著者
関 礼子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.61-71, 1992-11-10 (Released:2017-08-01)

小学校六年生国語教材『どろんこ祭り』と『赤い実はじけた』を、ふたつのテクストとしてみた場合どのような作品として読めるか私見を述べてみた。テクストの中心的なテーマである少年・少女の「セクシュアリティ」が、規範としてのジェンダーにとらわれており、そこからの「創造的越境」に欠けている点を指摘し、「セクシュアリティ」は男性性・女性性が葛藤しあう相互的なものであることを、『銀の匙』というテクスト分析をつうじてあきらかにした。
著者
近宗 雅人 猪之鼻 修一 横関 俊昭 土屋 仁 藤田 和弘
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.248-256, 2018-10-25 (Released:2018-11-14)
参考文献数
18
被引用文献数
2

LC-MSおよびLC-MS/MSによるアクリルアミドの前駆体である遊離アスパラギン(Asn)の穀類中の分析法を開発した.試料中から5%(w/v)トリクロロ酢酸溶液でAsnを抽出し,0.1%(v/v)ギ酸溶液で適宜希釈した後,LC-MSまたはLC-MS/MSで測定した.分析カラムはPenta Fluoro Phenyl(PFP)カラムを用い,0.1%(v/v)ギ酸溶液とアセトニトリルのアイソクラティック溶出により行った.検量線は,0.005~0.1 μg/mLの範囲で良好な直線性を示した.片栗粉,うるち米粉,小麦全粒粉の3試料を用いて添加回収実験を行った結果,平均回収率は95.4~100.9%,併行精度(RSDr)は0.9~6.0%,室内精度(RSDwr)は2.8~7.1%の良好な結果が得られた.本法による定量限界は,片栗粉で7 mg/kg,うるち米粉で5 mg/kgであった.また,遊離アスパラギンを含有しているうるち玄米粉,コーンフラワー,小麦強力粉,小麦全粒粉,ライ麦粉の5種類を用いて10試験室による試験室間共同試験を実施したところ,HORRATr値は0.4~1.0とCodex委員会が定める性能基準の2以下であったことから,本法の有効性が示唆された.
著者
桐谷 広人
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.428, pp.126-129, 2018-02

1位は何といってもマルコ(東2・9980)。17年はRIZAPグループ(札ア・2928)系の銘柄が色々と話題になりましたが、中でもマルコが優待新設後に程なくして、内容を大幅に拡充したのには驚きました。 3月の新設時の優待内容は買い物割引券やゴルフ割引券で魅力に乏…
出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1437, pp.8-9, 2014-10-13

次世代放送の最新動向と展望をテーマにした「JEITA CE部会セミナー2014」が、2014年10月8日にIT・エレクトロニクス総合展の「CEATEC JAPAN 2014」のコンファレンスとして開催された。4K・8K放送や、放送局によるインターネット活用の取り組みについて知見を持つ3人が…
著者
来嶋 洋美 村田 春文
出版者
独立行政法人国際交流基金
雑誌
国際交流基金日本語教育紀要 (ISSN:13495658)
巻号頁・発行日
no.4, pp.103-114, 2008-03-17
被引用文献数
1

英国はヨーロッパの中でも、中等教育の学習者の割合がひじょうに高い国である。各校ではGCSEと呼ばれる中等教育修了資格試験を目標に日本語教育を行っている。しかし、GCSE日本語コースの教科書はなく、カリキュラムや教材は学校や教師によって異なり、多様である。そのため、国際交流基金ロンドン日本文化センターにとっては当地の日本語教育の典型が把握しにくく、支援内容の策定に苦慮してきた。このような現状を改善するために、ロンドン日本文化センターでは日本語リソース「力-CHIKARA-」開発プロジェクトを立ち上げた。GCSEの試験シラバスをカリキュラム・教材作成用のシラバスに再構成し、それをもとに300ファイル以上からなる教材群を開発、ウェブサイト上で公開、無料配信している。また、このリソースと関連させた内容での教師研修を企画しているところである。
著者
Edi SANTOSA 杉山 信男 中田 美紀 河鰭 実之 久保田 尚浩
出版者
Japanese Society for Tropical Agriculture
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.220-226, 2005-09-01 (Released:2010-03-19)
参考文献数
9

西ジャワ州クニンガン県におけるカキ栽培の経済性を明らかにするため, 農民へのインタビューを実施した.その結果, カキ栽培からの所得が農業所得の19~35%を占めていることが明らかになった.カキの樹齢は1年生から100年生で, 平均29年生であった.農民は除草と収穫のために年に1ないし2回, 果樹園に出かけるが, 施肥, 農薬散布, 灌水は行っていなかった.カキの樹間でチャ, コーヒー, ショウガ, 野菜などを間作する農民もいた.新梢は雨季が始まる9月から11月に萌芽し, 11月に開花した.収穫は4月下旬から6月下旬の間に行われていた.7月から8月の乾季には多くの樹が落葉した.1樹当りの収量は94から130kgであった.農民や仲買人は収穫した果実を生石灰入りの水に5日間漬けて脱渋処理を行っていた.農民はカキ栽培が土壌浸食を防止する効果があることを認識していた.これらの結果から, 急傾斜地のカキ栽培は環境を破壊せずに農民の所得を向上させる上で有効であることが明らかになった.
著者
朴 承斗
出版者
日本比較法研究所 ; [1951]-
雑誌
比較法雑誌 (ISSN:00104116)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.341-361, 2016

企業が会社更生手続を開始した場合,裁判所から選任された更生管財人が経営悪化を理由として労働者を解雇できるのか,そしてそれが可能であるとした場合,その法的根拠が問題となる。整理解雇については,労働法上の解雇権濫用〔労働契約法16条〕の適用を受けるほか,会社更生法上の双方未履行規定の適用との関係も問題となる。 会社更生法上,裁判所から認可を受けた更生計画は確定判決と同一の効力を有するところ,本稿では,更生計画において人員削減を規定した場合,とりわけ年齢を基準とする人選基準の憲法適合性が論じられている。
著者
中内 哲 ナカウチ サトシ Nakauchi Satoshi
出版者
日本評論社
雑誌
法律時報 (ISSN:03873420)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.118-121, 2005-05

東京高等裁判所平成一五年八月二七日判決(平一四(ネ)六四八七号、解雇無効確認等請求控訴事件)労判八六八号七五頁【原審】東京地方裁判所八王子支部判決・平成一四年一一月一八日労判八六八号八一頁
著者
日野 勝吾 Shogo HINO 尚美学園大学総合政策学部非常勤
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 = Bulletin of policy and management, Shobi University (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.71-84, 2015-09-30

本稿では、大学教授がその使用者から命じられた配置転換命令を拒否したことを理由として、解雇処分を受けたことにつき、同人が解雇無効に係る確認訴訟を提起した事案について検討を図り、配転命令権の合理的範囲を研究するものである。This paper, as reason and that the professor of the University has refused to duties instructions that are instructions from the university, since dismissed, is intended to examine the cases that statute of limitations in search of confirmation such as invalid dismissal the university as the other party.
著者
武石 勝 筏圭 太朗 武田 英嗣 石川 信幸 田上 雅之 中俣 由紀子 石橋 晃
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.63-69, 2002-04-10 (Released:2012-09-24)
参考文献数
22

Although a large number of ferrets as a pet are increasing in Japan, they are imported from USA, Canada, and New Zealand etc. Because there are a few available reports on the nutritional character of them, in order to develop a diet for ferrets, three experiments were conducted using gonadectomized male and female ferrets. In Expt.1, the intake of diets with one of four protein sources, meat meal, chicken meal, fish meal and soybean meal was compared. The intake of diet with meat meal was most among them. In Expt.2, the intake of meat meal diets with five crude protein (CP) levels from 20 to 40% CP were compared. The diet with 30% CP was most consumed. When the meat meal diet with 30% CP was supplied daily the consumption of CP and digestible energy per metabolic body size (BW kg0.75) were estimated to be 11.3 g and 150 kcal/day, respectively. In Expt.3, the digestibility of nutrients and the absorbed rate of amino acids of meat meal diet with 30% CP were determined by total feces collection method. The digestibilities were estimated to be 83.0% for CP,96.0% for crude fat, and 74.2% for nitrogen free extract, respectively. The average absorbed rate of AA was higher than 70%. The obtained values except digestibility of NFE were higher than those reported in cats.
著者
土井 元章 陳 忠英 斉藤 香里 住友 恵美 稲本 勝彦 今西 英雄
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.160-167, 1999-01-15
参考文献数
15
被引用文献数
4 1

アルストロメリアの地中冷却栽培における秋季収量および切り花品質の向上を図ることを目的として, 温度処理および地温制御法について検討した.1. 冬季最低10℃で育苗して自然の低温に引き続いて地中冷却(夜間14℃に設定)を施す場合, 'レジナ'では5月21日, 'カルメン'('カナ')では6月20日までに冷却ベッドに植え付けると, 開花シュートの発生が継続した.この地中冷却ベッドへの植付け限界は, それぞれの品種の開花に有効な低温('レジナ'15℃以下, 'カルメン'17℃以下)が出現しなくなる時期とほぼ一致した.ただし, この方法では秋季に切り花は得られたものの, 初秋の収量および切り花品質が劣っていた.2. 'レジナ'に2℃10週間の低温を処理し6月10日に14℃を目標に冷却したベッドに植付けると, 秋季に採花することができた.この際, 最低20℃で育苗してきた苗を用いると, 最低10℃で育苗してきた苗を用いた場合に比べて, 植付け後栄養シュートの発生が多く, 初秋の収量が増加して切り花品質が向上した.3. 'カルメン'に対して, 冷却液の循環時間を夜間に制限して17℃以下の経過時間が1日6時間となるように地温制御を行うと, 連続冷却した場合に比べて, 栄養シュートの発生が促され, 秋季の切り花品質が向上した.4. 'カルメン'の据え置き株に対して, 6月12日からの地中冷却に先立つ8∿20週間を地温20℃に設定して地中加温を施したところ, 夏季から秋季にかけて栄養シュートの発生が促され, 初秋の収量が増加するとともに切り花品質が改善された.
著者
下向井 龍彦
出版者
広島大学平和科学研究センター
雑誌
広島平和科学 = Hiroshima peace science (ISSN:03863565)
巻号頁・発行日
no.37, pp.1-17, 2015

By focusing on two persons who were involved in A D661-663 Baekje Relief War, the "ancestor of Mitani Gunji" who was a chief of local powerful families in the current northern Hiroshima Prefecture and Gusai who was a monk exiled from Baekje, this paper aims to identify the following three questions:1) What was the Baekje Relief War that the two persons of life are tossed?2) What did the war bring people in the communities?3) What direction d id the war bring to the ancient nation of Japan?
著者
三輪 恭嗣 佐々木 伸雄
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.554-558, 2011-07-20 (Released:2017-05-26)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

フェレットの副腎疾患に対する外科手術及び酢酸リュープロレリンを主とした内科療法の有効性を,病理診断結果及び治療法に基づき回顧的に調査した.調査対象は58頭である.6カ月後の生存率は副腎皮質腺癌で最も低かったが,約7割が生存した.また,他臓器への明らかな転移は1例も確認できなかった.治療内容は,外科手術のみ25頭,内科治療と外科手術14頭,内科治療のみ19頭であった.6カ月後の生存率は外科治療群で最も低かったが,内科治療のみ及び併用群では1頭を除いてすべて生存した.内科治療の副作用は,持続する高血糖が1頭確認された以外重篤なものはみられなかった.これらの結果から,高齢や手術リスクの高い症例では内科治療を選択し,全身状態のよい腫瘤の摘出可能な症例では外科治療を選択すべきであると思われた.