著者
大谷 いづみ 川端 美季
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本課題の第3年度に当たる2017年度は、研究代表者である大谷が体調不良で3ヶ月病気欠勤することとなった。とはいえ、2016年7月におきた相模原障害者殺傷事件の1周年にあたる7月から9月にかけて、諸方面から、相模原障害者殺傷事件と優生思想、安楽死思想についての招待講演の依頼を受け、「安楽死・尊厳死論の系譜と相模原障害者殺傷事件」をテーマに、一般市民を対象とした学習会、自立生活を営む重度障害者とその支援者を対象とした学習会、福祉行政や実務家を対象とした研修講座等において研究成果を還元するとともに、その成果を一般市民の目から検証することができた。また、日本医学哲学・倫理学会第36回研究大会(於・帝京科学大学)のワークショップ「正常さと異常さの境界」において、「「生きるに値しない生命」殺害の医療化と規範化」と題する研究発表を行った。フロアには50名ほどの参加者があり、活発な討議が行われた。同年度後半には、ナチスドイツ政権下で実行されたT4「安楽死」政策の事実がアメリカや日本に知られるようになった経緯について資料収集の緒に就いた。これは、本研究の主題の中核をなす、J・フレッチャーの安楽死思想の淵源をさぐると同時に、本研究を日本を含む東アジアと欧米キリスト教圏の歴史的経緯において検討するという、さらなる研究への発展を企図している。また、研究分担者の川端は、安楽死・尊厳死論につながる日本の文化的土壌の成立および変容過程について検討し、「近代日本の国民道徳論における「潔白性」の位置づけ」として『人間科学研究』37号において成果を発表した。加えてキリスト教・西欧の医学の日本への影響を視野に入れ、ドイツ・イタリア・イギリスを中心に医学史・身体史に関する調査、日本で医学史と教育史における言説の資料調査を行った。

1 0 0 0 OA [師守記] 64巻

著者
中原師守 [著]
巻号頁・発行日
vol.巻56 貞治六年四月, 1339
著者
秋田 朋子 中祖 直之 松浦 晃宏 松本 浩実 萩野 浩
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】世界有数の長寿国である我が国において,医療技術の進歩,健康志向の高まりにより,今後もさらに平均寿命が延びると予想される。同時に,要介護者の割合も年々増加し,介護予防は大きな課題である。要介護状態となる原因の一つとして,加齢に伴い筋肉量が低下するサルコペニアがあげられる。サルコペニアを引き起こす要因は複数あるが,中でも活動量の不足は中核的な問題であり,特に退職後の高齢期における活動量の減少が懸念される。一方,山間地域では高齢期にも農業に従事する者が多く,その場合の活動量は高く維持されると考えられる。そこで,本研究では,山間地域在住高齢者におけるサルコペニア有症率を調査し,さらに農業への従事がサルコペニアに関連するかを検討した。【方法】鳥取県西部の山間地域で実施された特定健診において,平成26年または27年に受診した65歳以上の高齢者で,研究参加への同意の得られた281名(年齢75.4±6.8歳,男性105名,女性176名)を対象とした。自己記入式アンケートおよび問診にて,運動器疾患の診断歴,現在の職業と農業従事の有無などを聴取した。サルコペニアの判別はEWGSOPの診断アルゴリズムに従った。補正四肢骨格筋量低下はインピーダンス法により測定し,Tanimotoらの基準(男性7.0kg/m<sup>2</sup>未満,女性5.7kg/m<sup>2</sup>未満)を採用した。そのうち,握力低下(男性30kg未満,女性20kg未満)もしくは歩行速度の低下(0.8m/s以下)のある者をサルコペニアと定義した。統計解析は,サルコペニア群と非サルコペニア群間で説明変数の差の検定を行った。次に単変量解析にて有意差の認められた項目を説明変数とし,年齢と性別を調整変数,サルコペニアの有無を従属変数とするロジスティック回帰分析を行い,サルコペニアの有無に関連する要因を検討した。有意水準は5%未満とした。【結果】農業従事者155名中11名(7.1%)がサルコペニアに該当し,非従事者は126名中19名(15.1%)がサルコペニアに該当した。対象者全体の有症率は10.7%であった。サルコペニア群と非サルコペニア群間における単変量解析では,年齢(P<0.001)と農業従事の有無(P<0.05)に有意な差を認めたが,その他には認めなかった。サルコペニアの有無を従属変数とし,農業従事の有無を説明変数,年齢と性別を調整変数として行ったロジスティック回帰分析においては,農業従事の有無は有意な関連を認めず(odds ratio=0.61,95%CI:0.25-1.43,P=0.254),年齢にのみ有意な関連を認めた(odds ratio=1.19,95%CI:1.11-1.27,P<0.001)。【結論】山間地域の高齢者においては,農業従事者はサルコペニアの有症率が有意に低いという結果を得た。これは農業を行うことが身体活動性を高く維持し,サルコペニアの発症頻度を軽減させる可能性を示唆する。また,サルコペニアは農業活動以上に加齢の影響を受けやすいことが考えられた。

1 0 0 0 OA 三世の光

著者
[皓月比丘尼] [著]
巻号頁・発行日
vol.巻の5, 1830

1 0 0 0 OA 大成武鑑

出版者
出雲寺万次郎
巻号頁・発行日
vol.巻之三 分冊ノ一, 1861
著者
富田 昌平 近藤 彩乃 TOMITA Shohei KONDO Ayano
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学・教育実践 = BULLETIN OF THE FACULTY OF EDUCATION MIE UNIVERSITY. Natural Science,Humanities,Social Science,Education,Educational Practice (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.235-244, 2018-01-04

本研究では、魔術的結果の実現可能性が示唆されるような状況下における、幼児の想像と現実との揺らぎについて検討した。具体的には、従来行われてきた空箱課題(Harris, Brown, Marriott, Whittall, & Harmer, 1991)、または、恐竜の卵課題を幼児(4-5 歳児26 名)に実施し、想像した事柄(箱の中に想像した赤ちゃん恐竜/恐竜の卵)に対する幼児の現実性判断を言語面と行動面から探った。実験の結果、事前の段階では大部分の幼児が恐竜について何らかの知識を持ち、それを少なくとも身近な場所にはいないものとして位置づけていたにもかかわらず、恐竜誕生という魔術的結果の実現可能性を示唆するような状況に置かれると、少なからぬ幼児が信じない方向から信じる方向へと自らの立場を変化させた。そのことは空箱条件よりも恐竜の卵条件において顕著であった。恐竜の卵条件では7割以上の幼児が「本物」と判断し、部屋に1人で残されると半数の幼児が複数の実践のバリエーションで魔術的結果の実現を試みた。これらの結果は、物語と実在物との結び付き及び想像を支える実在物という2つの観点から考察された。

1 0 0 0 OA 歌舞妓の華

著者
容楊黛 作
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
1782
著者
伊達吉村 著
出版者
巻号頁・発行日
vol.[4], 1700
著者
鈴木 祐一郎
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集 第43回石油・石油化学討論会 (北九州)
巻号頁・発行日
pp.168, 2013 (Released:2014-01-14)

九州には、北海道とならび我が国の主要な炭田堆積盆が分布している。炭層(coal bed)には、メタンガスが吸着という物理現象で包蔵されているのが一般的である。このガスを一般にコールベッドメタン(CBM)と呼んでおり、CBMは減圧により炭層から脱着する。現在、米国や豪州で生産されている。日本では商業的にCBMは生産されていないが、九州にはまだ多くの炭層が地下に存在しており、そのCBMポテンシャルを既存資料などから考察する。

1 0 0 0 OA 岷江入楚

著者
中院通勝
出版者
飛鳥井雅章 写
巻号頁・発行日
vol.[34], 1643
著者
竹石 敏治 大土井 智 西川 正史
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.45, no.9, pp.537-544, 1996-09-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
7
被引用文献数
1

現在のところ, トリチウム取扱施設において室内空気中に放出されたトリチウムを回収するたあに, 加熱された貴金属触媒塔およびその後段の冷却された吸着塔で構成されるトリチウム回収装置が用いられている。しかしこの方式では, トリチウムと同時に空気中に含まれる大量の水蒸気も同時に回収されるため, 吸着塔が大きくなり, 触媒塔の加熱装置や吸着塔の冷却装置の故障の際には, トリチウムの回収性能が低下するなどの欠点がある。本報告では, 冷却装置を設けない吸着塔と, その後段に加熱装置を設けない触媒塔により構成されたトリチウム回収システムを提案する。この方式では, 前置吸着塔において処理ガス中の水蒸気が, 触媒の酸化性能を阻害しない程度まで捕捉されることにより, 触媒の活性が維持される。またトリチウムが貴金属触媒の親水性担体に酸化された後に, 吸着や同位体交換反応によって, 入口ガスよりも高いT/H比で捕捉できる。
著者
小笠原 信一郎 大津 起夫
出版者
The Japanese Society for Animal Psychology
雑誌
動物心理学年報 (ISSN:00035130)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.85-96, 1984-03-25 (Released:2010-01-28)
参考文献数
9
被引用文献数
1

The purpose of this study is to investigate the adjustment mechanism on the inter-individual distance operating to minimize social conflicts in a group. Nonoverlapping territorial system is one of the most famous examples of such mechanisms.Five adult golden hamsters (Mesocriecetus auratus) were used as a group, consisting of three females named F1, F2 and F3, and two males named M1 and M2. A specifically designed open-field (OF) was used to observe social interactions and to measure individual activities and the distances between each pair of subjects (Fig. 1). The experement was run for 17 days. On the fifth day, the female hamster F1 established her dominance in that group, and began to restrain the activities of the others (Fig. 2). She formed an exclusive territory of her own on one of the quarters of the open-field, and the others were vigorously expelled from it (Fig. 3, Fig. 4).Aggressive and submissive behaviours were commonly observed among them, with a number of violent attacks occurred especially between males. One female F3 who had experienced long term isolation from weaning showed a tendency to flee from all of the others (Tables 1 and 2).An index of proximity Pr was used to measure spatial relations between individuals, which is approximately the inverse of the absolute distance (Fig. 5). The average proximity of the dominant female (F1) toward the others and that of the isolated female (F3) were both small (Fig. 6). This result should be explained in terms of the facts that F1 was avoided by every other, and that F3 avoided every other. Though the activities of the four subordinate members were almost the same, this did not hold for their average proximities (Fig. 7). It seemed that F3 and M2, suffering from persistent attacks by F1 and M1, adjusted their distances from the dominant subjects meticulously. So it is our conclusion that an adjustment mechanism on inter-individual distance is operating even among subordinate subjects who could not afford to have a unique territory.
著者
曲渕 輝夫 輿水 馨 藤原 公策
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
実験動物 (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.123-129, 1977-04-25 (Released:2010-08-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1 4

1975年の2月から4月にかけて, 都内某研究所で集団発生したゴールデンハムスターの多数の死亡をともなうwet tailの原因を究明するため, 病因・病理学的検索, 伝達試験を行った。剖検された11匹中10匹に出血性腸炎が, 5匹の肝には, 針頭大の淡黄色または乳白色の壊死病変が認められ, 腸および肝の塗抹標本に, Tyzzer菌と思われる桿菌が多数認められた。発症ハムスターの腸管乳剤を健康ハムスターに経口投与すると, 10~14日で自然例と同様の症状を発現死亡し, 腎および肝の塗抹標本に多数のTyzzer菌が認められた。汚染床敷を入れたケージを54日間室温に放置した後, 健康ハムスターを入れると, 5~19日目までの間にwet tailを発現死亡し, 腸および肝の壊死病変部には, 多数のTyzzer菌が認められた。この事実からwet tailの集団発生に, Tyzzer菌の芽胞が重要な役割を演じていることが示唆された。
著者
古川 充 中沢 次夫 小林 節雄
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.23, no.11, pp.760-764,779, 1974-11-30 (Released:2017-02-10)

毛垢アレルギーに起因する気管支喘息については職業との関連性から検討されているが, その報告は比較的少ない.今回, われわれは愛玩用にハムスターを飼育し気管支喘息の発症をみた1例を経験したので報告する.症例は23才, 男性, 会社員.下宿の8畳一間でハムスターを数匹飼育していたが, 5ヶ月後に咳嗽・喀痰を伴う呼吸困難発作が発現した.この発作は下宿にいなければみられなかった.実験用ハムスターからその毛およびフケを採取し, 生食水にて抽出した抗原液を用い各種アレルギー反応を行った.皮内反応, 眼反応, Prausnitz-Kustner反応, 吸入誘発反応はいずれも陽性反応を示した.皮内反応と吸入誘発試験は即時型および遅発型反応に陽性で, これらのいわゆる dual reaction について前述のハムスター抗原を用いて沈降反応やリンパ球の blast-like formation などを行って遅延型反応などを行い, その機序について検討を行ったが, 明確な結論はみいだせなかった.

1 0 0 0 OA 天明令典永鑑

出版者
巻号頁・発行日
vol.[52],