著者
岩崎 麻美 高松 信樹 功刀 正行 大沢 信二
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.191, 2005

天然には、様々な環境下において青色を呈する天然水が存在している。青色天然水として知られている福島県裏磐梯の五色沼、群馬県中之条の四万湖および大分県別府の海地獄は共に青色を呈している天然水として知られている。青色天然水の呈色については1)鉄イオン, 銅イオンによる長波長光吸収機構2)微粒子による短波長可視光散乱機構 3)水そのものによる長波長光吸収機構が挙げられる。この3地点の共通点としては、硫酸酸性水にNaCl(食塩)型の温泉水が混合していることが挙げられる。本研究では水文学的調査、色彩学的調査および種々の呈色因子の同定から青色呈色がどのような物質により、どのような機構で生じているのかを解明することを目的とした。
著者
岩崎 麻美 高松 信樹 功刀 正行 大沢 信二
出版者
日本陸水学会
雑誌
日本陸水学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.158, 2003

群馬県四万湖の色彩測定,水質分析,呈色因子物質の分析を行い,四万湖の青色呈色因子について考察した。四万湖水中には二価の鉄イオンや銅イオン濃度が極めて低いことから,青色呈色の原因がこれらイオンによる光の吸収によるものではないと判断された。また,四万湖の懸濁物の赤外吸収スペクトル解析,蛍光X線分析,走査型電子顕微鏡による観察から,四万湖水中には,粘土鉱物の前駆物質であるアロフェンが存在しているこが確認された。アロフェン粒子の直径は約40nmであり,この粒子に太陽光の光があたることによりレイリー散乱が生じ,青色に呈色していると結論された。
著者
Kei Amano Shigeki Tsuzuku Katsuaki Suzuki Naoshi Hiraoka
出版者
Japanese Society for Information and Systems in Education
雑誌
The Journal of Information and Systems in Education (ISSN:1348236X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.12-17, 2017 (Released:2017-12-13)
参考文献数
6
被引用文献数
2

This paper describes the design of a digital badge that provides support for learners who participate in blended instructional-design (ID) workshops. The workshops are hosted by Kumamoto University as lifelong learning activities, and their purpose is to introduce a practical method that enhances participants' education and supports them in applying ID in their jobs. We designed the digital badge as a tool that continues to support participants after the workshop has finished. The digital badge constitutes not just a program certification, but also an index of the learning outcomes of the blended workshop, such as online report assignments, and an asynchronous discussion record of forum posts made during the workshop. We confirmed through actual use that the acquired digital badge accumulated learning outcomes that would be useful in the participants' jobs and reflected their skill mastery.
著者
張 袁松 清水 一彦 塩見 邦博 梶浦 善太 中垣 雅雄
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
蚕糸・昆虫バイオテック (ISSN:18810551)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.1_39-1_46, 2008 (Released:2008-10-06)
参考文献数
18

日本産ジョロウグモ(Nephila clavata)の牽引糸遺伝子のcDNAをクローニングし,その塩基配列を初めて報告した。塩基配列から推定される日本産ジョロウグモ牽引糸タンパク質のアミノ酸配列をカイコのフィブロインH鎖や他のクモ牽引糸のものと比較した。牽引糸の繰り返し配列においてAn,(GA)nやGGX配列など共通の特徴を確認できた。クモ牽引糸タンパク質の繰り返し配列のコドン使用頻度をカイコのH鎖フィブロインと比較すると,同様の傾向があった。しかしながら,親水性と疎水性の分布は両者で大きな違いが見られた。引張り強度試験では,日本産ジョロウグモ牽引糸がカイコ繭糸よりも明らかに強いことが分かった。これらのことから,クモ糸を吐くカイコを作出してカイコH鎖フィブロインをクモ牽引糸タンパク質と置き換えること,あるいは両者の混合糸を作らせることにより,糸の強さや性状の異なる新しいシルクの創出が期待される。
著者
黒田 亘
出版者
熊本大学
雑誌
法文論叢. 文科篇 (ISSN:04410173)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.14-28, 1959-06-30
著者
アワング アズワン カリム ラフィア 三ツ井 敏明
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
Journal of applied glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.245-264, 2010-10-20
参考文献数
55
被引用文献数
1

カカオ(Theobroma cacao)は、多くの熱帯地域の国の重要な作物であり、チョコレートの原材料として栽培されている。カカオにおいても害虫耐性の付与など品種改良が望まれているが、その基礎となるカカオの生理・生化学、分子遺伝学についてはほとんどわかっていない。また、現時点ではカカオのゲノム情報も明らかにされていない。われわれは、カカオポッド果殻のプロテオームを明らかにするため2次元電気泳動(2-DE)/質量分析を行った。カカオポッドには大量のガムが含まれているため、ポッド果殻タンパク質をフェノール抽出/メタノール-酢酸アンモニア沈澱法により調製した。タンパク質試料を2-DEで分離し、コロイドCBBで染色したところ、2-DEゲル中において約700のタンパクスポットを検出することができた。244個のタンパクスポットについてトリプシン消化物のSPITC-誘導体を調製し、MALDI-TOF/TOF MSを用いたde novoシークエンシングを行った。この方法により144個のカカオポッド果殻タンパク質を同定することができた。同定されたタンパク質の大部分は代謝やエネルギー生産に関与するものであった。また、ポッドの成長・分化に関わるタンパク質も検出された。
著者
高崎 能樹
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.56-57, 1957-10-01
著者
有川 知彦 神 力 平松 正人
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告
巻号頁・発行日
vol.15, no.48, pp.41-46, 1991

This paper describes a study of an audio window system for a visual multi window system suitable for multi media applications and considers about the three kinds of conference environments called conference spaces that can make the system useful. Also makes clear the key points for multi media system design and the experimental result of a prototype audio window system is shown.
著者
尾﨑 章子 荻原 隆二 内山 真 太田 壽城 前田 清 柴田 博 小板谷 典子 山見 信夫 眞野 喜洋 大井田 隆 曽根 啓一
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.697-712, 2003 (Released:2014-12-10)
参考文献数
23
被引用文献数
2

目的 100歳以上の長寿者(百寿者)の QOL を調べ,男女差,地域差を明らかにするとともに,100歳を超えてもなお高い QOL を実現している百寿者に関して生活習慣,生活環境との関連について検討を行った。方法 1999年度の「全国高齢者名簿」に登録された100歳以上の高齢者11,346人を母集団とした。男性は全数,女性は 1/2 の比率で無作為抽出を行った。死亡,住所不明,不参加の者を除く1,907人(男性566人,女性1,341人)に対し,個別に訪問し,質問紙を用いて聞き取り調査を行った(2000年 4~6 月)。本研究では百歳老人の QOL について a. 日常生活動作の自立,b. 認知機能の保持,c. 心の健康の維持の観点から検討した。独立変数は,食生活,栄養,運動,睡眠,喫煙習慣,飲酒習慣,身体機能,家族とした。分析は SPSS11.0J を使用し,男女別に多重ロジスティック回帰分析を行った。結果 1. 男性の百寿者は女性の百寿者と比較して数は少ないものの,QOL の高い百寿者の割合は日常生活動作,認知機能,心の健康のすべてにおいて男性が女性に比べ多かった。 2. 百寿者数は西日本に多いものの,QOL の高い百寿者の割合に関して地域による有意な差は男女とも認められなかった。 3. ①日常生活動作の自立の関連要因:男性では,運動習慣あり,視力の保持,自然な目覚め,常食が食べられる,同居の家族がいるの 5 要因が,女性では,運動習慣あり,常食が食べられる,視力の保持,自然な目覚め,食欲あり,同居の家族がいる,転倒経験なしの 7 要因が日常生活動作の自立と有意な関係にあった。②認知機能の保持の関連要因:男性では,自然な目覚め,視力の保持,運動習慣あり,よく眠れている,常食が食べられるの 5 要因が,女性では,聴力の保持,自然な目覚め,視力の保持,食欲あり,同居の家族がいる,運動習慣ありの 6 要因が認知機能の保持と有意な関係にあった。③心の健康の維持の関連要因:男性では,視力の保持,運動習慣あり,よく眠れている,常食が食べられるの 4 要因が,女性では,視力の保持,食欲あり,運動習慣あり,1 日 3 回食事を食べる,同居の家族がいる,常食が食べられる,自然な目覚めの 7 要因が心の健康の維持と有意な関係にあった。結論 百寿者の日常生活動作の自立,認知機能の保持,心の健康の維持に共通して関連が認められた要因は,男性では運動習慣,身体機能としての視力,食事のかたさであり,女性では,運動習慣,身体機能としての視力,自然な目覚め,食欲,同居家族であった。これらの検討から,QOL の高い百寿者の特徴は,男性では,①運動習慣がある②身体機能としての視力が保持されている③普通のかたさの食事が食べられる,女性では①運動習慣がある②身体機能としての視力が保持されている③自分から定時に目覚める④食事を自らすすんで食べる(食欲がある),⑤同居の家族がいること,が明らかになった。これらの要因の維持が超高齢者の高い QOL の実現に関与している可能性が示唆された。
著者
鈴木 守
出版者
常葉大学教育学部
雑誌
常葉大学教育学部紀要 = Tokoha University Faculty of Education research review (ISSN:2188434X)
巻号頁・発行日
no.36, pp.1-18, 2016-03

本研究では,大学図書館の蔵書評価として,教育分野の図書の所蔵状況を明らかにすることを目的として調査を行った。蔵書評価の方法はチェックリスト法を用いた。国立国会図書館の全国書誌をもとに教育分野の文献リストを作成し,国立情報学研究所のCiNii Books を検索して全国の大学図書館等の蔵書との照合を行った。また,特にT 大学図書館の蔵書について教育を主題とする図書の所蔵状況の分析を行った。