著者
金森 紀博 小泉 雅大 野嶋 栄一郎
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.299-308, 2014-12-25 (Released:2016-08-11)

一人一台の学習端末における繰り返し学習はCAIから始まり,eラーニングまで続いているが,単なるドリル学習ではモチベーション維持が難しかった.本研究では,「見えないライバル」とネットワーク上でリアルタイムに対戦できる「つながる学習システム」を開発し,実証実験を行った.同程度のレベルのグループに分けられることにより,競争への意識が高まり,計算,算数への肯定感だけではなく,家庭学習の習慣にも好影響があることがわかった.8ヶ月にわたる実証実験の結果,本システムを利用した児童は,利用しない児童に比べ比較的短期間で計算力が向上することを実証した.また,計算力向上がみられる伝統的な習い事と比較しても同程度以上の効果があげられ,特に低学力層への効果が高いことがわかった.
著者
竹内 啓一
出版者
日本島嶼学会
雑誌
島嶼研究 (ISSN:18847013)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.8, pp.39-48, 2008 (Released:2010-04-30)
参考文献数
6
被引用文献数
2
著者
Kenta Hirai Kei Nagai Takashi Ono Masayuki Nakajima Tomohiro Hayakawa Yoshinori Sakata Yoshiharu Nakamura
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
雑誌
Journal of Rural Medicine (ISSN:1880487X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.47-51, 2021 (Released:2021-01-05)
参考文献数
14
被引用文献数
1

Objective: Most cases of severe metabolic alkalosis have many causes that may result in renal failure and death. Therefore, these should be treated promptly for successful recovery.Patient: A 61-year-old man was hospitalized due to an acute kidney injury (creatinine level of 4.36 mg/dL) after a 3-month history of anorexia and recurrent vomiting. He had been treated for tuberculosis in the past.Results: Blood gas analysis revealed severe metabolic alkalosis with pH=7.66, HCO3=94 mmol/L, and pCO2=82.0 mmHg. Routine biochemical examination revealed severe hypokalemia (K 2.9 mEq/L) that was associated with prolonged QTc interval (0.52 seconds) on the electrocardiogram. Gastrofiberscopic examination also revealed severe stenosis and ulcerated scarring of the gastric pylorus and severe esophagitis. Intravenous hydration and correction of hypokalemia improved renal function and resolved metabolic alkalosis. An investigation that was repeated after 6 days revealed a creatinine level of 1.58 mg/dL, pH=7.47, HCO3=23.4 mmol/L, K=3.6 mEq/L, and QTc of 0.45 seconds. The patient underwent gastrectomy and adenocarcinoma was observed.Conclusion: We described a resolved case of severe metabolic alkalosis and acute kidney injury in a rural medical setting following conservative management.
著者
山下 慶子 喜友名 朝春 山口 雅浩
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.124-132, 2015 (Released:2015-05-26)
参考文献数
17

免疫染色を用いた病理診断において,Ki-67陽性率は良性・悪性の鑑別,悪性度や予後の推定などの目的で広く用いられている.免疫染色画像における細胞核を解析するシステムとして,whole slide image(WSI)の解析を人手を介することなく,自動で解析領域を選択し,画像パターンごとに検出条件設定を必要としない方法を提案する.提案手法を組み込んだ免疫染色画像計測システムを開発し,本システムによって算出されたKi-67陽性率は,目視カウントによる計測と相関が高く,解析法として有効であることが示された.
著者
Tomi Thurlin Tony Manninen Laura Thurlin 富安 晋介
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.115-125, 2008 (Released:2021-07-01)

マルチプレイヤオンラインゲームにおいて、ゲームキャラクタの価値はどのように形成されるのだろうか。プレイヤーの仮想自己全体に影響するような要素は何だろうか。大規模多人数オンラインゲー ム(MMOGs)の歴史を通じて、ゲームキャラクタは全てのゲーム内でのインタラクションと価値認識に おける中心的役割を果たしている。近年では、MMOGは人のアイデンティティの少なくとも一部を売り物にするような段階へと発展してきている。本稿では、仮想自己の具体的な価値構造について分析するために動機づけに関するフレームワークを応用した。その結果、ゲームキャラクタにおける達成、社交性、没入の 3つの要素が、どのようにプレイヤがゲームキャラクタに与える個人的価値を形成してい るのかを明らかにした。また、これらの要素がどのように将来のMMOGにおいて新たなビジネスの可能性を提供するのかについても論じた。
著者
小川 束
出版者
四日市大学
雑誌
四日市大学環境情報論集 (ISSN:13444883)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.235-253, 2001-03-01 (Released:2019-12-01)

The purpose of this paper is to examine the mathematical treatise Kujutsu Shinsho written by Heinouchi Masaomi, the master of carpenters in Edo period. The basic tools used in the book are right triangles and similarities between them. The materials are concerned with carpenters' daily works. Almost all problems are elementary but the problems about extracting square and cubic root are still very interesting for us, for he describes the procedure of drawing the square or cubic root for a given positive integer.
著者
原田 禎夫
出版者
水資源・環境学会
雑誌
水資源・環境研究 (ISSN:09138277)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.45-51, 2015 (Released:2015-07-11)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1

近年、海岸へのごみの大量漂着が各地で問題となり、生態系への影響も深刻化するなど、「海ごみ問題」は新たな地球環境問題として社会的にも関心が高まりつつある。こうした海ごみの多くは河川からの流出による陸域由来の生活廃棄物が多くを占めることが明らかになっている。しかし、河川の漂着ごみは移動性がきわめて高い上に、発生源が多岐にわたることから、その実態はほとんど明らかになっておらず、抜本的な対策も進んでいない。本研究では、こうした河川の漂着ごみをめぐる最近の研究や日本と韓国の取り組み事例をレビューし、その発生抑制に向けた社会的な仕組みづくりの課題について考察する。
著者
秋山 信彦 小笠原 義光
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.577-584, 1994-12-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
29
被引用文献数
3

シロウオLeucopsarion petersiの繁殖行動を水槽内で観察した。その結果, 本種の雄は巣を作った後, 雌を巣内へ誘引する行動を行うが, 巣に入ると求愛行動をとらずに, ほとんどの時間を巣の入口付近で行う水送り行動に費やすことが明らかになった。雌が巣に入ってから産卵するまでの日数は14から22日で, 雌は産卵後ただちに巣外に出るが, 雄は巣内に留まり, 水送り行動や卵清掃を行う。卵が孵化する1~2日前に雄は巣の入口を開き, 仔魚は孵化後ただちに巣外に出る。孵化後, ほとんどの雄は巣外に出て死亡するが, 稀に再び雌を誘引する行動をとる個体がいた。24回の観察中6例で2から3回雌に産卵させ, 孵化まで卵の保護行動をとった。また, 本種の巣にポリエステル樹脂を流し込み巣の大きさを測定した結果, 入口から最奥部までが50.4~111.6mm, 横幅が12.1~128.5mmの範囲であり, 高さは6.7~7.7mmであった。
著者
草野 佑介 寺岡 睦 京極 真
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.41-50, 2022-02-15 (Released:2022-02-15)
参考文献数
24

後天性脳損傷児の学校への適応プロセスにおける共通性と多様性を解明することを目的に,質的研究法である複線径路等至性アプローチを用いて5名の保護者の経験を分析した.その結果,後天性脳損傷児の就学(復学)プロセスにおける【適応をめぐる葛藤】という新たな概念および3つの分岐点が生成された.学校への適応は通過点としての目標である.適応という概念が葛藤を内包したゆらぎを帯びた状態であることを前提に,将来に待ち受けているライフステージの変化を考慮した,対象児と保護者の地域社会生活への参加における問題解決を長期的に支援することが作業療法士の役割として重要であると考えられた.
著者
荒木 一視
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2007年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.4, 2007 (Released:2007-04-29)

1.問題の所在 デカン高原・綿花栽培(・レグール土)という半ば方程式のような認識が長年にわたって学校教育の場に存在してきたのではないか。あるいはガンジス川下流地域の米作と上流地域の小麦作という図式に関しても同様である。例えば,1970年代から80年代にかけての高校地理教科書や地理用語事典では「デカン高原は世界的綿作地帯」「デカン高原で同国の綿花の大半を生産する」といった記述が認められる。しかし,こうしたインドの農業に対する認識は,決して正確なものとはいえない。近年高等学校の教科書などでは,地誌的な記載が減ってきたためインドの農業自体に割かれるページ数そのものが少ないこともあるが,なお,地図帳を含めた多くの教科書でこうした記載が認められる。本報告ではこうした誤解を生じかねない認識の背景を検討したい。これは決して記載内容の正確さを議論しようとするものではない。限定された時間とスペースの中では全く正確な記述などできるものではないし,必要に応じて情報が取捨選択されるのはやむをえないことである。むしろ,提起したいことはなぜこのように正確ではない記述が採用され,それが長期にわたって再生産され続けてきたのかということである。 2.インド農業の現状 デカン高原は決してインドにおける綿花栽培の突出した地域ではない。独立以来インドの綿花栽培はグジャラート州,パンジャーブ州及びデカン高原という3つの地域によって担われてきたというのが正確である。デカン高原はあたかもインド最大の綿花栽培地域のように教えられてきたが,州別の綿花生産量では1970年代から,80年代にかけてはグジャラート州が,80年代以降はパンジャーブ州が首位を担ってきた。デカン高原に位置するマハーラーシュトラ州が州別の生産量で首位になるのは1990年代半ば以降である(皮肉にもそれは日本の教科書からデカン高原の記述が少なくなる時期と重なる)。また,デカン高原の綿花栽培の特徴としてはその生産性の低さが挙げられる。2002年のマハーラーシュトラ州のそれは158kg/haでパンジャーブ州の410kg/haを大きく下回っている。 また,多くの地図帳を含めた教科書で,ガンジス川下流域での米作と上流域での小麦作をインドの農業の地域区分の骨格のように示しているが,中・上流に位置するウッタルプラデシュ州やパンジャーブ州の米作が貧弱というわけではない。無論のこと両州は小麦の州別生産量では群を抜くトップ2であるが,同時に米の生産量でも2位(ウッタツプラデシュ州),4位(パンジャーブ州)であり,従来は米作の盛んな地域とされてきたビハール州やオリッサ州の生産量を凌駕している。 3.どのような趣旨のもとに教えられてきたのか それではどのような趣旨のもとで,この決して正確とはいえない情報が長年にわたって教え続けられてきたのだろうか。第1に考えられるのは「地域の環境とそれに応じた農業」という文脈が強調されたということである。すなわち,土壌や降水量などの環境条件と栽培作物を関連させ,自然と人間活動の関わりを教えるという文脈から,デカン高原の綿花やガンジス川上流と下流の農業の違いを典型例として例示したという仮説である。第2には経済(農業)開発という文脈の強調である。従来,生産性が低く雑穀類の生産が主であったデカン高原で,商品作物の綿花が導入されることで,同地域の経済や農業の発展が促されたという点を積極的に評価する事例としてもちいられたという見方である。第3には土地利用を優先した農業観の存在である。「世界地理」(石田龍次郎ほか編,1959)では,主要作目別の土地利用比率からインドの農業の姿を描き出している。当時デカン高原では生産量は十分に向上しないものの作付面積では他に比べる品目が存在しなかった。一方,パンジャーブ州などでは,綿花生産量も大きかったが,小麦の作付面積の広さが強調された。こうした理解がそのまま,教科書に反映されたものと考えることも可能である。 今日インドの農業の状況は私たちの世代が教えられた状況とは大きく変わりつつある。その際,漫然と従前の知識を伝えるのではなく,どのような趣旨のもとでそれを教えるのか,今求められている趣旨は何かを十分に検討する必要がある。
著者
岡島 俊英 五十嵐 雅之 江口 陽子 内海 龍太郎
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.416-427, 2019-07-01 (Released:2020-07-01)
参考文献数
79
被引用文献数
1

抗菌薬は病原菌による感染症の治療になくてはならない薬剤であるが,各抗菌薬に対する多剤耐性細菌の出現に加え,近年,腸内細菌叢(マイクロビオーム)に及ぼす2次的な健康被害(免疫疾患など)が報告されている.これらの欠点を克服した次世代型抗菌薬の一つとして,病原菌の情報伝達(two-component signal transduction: TCS)を標的にしたヒスチジンキナーゼ阻害剤の開発が期待されている.本稿では,ヒスチジンキナーゼ阻害剤の開発の現状と重要性を解説する.
著者
浅田 浩二
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.251-259, 1999-04-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
18
被引用文献数
4 1
著者
戸谷 吉博
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.434-437, 2009-09-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1

多くの生物は好気条件下において,1分子のグルコースを完全に酸化することで最大38分子のATPを獲得する。このような代謝における生化学反応の多くは酵素の触媒によって進行する。また,細胞内の代謝物質の量を一定に保つため,複雑な調節メカニズムによって制御されている。
著者
茂木 暁
出版者
日本人口学会
雑誌
人口学研究 (ISSN:03868311)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.55-74, 2014-06-30 (Released:2017-09-12)
被引用文献数
3

本稿は,日本女性の結婚への移行について,夫婦がどのようにして出会ったかという「出会い方」の違いに注目しながら分析する。従来の研究では,移行元として未婚という状態から,移行先として既婚という状態への単一の移行を分析対象とする移行像(単一移行)を想定し,移行が起こりやすい年齢と,移行の発生に影響する要因(規定要因)について分析してきた。これに対して本稿では,夫婦の出会い方(以下,「出会い方」)の違いに対応して,移行が起こりやすい年齢と規定要因とが異なる可能性について検証する。具体的には,「仕事・職場」,「友人紹介」,「学校」,「インターネット・携帯」,そして「その他」という5種類の「出会い方」を想定した上で,「出会い方」別の結婚を,競合リスク事象として取り扱い,それぞれの結婚への移行ハザード率を,年齢と,初職属性や学歴などの規定要因によって説明するモデルの推定を行う。『働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査』を利用した分析の結果,上記の可能性を支持する実証結果を得た。第一に,年齢の違いについて,「学校」は,移行が起こりやすい年齢区間が他の「出会い方」と比べて狭くなること,「インターネット・携帯」は,移行が起こりやすい年齢が他の「出会い方」と比べて高くなるという知見を得た。第二に,規定要因の違いについては,初職属性である雇用形態・企業規模・労働時間の3つが「仕事・職場」という「出会い方」での結婚への移行に対してのみ影響するという結果を得た。また,学歴の高さについては,「仕事・職場」や「友人紹介」での結婚を抑制するという結果を得たが,「学校」という「出会い方」についてのみ結婚を促進することが明らかになった。