著者
片尾浩
雑誌
地震予知連絡会報
巻号頁・発行日
vol.51, pp.565-568, 1995
被引用文献数
1
出版者
巻号頁・発行日
vol.[286],
著者
吉田 毅
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.53-68, 2016

<p> 本稿の目的は、中途身体障害者の車椅子バスケットボール(以下「車椅子バスケ」)への社会化に関する研究の一環として、交通事故に遭い受傷した後に車椅子バスケとともに他種目への参加というキャリア、言わば複線的スポーツキャリアを形成していった元カーレーサーが、受傷してから車椅子バスケへの社会化を遂げていくプロセスで寄与した主な具象的な他者について解明することであった。それにあたり困難克服の様相にも着目した。方法はライフヒストリー法を用いた。ここでは、対象者へのインタビューで得た語りを基にライフヒストリーを構成した。主な知見は次の通りである。<br> 対象者は受傷したことにより、障害との闘いをめぐる困難及びレース活動からの現役引退をめぐる困難を経験した。氏が前者を克服していくプロセスで寄与した主な他者としては、〈かけがえのない他者〉(父親)及び〈寄り添う他者〉(親友)が見出され、これらは〈親密圏〉を築く他者とも捉えられた。また、氏は車椅子バスケとともに、受傷前に貴重であったレース活動をレクリエーション的に継続することで後者を克服していった。氏にとってはいずれも貴重であり、車椅子バスケへの社会化を遂げていくプロセスはそれらが並行する様相を呈していた。このプロセスで寄与した主な他者としては、車椅子バスケへと〈誘う他者〉(入所仲間)及び〈導く他者〉(車椅子バスケクラブの先輩)、車椅子バスケ活動の精神的支えとなる〈寄り添う他者〉(親友)、それにレクリエーション的なレース活動へと〈つなぐ他者〉(レース仲間)が見出された。これらのうち〈誘う他者〉以外は親密圏を築く他者とも捉えられた。</p>
著者
千鳥 泰岐 松崎 元
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.258, 2012 (Released:2012-06-11)

本研究では人とコミュニケーションをとることを想定したロボットにおいて、人格を感じるかという要素が重要であると捉え、形状や動きによる被験者の印象の変化を、簡易的なモデルを制作して調査する。これにより人とのコミュニケーションを円滑に行う為に必要な要素がどのようなものであるか、またそれが人格を感じるか否かという点とどのように関係しているかを分析する。
著者
薬袋 秀樹
出版者
日本生涯教育学会
雑誌
日本生涯教育学会論集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.53-62, 2018-09

1992年に生涯学習審議会社会教育分科審議会施設部会図書館専門委員会が「公立図書館の設置及ぴ運営に関する基準」をまとめ、文部省社会教育局長名で都道府県教育委員会に通知された。公示されなかったが、初めての基準となった。本研究の目的は、この基準が当時の国の公共図書館行政の中でどのような役割を果したのか を明らかにすることである。関連文献を調査した結果、次の点が明らかになった。非常に多くの課題に直面する状況で、局長通知ではあるが、初めて基準を定めたことに大きな意義がある。特に地方行革による規制緩和の提案に対し、今後の展開を予測し、専門的職員の制度を維持するための規定を定めたこと、数値目標とその根拠を明示したこと、専門委員会が基準を確実に制定するために積極的な取り組みを行い、事務局が関係団体との懇談等によって説明に努めたことが高く評価できる。
著者
齋藤 未歩 後藤 章 水谷 正一 Khem Sothea
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.65-73, 2010

本研究ではカンボジアメコンデルタを対象にタムノップ(<i>Tum Nub</i>)と呼ばれる土堤の活用による米二期作地拡大の可能性について検討を行った.洪水氾濫原の二期作においては,非冠水期間内の作期の確保と灌漑水源の確保がポイントとなり,この両面でタムノップの活用が有効であると考えられる。現地調査の結果,少数ではあるが早期雨季稲作を導入することで二期作を実現している農村があることがわかった.聞き取り調査を実施した農村から対象地区を選定し,早期雨季稲作を実現するためのタムノップの効果を推定した結果,洪水をせき止めて貯水池を創出し,貯水した水を消費したあとに貯水池内部での一作を可能とするタムノップと洪水氾濫の開始を遅延する機能を持つタムノップを組み合わせることで,対象地区では現状より24~30%の米の増産が見込めることがわかった.
著者
平田 諭治
出版者
筑波大学人間系教育学域
雑誌
筑波大学教育学系論集 = Bulletin of Institute of Education, University of Tsukuba (ISSN:03858979)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.1-13, 2018-03

Yoshisaburo Okakura (1868-1936), who is known to have led the drive to establish and make uniform English language education as well as English philology and literature in modern Japan, had traveled as a student sent abroad by the Department of Education in the year of 1901 and had experienced advanced research and education in Europe. Studying abroad is said to have brought about a turning point in his academic and intellectual pursuits and career, but this had not been clear in terms of substance for the most part until now. The main purpose of this paper is to elucidate the basic facts and concrete aspects while investigating the background and the circumstances related to his European study abroad experience, and to approach one reason for studying abroad in relation to modern Japan and academic and intellectual pursuits while conducting a reexamination about the turning point and change in his academic and intellect pursuits. Okakura was selected to be an overseas student while quantitative expansion and administrative reinforcement of students sent abroad were established as a policy, and the system was strengthened as a result. His research theme was English philology and language teaching methods. It is known that Kazutoshi Ueda, a senior academic, who had studied linguistics with Okakura at the Imperial University, participated in his selection as chief of the Bureau of Special School Affairs in the Ministry of Education. It was demanded that "the issue of foreign languages" was placed as the inevitable corollary while the institutionalization of the Japanese "national language" for the nation-state was quickly implemented, and Okakura supplemented an agenda of language policy which Ueda had promoted. As an overseas student, Okakura associated with the Reform Movement that is a modern language teaching crusade and learned the importance of "Realien" and the new experimental phonetics, and more importantly, he gained greater knowledge of language teaching while touring and inspecting European academic settings. His experiences were set out in the mission and the institutional framework that various possibilities would be imposed on.
著者
原田 唯司
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.12-21, 1982
被引用文献数
2

本研究は, まず最初に, 青年期における政治的態度を測定する視点として, 保守的, 革新的それぞれの態度を仮定し, その年齢や性別による差異を知ろうとした (調査1)。次に, 調査IとNHK調査 (1978) の結果の矛盾を解釈するために, 面接調査を実施した (調査II)。<BR>調査Iと調査IIの結果に基づいて, 政治的態度をとらえる視点として, 政治志向 (保守的-革新的) と政治への関与 (積極的-消極的) の両側面を設定した。そして, それぞれの測定尺度を作成し, さらに, 政治的態度に関連する要因を明らかにするために, 質問紙調査を行った (調査III)。<BR>本研究で得られた結果は以下のようである。<BR>1. 青年の政治志向はかなり革新的であり, 保守的傾向は弱い。また, 年齢とともにより革新的傾向が強まり, 保守的傾向は弱まる。<BR>2. 政治的態度には, 政治的関心, 投票やデモ, 陳情の有効性の感覚, 政治的な団体への好意や興味, 社会をよくするための活動などの要因が関連している。社会統計学的要因はあまり関連を持たない。
著者
齋藤 道彦
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.85, pp.1-52, 2016

南シナ海の領有権をめぐる歴史としては、第一期、領有権は問題にならなかったはずであるが、現在、中華人民共和国が漢代から中国の固有の領土だったなどと主張している前近代、第二期、清朝・中華民国が領有を主張した時期、第三にフランスが一九-二〇世紀にインドシナ地域を植民地化した時期、第四に日本が二〇世紀前半に統治した時期、第五に日本の敗戦後、中華民国が領有権を主張し、一九五〇年代以降、中華人民共和国がそれを引き継いで領有権を主張しているが、フィリピン・ベトナム・マレーシアなども領有権を主張し、対立して今日に至っている時期、そして第六に中華人民共和国が礁を埋め立てて建設した人工島によって領土・領海を主張しているが、アメリカなどが人工島建設による領土・領海主張は国際法違反と指摘している現在の時期などに分けられる。それらについて主として浦野起央の資料集によって整理を行なった。

1 0 0 0 OA 榕園全集

著者
清李彦章撰
巻号頁・発行日
vol.第2册, 1840
著者
坂口 洋英 山口 真一 彌永 浩太郎 田中 辰雄
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.143-153, 2017

<p>ネットワーク効果は情報通信産業の発展の重要なファクターであり、様々な研究がなされてきた。しかしながら、先行研究ではネットワークの大きさは財・サービスの総ユーザーとされており、ネットワークの構成ユーザーへの注目がない。そこで本研究では、ネットワーク効果がその構成ユーザーにより異なるあり方をする可能性に注目し、モバイルゲームを対象に有料ユーザー数と無料ユーザー数が支払額にそれぞれ別の影響をもたらすモデルを構築し、分析を行った。</p><p>分析の結果、有料ユーザー数が有意に支払額に正の影響をもたらし、有料ユーザーが1%増加すると支払額は0.06%増加することがわかった。一方、無料ユーザー数は影響を与えているとはいえない結果となった。このことから、ネットワーク効果はその構成ユーザーにより異なり、無料ユーザーのもつネットワーク効果は限定的であるという示唆が得られた。</p>
著者
野田 陽
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.2J402, 2018

<p>本研究では各入力次元の寄与度に基づいて入力へ重みをかける、補助重み法 (AW) を提案する。AW は特徴抽出するという意味で Lasso に似ているが、医用質量分析機器データのように、少数の判別に寄与する次元に対して大量の寄与の無い次元がある場合に Lasso よりも高速に特徴抽出が可能である。 (実証コード:https://bitbucket.org/akira_you/awexperiment)</p>
著者
北出 幸夫
出版者
岐阜大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

本研究により得られた知見を述べる。1)アデノシンの6位置換体の場合では、アデノシンの場合に比較し反応性が低下した。また、プリン環7位窒素原子がメチン基に置き変わった、7-デアザ体ではイノシン型、アデノシン型ともに本条件下では反応が進行しなかった。この事実は本還元反応が、DIBAL-Hのプリン環7位窒素原子への配位により惹起されることを示唆するものである。このことより、O^6-置換体のDIBAL-H還元に於いてはDIBAL-Hと酸素原子との親和性が高いためにDIBAL-Hが先ず6位酸素原子に配位し、更に7位窒素原子に配位したために好効率に進行したと考えている。2)一方本反応をプリミジン系アシクロヌクレオシドの合成に適用したが反応が複雑に進行し、期待するするアシクロピリミジンンヌクレオシドを得ることはできなかった。3)著者は、DIBAL-Hによるピリンヌクレオシドの糖部開環反応を用いて、強力なSAdenosyl-L-homocysteine(SAH)hydrolase阻害剤として知られるNeplanocin Aの糖部開環体の合成に成功した。その他、SAH hydrolase阻害が期待されるアシクロ系アデノシン誘導体も合成した。本反応を用いることにより様々なアシクロプリンヌクレオシド誘導体の合成が可能であることを示すことができた。以上の如く本研究に於いて、著者は、DIBAL-Hによるヌクレオシド類の糖部開環反応を種々検討した。その結果、本反応はプリン系ヌクレオシド誘導体に有効であることを明らかにした。また、詳細な反応性の検討によりプリン塩基部の置換基効果と配位の重要性を明らかにした。更に、本還元反応を利用した種々の抗ウイルス活性の期待されるプリン系アシクロヌクレオシド類への誘導に成功した。
著者
松田 彰 綿矢 有佑 宮坂 貞 牧 敬文
出版者
北海道大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1991

本研究班では、従来の医薬品開発を目標に直結したランダムスクリ-ニング的発想に基づく研究ではなく、核酸の構造や代謝の分子論的な解析を基に新しい機能性ヌクレオシドの創出を図ることを目的にしている。松田は、ヌクレオシドレベルでは化学的に安定であるがDNAに組み込まれると鎖切断などの反応性を示すヌクレオシドの設計を行っており、今年度は、2'ーdeoxycytidineの2'ーβ位にシアノ基、イリシアノ基、エチニル基を含む誘導体の合成を行った。この中で、シアノ基を含むCNDACは強い細胞毒性を示し、その5'ートリリン酸体は牛由来のDNAポリメラ-ゼαの強力な阻害剤となった。この時の阻害様式は、chainーterminator型であったが鎖切断の結果そうなったのかどうかについて更に検討を行っている。牧は、アデノシン誘導体が電子移動により酸化される新しい反応を見い出し、その反応を利用し、DNAやRNAの鎖切断へ応用しようと試みている。宮坂は、AIDSの原因ウイルスであるHIVーIを新しい様式で阻害するアシクロウリジン誘導体を合成した。その中でこれらの化合物は、従来のAZTやddIが感染細胞中の酵素によりトリリン酸体に変換されて、逆転写酵素を阻害するのとは異なり、リン酸化を受けずに阻害すること、また天然の基質であるTTPと非競合型の阻害を示すことから、逆転写酵素のTTP結合部位でアロステリックな阻害を示すことを明らかにした。綿矢は、ヌクレオシドやヌクレオチドの生物種間での差異を明らかにするために、寄生原虫をヒト由来細胞を用いて、糖部や塩基部が天然型とは異なる誘導体を用いて代謝系を調べた。リュ-シュマニアが特にプリン生合成がヒトとは異なることを利用して強い抗原虫作用を示すヌクレオシドを数種見い出した。