著者
Hideki Itoh Kotaro Oyama Madoka Suzuki Shin’ichi Ishiwata
出版者
日本生物物理学会
雑誌
BIOPHYSICS (ISSN:13492942)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.109-119, 2014 (Released:2014-12-17)
参考文献数
41
被引用文献数
5 18

Temperature-sensitive Ca2+ dynamics occur primarily through transient receptor potential channels, but also by means of Ca2+ channels and pumps on the endoplasmic reticulum membrane. As such, cytoplasmic Ca2+ concentration ([Ca2+]cyt) is re-equilibrated by changes in ambient temperature. The present study investigated the effects of heat pulses (heating duration: 2 s or 150 s) on [Ca2+]cyt in single WI-38 fibroblasts, which are considered as normal cells. We found that Ca2+ burst occurred immediately after short (2 s) heat pulse, which is similar to our previous report on HeLa cells, but with less thermosensitivity. The heat pulses originated from a focused 1455-nm infrared laser light were applied in the vicinity of cells under the optical microscope. Ca2+ bursts induced by the heat pulse were suppressed by treating cells with inhibitors for sarco/endoplasmic reticulum Ca2+ ATPase (SERCA) or inositol trisphosphate receptor (IP3R). Long (150 s) heat pulses also induced Ca2+ bursts after the onset of heating and immediately after re-cooling. Cells were more thermosensitive at physiological (37°C) than at room (25°C) temperature; however, at 37°C, cells were responsive at a higher temperature (ambient temperature+heat pulse). These results strongly suggest that the heat pulse-induced Ca2+ burst is caused by a transient imbalance in Ca2+ flow between SERCA and IP3R, and offer a potential new method for thermally controlling Ca2+-regulated cellular functions.
著者
西尾 文彦
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学環境リモートセンシング研究センター年報
巻号頁・発行日
vol.7, 2002-06

(1)地球の将来に、一体何が起こるのであろうか? われわれが危惧する地球環境の未来への透視図として極域における水に刻まれた地球の気候の歴史がある。例えば、今から1万年前から現在に至るまで、私たちの地球の歴史において気候はたいへん安定した時代である。この期間は、文明は栄え、過去10万年前のどの類似した時間的長さよりも、平穏でより安定した気候によって特微づけられている。グリーンランドの氷床上の幾つかの場所で掘削されたコアは、急に訪れる寒さや、暖気の一続きの期間の連続を示し、それぞれ1000年かそれ以上続き10年の経過を越えて、摂氏10℃も北ヨーロッパにおいて冬の平均気温が上昇したり低下したりしている。このような、突然の変化のサインは、大気の不純物の記録やメタン含有量、年層の氷板に保存された降雨(雪)量によって、読み取ることができる。(2)温暖化の影響による雪水圏(海氷・氷河・本床)の変動温室効果ガス増大で起きていると懸念される、地球の温暖化による雪水圏の変動のモニタリングを継続して行っていくためには、衛星による観測は最も重要な手法である。可視からマイクロ波までの多重センサーを利用し、多くの雪水の情報を得ていくことができる。(3)南極大陸氷床下の湖に微生物が存在するのか。4千メートルの氷の下に湖が存在するという。百万年以上前の微生物が凍結保存されている。(4)南極からの贈り物。極域科学は地球科学の中でも宇宙科学、海域科学のようにフロンティアの要素を多く持ち、宝物が多くあり面白い分野である。
著者
渡邉 洋一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第25回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.279, 2014 (Released:2014-12-16)

平成24年度環境省の一般廃棄物統計では、全国で3,399万トンが焼却処理されている。焼却施設数は1,188、そのうち634施設がごみ処理量100トン/日未満施設であり、中小規模のため発電によるエネルギー回収が難しく、新たなエネルギー回収方策が模索されている。 他方、ボイラー燃料をめぐる状況は大きく変化し、資源エネルギー庁の調べでは、この20年間でC重油の価格は4倍以上上昇した。そこで、ごみ処理量100トン/日未満焼却施設のごみおよび廃棄物系バイオマスをRDF(一般廃棄物等を原料としたごみ固形燃料)にして重油代替燃料として熱利用すれば、燃料コスト削減に加えて地球温暖化対策に資することとなる。本報告では、RDF等廃棄物系バイオマスの熱利用の方策について検討する。

1 0 0 0 OA 基督教年鑑

著者
キリスト新聞社 編
出版者
キリスト新聞社
巻号頁・発行日
vol.昭和23年版, 1948

1 0 0 0 OA 基督教年鑑

著者
日本基督教聯盟年鑑部 編
出版者
日本基督教聯盟年鑑部
巻号頁・発行日
vol.昭和16年版, 1941
著者
日本基督教団出版局 編
出版者
日本基督教団出版局
巻号頁・発行日
vol.昭和18年版, 1943
著者
金 度源 大窪 健之 荒川 昭治
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_115-I_123, 2013 (Released:2014-12-15)
参考文献数
23

日本の近代化を支えた伝統的な利水技術として代表される用水,疏水,水道といった水利環境は,国の重要な近代化遺産として保全される一方,その機能が失われることも少なくない.本研究では,既存の歴史的な水利環境を再生することで,歴史の保全と防災水利の確保を目指す.ケーススタディとして,明治期に造られ現在は老朽化や漏水などが原因となり配水が止められている「本願寺水道」を対象とした.本願寺水道の再生に向けた技術的な検討を基に,各対象地区の消防システムの運用に必要とされる水量と比較することにより,消防水利としての活用可能性を明らかとした.このケーススタディの結果をもとに,歴史的な水利環境の再生と活用を検討するためのプロセスについて整理を行った.
著者
桑原 和宏 Victor Rlesser
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.32, no.10, pp.1269-1280, 1991-10-15
被引用文献数
8

分散ネットワークにおいて複数のエージェントが資源の割当を協調して行うマルチステージネゴシエーションにおけるグローバルなゴール間の競合の検出手法を提案するマルチステージネゴシエーションではどのエージェントも完全なグローバルな情報を持たず 各エージェントは自分の所における局所的な資源の割当を他のエージェントに通信し お互いにその影響を交換しあうことによって全体として整合のとれた資源の割当を行うこの時 局所的な影響をどのように表現し通信したらよいかが問題となる特に資源の割当の制約が強すぎてすべてのグローバルゴールを満たすことができない場合がでてくるため エージェント間で交換する情報に基づいてグローパルゴール間の競合関係が正しく検出できるようにする必要があるここではマルチステージネゴシエーションの扱う問題の定式化を与えるそこではグローバルゴールはいくつかのグローパルプランを持ち そのうちの一つを実行することによりそのグローバルゴールは満足される各エージェント内での資源割当における選択を基にしてグローバルプランを表現し それに基づいて各エージェント内での競合情報を表現し エージェント間で交換することによって グローバルゴール間の競合を正しく認識できるようにしたさらにその競合情報はグローバルゴールを満足させる解の探索にも有効である
著者
日本外政協会 編
出版者
日本外政協会
巻号頁・発行日
vol.1940年, 1942
著者
河村 俊行 滝沢 隆俊 大島 慶一郎 牛尾 収輝 Toshiyuki Kawamura Takatoshi Takizawa Kay. I. Ohshima Shuki Ushio
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.367-383, 1997-03

海氷の特性と成長過程を解明するための観測がリュツォ・ホルム湾の定着氷で1990年から1991年の2年間にわたって行われた。湾内の積雪深は沖合いの観測点で, 冬季に1.0から1.5mと非常に厚くなった。積雪深と氷厚の観測から, 多雪域の海氷は冬にはほとんど成長しないにもかかわらず, 夏には非常に厚くなることが確認された。海氷の構造・塩分・酸素同位体比の結果から, この海氷は通常の成長とは異なり, 海氷の表面で上方に成長していることが分かった。その上方成長は雪ごおりと上積氷の形成により起こっていると結論された。南極の海氷での上積氷の形成は以前に報告されていない。上積氷の生成条件である積雪の融解の証拠も得られた。この様な夏の上方成長は少雪域の海氷では見られなかった。従って, 積雪は海氷の成長過程と構造に多大な影響を及ぼす。この報告の前半で, 海氷の一般的な構造や南極域での海氷の特性が述べられている。Observations of multiyear land fast sea ice were made in Lutzow-Holm Bay, Antarctica over a period of two years from 1990 to 1991 to determine the snow and ice characteristics and ice growth prowth processes. The snow depth in the bay reached remarkably high values of 1.0 to 1.5m during the winter season at offshore stations. From analysis of ice thickness measurements, it is confirmed that fast ice with deep snow cover shows little growth during winter but substantially thickens during the summer months. On the basis of ice core structure, salinity and stable isotopic composition, it is concluded that the sea ice grows not downward as in ordinary growth but upward at the top of the sea ice. It is also concluded that the upward growth is caused by snow ice and superimposed ice formation. Superimposed ice formation on sea ice in Antarctica has not been reported previously. Evidence for snow cover melting, which is a prerequisite for superimposed ice formation, was also found. The summer upward growth was not found in sea ice with low snow accumulation. Snow cover, therefore, significantly affects the growth processes and structure of sea ice. General sea ice structure and characteristics of Antarctic sea ice are reviewed at the beginning of this report.
著者
板倉 昭二
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.552-563, 2007-07

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。研究会報告他者に心的状態を認めたり、その状態を推論したりすることをメンタライジングという。メンタライジングは、人が円滑な社会的生活を営む上で重要な能力となる。メンタライジングの萌芽は、乳児期初期の社会的知覚だと考えられる。すなわち、ヒトの持つ特有な刺激に対する選好に始まり、母子関係に代表される二項関係、さらに第三者もしくは対象物を含む三項関係の成立、そして他者の誤信念を理解する「心の理論」の成立へと続く。本稿では、メンタライジングの発達を、ヒトに対する志向性、ヒト以外のエージェントに対する目標志向性の付与や意図の付与、誤信念の帰属について、われわれがおこなってきた実証的な研究を概略する。
著者
山本 貴士 長谷川 亮 鹿島 勇治 鈴木 幹夫 横田 大樹 吉田 幸弘 上東 浩 前原 裕治 木名瀬 敦 貴田 晶子
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第25回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.547, 2014 (Released:2014-12-16)

2011年3月の原発事故により,下水汚泥や焼却灰から放射性物質が高い濃度で検出される事例が東日本各地で多数報告され,原発事故由来の放射性物質に汚染された廃棄物の処理基準が定められたが,これまで廃棄物分野に特化した放射能濃度等の調査・測定法は存在しなかった。よって同年末に廃棄物等の放射能調査・測定法研究会から「廃棄物等の放射能調査・測定法暫定マニュアル」が発行された。その後,廃棄物関連分野での放射線・放射能の調査・測定に関しても事例や知見の集約が進んだことから,廃棄物資源循環学会内に設置された「廃棄物関連試料の放射能分析検討会」において改訂を行い、マニュアル(第2版)として公開した。今回は,この改訂されたマニュアルについて,改訂の経過と主な改訂点について紹介する。