最上 英明
出版者
香川大学経済研究所
雑誌
香川大学経済論叢 (ISSN:03893030)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.285-306, 1998-09
著者
田仲 陽子 南角 学 吉岡 佑二 秋山 治彦 柿木 良介
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101562, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】これまでに、変形性股関節症の股関節の変性は骨盤アライメントの異常と相互に関連しており、この骨盤アライメントの異常は歩行を中心とした運動機能に影響するという報告がなされてきている。そのため、変形性股関節症患者のリハビリテーションにおいては、骨盤アライメントに対する評価や介入が重要となる。また、変形性股関節症患者の運動機能の向上を図るための効果的な介入を行うためには、骨盤アライメントと股関節周囲筋との関連性をより詳細に検討することが必要と考えられるが、これらの関連を検討した報告は少ない。そこで、本研究の目的は、末期の変形性股関節症患者の股関節周囲筋の筋萎縮を定量的に評価し、骨盤アライメントとの関連性を明らかにすることとする。【方法】末期の片側変形性股関節症と診断された32名(男性3名、女性29名、年齢63.8±9.7歳、身長153.0±7.0cm、体重53.5±10.6kg、BMI22.8±4.0kg/m²)を対象とした。股関節周囲筋の筋断面積と骨盤アライメントの測定には、当院整形外科の処方により放射線技師が撮影したCT画像と静止立位における全脊柱のレントゲン画像を用いた。股関節周囲筋の筋断面積の測定は、Raschらの方法に従い仙腸関節最下端での水平断におけるCT画像を採用し、画像解析ソフト(TeraRecon社製)を用いて各筋群の筋断面積の測定を行った。対象筋群は腸骨筋、大腰筋、腸腰筋(腸骨筋+大腰筋)、大殿筋、中殿筋、小殿筋とし、得られた筋断面積から求めた患健比(患側筋断面積/健側筋断面積)×100(%)を筋萎縮率と定義した。また、骨盤アライメントとして、静止立位における全脊柱のレントゲン画像から、土井口らの方法に従って骨盤傾斜角(仙骨岬角と恥骨結合上縁を結んだ線と仙骨岬角から垂直におろした線の成す角)を測定した。さらに、先行研究の健常者の骨盤傾斜角の平均値(26.6度)に基づいて骨盤前傾群と骨盤後傾群の2群に分けた。統計処理には、各筋群の患側と健側の筋断面積の比較には対応のないt検定を、骨盤前傾群と骨盤後傾群の各筋の萎縮率の比較には、マンホイットニーのU検定を用い、統計学的有意水準は5%とした。【倫理的配慮、説明と同意】本研究は京都大学医学部の倫理委員会の承認を受け、対象者には本研究の主旨ならびに目的を説明し研究への参加に対する同意を得て実施した。【結果】骨盤傾斜角測定の結果、骨盤前傾群は15名(骨盤傾斜角19.4±4.3度)、骨盤後傾群は17名(骨盤傾斜角34.1±5.0度)であった。各筋の筋断面積測定の結果、全ての筋群において患側は健側に比べて有意に低値を示した。また、筋萎縮率については、腸腰筋が骨盤前傾群で63.0±14.3%(患側676.9±152.8mm²、健側1103.0±251.5mm²)、骨盤後傾群で75.4±16.7%(患側836.1±282.5mm²、健側1105.4±242.9mm²)であり、腸骨筋が骨盤前傾群で60.7±20.8%(患側435.6±134.0mm²、健側743.7±152.7mm²)、骨盤後傾群で75.9±19.5%(患側588.8±187.8mm²、健側783.0±163.5mm²)と、骨盤前傾群が骨盤後傾群に比べ有意に低値を示した。大腰筋、大殿筋、中殿筋、小殿筋の筋萎縮率は2群間に有意差を認めなかった。【考察】本研究の結果より、変形性股関節症患者の骨盤傾斜角に関連していた筋は腸腰筋と腸骨筋のみであり、大腰筋や殿筋群には骨盤アライメントの影響を認めなかった。先行研究において、骨盤後傾位のほうが骨盤前傾位よりも股関節屈曲筋力を発揮しやすいことが報告されている。これらの先行研究を考慮すると、過度な骨盤前傾位を呈している変形性股関節症患者では、静止立位時や動作時において腸腰筋の筋活動が得られにくく、患側の腸腰筋の筋萎縮が顕著に生じていたと考えられる。また、大腰筋に関しては第2腰椎に起始部を持ち姿勢保持に働く筋とされており、静止立位時の骨盤前後傾に対しどちらも正中位に保持しようとする方向に働くと考えられ、大腰筋の筋萎縮率は骨盤前傾群と骨盤後傾群の間に差を認めなかったものと思われる。今後の課題として、変形性股関節症患者に対し腸腰筋に着目したトレーニングを施行することが、立位姿勢や運動機能の改善に有効であるかを検討していく必要があると考えられる。【理学療法学研究としての意義】これまで、変形性股関節症患者の骨盤アライメントの異常については多く報告されてきた。しかし、骨盤アライメントと股関節周囲筋の関連性について詳細に検討した報告は少なく、骨盤アライメントの改善に有効とされる介入内容は不明瞭であった。本研究の結果より、骨盤アライメントと腸腰筋の筋萎縮に関連があることが明らかとなった。この結果は、変形性股関節症患者の姿勢改善や運動機能向上に対し効果的なトレーニング方法を立案する際の一助となると考えられる。
著者
新納 浩幸
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.329-330, 2018-09-15 (Released:2018-12-15)
著者
冨田 栄二 佐々木 浩一 赤松 史光 池田 裕二 河原 伸幸
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では,二酸化炭素や有害排出物の排出の低減のために,従来とは異なる新たなプラズマ支援燃焼方式を提案している.すなわち,大気圧・室温状態から高温・高圧状態までの着火・燃焼と非平衡プラズマの関係を物理的・化学的に調べるとともに,スマート燃焼という新たな研究分野を創出するための基礎現象を解明して,熱機関への応用を試みた.ラジカル密度,燃焼に及ぼすマイクロ波プラズマの影響,非平衡プラズマを重畳させたレーザー着火過程におけるラジカル挙動と燃焼特性,含水エタノールの燃焼・化学反応への影響を調べ,火炎の時空間制御の可能性を見出した.その結果,マイクロ波による燃焼の新たな可能性を見出すことができた