著者
小山 耕平 福森 香代子 八木 光晴 森 茂太
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.91-101, 2013-03-30
被引用文献数
4

スケーリング関係とは、生物の体または器官のサイズと、それらのサイズに伴って変化する構造や機能との関係のことである。スケーリング関係は「べき乗則」で表されることが多い。本稿では、動植物の体サイズと表面積および代謝速度(個体呼吸速度または個体光合成速度)のべき乗則で表されるスケーリング関係について述べる。とくに、動物や植物の個体呼吸が個体重の3/4乗に比例するという「クライバーの法則」を中心に解説する。次に、これらのスケーリング関係を定量的に説明するための基本となる考え方として、相対成長(アロメトリー)、相似則およびフラクタル成長の3点について述べる。最後に、フラクタル成長に基づいたモデルの先駆例として代謝スケーリング理論(WBE理論)を解説し、スケーリング研究の今後の展望を述べる。
著者
Singh Raghbir
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.18-21, 1970

パンジャブ人は地中海人種型を示す北インドの重要な集団の一つであるが,その内婚的カースト Khatri に属する11歳から18歳までの男児400名について手長および手幅の年齢変化が調べられた.<br>各年齢階級の手長(第1表,第1図)および手幅(第2表,第2図)の平均値,標準偏差,年間成長率から,両計測値とも12歳と13歳との間に最大増加が認められた.増加は16歳を過ぎると小さくなり,17歳で成長の停止を示した.手長の標準偏差は13歳において最大であったが,これは個体間の成長の遅速の現われによると思われる.<br>また手長,手幅,身長の間の相関係数(第3表)は,どの組合せについても各年齢階級とも有意の正相関があることを示した.
著者
辻 琢己 吉田 侑矢 河野 武幸
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.121-131, 2013-06-25 (Released:2015-07-06)
参考文献数
13
被引用文献数
3

背景 : 薬剤師養成を目的とした6年制薬学部の多くでフィジカルアセスメント実習が行われている.方法 : 薬剤師の職能創成や学びのモチベーションの向上に対する本実習の有用性を明らかとするため,実習前後で生じた学生の意識変化をアンケート形式で調査し,自由記述内容をテキストマイニングで解析した.結果 : フィジカルアセスメントに関する技能を持たない学生に本実習を実施した結果,本実習で修得した知識や技能が薬剤師に必要であると考える学生が有意に増加し,学びのモチベーションも向上した.考察 : 本実習は,積極的に薬物治療に貢献することの重要性を認識させるだけでなく,学びのモチベーションの向上にも繋がると考えられた.
著者
高津 勝
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会号
巻号頁・発行日
no.54, 2003-08-26

このシンポジウムの主題は、従来、「古式泳法」とか「流派泳法」と称せられ、現在は「日本泳法」と総称されている伝統的な泳法の近代史をふりかえり、あわせて、オリンピック大会を契機にしてグローバルな展開を遂げた欧米起源の「競泳」との歴史的な関係を問うことにより、水泳文化に関する私たちの歴史認識を深めることにある。「文化伝播」論や「近代化」論とは異なる、「伝統」と「近代」の多様かつ重層的な歴史把握に向けて、活発な討論が行われることを期待する。

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出版者
巻号頁・発行日
vol.第350-351,
著者
長田 健一
出版者
全国社会科教育学会
雑誌
社会科研究 (ISSN:0289856X)
巻号頁・発行日
no.80, pp.81-92, 2014-03-31

本研究は,わが国で提起された主な論争問題学習論に対し,それらの課題を乗り越える方途を「熟議」による論争問題学習が示していること,また,両者の間に授業構成原理上どのような「転回」が認められるのかを明らかにすることを目的とする。近年の社会学や政治学の有力な諸理論が示すように,「不確実性」を特徴とする現代社会では,個人の合理的意思決定や普遍的観点からの判断は困難となっている。それゆえ,合理性や普遍性に依拠した個人の意思決定に主眼を置く論争問題学習論は,現代社会における決定の論理として限界があった。一方,集団での意思決定を企図する論争問題学習論は,私的利益・価値を反映した個人の意思決定を所与の起点としていたため,対立する利益・価値の社会的調整に方法上限界があった。では,人々が「不確実」な現代社会において対立する諸利益・諸価値の間に社会的秩序を形成していけるようになるには,どのような原理によって論争問題学習を構成したら良いのか。この問いに答えるため本研究は,熟議民主主義理論に基づく論争問題学習である"National Issues Forums"の授業構成を分析し,その原理を考察した。それによって明らかとなったのは,個人の意思決定を所与とするのでなく,「共通善」の創出に向け,「理由」の妥当性吟味や「紛争の次元」に関する合意/不合意の形成を通じて,各人の選好が変容するように議論(授業)を構成するという原理であった。ここから,「意思決定の基盤の転回」「集合的意思決定の過程の転回」「合意の次元の転回」の三つが論争問題学習の「熟議的転回」として導き出された。
著者
石田 雅樹
雑誌
宮城教育大学紀要
巻号頁・発行日
vol.47, pp.27-36, 2012

本稿はハンナ・アーレントの政治理論をシティズンシップ教育論の視点から検証したものである。アーレントが能動的市民の政治参加を強調しながらも、シティズンシップ教育の可能性に至らなかったのはなぜなのか。この疑問に対して、本稿はアーレントとバーナード・クリックの政治理論とを比較し考察を行った。アーレントもクリックもともに能動的市民の政治的意義を認めながらも、前者はシティズンシップ教育に消極的であるのに対して、後者はそれを強く推進した。本稿は、この両者の相違が「政治」と「市民」の認識の隔たりに由来することを論証した上で、両者の隔たりの中にシティズンシップ教育のジレンマがあることを明らかにした。
著者
帝国農会 編
出版者
帝国農会
巻号頁・発行日
1940
著者
田鹿 慎二 島内 卓
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100201-48100201, 2013

【目的】体幹の動的安定性を保つ為には、運動の方向や外的な荷重に対処する表層筋と、個々の脊椎間の安定性に関与する深層筋が、適切なタイミングおよび適切な活動量で機能しなければならない。Kaderらは腰痛患者の80%に多裂筋の萎縮があることをMRIにて報告し、多裂筋の機能不全と腰痛には有意な相関があることを報告している。そこで今回、慢性腰痛症患者が外的な荷重に対処した際の多裂筋及び脊柱起立筋の筋活動量と反応開始時間を表面筋電図を用いて検証した。【方法】現在著名な神経症状を有さず、3ヶ月以上腰痛が継続している慢性腰痛症患者10名(男性10名、平均年齢36.8±9.2歳)と腰痛を有さない健常群12名(男性11名女性1名、平均年齢26.7±2.2歳)を対象とした。尚、事前に研究の目的と方法を説明し同意を得た上で測定を実施した。測定肢位は被験者を安楽な立位姿勢に保たせ、次に肩関節屈曲30°、外転0°、肘関節屈曲70°位にて前腕を90°回外させた状態と定めた。被験筋は多裂筋(L5/S1棘突起外側)および脊柱起立筋(L1棘突起外側)とした。また、荷重負荷の瞬間がデータ上に記録されるように圧力センサー(FRS402)を被験者の両手掌面の第2中手骨頭部に固定した。その後重さ3Kgのメディシンボールを被験者の手掌より45cm高位より落下させ、両手にて捕球した際の多裂筋、脊柱起立筋の活動量と反応開始時間を計測した。尚圧力センサーからのアナログ信号をサンプリング周波数1KHzにてパーソナルコンピューターに取り込み解析を行った。計測は5回行い、その平均値を代表値として算出し測定には表面筋電図(Megawin バイオモニターME6000)を用いて動作により得られたデータを全波整流した後、正規化(100%MVC)し各筋のピークトルク値を求めた。また反応開始時間については、圧力センサーが反応した時点を基準の0秒とし、安静立位時における基線の最大振幅±2SDを超えた時点を反応開始時間として算出し比較検討を行った。統計処理には対応のないt検定を用い、有意水準は5%未満とした。【結果】メディシンボールを捕球した直後の脊柱起立筋の筋活動は腰痛群85.6%に対し健常群68.1%と腰痛群が有意に高い値を示し(p<0.05)多裂筋の筋活動は腰痛群49.4%に対し健常群50.3%と有意差は認められなかった。外的荷重に対する多裂筋の反応開始時間に関しては、腰痛群がボールを捕球し圧力センサーが反応する0.19秒前に先行して活動するのに対し、健常群は0.14秒前に先行して活動する結果となり、2群間に有意差は認められなかった。【考察】慢性腰痛症患者に外乱負荷や外的荷重が生じた際の多裂筋及び脊柱起立筋の筋活動量と反応開始時間を表面筋電図を用い客観的に評価し、機能不全の原因を明確にする目的で今回の研究を行った。しかし多裂筋において、負荷発生時の反応開始時間の差は両群間で認められず、Newmanらの慢性腰痛症患者は多裂筋の萎縮により、活動開始時間が遅延し機能不全が生じるとする報告とは異なる結果となった。一方で慢性腰痛症患者の脊柱起立筋の活動量が健常群よりも高いことが確認された。この結果について、両群間において多裂筋のピークトルク値に有意差は認められないものの、慢性腰痛症患者の多裂筋にはMRIにて筋萎縮が認められるとした報告から、外的荷重が発生した際に生じる体幹の前方モーメントに抗する多裂筋の収縮力では腰部の安定化が不十分となり、代償として脊柱起立筋の筋活動が過剰になったと推測した。今回の結果から腰痛が慢性化する背景には、筋バランスの不均整による脊柱起立筋の慢性的な疲労の蓄積が強く関与していることが考えられる。
著者
長田 祐記
出版者
医学書院
雑誌
病院 (ISSN:03852377)
巻号頁・発行日
vol.74, no.8, pp.546-547, 2015-08-01

調査概要 厚生労働省が主体となって行っている「人口動態調査」は,その名の通り日本国内における人口変動の実態を把握するための調査です.動態を扱うという意味で,静態データを扱う国勢調査と位置づけが異なります. 人口動態調査票には出生票,死亡票,死産票,婚姻票,ならびに離婚票の5種があり,市区町村がそれぞれの届出に基づき作成します.これらを保健所が取りまとめ,都道府県を介して,厚生労働省に送付するという流れでデータが集約されていきます.

1 0 0 0 OA 労働衛生

著者
石原修 著
出版者
金原商店
巻号頁・発行日
1926
著者
大木 新造 松村 敏
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

近年ようやく国内における近代都市比較研究が行なわれるようになったが, その成果はとぼしい. よって本研究は, 近代都市比較研究の基盤整備を目的として, 東京・大阪・京都の三都比較に関する文献の収集と検討を行なった. 本年度研究の実施計画:近代都市研究及び都市に関する新聞記事・雑誌記事を中心に渉猟し, 三都に関するものを収集し, その内容にしたがって分類した.本年度研究の内容:収集した文献は, 東京・大阪・京都の三都を比較したものを中心に, 東京・大阪・京都, 京都・東京の二都を比較したものにおよび, 全部で約350件に及んだ. これらについて分類し, 内容の分析を行なった. それによれば, 近代に入ってからの三都比較は, 大正期前・中半にピークを迎え, 以後, 京都が比較の対象となることは少なくなり, もっぱら東京・大阪の二都比較が行なわれることとなる. 近世においては, 江戸・京都の二都比較が中心で, それも京都に対する江戸からの批判がもっぱらであったが, 近代, それも大正期をすぎたあたりから, 大阪から東京への批判が多くなる. 戦後は, 東京に対する批判は次第に高まる傾向をみせ, 高度成長期をすぎたころには, 東京を「敵視」するものまで登場するようになっている. この背景には, 近世, 近代, 現代(戦後)へと三都の, 国内での位置・関係の変化があったことを指摘できる. つまり, 近世における江戸の成長, 戦後における東京の突出という現象が, それを端的に示していよう.また, 三都の比較は, 政治, 経済, 風俗, 生活等の各分野におよび, 日本分化・社会の多様性を示すものとなっている.本年度の研究は新聞・雑誌・週刊誌の記事までも視野に入れ, 厳密な意味で比較とは言えないものまで広く収集した.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1927年10月04日, 1927-10-04