著者
上田 弘則 堂山 宗一郎 石川 圭介 江口 祐輔
出版者
Association of Wildlife and Human Society
雑誌
野生生物と社会 (ISSN:24240877)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.33-41, 2020 (Released:2021-01-04)
参考文献数
27

In Japan, sika deer (Cervus nippon) cause serious agricultural damage. To reduce the damage, it is important to use fencing and to capture the deer causing the damage. Box traps are recommended for capturing deer around farms. However, there is little information about where to position the trip line to capture adult deer with a box trap. We determined the optimal position of the trip line where there was a high probability that a deer would be in contact with it. Three reared adult female deer were used to determine this, along with a mobile cage and polyester yarn as the box trap and the trip line, respectively. The height of the trip line was randomly changed between 20 cm to 90 cm at 10 cm intervals, while the distance of the trip line from the bait was positioned between 20 cm to 50 cm at 10 cm intervals. We investigated whether deer made contact with the trip line at each position. The relationships between trip line position and deer contact were analyzed using generalized linear mixed models. We found that trip line height significantly affected the deer contact. In contrast, the distance between the bait and the trip line did not affect the deer contact. The contact probabilities estimated by the best fitting model were high at trip line heights from 40 cm to 60 cm. In these positions, the deer contacted the trip line with their heads, necks, thoraxes, and backs.
著者
杜 林 田邊 浩 Du Lin Tanabe Hiroshi
出版者
金沢大学人間社会研究域人間科学系
雑誌
金沢大学人間科学系研究紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Sciences Kanazawa University (ISSN:18835368)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.45-65, 2018-03-31

障害者権利条約が国連において採択されて以来,障害者に対する差別の解消と障害者の権利擁護は着実に前進してきたが,そこに至るまでには,障害当事者の運動が大きな役割を果たしてきた.中国は障害者権利条約をいち早く批准したが,中国における障害当事者の活動はどのような役割を果たしたであろうか. 本論文では,中国における障害当事者の活動の展開を後づけ,障害者の権利を守るために,どのような成果を上げ,今後どのようなことが課題となるかについて検討した.最初に,障害者の運動がどのようなものであり,どのような意味を有しているのかについて述べ,イギリスとアメリカ,そして日本の障害者運動について確認した.つぎに,中国における障害者運動の展開過程を分析した.その際に,わたしたちが聞き取り調査を実施したワンプラスワンの活動に注目し,そこから中国の障害者がおかれてきた状況について考察した.それらの結果から,中国における障害者の運動がもたらした成果と今後の課題について検討した.最後に中国における障害当事者活動の特徴を指摘した.
著者
星野 有香 つんく♂
出版者
日経BP社 ; 2002-
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.11, no.9, pp.50-54, 2012-10

★ 私がお好み焼き屋さんに行きたいと思っていた時に、友達が「かりふわ堂っていう、つんく♂さんのお店があるよ」と教えてくれたので行ってみたんです。ツイッターで「おいしかったです」とツイートしたら、速攻で「さんきゅ」とお返事があって驚きました。♂ そうそう。毎度ありがとうございます(笑)。

5 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1936年06月02日, 1936-06-02
著者
海部 陽介 篠田 謙一 河野 礼子 米田 穣 後藤 明 小野 林太郎 野林 厚志 菅 浩伸 久保田 好美 國府方 吾郎 井原 泰雄
出版者
独立行政法人国立科学博物館
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、旧石器時代の琉球列島に現れた人々がどのように海を渡ってきたかについて、その理論的枠組みを定めるため、文理問わず多彩な分野の研究者が情報を共有して、総合的モデルをつくることを目指した。彼らは草・竹・木のいずれかを素材とした漕ぎ舟に乗り、男女を含む少なくとも10人程度の集団で、黒潮の流れる海を、漂流ではなく意図的に航海してきたと考えられる。このモデルを、現在進行中で連動して行なっている実験航海に反映して、当時の航海を再現してみれば、そのチャレンジがどれだけ困難なものであったのかが見えてくるであろう。
著者
堀田 美保
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.412-424, 2013 (Released:2014-05-21)
参考文献数
53
被引用文献数
3 3

本研究ではアサーティブネス・トレーニング(Assertiveness Training : AT)の効果研究における2つの混乱, (1)ATがアサーティブネス習得そのものに与える効果とアサーティブネスがもたらす波及的効果との混乱と, (2)アサーティブネスと攻撃的コミュニケーションとの混乱を取り上げた。AT実践の場で伝えられている諸概念の位置づけやスキル内容に依拠しつつ,これらを検討し, AT研究が取り組むべき課題を探ることを目的とした。第1に, アサーティブネスの定義が曖昧であるという指摘がある中, アサーティブネスとは「自己尊重」と「他者尊重」の両者を軸とするコミュニケーションとして明確に定義すべきであることを改めて提唱した。第2に, 「他者尊重」を欠く自己主張は攻撃的コミュニケーションであり, アサーティブなコミュニケーションとは排他的類型として明確に区別されるものであることを明らかにした。今後, 「自他尊重」を土台として, 攻撃型を含まない形でのアサーティブネスの測定が必要であり, その上でアサーティブネスが「関係構築」「課題遂行の促進」「社会変革」へ与える効果が検討されることが今後の課題であると提唱した。
著者
森脇 寛智 川下 理日人 田 雨時 高木 達也
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第39回ケモインフォマティクス討論会 浜松
巻号頁・発行日
pp.Y4, 2016 (Released:2016-09-22)
参考文献数
13

定量的構造-活性相関では、化合物の構造からその特徴を表す記述子を算出し、重回帰分析などにより予測モデルを構築する事が広く行われている。そのため、記述子を計算するソフトウェアは商用、非商用を問わず多く開発されている。PaDEL-descriptorは300回以上引用されている著名なソフトウェアで、多くの記述子を算出できる。そのため、我々も使用してきたが、これには多くの不具合が存在する事を見出した。また、最近では、特にニューラルネットワークにおいてPythonを使用して機械学習を行なう事が多くなってきている。これらより、我々は記述子計算ソフトウェアであるMordredを開発した。これはPython2/3両対応のモジュール、Command line Interface、ウェブアプリケーションから使用可能で、約2,000の記述子を算出できる。MordredはBSD3ライセンスで配布している。
著者
伊藤信博
出版者
名古屋大学
雑誌
言語文化論集
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, 2009-10-09
著者
冨田 睦雄
巻号頁・発行日
1998-03-25

本研究は、ブラシレス直流モータの位置・速度センサレス制御において、位置・速度推定の安定性が確保できる方法を提案し、センサレスでブラシレス直流モータを始動ならびに低速運転することのできる方法を提案することである。本論文は、次の6章から構成される。第1章では、本論文の背景と目的について示した。第2章では、ブラシレス直流モータの界磁と速度を推定するための適応スライディングオブザーバの構成法について述べる。位置は、推定した界磁の方向から求める。リアプノフの安定論を用い、速度適応同定則を導出し、速度推定誤差にロバストな磁束推定を実現する極配置設計について述べる。さらに、適応スライディングオブザーバを用いたブラシレス直流モータの位置・速度センサレス制御の有効性をシミュレーションにより確認する。第3章では、ブラシレス直流モータの速度起電力を推定するための外乱オブザーバの構成法について述べる。位置は、推定した速度起電力の方向から求める。ポポフの超安定論によって安定性を保証し、推定した速度起電力を用いた速度適応同定について述べる。さらに、DSP(Digital Signal Processor)を用いて、外乱オブザーバと速度適応同定を実機実装し、ブラシレス直流モータの位置・速度センサレス制御の有効性を確認する。第4章では、これまで困難とされてきた速度起電力が発生しない停止状態での位置推定法について述べる。回転子表面に導電性非磁性材料を貼付することにより、インダクタンスが変化する原理をモデルを用いて示す。次に、インダクタンスの変化により、2相通電を行なった時に残りの1相の電圧が、回転子位置に従って変化することを利用した停止位置の推定法について述べる。さらにマイクロコンピュータを用いた実験によって、本方法の有効性を確認する。第5章では、モータを零速度から速度起電力を用いたセンサレス駆動が可能となる速度まで加速する方法について述べる。停止状態の通電は、第4章で提案した停止位置推定法を用いる。最初に、120度形通電(2相通電)で運転する時に、残りの1相にわずかな速度起電力とともに、インダクタンスの変化による電圧の変化が重畳することを示す。次に、わずかに発生する速度起電力の影響を除去し、回転子の位置に従って変化する電圧を利用し、センサレス運転が可能となることを示す。さらに、マイクロコンピュータを用いた実験によって、本方法の有効性を確認する。第6章は、本研究で得られた成果をまとめ、望ましいセンサレス制御について述べ、今後の課題について述べる。
著者
猪狩 俊一郎
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2004年度日本地球化学会第51回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.105, 2004 (Released:2007-02-23)

秋田・新潟の油田ガス中のペンタン異性体とヘキサン異性体について研究を行った。その結果、これらの異性体間の比は生成温度の指標と考えられるエタンの炭素同位体比と相関を持つことが明らかになり、異性体間の比も生成温度に依存していることが推定された。また、2,2-ジメチルブタン/2,3-ジメチルブタン比とネオペンタン/イソペンタン比の間等には強い直線関係が観察され、ガス間の対比のよい指標となりえることが明らかになった。
著者
田邊 浩 山中 浩司 竹中 均 眞鍋 知子 松田 洋介 竹内 慶至
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

発達障害のある人びと,とりわけ発達障害のある成人に対する社会的支援は喫緊の社会的課題である.本研究は,日本においてより望ましい社会的支援を実現するための諸条件を探るために,異なった福祉レジームからスウェーデン,ドイツ,アメリカを選び,現地調査を実施するなどして国際比較研究を行なった.福祉レジームの違いが,異なった社会的支援のあり方を生みだしながらも,他方で全体としてどの福祉レジームにおいても社会的包摂をより重視する方向に進んでいることが明らかになった.日本でも発達障害のある人びとへの社会的支援は急速に進められつつあるが,社会的包摂の観点はなお弱いということ浮き彫りにされた.

5 0 0 0 OA 歩兵操典

出版者
鍾美堂
巻号頁・発行日
1904
著者
内山田 康
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.158-179, 2008-09-30

アルフレッド・ジェルは、美学的な芸術の人類学の方法は行き止まりに突き当たると言った。それはどのような行き止まりだったのか。この行き止まりを超えることはどのようにして可能だとジェルは考えていたのか。このような疑問に突き動かされて本稿は書かれている。ジェルのArt&Agency(以下AA)を批判したロバート・レイトンは、ジェルが芸術の人類学を議論する時、文化や視覚コミュニケーションを重要視しない点を批判した。もしも見直す時間が残っていたら、ジェルは、このような点を書き改めたに違いないとレイトンは言う。レイトンはジェルの作品全体の中にAAを位置づけなかったから、このような仮定が立てられたのだろう。私はAAをジェルのより大きな作品群の中に位置づけなおして、ジェルの芸術の人類学が前提とした認識論へ接近しつつ、その芸術の人類学で重要な役割を果たした再帰的経路の働きと、図式の転移について考察する。
著者
田島 幸一郎
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.63, 2004 (Released:2004-07-29)

1.はじめに わが国では、1960年代以降、自動車が普及したことによりライフスタイルが大きく変化した。こうした状況の中で、急速な勢いで台頭してきたのが幹線道路沿いに見られる「ロードサイド型店舗」と呼ばれる店舗である。こうした現象は全国的レベルで進展しており、ロードサイド型店舗が集中している地区では新しい商業地を形成するまでに至っている。このような傾向は住民の重要な商業拠点としての役割を果たしてきた中心商店街の衰退をもたらした原因の一つとして考えられている。2.研究対象地域と目的本研究では対象地域として神奈川県厚木市を取り上げた。厚木市内では国道246号線沿線と、国道412号バイパス沿線の2か所でロードサイド型商業地の形成が著しい。国道246号線は1964年8月に開通し、東京都渋谷区と静岡県沼津市を結んでいる。また、東名高速道路と並走しており、厚木I.C.は東京大都市圏の外縁道路と結ばれていることから自動車通行量が多く、ロードサイド型店舗も早い時期から立地が確認されている。それに対し、国道412号バイパスは1992年3月に開通した新しい幹線道路でありながら、すでに沿道には集中的に店舗が立地している。そこで、本研究では2ヶ所のロードサイド型商業地を業種構成や利用客の実態から比較し、双方の特徴を明らかにすることを目的とする。3.結果 国道246号線沿線地域においては、店舗の立地が始まった1960年代後半では自動車販売業や自動車整備業、ガソリンスタンドなどの自動車関連業の割合が高かった。しかし、1970年代に入ると、飲食業が急激に増加しチェーン展開している店舗が立地した。以後、国道246号線沿線では飲食業の割合が常に1位となっている。また、道路の持つ性格上、利用客は広範囲に渡っていることも明らかになった。このことから、国道246号線沿線の商業地を「通過型」に分類した。 国道412号バイパスは、厚木市の郊外地区を縦貫し、津久井郡へ抜ける生活幹線道路であり、特に厚木市内には吾妻団地をはじめとした住宅地が広がっている。これらの要因から、ロードサイド型店舗の主な対象客は地域住民であることが明らかになった。この通りでは、飲食店よりも衣料品店や家電販売店、自動車関連店などの物販店の割合が高いことから、国道412号バイパス沿線のロードサイド型商業地はその性格を「居住地型」に分類することができる。 このように、厚木市の事例では、通過型と居住地型の2つのロードサイド型商業地が存在し、その業種構成や、成立過程にも違いがあることがわかった。 表1 ロードサイド型商業地のパターン 通過型 居住地型立地 都市と都市を結ぶ 市街地と郊外住宅地を結ぶ 主要幹線道路沿線 生活幹線道路沿線顧客・商圏 広範囲 地域住民主体業種構成 飲食店>物販店 物販店>飲食店厚木市の場合 国道246号線 国道412号線バイパス