著者
木村 茂光 小山 順子 野網 摩利子 丸島 和洋 青山 英正 寺島 恒世 恋田 知子 畑中 千晶 山下 則子
出版者
人間文化研究機構国文学研究資料館
雑誌
国文研ニューズ = NIJL News (ISSN:18831931)
巻号頁・発行日
no.39, pp.1-16, 2015-05-08

●メッセージ「唐物」研究の豊かな進展のために●研究ノート後土御門天皇禁裏文芸と女性日中の古文辞学と漱石高野山子院の東国への教線拡大と檀那場争い「リンボウ先生の書誌学講座」受業記●トピックス平成26年度日本古典籍講習会平成27年度アーカイブズカレッジ(史料管理学研修会通算第61回)の開催「山鹿文庫」受贈に関わる表彰式について通常展示「書物で見る日本古典文学史」国際連携研究「日本文学のフォルム」第2回国際シンポジウム「男たちの性愛―春本と春画と―」総合研究大学院大学日本文学研究専攻の近況
著者
姜 暻來
出版者
日本比較法研究所
雑誌
比較法雑誌 (ISSN:00104116)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.75-102, 2012-09-30

近年、韓国では、児童を対象とする凶悪な性暴力犯罪に対処するため、2000年に性犯罪者の身上公開制度(インターネットでの性犯罪者の個人情報の公開及び閲覧制度)、2005年に電子監視制度(性犯罪者へのGPS機能を搭載した電子足輪の装着)、さらに、2008年には、性的倒錯(小児性的嗜好及び加虐性愛)等の性的性癖がある者を治療監護対象者とする新たな対策を次々と導入してきた。しかし、その後にも児童を対象する凶悪な性暴力犯罪が発生したため、化学的去勢(chemical castration)を主な内容とする「性暴力犯罪者の性衝動薬物治療に関する法律」を2010年に制定し、2011年7月から施行している。これは、性犯罪者に対する薬物治療を通して性衝動を抑制することで、再犯を防止することを内容とする制裁手段の一つであるが、身体に直接影響を与えるために人権侵害等の問題等が指摘されている。そこで本稿では、化学的去勢の意義と効果、「性暴力犯罪者の性衝動薬物治療に関する法律」の概要等に対して分析を加え、韓国の化学的去勢に関して論議されている問題点について論じることにした。
著者
樋口 雄彦
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.125, pp.119-156, 2006-03-25

大原幽学は、全国を流浪した後、下総国香取郡長部村(千葉県干潟町)に居を定め、産業組合組織による耕地整理・農業技術改良・農作業の計画化・消費物資の共同購入といった方法で、天保期の荒廃した農村を建て直そうとした人物である。利己心を制し勤勉につとめ禁欲的に生活すべしというその主張は、道徳と経済とを統一した実践哲学であり、多くの農民が門人となり教えを奉じた。幽学の思想は、性理学(性学)と呼ばれたが、村を越え広範に広まったその教えは、やがて幕府の嫌疑を受けることとなり、安政五年(一八五八)、幽学は自害する。明治維新をはさみ、性理学は二代目・三代目の教主に引き継がれていった。門人には、大多数を占める下総農民に混ざって、江戸の幕臣、東京・静岡の旧幕臣が加わった。幽学を恩人と慕い、幕府による弾圧の際も支援を惜しまなかった御家人高松家の存在が端緒といえるが、幽学没後同家が性理学から離れていったのに対し、別の幕臣たちの間で性理学が受容されることになった。特に明治十年代、東京在住の旧幕臣男女の間で急速に普及する。彼らの生活ぶりは、丁髷を切らず、肉食はせず、馬車・鉄道には乗らずといった、文明開化の世相に反するものであり、周囲からは隔絶した一種異様なコロニーを形成したようである。反文明・反西洋の態度を取った明治の旧幕臣性理学徒であるが、そのグループの中には、幕末維新期に横浜語学所・沼津兵学校・静岡学問所といった先端的な洋学機関で学び教えた経歴を持つ人物がいた。洋学から性理学へという転向は、彼のいかなる経歴の中に位置づけられるのか。本稿では、主としてその伊藤隼という人物に関する史料を紹介することを通じて、明治の旧幕臣が残した思想遍歴の跡をたどってみたい。
著者
樋口 裕二
雑誌
常民文化
巻号頁・発行日
no.28, pp.43-69, 2005-03
著者
吉田 孝夫
出版者
大谷学会
雑誌
大谷学報 = THE OTANI GAKUHO (ISSN:02876027)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3-4, pp.29-51, 2005-06
著者
井上 清子 吉田 敦子
出版者
文教大学
雑誌
教育学部紀要 = Annual Report of The Faculty of Education (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.19-26, 2008-12-01

本研究では,ソーシャル・スキルという観点からの児童理解や指導のための一助とするために,児童のソーシャル・スキルの性差を中心とした発達について明らかにすることを目的とした.公立小学校2 校の小学2 年生から6 年生を対象として質問紙調査を行い,706 名(男子350 名,女子356 名)を分析対象とした.その結果,配慮のスキル・関わりのスキルとも,有意に女子の方が高かった.配慮のスキルについては,小学2 年生の時点ですでに女子の方が高く,その後も女子の方が高いスキルを持ち続けていることが示唆された.関わりのスキルについては,配慮のスキルほど,はっきりした性差はみられなかった.男子では,配慮のスキル・関わりのスキルとも,学年群があがることによる有意な変化は見られなかった.女子では,学年群があがるに従って,配慮のスキル・関わりのスキルとも下がる傾向があり,特に高学年では,低・中学年に比べて有意に低かった.
著者
中川 晋一 八尾 武憲
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.633-640, 2009-07-15

私(中川)が2008年の10月13日に心筋梗塞を発症して4月で6カ月が経過した.幸運にも心臓カテーテルで処置のできる医療機関がいくつもある東京都の市部で,休日の午後8時前後という最も人的リソースのある時間帯で発症したため,難を逃れることができた.錆びついてはいるが10年ほど前まで,医師として救命救急の最前線での業務をこなしていたこともあり,知識のまったくない一般人ではなかったこともリテラシーとして役立った.しかし,意識下で情報通信の研究者として経験したことは,インターネットを用いた遠隔医療に関する技術開発1),2)を行ってきた者として,最近若干感じていたネットワーク技術や今回のライフログなどの関連技術が,いかに「研究者寄り」のものであり,急激に発症した一患者の生命を救うためには無力なものであるかを実感させた.今回のライフログ特集に寄せて,患者経験のある医師免許を持つ情報処理研究者として感じた経験を述べ,ライフログの実用化について検討したい.
著者
平井 靖史
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.33, 2018-07-01
著者
及川 大志 池田 心
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.175-182, 2018-11-09

近年ゲームAIの研究は対戦相手として強いAIのみならず,ゲームそのものを楽しくするために様々な役割を担うようになってきている.テトリスは落下型パズルゲームとして長年数多くのプレイヤから愛されているゲームであるが,近年,T-spinと呼ばれている技術の登場により戦略の幅が大きく広がった.一方でこの技術は初心者にとって難解であり,また練習するための環境が十分整っていない.そこで本研究ではこのT-spinを学ぶ上で補助となる「詰めテトリス問題」を自動で生成する手法,さらにその面白さと難しさを教師あり学習で推定する手法を提案した.現時点では1手詰めのみを扱っているが,その面白さ・難しさを5段階評価の0.4ポイント程度の誤差で推測することに成功した.