著者
中田 英利子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Suppl., pp.177-180, 2018-12-20 (Released:2018-12-21)
参考文献数
8

本研究では評定時期が学生による授業評価に与える影響を検討した.シラバスどおり進行した授業を対象に大学生248名にシラバスどおり授業進行したかを評価する際に想起した事象などを回答させた.その結果,評価対象回1週間後にその内容が想起されやすいこと,評定時期により評定値に差はないが対象回直後と1週間後は当日の内容から評価するが2週間後は教員の性格などから評価すること,1週間後と2週間後はノート参照せずに評価することが示された.以上から,対象回1週間後であれば,適切な授業内容を想起して対象回当日の情報から正確に評定できるという授業評価の妥当性と信頼性とが比較的担保できる可能性が示唆された.
著者
竹田 恵子
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.45-55, 2010
被引用文献数
1

高齢者の健康支援に対する看護実践は,幅広い年齢層の多様な健康状態を対象に,多様な場で展開されるものである.そこで本稿では,高齢者が "人生の最終章を生きる人々である"という高齢者の最大の特徴をふまえ,高齢者への看護について論述した.まず,老年看護実践の特徴について概観した後,高齢者の健康の捉え方と老いることの意味について確認した.高齢者の健康は,日常生活機能の自立をもって評価される包括的な概念であること,社会文化的背景に影響され,その人の価値や信念と深くかかわる概念であるスピリチュアルな側面の健康も重要な視点であることが示された.また,老年期は「豊かな実りの時期」であり,高齢者が「統合と絶望」という発達課題に向き合うことを通して自己の存在意義を確認し,それを次世代へと繋いでいく人々であるという点に老いることの意味を確認した.以上の内容をふまえて,人生の最終章を生きる高齢者への健康生活支援として,「人生の統合」への支援に注目した看護,「スピリチュアリティ」に注目した看護,「死の準備教育」に注目した看護について概観した.これらの看護支援に共通するのは,一人の大切な人として高齢者に出会い,その人に関心を寄せ,その人のもてる力を信じ,日常生活を整えること,良き話の聴き手となることであった.また,高齢者と看護職が関わりあいを通して学び合い成長し合うという性質を持つことであった.
著者
龔 伶俐
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.691, pp.2039-2045, 2013-09-30 (Released:2013-11-30)

Through the research of “Tong Zhi Tiao Ge”, this paper clarifies the structure of the laws and ordinances relevant to the official building and repair in Yuan dynasty. The results are as follow:1. With the format of TiaoGe(条格) had changed from the Ling(令) to Chi(勅), the influence of “Ying Shan Ling ”(営繕令) over “Tong Zhi Tiao Ge”(通制条格) was became disappear during the late Yuan dynasty.2. “Tong Zhi Tiao Ge”, aims at supervising the official building and repair, has mainly the same contexts as “Ying Shan Ling” in Song dynasty, except the lack of legal code for city wall and architectural style. Furthermore, the ordinances of official residence's repair are more important than building regulation in Yuan dynasty.3. The system of inspection, judgment and supply upon the official building and repair would have founded in Yuan dynasty.
著者
Arthur V. Everitt 伊東 蘆一
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.175-182, 1985 (Released:2010-04-30)
参考文献数
22

ラットの老化の速度は, 90日齢を過ぎたところで食餌摂取量を制限したり, 下垂体を切除したりすることによって遅らせることができる。これら2つの処置は, ラットの尾の腱のコラーゲン繊維の老化を遅らせ, 腎糸球体毛細血管の基底膜の肥厚を阻止する。また加齢に伴って発症する疾患, たとえば腎疾患, 後肢の麻痺, 腫瘍の発症を阻止する。下垂体切除は食餌摂取量を低下させるが, その抗老化作用は, この処置をうけたラットと摂食量を同じにした場合に, 無処置のラットにみられる食餌制限の効果よりも大きい。最長寿命は, 無処置の雄ウイスター系ラットでは1,201日であったが, 下垂体切除ラットでは1,335日に, 食餌制限ラットでは1,525日に延長した。多くの下垂体ホルモン, 甲状腺ホルモン, 副腎皮質ホルモン, 精巣ホルモンは幾つかの組織の老化の速度に影響することが示されている。コラーゲンの老化の速度は, 主に食餌のエネルギー含量によって決定されるが, 加齢に伴う腎疾患の発症はエネルギーとたん白質両者の摂取量によって影響される。まだ仮説の域を出ないが, 脳の中枢, たとえば視床下部が, 食餌摂取と下垂体ホルモンの分泌の変化を通して, 老化の速度と加齢に伴う疾病の発症をコントロールしていることが考えられる。
著者
三宅 幹子 岡崎 善弘
出版者
岡山大学教師教育開発センター
雑誌
岡山大学教師教育開発センター紀要 (ISSN:21861323)
巻号頁・発行日
no.9, pp.229-242, 2019-03-20

本研究では,学校ぐるみで協同学習の取り組みを進めている小学校の3年生児童を対象として,協同学習の下地づくりを行うことをめざしたピア・サポートトレーニングを実施し,聞き方スキル,援助要請行動,サポート入手可能性,サポート提供可能性,攻撃性の観点からその効果を検討することを目的としていた。トレーニングの前後とフォローアップの3時点での効果測定について分析を行った結果,サポート入手可能性においてはトレーニングの効果を示唆する変化がみられた。一方,攻撃性においては,トレーニングによって攻撃性が上昇していることが示され,トレーニングに参加した児童について,イライラ感情や攻撃性への気づきを高めることはできたものの,対処方法の習得,活用,定着までには至らなかったと解釈された。トレーニングの回数,実施期間,およびトレーニング内容の般化に関して改善することで,より明確な効果が得られると考えられる。
著者
陳 金娣 新田 静江
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.176-182, 2011

<b>目的</b>&emsp;中国農村部の家族介護を支える体制整備への提言資料を得るために,高齢者の在宅ケアサービスの利用ニーズとその関連要因を明らかにすることとした。<br/><b>方法</b>&emsp;経済発展の速い 1 農村の無年金高齢者102人を対象に,主観的健康感,ADL,慢性疾患と自覚症状の有無,ソーシャルサポート,うつ状態,要介護状態時の意向と在宅ケアサービスニーズを面接調査した。また,ニーズの関連要因をカイ二乗,Fisher の直接確率検定および t 検定,Wilcoxon 順位和検定を用いて分析した。<br/><b>結果</b>&emsp;対象者は73.3&plusmn;5.1歳,子供を4.0&plusmn;1.4人有し,主として配偶者と同居し,親族の仕送りを収入源としていた。慢性疾患と自覚症状を有する者が半数以上,ADL は99.8&plusmn;1.6点,ソーシャルサポートは35.9&plusmn;5.7点,うつ状態は3.9&plusmn;2.7点,75.5%が健康と自己認識し,64.7%は要介護状態になった場合に自宅で暮らす意向があった。在宅ケアサービスは,訪問介護と住込み介護と老人ホーム以外のサービス実施への賛成割合および利用ニーズ割合は高く,無料~安価での利用を希望していた。ニーズとの関連要因は,地域医療機関と ADL,訪問看護と年齢,通所介護と ADL に有意差がみられた。訪問リハビリテーションは有配偶者と自覚症状がない者,訪問介護は慢性疾患がない者,住込み介護は経済的余裕者,老人ホームは有配偶者,通所介護は自覚症状がない者に有意に高かった。<br/><b>考察</b>&emsp;在宅ケアサービスのうち,医療と保健関連サービス利用ニーズが高かったことは,農村新型合作医療保険で医療費控除対象となっていない外来での受診や健康指導&bull;相談への期待の大きさと推察される。住込み介護利用ニーズが経済的余裕者に高かったことは,現状のサービス利用経費は高すぎるものと推察される。老人ホームと訪問リハビリテーション利用ニーズが有配偶者に高かったことは,同居の配偶者への介護負担を考慮した回答と捉えられる。子供の同居率の低い状況下で,要介護状態になった場合に自宅で暮らしたいという大多数の高齢者の希望を叶え,伝統的な老親扶養に基づく家族介護を支えるには,在宅ケアサービス体制の整備が課題と思われる。<br/><b>結論</b>&emsp;中国農村部の高齢者の在宅ケアニーズと関連要因について調査した結果,サービス実施への賛成と利用ニーズは高く,配偶者の有無,自覚症状の有無,慢性疾患の有無,ADL,年齢がニーズに関連していた。
著者
河野 惟隆
出版者
筑波大学社会科学系 (経済学)
雑誌
筑波大学経済学論集 (ISSN:03858049)
巻号頁・発行日
no.48, pp.1-17, 2002-09

本稿では、国に納付する消費税と、地方に納付する地方消費税とを一括して、消費税等、あるいは消費税額等、さらにケールによっては単に消費税ということにする。消費税等の納税義務者は、事業者でもある。事業者の納付する消費税額等は、資産の譲渡によって受入れた消費税額等から、 ...

1 0 0 0 OA 義経記

巻号頁・発行日
vol.巻1, 1635
著者
水野 貴之 小髙 充弘
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

世界の3億社と1.4億人に関する株所有情報を含むデータセットを用いて,グローバルな株所有ネットワークにおける中国の間接支配を調べる.はしめに,ネットワーク上のパーコレーションモデルを拡張することによって,支配関係をグローバルな株所有ネットワークのサブグラフ(サブネットワーク)として抽出する.このモデルは,直接所有だけではなく,支配下企業を介した間接所有も加味して,企業が支配されるか(ノードがパーコレートするか)を定める.次に,中国株主と米国企業(投資会社とGAFA)による世界支配を,支配に必要な所有比率を変化させて観測する.中国株主が協調することで,世界支配は大きく拡大する.中国は, 1%を超える間接的な株所有によって世界の全従業員の47%を支配している.中国による支配は,タックスヘブン地域,フランス,南アフリカ,ナイジェリアで顕著である.フランスは旧植民地であるアフリカで多くの企業の株を持っている.支配関係は階層構造を持っている.すなわち,中国はフランスを介してアフリカを支配している.特に,採掘業で顕著である.中国の世界支配は強いけれども,米国企業による支配はその比ではない.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア : 医療・介護の経営情報 (ISSN:18815707)
巻号頁・発行日
no.276, pp.30-36, 2012-10

社会保障・税一体改革関連法の成立により、消費増税が決まった。そうした中、医療機関や介護事業所における増税後の対応に関する議論がスタート。「損税」問題へ具体的な対応も見え始めている。 社会保障・税一体改革関連法の成立で、医療・介護分野における消費増税後の「控除対象外消費税(損税)」問題への対応の方向性が見えつつある。

1 0 0 0 OA 通志200卷

著者
宋鄭樵撰
出版者
謝氏彷武英殿本刊
巻号頁・発行日
vol.[112], 1859
著者
斎藤 幾郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン = Nikkei personal computing (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.773, pp.52-55, 2017-07-10

実は、通販サイトの大手アマゾンにも「プライムミュージック」という聴き放題サービスがある(図7)。同社のプレミアム会員プログラム「Amazonプライム」の加入者を対象に、送料が無料になるなどAmazonプライムの各種の特典の一つとして、聴き放題サービスも追…