著者
竹之内 禎
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.505-510, 2013-12-01

本稿では,基礎情報学の観点から,図書館・情報サービスの一環としての情報発信において,留意すべき情報倫理の問題として,4つの点について論じた。第一に,情報の受け手は「心」であり,心は「自律的システム」であるため,同じ情報(刺激)を受け取っても,一人ひとりの心に形成される意味内容は異なっている。第二に,高齢者,障害者などの利用に配慮した「情報のユニバーサルデザイン」への配慮が必要である。第三に,情報発信の内容に含まれる人格への配慮が必要である。第四に,歴史研究,科学研究における定説と異説の存在を考慮することが必要である。
著者
橋元 良明
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.480-485, 2013-12-01

インターネットは,1)それまでのメディアでやりとりされたすべての情報種を受発信でき,受信情報の編集・保存も容易であること,2)ほとんどの地域で国家等の「制度」の制約を受けないこと,3)情報の発信に大きな資本力を必要とせず,対価なしで多くの情報を受容できること,等の点で画期的なメディアである。橋元研究室で継続的に実施している「日本人の情報行動調査」によれば,2012年には,10代においてネット利用時間がテレビ視聴時間を上回った。ネットの普及により情報の受容という側面では,コミュニケーション系情報の受容量が増え,それによって個々人の「主観的現実」の多様化・個性化が進行した。また,関心領域の狭小化などの現象も進みつつある。一方で,若年層の文字情報の受容量はむしろ他の年層より多くなっている。情報の発信という側面では,誰もが自分の作品や意見を発信でき,音楽や文芸の世界でも変化の兆しがある。しかし,CGMはアクセス数やリンク数が評価の基準になることが多く,既存のメディア経由のものと比べ,質的な面では不安定である。
著者
Cortes Maria Daisy S. Alcalde Jhoana V. Camacho Jose V. Jr.
出版者
大阪大学大学院国際公共政策研究科
雑誌
国際公共政策研究 (ISSN:13428101)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.75-88, 2012-03

This study examined the effects of computer games on school performance of high school students in Los Baños, Laguna, Philippines. Allowance, gender, peer group and year level positively affect student's decision to play while time spent on studying, year level, previous grade, number of books and time spent playing computer games are found to be significant in affecting student's performance. Results showed that the probability of a computer gamer to fail is 39%, given the student has more than four siblings, a previous grade of at most 84, lesser teachers, lesser hours on studying, living near a computer shop, and spends more hours playing computer games. Moreover, 60% of the students' daily allowance is spent on playing computer games.
出版者
日本食糧新聞社
巻号頁・発行日
1990

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著者
片田 計一[製作]
出版者
日本国有鉄道[企画]
巻号頁・発行日
1961

<作品概要>
著者
りそな銀行信託財産運用部
出版者
りそな銀行
巻号頁・発行日
vol.2011, 2011-05
著者
仲井 真治子 比嘉 美佐子
出版者
琉球大学
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.183-193, 1967-10-01

本研究は, 環境, 年代の違いによる着用色の傾向を検討することを目的に, 沖縄の北部, 中部, 南部, における20&acd;50代代の沖縄婦人の街着を調査対象に, ルイス・チェスキンの色円板, 及び日本色研式の色彩統計盤を使用して行なった。更に, 沖縄における5カ年の着用色の動向を把握するために, 沖縄の中心都市, 那覇における20&acd;30代の婦人の街着を調査対象として行った。X^2検定, 標準偏差, 及び偏差積法による資料の分析から次項の結果が得られた。1.沖縄本島の三地域(南部, 中部, 北部)と着用色の関係を, 色相, 明度, 彩度の面から検討した。1)着用率の高い五色相と三地域をX^2検定したが, 有意差がみられた。南部においては寒色が好まれ, 中部においては, 暖色が多く好まれ, 北部においては無彩色に偏っている。という傾向がみられた。2)三地域の明度, 彩度を1から9段階に分けてそれらの分布度を標準偏差で求めた。明度, 彩度ともにσの数値に顕著な差がみられた。中部においては明度, 彩度ともにσの数値が低く, 南部, 北部の順に高くなっている。即ち, 南部, 北部の分布は, 明度は中明度, 高明度に偏り, 彩度は中彩度, 低彩度に偏している。中部における明度・彩度の分布は, 他の二地域に比べてこの傾向が低く, 低明度, 高彩度にも広がっていることがわかった。2.5カ年の着用色の変動をみるために1)14色相, 及びそれの明度, 彩度の5カ年の分布度を標準偏差で求めた。その結果, σの数値は年々減少していく傾向を示している。この傾向は色相において最も顕著で, その次明度, 彩度の順位でσの数値が減少の傾向を示している。全般的にみたσの数値, 及びσ値変動の度合も, 色相, 明度, 彩度の順に高くなっている。沖縄の婦人が色の三属性で一番むつかしいとされているのが彩度であることがわかった。2)5カ年を通しての色の安定度は季節に左右されるもので, 夏季の服色においては, 青緑, 茶, 白が安定度が高く, 黄緑, 青紫, 黒は低い。冬季の服色では, 橙, 茶, 黒が安定度が高く, 赤, 黄緑, 白が低い。季節に関係なく安定度が高い色相は茶で, 季節に関係なく低いのは黄緑となっている。3.年代と着用色の関係は, 20&acd;30代と40&acd;50代の間隔から着用色に差がみられた。年代弁別色は, 青, 白, 赤, 赤紫, 黒, 茶, となっている。年代と明度との関係にも差がみられた。年代と彩度の関係が最も顕著であった。今回の服色研究は, 地域差と年代差を1963年夏の資料に限り, 5カ年の服色の動向を那覇における資料に限った。更に20代と30代のみを5カ年の変動の対象とした。今後はそれぞれの要因を全て包含させた調査を各季節ごとに, 毎年継続していくことによって, 沖縄における服色を体系づけたい。
著者
荒木 尚志 池田 悠 富永 晃一 山川 隆一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

非正規雇用の中核を占める有期雇用に関して、まず、欧州の規制アプローチとアメリカの市場調整アプローチという対照的政策の存在を明らかにした。次に、欧州の規制アプローチを、締結事由規制、濫用規制、不利益取扱い禁止規制に整理し、締結事由規制から濫用規制へという規制比重の変化を明らかにし、ここから重要な教訓を得るべきことを主張した。2012年には、濫用規制を中心とする労働契約法改正が実現したため、新設条文および有期労働契約法理における基本概念について解釈論的検討も行った。有期労働・パート労働・派遣労働についての規制の相互関係や、雇用形態差別として議論されている課題についても検討を深めた。
著者
Yoshinori KATAKURA Eriko NAKATA Yukiko TABIRA Takumi MIURA Kiichiro TERUYA Toshie TSUCHIYA Sanetaka SHIRAHATA
出版者
(社)日本農芸化学会
雑誌
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry (ISSN:09168451)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.815-821, 2003 (Released:2003-06-28)
参考文献数
23
被引用文献数
12

We have previously reported that transforming growth factor β (TGF-β) triggers two independent senescence programs, 1) replicative senescence dependent upon telomere shortening and 2) premature senescence independent of telomere shortening, in the cell line of A549 human lung adenocarcinoma. In this study, we examined the possibility that cancer cell tumor phenotypes could be suppressed by forced senescence. We used A549 cells treated with TGF-β for a long time (over 50 days), where senescence was induced in a telomere-shortening-dependent or an independent way. Fully senescent A549 cells were elongated, acquired contact inhibition capabilities when reaching confluence, and secreted the senescence-associated cytokine IL-6. Furthermore, senescent A549 cells had no tumorigenicity in nude mice. These results indicate that the forced induction of senescence in cancer cells may be a novel and potentially powerful method for advancing anti-cancer therapy.
著者
佐々木 和子 水本 有香 小川 千代子
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.65, pp.134-143, 2013-11-30

2011年3月11日におこった東日本大震災では、文化庁は文化財レスキュー事業を立ち上げた。歴史資料ネットワーク(神戸)は、宮城資料ネットとともにその事業に加わり、地域の「記録」の救出をおこなった。救出対象となった「文化財」の範囲は、非常に幅広く、いわゆる「文化財」「美術工芸品」だけでなく、通常「文化財」と認識されていないものも救出した。そこには被災行政文書も含まれた。宮城資料ネットは、津波被災地をまわり、90件の緊急資料救出活動を実施した。そのうち、67件を仙台市に搬送し、ボランティアの手で応急処置を施している。神戸大学は、阪神・淡路大震災での救出された資料がその後どうなっているかの調査をおこなった。その結果、すべての資料の保存先と、約80%の資料の目録作成がおこなわれていることが判明した。中越地震の後では、資料ボランティアの仕事の細分化をおこなったことにより、東日本大震災では、多くのボランティアの参加が可能となった。
著者
石井 幸雄 浜田 行弘 菅 真城 松岡 美佳
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.65, pp.109-133, 2013-11-30

多くの大学が改革を加速させている。社会からの要請、18歳人口の減少、法令改正など外部環境の変化に的確に対応することは、大学が生き残る上で不可欠だからである。大学があるべき姿を実現するために、どのような戦略をたて、ヒト・モノ・カネ・情報という経営資源をどのように管理していくのかが喫緊の課題だと認識している。本稿では、大学の事務組織の業務を対象として、私物化意識の排除、事務の効率化支援、意思決定の最適化支援の観点から文書管理について考察する。大学認証評価制度の観点から内部質保証に資するための情報共有について言及し、「文書管理は大学経営の基盤である」という仮説の検証を試みる。
著者
上田 雄太
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.65, pp.100-108, 2013-11-30

情報リテラシー教育の目的は、「情報の収集・分析・発信までを総合的に学ぶ」ことである。その為には、IT機器の使い方やインターネットの活用方法だけではなく、アーカイブや図書館の活用方法についても学ばなければならない。図書館と情報リテラシー教育の連携は、既に行なわれているものの、アーカイブと情報リテラシー教育の連携は、まだ行なわれていない。一方で、アーカイブは、社会科や総合的な学習の時間との連携を深め、授業への支援を行っている。そこで本稿では、情報リテラシー教育とアーカイブの連携の可能性について考え、高等学校の情報リテラシー教育におけるアーカイブ活用教育の必要性とその導入案を提案する。
著者
小形 美樹
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.65, pp.65-78, 2013-11-30

学業も職務も全うする際の拠り所となるのは文書(記録)であるが、これらを適切に管理することについては、昨今、注目されているキャリア教育や職業教育でも、さほど扱われることはなく、学生が文書管理の意義や方法について学ぶ機会はほとんどない。そこで、本研究では、文書管理に関する講義を受講した大学生を対象に行ったファイリングに関するアンケート調査の結果から、学生の文書管理の現状と意識について報告する。