著者
山田 高誌 ヤマダ タカシ Yamada Takashi
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, 2018-03-31

本論文は, 18世紀後半のナポリの諸劇場と関わりをもった作曲家, 台本作家, 演奏家, それぞれの待遇の経年変化, キャリアの変化について, ナポリ銀行歴史文書館所蔵, 興行師による支払い文書史料113点の支払い文書全訳とともに, その労働条件, 職務を解明するものである.
著者
林 泰正 石田 雄大 山元 貴継
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.76, 2011

<B>調査の背景と目的</B><BR> 今回調査を行った伊勢市は,かつては「(伊勢)神宮」への参拝者で大きくにぎわっていたものの,近年では短時間での滞在にとどまる観光客が多くなり,「日本一滞在時間の短い観光地」という指摘も受けている.<BR> あらかじめ2009年6月28日(日)の終日行った調査では,伊勢市内の各所において,それらの場所に立ち寄っていた観光バスのナンバープレート記録をもとに,同市を訪れていると思われる観光バスがどのように市内をめぐっているのかを明らかにした(林ほか2010).そこでは,追跡できた192台の観光バスのうち127台が(伊勢)神宮「内宮」を訪れているものの,同じ神宮の「外宮」を経由したのは32台にとどまっていた.また多くの観光バスが,午前中には隣接する鳥羽市・志摩市から伊勢市方面へ,一方で夕方以降は,伊勢市から鳥羽市・志摩市方面に向かうことが確認された.このように,伊勢市を訪れている観光バスの多くが,実際には「内宮」周囲に立ち寄るのみで,そのまま宿泊などのために鳥羽市・志摩市方面に向かっていると想定された.<BR> そこで今回の調査では,こうした想定をもとに,伊勢市を訪れる観光バスツアーの関係者(バス運転手または添乗員)に対して,各ツアーが伊勢市内の観光地をどのように訪れているのか,また,同市以外の三重県内の都市をどのようにめぐるツアーを設定しているのかについて,その理由を含めた尋ねるアンケートを行なった.アンケートは,先の調査と条件を揃えた2010年6月27日(土)・28日(日)の両日に,「内宮」前駐車場にて実施した.<BR><BR><B>観光バスツアーと伊勢市内の観光地</B><BR> 今回,回答を得られた観光バスツアーは計150組であった.まず,それぞれの観光バスツアーについて,参加者の居住する都府県として最も多く挙げられたのは大阪府(30組),次に兵庫県(16組)となるなど,関西地方の居住者を対象とするツアーが多く占めた.これに愛知県(13組),岐阜県(11組)が続いた.ツアーの参加者の年齢層としては,50歳代,40歳代に偏って多かった.<BR> そしてアンケートからは,「内宮」を訪れていた観光バスツアーの中で,116組が「おかげ横丁」,89組が「おはらい町」にも立ち寄るよう,ツアーを設定しているとの回答が得られた.「内宮」に隣接しているこれらの観光地ですら訪れないとする観光バスツアーが現れており,続いて53組が「二見浦」,45組が「外宮」,23組が「二見シーパラダイス」,14組が「倉田山周辺」に立ち寄るとしたほか,「伊勢安土桃山文化村」などの伊勢市内の各観光地に立ち寄った観光バスツアーは一桁台にとどまった.これらの伊勢市内の観光地に立ち寄らなかった理由としては,ほとんどの観光バスツアーが「もともとコースに設定していない」と回答していた.とくに,6割以上と圧倒的に多くのツアーが伊勢市での観光への期待として「神社参拝」を挙げているにも関わらず,「外宮」にすら参拝していないことが明らかとなった.<BR><BR><B>周辺都市への観光との関係</B><BR> アンケートでは,観光バスツアーが伊勢市だけでなく,三重県内の他の都市をどのように訪れているのかについても尋ねた.その結果,ツアーの出発地から伊勢市に直行し,そのまま出発地に戻った27組を除いた123組が,伊勢市の前後に,三重県内の他の都市を訪れていた.とくに,伊勢市に続いて鳥羽市や志摩市に向かうといったように,伊勢市を訪れた後に県内の他の都市を訪れるコースを採る観光バスツアーが,相対的に多くみられた.<BR> そして,宿泊地についても,宿泊を伴っていた観光バスツアー計105組のうち,伊勢市内に宿泊地を求めていたツアーはわずか15組しかなかった.とくに,鳥羽市の存在が際だっており,宿泊を伴った観光バスツアーのうち74組が鳥羽市にも立ち寄っている中で,実に48組が同市に宿泊していた.伊勢市に宿泊地を選ばなかった理由としては,伊勢市以外の都市に宿泊した方が日程の都合が良いとする回答が最も多く,また,伊勢市内に良い宿泊施設が無いからという回答も多くみられた.<BR> 以上の結果からは,伊勢市をめぐっていると思われた観光バスツアーの多くが,実際には鳥羽市や志摩市などをメインに観光および宿泊する観光コースを採っている中で,「内宮」のみを訪れるために伊勢市に立ち寄っている可能性が高いということが明らかとなった.こうした,他の都市を含めた観光の中でますます,「内宮」を除いた伊勢市内の各観光地を観光バスツアーがめぐる時間が短くなっていることが想定される.<BR><BR>林 泰正,石田雄大,田中博久,山元貴継 2010. 三重県伊勢市をめぐる観光バスの動向.2010年度日本地理学会秋季学術大会.
著者
鈴木 隆泰
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学國際文化學部紀要 (ISSN:13427148)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.31-44, 2005-03-25

Modern Buddhist Studies based on the methodology of Indo-European philology has estimated that 'Original Indian Buddhism' is philosophical, rational, reasonable, non-ritualistic and non-magical. This image of Indian Buddhism often deprives a sincere Japanese Buddhist who has been engaged in rites and performing magic of his self-confidence. However, is it really true that there are essential differences between Japanese Buddhism and Indian Buddhism? This question still remains unsettled. This paper attempts to resolve this estrangement established between Japanese and Indian Buddhism by primarily examining some ritual aspects of Indian Buddhism, and moreover proposes clues for reevaluating modern Japanese Buddhism.
著者
片桐 史裕 Fumihiro KATAGIRI
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学教職大学院研究紀要 = Bulletin of Teaching Profession Graduate School Joetsu University of Education (ISSN:2187882X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.47-54, 2017-02-28

古典作品の世界を味わい,感じとるために,作品理解のための授業の後に,群読を用いた音声言語よる表現の時間を設けた。文章解釈が中心の高等学校国語科古典授業の中で,授業進度を他の担当者と合わせている場合,表現の時間を設けることは,解釈の時間を削って充てなければならないということになる。群読のシナリオを全て作らせることはとても時間がかかったり,人前で発表する場合は恥ずかしさのあまりすぐに発表できなかったりして,時間が無為に過ぎることがよくある。しかし,作品の一部分のシナリオを作成することにしたり,ICレコーダーに録音する発表方法を採用することにより,1時間の授業ながら効果のある群読授業をおこなうことができた。また,ICレコーダーで録音し,自らの作品を聞くことにより,学習の成果を客観的にふりかえることができた。
著者
Ando Shirley
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.33-42, 2009

「日本人論」は、単なる理論の枠をこえ、日本社会そして個々の日本人が毎日の生活の中で体現している生きた「現実」である。それは、日本人自身の自画像や日本という国のナショナルアイデンティティを生みだすための大切な役割を果たしている。日本文化やその「特殊性」を、単純明快に表現するときに使われることも多い。また、文化的アイデンティティを守り、創りだし、あるいは強化することによって、世代を超えた国家共同体の重要性を強調する。
著者
Yeting HE Takao INOUE Sadahiro NOMURA Yuichi MARUTA Hiroyuki KIDA Toshitaka YAMAKAWA Yuya HIRAYAMA Hirochika IMOTO Michiyasu SUZUKI
出版者
The Japan Neurosurgical Society
雑誌
Neurologia medico-chirurgica (ISSN:04708105)
巻号頁・発行日
pp.oa.2018-0112, (Released:2019-03-20)
参考文献数
29
被引用文献数
5

Local brain cooling of an epileptic focus at 15°C reduces the number of spikes on an electrocorticogram (ECoG), terminates seizures, and maintains neurological functions. In this study, we attempted to suppress generalized motor seizures (GMSs) by cooling a unilateral sensorimotor area. GMSs were induced in rats by intraperitoneal injection of bicuculline methiodide, an antagonist of gamma-aminobutyric acid. While monitoring the ECoG and behavior, the right sensorimotor cortex was cooled for 10 min using an implanted device. The number of spikes recorded from the cooled cortex significantly decreased to 71.2% and 62.5% compared with the control group at temperatures of 15 and 5°C (both P <0.01), respectively. The number of spikes recorded from the contralateral mirror cortex reduced to 61.7% and 62.7% (both P <0.05), respectively. The ECoG power also declined to 85% and 50% in the cooled cortex, and to 94% and 49% in the mirror cortex by the cooling at 15 and 5°C, respectively. The spikes regained in the middle of the cooling period at 15°C and in the late period at 5°C. Seizure-free durations during the 10-min periods of cooling at 15 and 5°C lasted for 4.1 ± 2.2 and 5.9 ± 1.1 min, respectively. Although temperature-dependent seizure alleviation was observed, the effect of local cortical cooling on GMSs was limited compared with the effect of local cooling of the epileptic focus on GSMs.
出版者
大蔵省
巻号頁・発行日
vol.明治15年, 1912
著者
坂井田 瑠衣 諏訪 正樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第28回全国大会(2014)
巻号頁・発行日
pp.2D4OS28a3, 2014 (Released:2018-07-30)

言葉を交わさなくとも息がぴったり合ってしまう「阿吽の呼吸」は,身体の観察可能性に支えられている.他者の身体の状態や動作の意図を察知し,相手の意図や要求に沿うような反応を返すことで「阿吽のインタラクション」が成立する.なかでも,当事者にすら顕在化していない意図や要求を他者が先回りして汲み取るという身体性に根ざした知的振る舞いの様相を,複数の異なる対面相互行為場面における事例分析から明らかにする.
著者
Toshihiro MUNEMITSU Akira ISHII Eiji OKADA Hideo CHIHARA Kazumichi YOSHIDA Jun C TAKAHASHI Yasushi TAKAGI Susumu MIYAMOTO
出版者
The Japan Neurosurgical Society
雑誌
Neurologia medico-chirurgica (ISSN:04708105)
巻号頁・発行日
pp.oa.2018-0203, (Released:2019-02-28)
参考文献数
30
被引用文献数
4

We previously reported that near-infrared hyperspectral imaging enabled the localization of atherosclerotic plaques from outside the vessels, but not the optical characteristics of each histological component. Therefore, the near-infrared spectrum of each component was collected from the sliced section of the human carotid plaque obtained with endarterectomy and the optical characteristics were confirmed in several wavelengths. Based on this information, we assessed the diagnostic accuracy for ex vivo chemogram in each plaque component created with near-infrared spectroscopy (NIRS), using multiple wavelengths. The chemogram projected on the actual image of plaque was created based on light intensity and transmittance change at three wavelengths. The wavelengths that were mainly were 1440, 1620, 1730, and 1930 nm. We evaluated the accuracy of histological diagnosis in chemogram compared with pathological findings, analyzing interobserver agreement with κ-statistics. The chemograms that we created depicted the components of fibrous tissue, smooth muscle, lipid tissue, intraplaque hemorrhage, and calcification. Diagnostic odds ratio in each component was as follows: 259.6 in fibrous tissue, 144 in smooth muscle, 1123.5 in lipid tissue, 29.3 in intraplaque hemorrhage, and 136.3 in calcification. The κ-statistics revealed that four components, excluding intraplaque hemorrhage, had substantial or almost perfect agreement. Thus, this study demonstrated the feasibility of using chemogram focused on specific component during the histological assessment of atherosclerotic plaques, highlighting its potential diagnostic ability. Chemograms of various target components can be created by combining multiple wavelengths. This technology may prove to be useful in improving the histological assessment of plaque using NIRS.

1 0 0 0 OA 享保令典永鑑

著者
江戸北町奉行所
出版者
巻号頁・発行日
vol.[3],
著者
鎌田 洋一 星 英之 長木 勇人 小崎 俊司
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.767-771, s・iv, 2002-09-25
参考文献数
22
被引用文献数
1

ボツリヌス菌が産生するC3酵素と呼ばれるADP-リボース転移酵素は,GTP-結合タンパク質の1つであるRhoAタンパク質にADP-リボースを転移し失活させる.ヒト神経芽腫GOTO細胞をC3酵素処理するとRhoAタンパク質の修飾の後,神経突起が誘導される.私たちはC3酵素に対しモノクローナル抗体を作成し,C302と名づけ,その性状を検討した.C302はC3酵素のタンパク質分解酵素処理して生じた小さなフラグメントには反応せず,C302のエピトープは立体構造依存性であると考えられた.C302はC3酵素の生物学的活性およびADP-リボース転移酵素活性を効率良く中和した.C302のC3酵素活性抑制と生物学的活性抑制における用量依存曲線は良く類似していた.C3酵素処理によって神経突起が誘導されているGOTO細胞に対しC302を反応させたところ,GOTO細胞の形態がC3酵素処理以前に復帰した.C3酵素とC302モノクローナル抗体は,RhoAタンパク質を介する細胞現象の解析研究に役立つと考えられる.

1 0 0 0 OA 月百姿 赤壁月

著者
芳年
出版者
秋山武右エ門
雑誌
月の百姿
巻号頁・発行日
1889