著者
〔伊能忠敬//測量・製作〕
出版者
巻号頁・発行日
vol.第88図 武蔵(武蔵・千住・忍・菅谷村), 1873
著者
村山 健二 石川 幹子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45.3, pp.403-408, 2010-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
40
被引用文献数
2

本論文は、海苔養殖で栄えた大森の地先海面利用を歴史的に分析することを通じ、地先海面の地域的な共同利用がどのように成立していたのかを「空間」・「人(組織)」・「法」の観点から明らかにする。その方法として、大森の地先海面の歴史を概観した後、さらに詳細に、漁家分布、漁場の位置、河岸の分布と使われ方、地先海面を共同利用するための組織、の分析を行った。結論として、大森の海苔養殖における地先海面利用では、利権の私的な独占に対し、共同性と持続性を目的とした利用システムの調整が、1.堀・河岸などのインターフェース空間の創出、2.漁業組合における公平性を旨とする分配の仕組みの導入、3.有限な資源を管理する法の運用等により、持続的に行われてきたことを明らかにした。
著者
阿部 祐子
出版者
Architectural Institute of Japan
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.668, pp.2027-2032, 2011
被引用文献数
1

The purpose of this study is to explore the preservation concepts of the Pike Place Market Historic District in Seattle, which was one of the earliest examples in the U.S. that included ideas of neighborhood conservation. To analyze the way to raise the concepts I studied the ideas and opinions expressed by the citizens' group advocating to preserve the district, especially by Victor Steinbrueck (1911-1985), an architect and the leader of the group.<br> The study shows that the preservation concepts based on Steinbrueck's socialism and regionalism were emphasized more clearly through a criticism on gentrification after the late 1960s. At that time Pioneer Square District, another historic district in the downtown, had succeeded in revitalizing by adaptive reuse of historic buildings, but at the same time low-income residents were forced out by steadily rising land prices and rents. Concerning that the communities around the Market would be lost for the same reason, Steinbrueck and other activists insisted to maintain communities and their activities as well as to preserve the market buildings. Thus the neighborhood conservation ideas were raised from a criticism against not only the urban renewal plan but also the historic preservation project that aim primarily to vitalize real estate market, and after the 1970s, such ideas were adopted in historic preservation policies of Seattle and other American cities.
著者
阿部 祐子
出版者
Architectural Institute of Japan
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.75, no.653, pp.1771-1777, 2010

Victor Steinbrueck (1911-1985), a regional-modern architect in Seattle, was the leader of the historic preservation movement since the 1960s. He also proposed a vision of Seattle with the particularities shown as below. His focus was the characteristics and livability of neighboehoods and his vision has been mainly influential to the civic activists who resist against the orthodoxy that would make the city standardized.<br>1.The neighborhood core should be village-like, <i>i.e.</i> pedestrian-oriented and mixed use with low or middle-rise buildings, narrow streets, and public spaces.<br>2. Preservation of the historic districts was a measure to preserve and improve the neighborhood commercial cores.<br>3. Independence and autonomy of the old neighborhoods in Seattle should be enhanced by empowering the community.
著者
多田 幸雄 数野 秀樹 佐藤 勉 鈴木 則彦 江村 智弘 矢野 伸吾
出版者
Chem-Bio Informatics Society
雑誌
Chem-Bio Informatics Journal (ISSN:13476297)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.19-29, 2017-03-24 (Released:2017-03-24)
参考文献数
33

トリフルオロチミジン(TFT)は抗腫瘍活性を有するが、チミジンホスホリラーゼ(TP)により不活性なチミンに容易に代謝されるので、TFT単独では臨床で満足な抗腫瘍活性を示すことができない。ヒトのTP (HTP) はヒトのピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼの主な酵素である。従って、TFTの抗腫瘍活性を維持するにはHTP阻害薬を開発する必要があった。ここでは、SBDDとclassical QSARによるHTP阻害薬のドラッグデザインのプロセスを示す。チミンをシード化合物、5-クロロウラシル(3)をリード化合物として選択した。リード化合物(3)のC6位にイミノ基の導入は阻害活性を向上した。結果として5-chloro-6-[1-(2-iminopyrrolidinyl) methyl] uracil hydrochloride (TPI)を臨床試験候補化合物とした。そして、TAS-102(配合モル比 TFT:TPI = 1: 0.5)はトリフルリジン/チピラシル(ロンサーフ)として日本、欧州、米国で転移性直腸がんの治療薬として認可された。
著者
高場 智博
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

筑紫平野東部に位置する東西約20 kmの耳納山地の北麓には,70の小規模扇状地が分布する。耳納山地を含めた筑紫平野東部における発達史地形学的研究は,北野平野(黒田・黒木,2004)や筑後川扇状地(財津,1987)で若干の調査報告がおこなわれているにすぎない。そのため耳納山地北麓に分布するそれら小規模扇状地群の地形発達の解明は,筑紫平野の地形形成を理解する上でも重要である。また,研究例に乏しい西南日本における扇状地研究の進展という点でも有意義である。 はじめに,航空写真判読によって地形分類図を作成した。次いで,露頭調査をおこなった。その際,年代試料となるロームや腐植質堆積物を採取し,後者については5試料を14C年代測定に供した(分析は株式会社加速器分析研究所に依頼)。 航空写真判読の結果,本地域の小規模扇状地は複数の段丘面からなることが明らかとなった。段丘面は分布高度などを基準に1~5面の5つに大別された。最高位である1面の露頭では,段丘構成層直上にBW型ガラスが多数含まれるローム層(厚さ40 cm)が認められ,その上位に堆積する腐植質砂層(厚さ20 cm)の下端10 cm部分の14C年代値が1,181–1,056 cal BPであった。BW型火山ガラスは,テフラ降下範囲よりK–Ah(7.3 ka;町田・新井,2003)またはAT(26–29 ka;町田・新井,2003)に由来すると考えられる。3面の露頭では,段丘構成層直上に腐植質砂層(厚さ10 cm)が観察され,その14C年代値が下端5 cmの部分で7,127–7,015 cal BP,上端5 cmの部分で6,182–5,999 cal BPであった。4面の露頭では,段丘構成層を覆う腐植質砂層(厚さ20 cm)がみられ,その下端10 cmの部分に含まれる木炭の14C年代値が1,408–1,320 cal BPであった。別地点(4面)では,段丘構成層上に砂層(マサ土),腐植質砂層(厚さ20 cm)がみられ,後者下端10 cmの部分の14C年代値は1,058–938 cal BPであった。 以上により,1面は本地域にBW型火山ガラスが降下した時期,3面は約7,000年前,4面は1,000–1,400年前ごろに,それぞれ既に段丘化していたと推測される。これらの段丘面形成および段丘化には,グローバルな気候変動,水縄断層の活動(西暦679年の筑紫地震;松村,1990),あるいは人間活動などが関わってきた可能性がある。謝辞 本研究を進めるにあたり明治大学の吉田英嗣准教授には親身になってご指導いただいた。本研究には2017(平成29)年度笹川科学研究助成(29-622)の一部を使用した。参考文献 黒田・黒木(2004)日本地理学会発表要旨集,81,p.85 町田・新井(2003)東京大学出版会,50–51. 松村(1990)九州史学,98,1–23. 財津辰也(1987)大分地理,1,33–42.

1 0 0 0 OA 寺社書上

出版者
巻号頁・発行日
vol.[75] 浅草寺社書上 甲三,
著者
井上 准治
出版者
日本福祉大学
雑誌
現代と文化 : 日本福祉大学研究紀要 (ISSN:13451758)
巻号頁・発行日
no.127, pp.1-24, 2013-03-31

この作品は,近代英国の自立の初期的段階におけるヘンリー八世の国王としての資質の獲得過程を,あえて理想化して描こうとするものである.それは,ジェームズ一世が即位して10 年経った時点で,すでに神格化が起こっているエリザベス女王の繁栄と栄光の時代に対する観客の郷愁的幻想に繋いで,ことさら豪華な仕立ての舞台で試みられる.しかし,一方で,極めて下世話な民衆的,祝祭的笑いのエピソードによる権力闘争のパロディーや,王の離婚問題におけるセクシュアリティの意義のほのめかしによって,価値逆転を起こしたり相対化する視点も提供するものである.本稿は,このような文脈の中で,有力貴族のバッキンガム公と成り上がりの実力者のウルジー枢機卿の間で争われる主導権争いや,王の離婚・再婚問題の劇的過程とその歴史的意味を考察するものである.
著者
図子 光太郎 生原 喜久雄 相場 芳憲
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.185-193, 1992-05-01
被引用文献数
11

森林の土壌溶液の溶存イオンの組成および動態を明らかにするため, スギ幼齢林にNH_4Clを施用した。調査地は群馬県の渡良瀬川上流に位置する東京農工大学演習林の24年生スギ林分である。母材は秩父古生層の砂岩および粘板岩で, 表層土壌のpH(H_20)は4.5前後である。ポーラスカップをとりつけた簡易採水器を用いて土壌水を採取した。採水した土壌の深さは10,20,30,50cmである。施用されたNH_4+-Nは硝化を受け短期間にN0^-_3-Nに変化し, 結果的にCl^-とともにN0^-_3-Nの2種のイオンが付加された。土壌交換基からの溶液への陽イオンの溶出に影響するのは特定の陰イオンではなく, 土壌溶液の主要な陰イオンの和であった。主要な陰イオン濃度の和の増加にともなって増加が著しいのはCa^<2+>で, ついでAl^<3+>, Mg^<2+>, K^+, H^+の順であった。土壌溶液のH^+とAl^<3+>濃度との間には指数関数的な関係がみられ, 土壌溶液のH^+濃度が0.1mel^<-1>以上, pHで4以下になると, Al^<3+>濃度の増加が著しい。pHの低い土壌での陰イオン合計の増加するような施業は地力維持のため十分注意する必要がある。

1 0 0 0 OA 康富記

著者
中原康富
出版者
巻号頁・発行日
vol.[67],