著者
森田 昌孝
出版者
山形大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

【目的】障害者雇用促進法により研究機関も含む公的機関は一定以上の障害者を雇用することが定められている。研究機関における一般管理業務や維持管理業務、研究補助業務は技術職員が従事し、定員として雇用されている。しかし、そのような管理業務を再点検してみると、多くは日々の決まって行う業務であり、作業監督者・従事者が一定の配慮をすることにより、軽度知的障害者の方でも十分に公共のために貢献できると考えられる。そこで、研究機関において円滑に就労するために必要な点についてを明らかにするため次の調査を行なった。【方法】高等養護学校(117校、回収率51.3%)ならびに研究機関(204施設、回収率36.8%)を対象にアンケートを実施した。高等養護学校へは就労にあたっての注意点や対応可能な職域について、研究機関へは職員の労働形態の推移や意識問題、具体的な作業について、主に調査した。【結果および考察】高等養護学校では雇用者側が障害の特性を理解するなど一定の配慮をすることにより雇用につながる可能性が示唆された。研究機関では実験器具の洗浄、試験動物の飼養管理の補助や施設の清掃など対応可能な場面が多くあることが明らかになった。しかし、慎重な意見も多く、事前に3者の十分な協議を行うことが雇用拡大には不可欠であると考えられた。

1 0 0 0 OA 景紫堂全書

著者
清夏〓撰
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
vol.第10冊, 1862
著者
伊藤 豪
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.606, pp.606_173-606_190, 2009-09-30 (Released:2011-11-26)
参考文献数
28

2008年4月より高齢者医療制度が創設された。この制度により,高齢者にも保険料支払いを求め,保険料負担と給付水準をリンクさせている点や高齢者世代内での公平性等が確保された点は一定の評価ができる。しかし,社会保険の特徴・公的医療保険の特徴やますます進展する少子高齢社会を考慮すると,現行制度の維持存続可能性が危ぶまれる。その要因は,保険理論の見地から明らかなものとなり,(1)ハイリスク集団を分離した制度,(2)保険者機能の後退,(3)収支相等の原則をめぐる問題点などから,世代間扶養の限界を生じさせている。企業・現役世代・高齢者の3者による財源としてのリスクの分散をはかり,保険者機能を強化させるとともに,収支相等の原則を保ち,さらに社会連帯性を強く打ち出し,相互扶助意識を基盤とする公的医療保険制度を構築することが求められている。このような方策を採らなければ,医療保険制度は崩壊してしまう恐れがあるといえる。
著者
大川 玲子
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.293-299, 1998
参考文献数
13
被引用文献数
1
著者
大野 恵美 Megumi OHNO 湘北短期大学保育学科
巻号頁・発行日
no.32, pp.31-55, 2011-03-31

中田喜直の生涯での作品は3000曲に近いといわれる。多くの作品が日本人の愛唱歌として親しまれている。本論では晩年に作曲された、金子みすゞ童謡歌曲集"ほしとたんぽぽ"を考察し、金子みすゞの童謡詩(14 作品)は童謡としてではなく歌曲として作曲されているのか、その音楽の真髄を探る。
著者
阿部 輝夫
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.29-38, 1984

性的機能障害に対して, セックス・セラピーが有用であることが認められてから10年以上が経過した. 我国でも治療を求める患者数の増加は著しいが, 適格に対応可能な治療者は未だ少数である.現在行われているアメリカでのセックス・セラピーの現状について述べ, その実地臨床での診断・治療の進め方の特徴を, 筆者の若干の経験を加えて紹介する.
著者
野澤 明美 日高 康弘 川村 光弘
雑誌
名寄市立病院医誌 (ISSN:13402749)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.17-21, 2003-03

雑誌掲載版平成13年9月下旬から約4ヵ月間,麻疹が流行し,妊娠検診を受けていた4名が発症した.麻疹流行の状況,妊婦麻疹感染予防対策の概要を報告した.流行時,約300名の妊婦の麻疹罹患とワクチン接種歴を調べ,約130名の麻疹抗体検査を行った.麻疹抗体陰性または麻疹抗体非保有と思われたものは7名で,そのうち4名が発症して1名は流産した.正期産で分娩となった2名の新生児には明らかな異常は認められなかった.発症しなかった3名では,2名にグロブリン投与を行い,1名は早めの里帰りによる転地を勧め,発症を回避した.麻疹IgG抗体陽性で麻疹に罹患したものはいなかった.以上により,麻疹の集団発生が起きた場合,妊婦の抗体スクリーニングを早急に実施し,抗体陰性者に対するグロブリン投与や,転地を勧めることは,発症予防に有用であることが示唆された.また,抗体陰性妊婦から出生した児についても,グロブリン投与は有効であることが示唆された
著者
岸部 麻里 岸山 和敬 中嶋 雅秀 石川 信義 小原 雅人 荒川 穣二 山川 康 飛澤 慎一 飯塚 一
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.113, no.1, pp.31-36, 2003

2001年2月から5月までの4カ月間に当科で15歳以上の麻疹44例を経験し,臨床症状・検査所見の検討を行った.年齢は15歳から41歳(平均20.6歳)で,麻疹ワクチン接種者が4例いたが,未接種またはワクチン歴の不明なものが9割以上を占めていた.臨床症状では,全例発熱を認め,咽頭痛,咳嗽,下痢,嘔気/嘔吐を認めた.Koplik斑は42例(96%)に認め,診断上有意義な所見であった.臨床検査成績について,同時期に当院小児科で経験した15歳未満の麻疹患者と比較した結果,15歳以上例で血小板減少,肝機能障害の出現を高頻度に認めた.合併症は,細菌性肺炎が1例,麻疹脳炎が1例であった.妊婦麻疹を3例経験し,2例に切迫流早産を生じたが,その後の妊娠経過は良好で3例とも出産に到り,児に異常は認められなかった.近年,麻疹感染の高年齢化やこれに伴う妊婦麻疹の増加が指摘されており,思春期・成人の麻疹感受性者に対する麻疹ワクチン接種が必要と考えた.
著者
岡安 大仁
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.2005-2009, 1996-12-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
4

Saunders Cが1967年にロンドン郊外に近代ホスピスを創設したことによって,ホスピス運動は,火の如く世界に広がりつつある.ここでは,ホスピスの具体例から解説するとともに,近代ホスピスの由来と働きの目標を述べ,さらに5つのタイプについても簡述した.さらにホスピスの教育が,今後の医学,看護教育に果たす役割りについてもふれ,また,ホスピスの研究が単に症状緩和にとどまらないことを強調した.
著者
柏木 哲夫
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.441-447, 2002-07-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
11

ホスピス,ターミナルケア,緩和医療の3つは歴史的にも,その内容からしても多くの共通点を有している.近代的ホスピスは,一般病棟での「やり過ぎの医療」による苦痛に満ちた死への「アンチテーゼ」として登場したとみることもできる.ホスピスケアの内容が知られるようになるとともに,ターミナルケアのあり方が問われるようになってきた.一般病棟においても,苦痛の緩和を中心にしたhosoice mindedcareの重要性が認識されるようになってきた.さらに,末期癌のケアを中心に発達してきたホスピスでの経験を,癌のあらゆる段階へ,また,エイズ,心疾患,肝疾患,腎疾患,糖尿病,痴呆などへも広げ,苦痛の緩和を専門とする緩和医療という概念が注目されるようになってきた.
著者
川岸 克己
出版者
安田女子大学
雑誌
安田女子大学紀要 (ISSN:02896494)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.1-9, 2014-02-28
著者
久保田 信 サンパーニ キティトン プチャカン スメド
出版者
沖縄生物学会
雑誌
沖縄生物学会誌 (ISSN:04740394)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.39-44, 2006-08-20
参考文献数
20

On December 23 and 24, 2004, a biological survey of bivalve-inhabiting hydrozoans and pearls was conducted on 398 specimens of five bivalve species (158 specimens of Perna viridis, 148 0f Saccostrea forskali, 81 Meretrix meretrix, 39 M. lyrata and 72 Tegillarca granosa), all obtained in a field and a seafood market in the eastern coasts of the Gulf of Thailand. High number of pearls (31 and 26) embedded in the mantle were detected in two specimens of Perna viridis. Furthermore, many blister pearls (attached pearl) were produced on the inner surface of these shells. However, bivalve-inhabiting hydroids were not yet found in the mantle cavity of any bivalve species examined, though other commensal animals such as copepods and turbellanans were found.

1 0 0 0 OA 制御と数理

著者
木村 英紀
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:24321982)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.2-16, 1991-03-15 (Released:2017-04-08)

The relevance of mathematics in control theory is described. The role of mathematics in the early development of control theory is reviewed with the emphasis on the models of controlled objects. The relation between the operational calculus and the classical control theory is discussed. The contact between control theory and mathematics became more and more wider and deeper especially after the emergence of modern control theory in 1960. Some specific aspects of the mathematical problems posed by control theory are reviewed. Possible future directions of the mathematics/control interface is described in conjunction with robustness issues of control systems design.