著者
佐藤 篤 衣川 修平 東 理恵 白川 治
出版者
近畿大学臨床心理センター
雑誌
近畿大学臨床心理センター紀要 = Bulletin of center for clinical psychology Kinki University
巻号頁・発行日
no.3, pp.159-167, 2010-10-01

[要約] 近畿大学医学部附属病院メンタルヘルス科における認知症に対する心理検査の現状を報告する。 「もの忘れセット」の名称で、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)、Mini-Mental State Examination(MMSE)、Alzheimer's Disease Assessment Scale認知機能検査(ADAS-Jog)、Clock Drawing Test; 時計描画テスト(CDT)の4つの検査を施行している。検査を施行する際の注意点ならび解釈の着眼点を示し、認知機能評価の中で心理検査に求められる役割を述べた。今後の課題としてMCIやFTDの鑑別に敏感な認知機能評価のテストバッテリーを組むことが求められる。
著者
勝田 薫
出版者
東洋学園大学
雑誌
東洋学園大学紀要 (ISSN:09196110)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.111-117, 2003-03-15
著者
長岡 芳 鍵小野 美和 藤田 紀乃 和田 昭彦 松井 寛 大橋 儒郁 飯田 忠行
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.486-493, 2010 (Released:2013-07-31)
参考文献数
24
被引用文献数
1

目的:腹部CT法による皮下脂肪・内臓脂肪肥満とBMIから日本のメタボリックシンドローム診断基準との関連を調べ,肝機能との関連も検討した.対象と方法:男性174名,女性63名を対象とし,平均年齢は,男性46.6±11.3歳,女性49.2±12.4歳であった.内臓脂肪面積とBMIにより,正常群:内臓脂肪面積100cm2未満・BMI25未満,皮下脂肪型肥満群:内臓脂肪面積100cm2未満・BMI25以上,内臓脂肪蓄積型肥満群:内臓脂肪面積100cm2以上・BMI25未満,内臓脂肪型肥満群:内臓脂肪面積100cm2以上・BMI25以上に分けた.4群間について年齢,最高・最低血圧,HDL・LDLコレステロール,中性脂肪,血糖,HbA1c,AST,ALT,γ-GTPを比較した.結果:内臓脂肪の増加は,男性で血圧と肝機能異常に関与した.皮下脂肪の増加は,男女ともにHDLコレステロールの低下と,女性のALTの増加に関与した.内臓・皮下の両脂肪の増加があると,HDLコレステロールの低下,HbA1c,γ-GTPの上昇に関与した.結論:メタボリックシンドロームの疑いに関しては,内臓脂肪面積と皮下脂肪面積を測定し,性別による分析を加味し,予防対策に活かす必要性が示唆された.
著者
河村明和
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.11-21, 2016

本研究では,公立中学校の特定の部活動に参加する生徒たちを対象に,部活動の満足度を構成する要因を,調査と一年間の関与観察と聞き取り面接から検討した。部活動集団教育的相互作用得点の「集団凝集性」「斉一性・自治体制」「P機能」「M機能」「愛他性」「集団圧」の向上から,生徒全体の部活動満足度の高まったことが認められた。観察・面接結果から,生徒個々の部活動満足度に影響を与える要因として,①レギュラーポジションの獲得,②キャプテンなどの役割行動の状況,③部内の人間関係,④顧問教員との関係が見出された。以上の結果より,生徒たちの部活動満足度は,先行研究を支持し,1)その部活動が追求する内容に取り組むプロセス,2)部活動における集団体験,以上の2点から構成されることが明らかになった。そして,1)と2)に関して,顧問教員の影響があることが示唆された。
著者
河村茂雄 武蔵由佳
出版者
日本教育カウンセリング学会
雑誌
教育カウンセリング研究 (ISSN:21854467)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1-9, 2016

学習集団(学級集団)における協同学習成立の最低条件と考えられる「ルールの共有」と「親和的な人間関係の確立」という2つの条件を満たしている学級の出現率,および文部科学省(2012)が問題として取り上げている教員主導の知識伝達型の一方向的な授業の展開が行われている学級の出現率について調査した。結果,小学校で2条件を満たしているのは「親和的でまとまりのある学級集団(満足型)」で10学級(32%),教員主導の知識伝達型の一方向的な授業の展開が行われている学級は「かたさのみられる学級集団(かたさ型)」で5学級(16%)であった。さらに,抽出した学級に対して一定期間の授業を中心とした終日の学級観察を行い,その特性を整理し,児童たちの学習意欲を調査し,比較した。結果,「 親和的でまとまりのある学級集団(満足型)」の中でも,協同学習の取り組みと教員による自律性支援の教授行動が高い学級において,児童の学習意欲を高めることに寄与する可能性が考えられることが明らかになった。