著者
村上 宣寛
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
性格心理学研究 (ISSN:13453629)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.70-85, 2003
被引用文献数
11

本研究の目的は,語彙アプローチによって日本語におけるビッグ・ファイブを導くことである.かつてのSD法におけるEPA構造の普遍性の問題から推測すると,ビッグ・ファイブを得るための心理測定的条件は,1.用語の熟知度や使用頻度が高いこと,2.用語の分散が大きく,評定値が中央付近に位置すること,と推測される.分析1では村上(2002)の基本的な性格表現用語から原則として抹消率13%以下の用語を収集し,同義語と反意語を整理し,554語を調査対象とした.被験者は大学生男性150名,女性220名の計370名であった.分散の高い317語を選択して対角成分にSMCを入れて30因子まで抽出した.スクリー法で因子数を5と定め,オーソマックス回転を施すと,外向性(E),協調性(A),勤勉性(C),情緒安定性(N),知性(O)のビッグ・ファイブが得られた.語彙アプローチ研究によって日本語でもビッグ・ファイブが得られることが証明された.分析2では各因子の因子負荷量の大きな20語を抽出し,100語でビッグ・ファイブ構造を再確認し,各因子ごとに主因子法とオブリミン回転を適用し,側面因子を求めた.結果は,外向性では活動性,閉鎖性,自制,協調性では妬み,怒り,身勝手,勤勉性では親切さ,ねばり強さ,従順さ,情緒安定性では活動力,楽観性,知性では小心さ,愚かさ,意志薄弱の側面因子が得られた.日本語でのビッグ・ファイブは,細部では英語圏の内容と異なっている可能性が示唆された.

1 0 0 0 OA 園冶卷1

著者
明計成撰
巻号頁・発行日
1000
著者
小笠原 春彦
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.122-129, 1996-09-30
参考文献数
21

The varimax rotation, a special case of the orthomax method, usually contains the process of normalization by the communalities of manifest variables. After rotation, factor loadings are re-scaled so that the communalities have original values. Although the standard errors of rotated factor-loadings have been discussed from the general view point of estimation of parameters with restrictions, the actual standard errors for normalized rotation have not been provided. In this paper a method of estimating the asymptotic sandard errors in the normalized orthomax rotation is given. Two artificial examples are provided in which standard errors become extremely large with or without normalization.
著者
蕪城 裕子 島田 由佳 竹原 和彦
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.110, no.8, pp.1277, 2000 (Released:2014-08-19)
被引用文献数
2

当科アトピー外来通院中の患者191人を対象に,アトピービジネスに対する意識調査を行った.特殊療法経験の有無,目的および期待してた効果と実際の効果,使用金額,被害意識,情報入手経路,アトピービジネス隆盛の責任などについて質問し,回答を集計検討した.結果は全体の84.8%が何らかの特殊療法経験者で,1人あたりの平均経験件数は5件であり,多数の患者が複数にわたって経験しているという傾向が見られた.特殊療法を行った目的は,体質改善や脱ステロイドという意見が多く,どういう効果を期待したかについては,現治療プラスアルファという意見も多かったが,根治的治療という意見も多かった.実際の効果については,経験者の60%以上が不変だったと答え,防ダニ対策製品群以外は有効例より悪化例が上回っているという結果であった.経験者のうちの47.8%が何らかの被害を受けたと感じており,今後も試すかどうかについては,慎重な姿勢を示している意見が多かった.アトピービジネス隆盛の責任はマスコミ報道にあるとする意見が一番多かったが,皮膚科医とする意見も多く,反省を要する点ではないかと考えられた.今後我々皮膚科医によるアトピー性皮膚炎の治療に関する明確なコンセンサスの確立が望まれる.
著者
笠井 一郎
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.377-387, 1972-04-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
66
著者
長沼 毅 山崎 敬人 平賀 博之 丸本 浩 沓脱 侑記 岡本 英治 小茂田 聖士 山下 雅文 柏原 林造 田中 伸也 林 靖弘
出版者
広島大学学部・附属学校共同研究機構
雑誌
学部・附属学校共同研究紀要 (ISSN:13465104)
巻号頁・発行日
no.39, pp.291-296, 2010

本研究では, 地球外生命という未知の課題を解決するために, 理科で学習した内容や既知の学問を活用して, 「クリティカルシンキング」の手法を使いながら, もっとも確からしい答えに辿り着くための体験を生徒に講義し, それを通して, どのような思考の展開が必要となるかを伝える方法を研究した。ここでいう「クリティカルシンキング」とは, 「適切な基準や根拠に基づき, 論理的で偏りのない思考をする」, 「よりよい解決に向けて複眼的に思考し, より深く考えること」を意図している。具体的には, 「地球外生命探査」をテーマとして, 科学者が学問を探究していく上で, どのように思考し, その思考を発展させ, どのように証明していくか, そうした思考の過程を授業の対象として盛り込むことで, 科学者の思考を生徒に追体験させることを意図した高大連携の授業を構築することができた。この授業の内容そのものがこの研究の最大の成果だと考える。
著者
若原 卓
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2008-01

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2533号 ; 学位の種類:博士(人間科学) ; 授与年月日:2008/3/15 ; 早大学位記番号:新4666

1 0 0 0 OA 愛知県統計書

著者
愛知県 [編]
出版者
愛知県
巻号頁・発行日
vol.昭和12年 第4編, 1943
著者
三上 真人
出版者
日本液体微粒化学会
雑誌
微粒化 = Atomization : journal of the ILASS-Japan (ISSN:13416022)
巻号頁・発行日
vol.17, no.57, pp.16-21, 2008-03-31
参考文献数
41
著者
三上 真人 瀬尾 健彦 菊池 政雄 森上 修
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ジェットエンジン高空再着火時の燃料噴霧燃え広がりの理解を深めるために低圧における液滴列燃え広がりの微小重力実験行った.実験の結果,低圧での燃え広がり速度および燃え広がり限界はともに,大気圧の場合より大きくなることが明らかとなった.これらの圧力依存性について,燃え広がりに関わる素過程を考慮して考察を行った.高温領域の熱伝導速度は圧力に逆比例する.一方,高温領域の広がりの非定常性を考慮すると,その最大半径は圧力の-1/3乗に比例する.この圧力依存性を有する燃え広がり限界距離を考慮して,低圧におけるランダム分散液滴群の群燃焼発現特性を求めることができた.
著者
鈴木 ドロータ 高木 秀雄 河本 和朗 中村 祐治 中村 れいら
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.124, no.4, pp.587-605, 2015
被引用文献数
1

本州弧に対する伊豆–ボニン弧への中新世の衝突の影響を受けて,中央構造線の東西走向が,紀伊半島東部伊勢地域で東方に向かって東北東–西南西へと曲がりはじめるものとされている。しかしながら,伊勢地域では第四系堆積物が広く覆っており,都市化も進んでいることから,中央構造線の地表トレースの正確な位置は不明瞭である。中央構造線の位置の正確な把握は,たとえば地盤の違いを反映した地震動予測に資することや,中部日本における中央構造線の折れ曲がりのより正確な説明を与える上でも重要である。本論は伊勢地域(玉城町・伊勢市)に存在する(1)美和ロック玉城工場,(2)伊勢市役所,(3)伊勢観光文化会館のボーリングコアの岩石学的検討を行うとともに,伊勢市内のその他の建設基盤調査資料や,玉城町大池の断層岩類,領家帯に分布すると考えられる宮川沿いの中新統礫岩,伊勢市内に存在する三波川結晶片岩の露頭など,限られた露頭の地質調査結果から,中央構造線の位置をより正確に求めることができた。今回の調査で,三波川変成岩が一部に露出している伊勢神宮外宮に存在する中央構造線が正宮付近に想定され,ジオツーリズムとリンクしたその教育的活用が望まれる。

1 0 0 0 OA 武鑑

出版者
巻号頁・発行日
vol.巻之2, 1781