著者
松田 彰 綿矢 有佑 宮坂 貞 牧 敬文
出版者
北海道大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1993

本研究班では、核酸の構造や代謝の分子論的な解析を基にした機能性ヌクレオシド誘導体の創生を計ることを目指している.松田は、新しいアミノリンカーを持つDNAオリゴマーの設計と合成を行なった.これらは標的とするRNAと安定な二本鎖を形成し,さらに、リンカーにインターカレーターなどの機能性分子を導入することが可能である.これらのオリゴマーは天然型のリン酸ジエステル結合を持つにもかかわらずヌクレアーゼに抵抗性を示すこと,および,RNase Hの基質になることを明らかにした.DNA鎖切断型の自殺基質として分子設計したCNDACがモデルテンプレート・プライマー系でDNApolymeraseを作用させたとき予想通りの鎖切断を引き起こすことを確認した.牧は、光励起下で活性酸素の模倣物として機能する特異な複素環N-オキシド(POP)を用いてヌクレオシド類の光酸化反応を詳細に検討した.さらに、POPが水中で水酸ラジカルを発生しDNA鎖を効率的に切断することを明かにした.宮坂は、HIV-1の逆転写酵素(RT)に特異的に結合する化合物(BEMI)を用いてこの化合物に対する耐性株の遺伝子分析を行なった.本化合物によるRT耐性は103番目のリシンがグルタミン酸に,181番目のチロシンがシステインに変化していることによることを明らかにした.綿矢は、ヒトに感染しマラリアを引き起こす4種類のマラリア原虫を識別できるDNA診断法を開発した.さらに,5-fluoroorotateとスルファモノメトキシンを併用することによりクロロキン耐性マラリア(ネズミマラリア感染マウス)を治癒出きることを明らかにした.
著者
湯川 利和 瀬渡 章子 塘 なお美 糸賀 万記
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅建築研究所報 (ISSN:02865947)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.219-230, 1986

本研究の目的は,主に高層住宅の環境が子どもの発達と活動を阻害しないための空間的条件を明らかにすることである。今回は,子どもの生活時間,子ども部屋の実態を明らかにするとともに,高層住宅環境が心身に及ぼす影響についても分析を行った。そのためのアンケート調査を,幼児母親・小学生とその母親を対象に,大阪・南港ポートタウン内の高層住宅団地で実施した(1985年8~9月,サンプル総数525)。生活時間の中でとくに注目されたのは,テレビ視聴時間が幼児から小学校高学年までほとんど変化がないことであった。階別の生活時間分析では,幼児では上層階の方が屋内での活動時間が長く,屋外遊びは少ない-すなわち住環境の影響を受けていることが明らかとなったが,小学生では一貫した傾向はつかめなかった。NHK調査との生活時間比較を行ったが,高層住宅であるために活動が阻害されている傾向は見出せなかった。子ども部屋の保有率は高い。共用室が多いものの,学年上昇にともない個室率も上がる。また子ども自身,母親ともに個室要求が強い。しかし母親は,最初から個室というのではなく,年齢に応じた与え方が必要と考えていることがわかった。高層住宅環境が子どもの心身に与える影響については,不定愁訴と性格特性を分析する方法をとった。小学生でも不定愁訴を訴える割合は高い。不定愁訴を多く訴えるのは,屋外遊びが少なく,母親によく叱られる子どもであった。これらの要因は居住階の影響も受けており,不定愁訴が少なからず住環境の影響を受けていることが明らかとなった。性格特性の分析でも,情緒安定性・社会的適応性・活動性・外向性の4因子について,住環境の直接的,間接的影響を見出すことができた。
著者
[豊田天功] [著]
巻号頁・発行日
vol.[201], 1800
著者
アレックス・ グラスハウザー
雑誌
比較法雑誌 (ISSN:00104116)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.1-14, 2014-09-30

1789年の外国人不法行為法は, 国際法に違反してなされた不法行為について連邦地方裁判所が第 1 審管轄権を有すると規定している。 この法律は200年近く適用されてこなかったが, 1980年にパラグアイで行われたパラグアイ政府職員による不法行為に対し, アメリカ合衆国の連邦裁判所が管轄権を行使して以来, 国際的な不法行為に対する有効な手だてとして, 注目を集めることとなった。 もっとも, 外国で行われた事件に国内法である外国人不法行為法を適用することは主権侵害のおそれがあるとして, 裁判所は原則として「域外適用禁止推定」がはたらくとしてきた。しかしながら, 外国人不法行為法は管轄に関する法にすぎず, また, 外国人不法行為法によって連邦裁判所が当該事件に適用する実体法は合衆国法ではなく国際法なのである。 その限りで, ナイジェリアにおけるナイジェリア軍の国際法違反に対して, 連邦裁判所の管轄権を否定した2014年のキオベル事件最高裁判決は, 域外適用の法を歪めたものといえるのであって, 今後再考されるべきである。
著者
Miki Yohei Umemura Masayuki
出版者
Oxford University Press
雑誌
Monthly notices of the Royal Astronomical Society (ISSN:00358711)
巻号頁・発行日
vol.475, no.2, pp.2269-2281, 2018-04
被引用文献数
20

Providing initial conditions is an essential procedure for numerical simulations of galaxies. The initial conditions for idealized individual galaxies in N-body simulations should resemble observed galaxies and be dynamically stable for time-scales much longer than their characteristic dynamical times. However, generating a galaxy model ab initio as a system in dynamical equilibrium is a difficult task, since a galaxy contains several components, including a bulge, disc, and halo. Moreover, it is desirable that the initial-condition generator be fast and easy to use. We have now developed an initial-condition generator for galactic N-body simulations that satisfies these requirements. The developed generator adopts a distribution-function-based method, and it supports various kinds of density models, including custom-tabulated inputs and the presence of more than one disc. We tested the dynamical stability of systems generated by our code, representing early- and late-type galaxies, with N = 2097 152 and 8388 608 particles, respectively, and we found that the model galaxies maintain their initial distributions for at least 1 Gyr. The execution times required to generate the two models were 8.5 and 221.7 seconds, respectively, which is negligible compared to typical execution times for N-body simulations. The code is provided as open-source software and is publicly and freely available at https://bitbucket.org/ymiki/magi.
著者
浅田 晴久
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2008年度日本地理学会秋季学術大会・2008年度東北地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.52, 2008 (Released:2008-11-14)

1.はじめに インド東北地方は国内でも最も開発が遅れている地域の1つである。バングラデシュ、ミャンマー、ブータン、チベット(中国)に囲まれたこの地域は多数の少数民族が暮らしており、現在も独自の文化を守り続けている。1980年代以降、政情が不安定であったため外部の研究者が立ち入ることは難しかったが、近年、治安が落ち着いてきたこともあり調査が可能となっている。京都大学東南アジア研究所・大学院アジア・アフリカ地域研究研究科はアッサム州のゴウハティ大学地理学科と学術協定を締結し、インド東北地方の農業・生態・気象・疫病を対象とした学際的なプロジェクトを開始している。 本研究はインド東北地方の中でも面積・人口ともに最大のアッサム州において、州の主要産業である稲作の動態を明らかにすることである。アッサム州には東西を横切る形でブラマプトラ川が流れており、雨季になると毎年のように洪水が発生し稲作に被害を及ぼす。またヒマラヤ山脈の南縁に位置し、将来の環境変化による影響が危惧される。 2.調査地の概要 調査地として選ばれたR村はアッサム州東部(上アッサム)、ブラマプトラ川の北岸(右岸)に位置する。本村はチベットを源流としヒマラヤ山脈を越えて流れてくるスバンシリ川に近接しており、過去には堤防が決壊して大洪水が起こったこともあった。また、年間降水量は3000mmに達し、6~9月の雨季には降雨のため田に植えられた稲が被害に遭うこともある。 R村の世帯数は約110、人口は約600人になる。住民はタイ系のアホム(タイ=アホム)である。アホムは現在の中国雲南省から移動を開始しミャンマーを抜けて、13世紀にブラマプトラ渓谷に定住したとされている。ヒンドゥー教徒でアッサム語を話す。R村は1910年代から開墾が始まり、現在は開拓世代の子・孫の世代が村の中心となっている。 3.調査方法 発表者は2007年7月 ~ 11月、2008年1月 ~ 7月の期間中、のべ260日間調査村に滞在し現地調査を行った。村びとの家に下宿しながら、質問表を用いた全戸調査、観察、聞き取りを実施した。全戸調査の際には助手として村人に同行してもらい、聞き取りにはアッサム語が使用された。 4.結果 結論から述べると、R村の稲作はよくいえば伝統的な、近代的稲作からかけ離れたものである。村には灌漑設備がないため、雨季の期間しか稲作がおこなわれず、稲刈り後の乾季は牛が田に放牧されている。調査地周辺を見回しても同じような景観が続いていることから、上アッサムには未だにR村のような未開発の村が多く残されていることが推測される。これは乾季作(ボロ稲)・灌漑・機械化など近代技術が進んでいるアッサム州西部(下アッサム)とは対照的である。 村内で栽培されている稲はアフ(3 ~ 6月)、バオ(3 ~ 11月)、ハリ(7 ~ 11月)の3種類である。このうちハリ稲はすべての世帯で栽培されるが、アフ稲は屋敷付近の高位田で、バオ稲は低位田で比較的小規模に栽培されている。 稲の品種を調べたところ、村全体で50種類以上の品種が植えられていることが確認された。各世帯で植える品種数は5種類が最も多く、なかには10種類以上の稲を植える世帯もある。田の比高の差によって品種を植え分ける必要があるほかに、コメの利用法の観点からも品種数が多くなっている。 田の土地所有をみると、各世帯の田は高位田と低位田を含む細長い長方形になっている。低位田は水と肥沃度が高く高収量が見込め、高位田は洪水のリスクが少ない。しかし土地は均等に相続されるため、水田所有の細分化が問題となっている。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1335, pp.58-60, 2006-04-03

ニューヨーク・マンハッタンに住む4人の女性の等身大の都会生活を描き、1998年の放映開始直後から爆発的人気を呼んだ米ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」。同番組のある回のワンシーンで、女優サラ・ジェシカ・パーカー演じる主人公の1人、キャリーが、裸足で片方のハイヒールを手にしながら、こう叫ぶシーンがある。

1 0 0 0 OA 御仕置例類集

出版者
巻号頁・発行日
vol.[14] 甲類〔第一輯〕 六 下 掟事并御触申渡等を背候部 御触并申渡等を背又者忘却いたし候類・通用銭を吹潰又者銅類等不正之取,
著者
村瀬 英一 森上 修 橋本 英樹 松崎 伊生
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集B編 (ISSN:18848346)
巻号頁・発行日
vol.79, no.805, pp.1839-1847, 2013 (Released:2013-09-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1

Spark ignition of premixed gases was experimentally studied. Minimum ignition energy and initial burning velocity, which is a burning velocity at an initial stage of flame propagation, were measured and their dependences on equivalence ratio were discussed. Minimum ignition energy takes a minimum value when equivalence ratio is around 0.9 for methane/air mixtures, and around 1.5 for n-butane/air mixtures, which corresponds with the study of Lewis and von Elbe. A shadowgraph technique was used to observe the growth of the flame kernels. A burning velocity was measured from the images of the flame kernel, and initial burning velocity was defined as a burning velocity at the moment when the equivalent radius of the flame kernel is approximately 3.0mm. Initial burning velocity takes a maximum value when equivalence ratio is around 0.9 for methane/air mixtures, and around 1.5 for n-butane/air mixtures, while laminar burning velocity of well-grown flame takes a maximum value when equivalence ratio is around 1.1 for both mixtures as known well. This is caused by the curvature of flame surface at the initial stage. It is suggested that the equivalence-ratio dependence of minimum ignition energy is derived from that of initial burning velocity.

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1895年12月25日, 1895-12-25
著者
野田 稔
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.742, pp.104-106, 2009-10-28

「現状のモチベーション向上策には課題がある」。明治大学大学院の野田稔教授は言い切る。課題である「軽さ、もろさ、粗さ」を解決するための士気向上策とは何か。早稲田大学IT戦略研究所が9月に開催した「エグゼクティブ・リーダーズ・フォーラム」における野田氏の講演内容をまとめた。
著者
久野 潤
出版者
大阪国際大学
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 (ISSN:09153586)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.45-57, 2013-01-31

The opinions and discourse of intellectuals during the Sino-Japanese conflict from 1937 had a great effect on the construction of theories favoring escalation of the conflict. Many liberal intellectuals were involved in drafting important national policies while Fumimaro Konoe was premier and some such groups even attempted to promote socialism; influencing public opinion to approve of the war and distancing Japan from the US and UK. Eijiro Kawai was a typical liberal intellectual, but unique in that he approved of the war against China, especially the Communist Chinese, advocated parliamentarianism, and also viewed Comintern as a threat. His advocacy was never wavering or ad-hoc, but based on a reasoned awareness of crisis and understanding of the international situation.

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1895年12月30日, 1895-12-30

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1901年06月11日, 1901-06-11

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1891年08月08日, 1891-08-08