著者
佐藤 年明 Satou Toshiaki
出版者
三重大学教育学部附属教育実践研究指導センター
雑誌
三重大学教育実践研究指導センター紀要 (ISSN:09148531)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.59-65, 1998

筆者が1997年9月6日~18日のスウェーデン王国・デンマーク王国への私費渡航において訪問したスウェーデンの性教育研究機関でのインタビューの内容を紹介している。筆者の質問の第1点は、スウェーデンの学校カリキュラムにおける性教育の位置づけであった。ストックホルム在住の日本人ジャーナリストの最近の報告によると性に関する学習の教育課程上の位置づけが近年弱まっているということであった。しかし筆者が面接した研究者は必ずしもそのように認識していなかった。質問の第2点は、性教育の内容としての性交の扱いや、性交を含む性行動に関する学習の際に当事者(教師・学習者)のprivateな体験を話題にのせるべきかどうかという筆者の最近の性教育上の関心事に関わるものであった。筆者が面接した研究者は、教師が自らのprivateな休験を教室で子細に語ることはふさわしくないという見解を持っていた。平成13年度~16年度科学研究費補助金(基盤研究(C)(2))
著者
安藤栄
出版者
横浜市
雑誌
調査季報
巻号頁・発行日
no.28, 1971-03-20
著者
宮本 政子 舟越 和代 中添 和代 時岡 恵美 森 美代子 渋谷 幸彦
出版者
香川県立保健医療大学
雑誌
香川県立医療短期大学紀要 (ISSN:13455257)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.115-121, 2000
被引用文献数
2

The purpose of this paper is to report on the present condition and the factor of uneasiness of mother for child-rearing, especially of infant. Questionnaire about uneasiness for child-rearing were distributed to 215 mothers with infants, and 147 answers were collected. The following results were obtained through the analysis of the answers. 1) In the group of mothers who feel child-rearing uneasy more than the other group, their husbands usually come home later than the other group, and the mothers in the group feel the lack of child care by their husbands. 2) This tendency is remarkable among the mothers who have no special work and have two or more children. It may be partly because they have few friends with whom they can talk frankly. The analysis of the questionnaire showed mothers with infants have expected to talk about matters in the daily life with infants more than special topics in the childrearing, but there are few places to communicate where they can speak freely each other. We suggest in this paper that health professionals have to consider offering the place of communication for such mothers.
著者
堀 一成 坂尻 彰宏 ホリ カズナリ サカジリ アキヒロ Hori Kazunari Sakajiri Akihiro
出版者
大阪大学全学教育推進機構
雑誌
大阪大学高等教育研究 (ISSN:21876002)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.27-32, 2015-03-31

This paper reports recent characteristic approaches in the academic writing education that the authors are carrying out at Osaka University. Academic writing education has been provided at Osaka University, but due to the limited number of classes and instructors, not enough students were able to take those classes. After researching writing education at other universities, the authors attempted some adjustments in April, 2014, to create more opportunities for many students- especially first-year students - to learn academic writing. The authors published a new booklet, its corresponding teachers' manual, and carried out faculty development programs, so that other faculty members can also teach academic writing in their own classes even if they are not in charge of academic writing education.
著者
山戸 美智子 服部 保 稲垣 昇
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.561-564, 2001-03-30
被引用文献数
3 1

岩湧山,和泉葛城山,大和葛城山の半自然草原において,面積,管理方法,種多様性の調査を行った。3調査地とも数十年におよぶ草原管理の放棄や面積の縮小化によって,過去の出現種の80%(岩湧山),59%(和泉葛城山),60%(大和葛城山)しか現在出現していない。欠落種には絶滅・絶滅危惧種が目立つが,普通種も多く見られた。岩湧山で草原生植物種(75種)が最も多いのは,面積が最も広いことや草原管理の再開が影響していると思われた。しかし,岩湧山でも3」地域全体の種数(104種)は保持しておらず,本地域の種多様性を維持するためには3草原全体を保全することが必要と思われた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1483, pp.28-30, 2009-03-23

ニューヨーク郊外にあるショッピングモール。その一角に、世界最大の家電量販店、ベストバイの店舗があった。平日の昼下がり、男性従業員のジョッシュは、出口に立っていた。店を出ようとする客のレシートをチェックして、持ち出す商品と合っているか確認する。 「万引きがひどくてね。今年になって、2倍になった感じだよ」 そう言うと、声を潜めた。
著者
鈴木 聡志
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.43-50, 2010 (Released:2015-12-14)
参考文献数
24

わが国では1934年からの約10年間に教育相談施設が多数開設され,それに伴い教育相談のあり方が議論された。当時の教育相談は,親等に忠言(アドバイス)を与えることを主としていた。本研究は,昭和10年代の教育相談における忠言の科学性に関する議論を,現代的観点から再検討する。常識に基づいた忠言が推奨されていたが,これは科学的ではないようである。知能検査と実態調査が科学性を保証すると考えられていたが,それらは処置をもたらさなかった。条件発生的考察も科学性を保証すると考えられていた。これはゲシュタルト心理学に基づく児童理解で,これが展開していたなら,わが国独自の臨床心理学となる可能性があったと考えられる。
著者
西来 邦章 高橋 康 松本 哲一
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.119, no.7, pp.474-487, 2013-07-15 (Released:2013-11-02)
参考文献数
35
被引用文献数
2

活火山を有する浅間・烏帽子火山群において21試料のK–Ar年代測定を行い,火山活動場の時空間的変遷を明らかにした.本火山群は西北西–東南東方向に約22 kmにわたり分布し,主稜線は成層火山体で構成され,周辺域には溶岩ドームなど単成火山的な山体で広範囲に分布する.本火山群は活動地域と休止期を基に以下の4つのステージに区分される.ステージⅠ(約100万年前),西部地域のみ;ステージⅡ(85~75万年前),西部地域で南北にやや伸張した広範囲;ステージⅢ(45~24万年前),西部地域から中央部;ステージⅣ(約13万年前以降),中央部から東部地域.本火山群で認められる単成火山的な活動は,約80万年前,約30万年前,約10万年前および約2万年前の短期間に限られる.約30万年前には,西部地域のみであった活動場が東進し,現在の浅間・烏帽子火山群の配列方向である西北西–東南東方向の活動場へ移行した.
著者
浜田 恵子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.129-141,189, 1963

(1) 大衆社会といわれる今日の社会状況では, 大衆社会的職業観の浸透が著しい。この職業観は, 個人を社会状況に「適応」させるけれども, 個人が職業をとおして社会を変革するという意味での, 職業の社会的意義をまつたく無視している職業観である。しかも, 中学校の進路指導では, 大衆社会的職業観を, 問題の多い適性概念によつて, むしろ積極的にうえつけようとしている。<BR>(2) 本研究では, 各階層の中学生のもつている職業観を質問紙調査法により明らかにしようと試みた。調査対象の中学3年生を, 親の職業を指標として階層I II IIIに分類した。<BR>(3) その結果, 第1には, 中学生の職業選択の基準には階層差がみられず, その基準としては, 大衆社会的職業観に基づいた基準があげられていることが明らかになつた。たとえば, 選択基準としては, 適しているか好きか, やりがいがあるか, 収入が多いか, 収入が安定しているか, などがあげられており, また, なりたい職業と, 収入の多さ, 地位の高さ, スマートさ, らくな程度, とは相関が高い。<BR>(4) 第2には, 中学生の学歴志望と職業志望には, 階層差があり, また, 将来の生活のイメージにも, 階層差の傾向がみられた。しかし, 自己の選択職業の評価に階層差はみられなかつた。<BR>(5) さらにいくつかの事例研究により, 中学生の社会状況に対する姿勢を, 状況へむしろ積極的に「適応」しようとするタイプから, 状況に対決していく志向をもつたタイプまでの, いくつかのタイプに類型化した。<BR>(6)以上の結果から, 中学生は, 現実には, 状況へ「適応」せざるをえないために, 大衆社会的職業観によつて, むしろ積極的に状況に「適応」しようとする構えをもつているといえよう。
著者
中島 古史郎 吉本 国春
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.142, pp.39-46, 2009-01-05

雨水の有効利用を図るため、廃木材からのリサイクル資材である高品位炭を使用して、戸建住宅の雨樋で集めた雨水を浄化する研究を行った。1年3ヶ月もの間、高品位炭の交換をせず実験を継続した結果、1時間滞留によって、COD4.0〜0.5mg/Lの水質の雨水が、COD2.8〜0.5mg/L程度まで除去された。実用を想定して浄化装置を秋の1ヶ月間、冬から初夏までの5ヶ月間、そして夏の1ヶ月半、計3回停止した後再開させたが、浄化能力は継続して認められた。従って、貯留雨水は、高品位炭によって有機汚濁物質・細菌類等を実用上様々な利用が可能なレベルの水質まで浄化出来る事、また高品位炭によるCODの水質浄化機構は、吸着作用と微生物浄化作用の相乗効果である事が推察された。
著者
大和 礼子
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.235-250, 2000-09-30 (Released:2010-04-23)
参考文献数
35

社会階層と社会的ネットワークとの関係については, 多くの研究が共通して, “階層が高い方がネットワークの構成は多様である” という知見を共通に報告している. 本稿ではまず先行研究の検討によって, この知見は社交・相談・軽い実際的援助などをネットワークとして測定した結果得られたものであることを示し, これを〈交際のネットワーク〉と呼ぶ. 次にこの交際のネットワークと, 自分の身体的ケアについてのネットワーク (〈ケアのネットワーク〉と呼ぶ) の両方を含んだ調査データを分析する. そしてその結果を基に, 交際のネットワークについては先行研究と同様, 男女ともに階層が高い方がその構成は多様であるが, ケアのネットワークについては, 男性と女性では階層の効果が異なることを示す. すなわちケアのネットワークは, 男性では, 階層が高い方が配偶者と子供に限定され多様性に乏しいが, 逆に女性では, 階層の高い方が家族に加えて専門機関を含める人が多く多様である.最後にこの結果に基づき, 社会的ネットワークは, 〈交際〉と〈ケア〉の両面からとらえられなければならないこと, そして〈公共領域と家内領域の分離〉という近代の支配的イデオロギーに適合するような形でネットワークを編成している人は, 階層の高い男性に最も多いことを論じる.

1 0 0 0 OA 大辞典

著者
平凡社 編
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
vol.第二十二卷, 1936
著者
瀬之口 敦 福島 幸子 福田 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.97, pp.71-76, 2004-05-21
被引用文献数
2

垂直方向の管制感覚を従来の2,000ftから1,000ftに短縮する新たな管制方式RVSM(Reduced Vertical Separation Minima)の導入により、空域容量の増加、航空機の燃料節約や遅延防止が期待される。その一方、RVSM適合機の中にRVSM非適合機が混入した場合には、航空管制への負荷が増加すると考えられる。本論文ではRVSM空域はRVSM非適合機に対して排他的でないと仮定し、交通量の多い新潟上空の定点GTCにおけるコンフリクトに注目して、RVSMが導入された場合におけるRVSM適合機の割合とコンフリクト数の関係を検討した。その結果、定点における通過機の高度分布からRVSM導入後のコンフリクト数を現状よりも減少させるRVSM適合機の割合の〓値を計算する方法を得た。GTCにおける日平均のコンフリクト数をRVSM導入後に現状よりも減少させるRVSM適合機の割合は67%以上であった。