著者
本元 小百合 菅村 玄二
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第14回大会
巻号頁・発行日
pp.5, 2016 (Released:2016-10-17)

肉は男性性と関連があるとされ,肉を見ると女性は男性の顔を高く評価することが分かっている。本研究では,肉を見ると同性の顔を魅力的だと知覚しやすくなるかどうかを検証した。参加者73名(男性32名,女性41名)がランダムに肉群,野菜群に分けられ,(a)何もしない場合,(b)肉もしくは野菜を見た後,(c)肉もしくは野菜を食べた後で他者の顔の魅力度を評定した。その結果,男性は肉もしくは野菜を見た後(p=.017,r=.50)と食べた後(p=.049,r=.41)で,肉群の方が野菜群に比べて,男性の顔の魅力を高く評価した。女性では,肉と野菜の両方を見たときに,女性の顔の魅力を最も高く評価した(ps<.026,.54<r<.81)。結果から,男性は肉を見たり食べたりすることで興奮し,それが同性の顔の魅力に帰属されたと考えられる。一方,女性は食物を見ることで獲得欲求が喚起され,同性の顔を好ましいと評価したと解釈される。
著者
魚崎 祐子 伊藤 秀子 野嶋 栄一郎
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.349-359, 2003
参考文献数
14
被引用文献数
20

テキストを読みながら学習者が自発的に下線をひく行為が文章理解に及ぼす影響について,文章の難易度と読解時間という2要因に着目し,テキストに予めつけておいた下線強調との比較という点から実験的に検討した.自分で下線をひくことのできるアンダーライン群,キーワードなどを下線で強調したテキストを与えられるプロンプト群,統制群の3群に被験者を分け,テキスト読解の後に自由記述形式の再生テストを行った.その結果,テキストの下線強調は文章の難易度や読解時間の長さに関わらず,強調部分の再生を高める効果を持つことが示された.一方,学習者の下線ひき行為が有効であるのは,難解なテキストの読解において十分な読解時間を与えられた時に限定された.また,テキストにつけられた下線,自分でひいた下線ともに下線部以外の再生は促進しないということ,下線の有無に関わらずテキスト中の重要な概念ほど再生されやすいということも明らかになった.
著者
村上 正祥
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.592-597, 2004 (Released:2013-02-19)
参考文献数
8
著者
大瀧 圭之介
出版者
札幌博物學會
雑誌
札幌博物学会会報
巻号頁・発行日
vol.2, pp.79-84, 1908-08-05
著者
湯淺 墾道
出版者
総務省情報通信政策研究所
雑誌
情報通信政策研究 (ISSN:24336254)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.73-90, 2018-12-28 (Released:2019-04-03)

個人情報やプライバシーのような個人の権利利益、企業の知的財産や営業秘密その他の経済的利益に係わる情報、地方公共団体や政府等の一般に情報公開することができない情報、安全保障や外交に関係する秘密情報その他、一般にサイバー攻撃によって窃取の対象となるとされる情報は、不正アクセス禁止法、個人情報保護法、プライバシー保護法制、営業秘密に関する法律その他によって保護されている。しかし民主主義の基礎となっている理念、原理、制度の存立がサイバー攻撃やサイバー空間の悪意をもった利活用によって脅かされる恐れがあり、それにどのように法的対処することが可能であるかという点の議論は、活発とは言い難い。さらに、人工知能(AI)に関する各種技術の急速な実用化によって、人工知能がインターネットを介して民主主義を支える各種の制度に「介入」する危険性も、現実化している。そこで本稿では、特に民主主義を支える選挙に焦点を当て、選挙へのサイバー攻撃とサイバー空間の悪意をもった利活用の段階について先行研究の紹介と段階の整理を行う。次に、政府がどのように対応するべきかについて、アメリカとEUの例を参照する。アメリカ政府は、外交的対抗、経済的対抗、技術的対抗という3つの対抗手段を講じている。もっとも、外交官追放等の外交的手段や口座凍結等による制裁では不十分であるとして、プロ・アクティブ、アクティブ・サイバー・ディフェンスのような積極的な技術的対抗手段の実行を主張する議論も存在する。また国土安全保障省は、選挙インフラを重要インフラの一つとして指定した。EUは、選挙へのサイバー攻撃が2016年アメリカ大統領選挙において顕在化した後、選挙をサイバーセキュリティの重要な政策領域として位置づけるようになった。フェイクニュース対策は、デジタル単一市場創設という政策領域の一分野として位置づけられ、SNSを利用した世論誘導については表現の自由という基本的人権の侵害であると捉えられている。2018年1月にはフェイクニュース及び虚偽情報流布に関する有識者会合が設置され、4月に公表された最終報告書では「多元的な対応」が提案された。EUは特に世論を誘導する情報を媒介するプラットフォーマーに焦点を当てており、2018年7月までに共通の行動規範を策定して遵守することを求めた。これらを参照して、日本において理念・原理・制度を守るためのサイバーセキュリティ法制のあり方とその限界についての検討を試みることにしたい。

5 0 0 0 動物学雑誌

著者
東京動物學會
出版者
東京動物學會
巻号頁・発行日
1888
著者
榎本 香織
出版者
University of Tokyo(東京大学)
巻号頁・発行日
2015

審査委員会委員 : (主査)東京大学准教授 西村 明, 東京大学准教授 藤原 聖子, 上智大学教授 島薗 進, 國學院大学教授 石井 研士, 國學院大学准教授 黒﨑 浩行
著者
藪 司郎
出版者
大阪外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

当該言語の語彙比較の結果,次のようなことが明らかになった。1)マル=ラシ=アツィ諸語(MLA)の語彙のなかで,(1)チベット=ビルマ祖語(PTB)の祖形に遡りうる語(例:頭,目,鼻),(2)ビルマ語(B)との同源語(例:雨,畑,匂),(3)ロロ語系言語との同源語(例:言葉,塩辛い,ズボン),(4)ビルマ語,ロロ語系言語のいずれにも同源語が見いだせない語(語:太陽,道,人)がある.〔Matisoffによれば,「人」はLahu語の動物の「牡」を表す接尾辞に関連するという.〕2)ビルマ語系言語の数詞(1-10)は,「2」と「4」を除いて,TBの祖形にきれいに対応している。やや来源の違う形式も借用と断定することは避けたい。数詞が借用されるときは,一般に,シリーズとして借用されると考えられるからである。なお,「2」のM.sit,A.?iはカレン語のkhi(スゴー・カレン語)と同源であるかもしれない。L.?aw?はやや特異である.「4」のM.pyitも特異である。3)MLAはBとの同源語を多くもつものの,語彙構造において著しい違いを示す語彙がある(例:色彩名称,親族名称,存在・所有詞)。4)ビルマ語系言語の格助詞の具格(〜ニヨリ)・共格(〜トトモニ)・連格(〜ト〜)がひとつの形式によって表わされる(M.,L.-yo, A.?e?, B.hnang^3>-ne)。5)語形成の特徴:B.NV型名詞(例:人+病んでいる→病人)はMLA.VN型名詞(例:病んでいる+人→病人)に対応する.しかし,一般的には,前者はむしろロロ語系言語優勢な特徴である。ヌ語(怒語,Nu)との比較研究は,残念ながら,期間内にできなかった。
著者
鉄道電化協会 編
出版者
鉄道電化協会
巻号頁・発行日
vol.13(3), no.130, 1959-03
著者
毛利 正守
出版者
皇学館大学
雑誌
皇学館大学紀要 (ISSN:03899551)
巻号頁・発行日
no.8, pp.11-34, 1970-03

5 0 0 0 OA ABC組合

著者
ユーゴー 著
出版者
内外出版協会
巻号頁・発行日
1902
著者
長沼 祥太郎
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.114-123, 2015 (Released:2015-06-30)
参考文献数
56
被引用文献数
5

About 20 years have passed since a “Decline in students’ positive attitude toward science” was first pointed out in the late 1980s. Various efforts, including the Support for Super Science High Schools (SSHs), Science Partnership Program (SPP), science events and symposia have been made over these two decades. However, as the results of international comparative surveys such as IEA’s TIMSS and OECD’s PISA show, there are still many students who are not interested in science. Much research has been carried out concerning the current conditions and causes of the “Decline in students’ attitude toward science” phenomenon. Papers present a variety of data and discourses, but few give a broader overview. Returning to the starting point of the phenomenon, this paper clarifies the features of the “decline in students’ positive attitude toward science” phenomenon, and whether it is a problem to be addressed and solved or not. In addition, its main causes are also reviewed. In conclusion, it is emphasized that this problem should be solved in terms of higher education and adults’ scientific literacy, and that more attention should be paid to non-formal learning by researchers in order to solve this problem.
著者
天白 陽介 守川 恵助 今岡 泰憲 武村 裕之 稲葉 匠吾 楠木 晴香 橋爪 裕 廣瀬 桃子 鈴木 優太 畑地 治
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.327-333, 2020-12-25 (Released:2020-12-25)
参考文献数
22

近年,サルコペニアと摂食嚥下機能障害の関連性について注目されており,骨格筋量の減少は摂食嚥下機能障害の要因となると報告されている.本研究は骨格筋量の指標である骨格筋量指数(以下 SMI)が高齢肺炎症例の退院時普通食経口摂取可否を予測する因子となるかを検討することとした.対象は肺炎の診断名で当院に入院した101名(84.3±9.5歳 男性/女性:63/38)とした.普通食経口摂取の基準は退院時Functional-oral-intake-scale(以下 FOIS)6以上とした.評価項目は言語聴覚士介入時に合わせて評価した.対象を退院時FOISの値で2群に分類し,検討した.群間比較の結果では体重,Body mass index,Mini-Mental State Examination,除脂肪量,SMIにおいてFOIS6以上群が有意に高い結果であった.ロジスティック回帰分析ではSMIが独立した因子として抽出された. Receiver Operatorating Characterristic curveでは男性 5.8 kg/m2,女性 4.3 kg/m2がカットオフ値として算出された.SMIは高齢肺炎症例の退院時普通食経口摂取可否を予測する因子である可能性が示唆された.
著者
板垣 勝彦
出版者
公益社団法人 日本不動産学会
雑誌
日本不動産学会誌 (ISSN:09113576)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.9-16, 2017
被引用文献数
2

In order to solve a Problem of "Owner-Unknown Land", Local Government should decide priorities of the tasks. From perspective of medium- and long- term, Land Survey and foundation of Land Bank are beneficial. In contrast, eliminating the factors of external diseconomy is an urgent issue.