著者
秋山 晴彦 小谷 善行
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.10, pp.1-6, 2012-02-24

ゲームにおけるモンテカルロベースの着手選択手法において,勝率が偏る局面で適切な着手選択ができない問題がある.この問題の対処策として,スコアから擬似勝率を計算する手法を提案する.勝敗を,0 を閾値としてスコアから算出される値とみなし,この閾値を動的調整する.勝敗を評価とする通常のモンテカルロ手法では勝率を,スコアを評価とするモンテカルロ手法では平均や最大スコアを最大化するが,提案手法では局面同士の差がつく最低限の閾値変更を行った後の勝率を最大化する.実験の結果,本手法を導入した UCB は通常の UCB に対して勝率 0.58 で勝ち越した.また深さ 2 の αβ 探索との対戦の勝率が通常 UCB の 0.37 から 0.48 に向上し,本手法の有効性を確認した.Monte-Carlo based methods in games have a problem that they cannot select the best move in the position with biased winning percentage. In order to solve this problem, we propose the method to calculate the pseudo winning percentage from a score. We regarded the victory and the defeat as the value computed from a score when a threshold value is 0, and dynamic adjustment of this threshold value is carried out. The normal Monte-Carlo method maximizes the winning percentage, and the Monte-Carlo method which uses score of the game for evaluation maximizes the average score. In contrast, the winning percentage with the minimum change of the threshold value that is comparable each other is maximized in the proposal method. As a result, the winning percentage of UCB player with this method against normal UCB player was 0.58, and the winning percentage against αβ search player of the depth 2 was also improved by 0.48 from 0.37.
著者
斎藤 丈士
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.19-40, 2003
被引用文献数
4

日本の農業構造政策は,1990年代よりグローバリゼーションの影響を受けてきた.それに加えて,1990年代中頃からの稲作部門への市場原理の導入は,大規模稲作農家の経営に変化を与えた.本稿の研究目的は,農地流動と農家の階層移動に注目して,1990年代における北海道の大規模稲作地帯の形成と変動を明らかにすることにある.主たる対象地域は,北海道北空知地方の沼田町である.沼田町の稲作農家は,1990年代以降,北海道農業開発公社の事業を利用して農地の購入を進めてきた.開発公社事業を利用しない農家についても,相対取引や離農農家からの農地の借り入れによって経営規模の拡大を図ってきた.北海道の稲作地帯では,農地の取得を前提とした自作農的な規模拡大から,府県と同様に借地による規模拡大へと変化しているといわれる.本稿においても,農地の賃借権設定による農地の移動が,農地流動全体の中で一定の地位を占めていることを確認した.調査地域の農家は,1990年代に北海道農業開発公社の事業の利用や農地借用によって経営規模の拡大を進めてきた.しかし,米の過剰基調にともなう米価低迷により,稲作による収益は農地購入当初の見込みとしていた水準から乖離する結果となった.一方で,農地価格の下落も米価低迷と同時期に生じた.このことは,賃借権設定による農地流動展開の一要因となったと考えられる.しかし,小作料の高止まりもあり,これまでの急速な規模拡大路線にも一つの転機が来ているように思われる.
著者
佐々木 正人
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.317-326, 1997-09-30 (Released:2007-12-27)

筆者らは参加観察とインタビューで重度の視覚障害者のナヴィゲーションについての情報について検討している。たとえば、通路が交差するところでの独特な音響的構造によって通路の転換点を知覚することができる。また足裏の接触感の連続によってルートの延長を知覚できる。盲人も、視覚に障害がない者も、このように環境に偏在し、埋め込まれている情報によってナヴィゲーションが可能になっているが、伝統的な盲人の認知研究ではこのような環境に存在する情報については無視してきた。その理由は一つの光学理論にある。ルネッサンス以来、西欧の視覚理論は、イメージが視覚の原因であると考えられてきた。デカルトは幾何光学の方法で、眼球の後ろに外界と類似した像が映っているとするこの考え方をしりぞけ、視覚の像理論を否定した。彼は、像に変えて、視覚刺激に由来する微小な運動が視覚の原因であるとした。彼の転換によって視覚の理論は無意味な運動刺激を解釈する「心」という機構を必要とすることになった。このような光学の「記号化」が、特殊な盲人という問題を登場させた。それは無意味な刺激と意味深い情報との関係という問題であり、制限された刺激が盲人の思考にどのような問題を引き起こすのかという問題であった。この文脈では盲人の問題は非常に狭く設定された。アメリカの心理学者ギプソンは、物理的エネルギーとしての光と、視覚刺激としての光と、視覚情報としての光を区別した。彼はその生態光学によって、環境に存在する視覚の情報としての包囲光を問題にした。放射光が多重に反響した状態である照明が環境には満ちている、この照明光はすべての観察点を包囲する光の基礎となる。この光は環境の表面の構造に依存しており、知覚の情報となる。構造化した包囲光がナヴィゲーションをガイドする。図1には弱視の女性の事例を示した。環境に意味の存在を認める生態光学を基礎とすることで、盲人の認知の研究は、デカルト光学の設定した境界をこえることができ、この問題への多元的理解に接近することができる。
著者
今村 正隆 鍋師 裕美 堤 智昭 植草 義徳 松田 りえ子 前田 朋美 曽我 慶介 手島 玲子 蜂須 賀暁子 穐山 浩
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.239-247, 2018-10-25 (Released:2018-11-14)
参考文献数
4
被引用文献数
1

2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所事故により,放射性物質による食品汚染が発生した.地方自治体による出荷前放射性物質検査の有効性を検証するため,放射性セシウムが検出される蓋然性が高い食品・地域を重点的調査対象とした買い上げ調査を行った.2014年度は1,516試料,2015年度は900試料,2016年度は654試料を調査した結果,一般食品における放射性セシウムの基準値を超過した試料数は2014年度では9試料(0.6%),2015年度は12試料(1.3%),2016年度は10試料(1.5%)であった.放射性セシウムが検出される蓋然性が高い食品・地域を重点的に選択したが,基準値超過率は1%程度であったことから,各地方自治体における出荷前の検査体制は適切に整備され,かつ有効に機能していることが確認された.原木栽培や天然のきのこ,天然の山菜,野生獣肉などは放射性セシウム濃度が高い試料が存在したことから,継続的な監視が必要であると考えられた.
出版者
改造社
巻号頁・発行日
vol.第6篇 (岡本綺堂集), 1929

1 0 0 0 祝辞

著者
和達 清夫 中曽根 康弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, 1960-07-30
著者
阿部 寛子
出版者
成城大学
雑誌
成城文藝 (ISSN:02865718)
巻号頁・発行日
no.40, pp.31-42, 1965-09

1 0 0 0 長岡の歴史

著者
今泉省三著
出版者
野島出版
巻号頁・発行日
1968
著者
田中 和
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会雑誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, 1962-04
著者
長坂 克彦
出版者
日本土壌肥料學會
雑誌
日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.239-240, 2005
参考文献数
5